シャポンの脚   作:ウニダコ

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おわり


第2話 3人の午後(おわり)

 一介の女子高生であるアマテ・ユズリハにとって、お金とは紙幣や硬貨といった物質的な概念より電子上の数字の羅列という印象が色濃い。コスメやらスイーツやらの会計はたいてい電子マネーで完結するし、母の銀行口座から毎月振り込まれるお小遣いは主にキャッシュレス決済サービスで使われる。旧世紀のアニメイションで見られた、硬貨一枚渡されてなんとかやりくりする、というものは、彼女にとってはハイスクールの歴史の教科書を覗き込むことと同様の感情を抱かせるものだった。

 

「アンタの分さ」

「ワケマエ! ワケマエ!」

 

 カネバン有限公司。ネノクニにある会社。実態は反社会的勢力の隠れ家。乱雑な事務所。そのボスのアンキーさんからばさりと手渡された茶封筒に,アマテ・ユズリハは新鮮な興奮を覚えた。玩具ロボットのハロが電子音声でさえずる。

 ほー,と息を遣いながら,受け取ったばかりのそれをクルクルと弄びためつすがめつ。ずっしりした重み,そして厚み。中身の金額を雄弁に物語っている。昔に観たノワール・ムービーで、違法な金が現金で渡されているのを思い出した。足がつかないとか、なんとか。これもそういうことだろうか。

 

「色をつけておいたからね。これからもよろしく頼むよ」

「コレカラ,コレカラ」

「これから?」

 

 白い肌を晒している両腕を組み、不敵な笑みを浮かべながらアンキーさんはそう言った。これから。なんのこと? 決まっている、クラバのことだ。クラン・バトル。略してクラバ。モビルスーツを使って、賞金を賭けて勝敗を競う。ジャンク屋業者が創めた。数日前に参戦し、そして勝利した。

 

「あれだけの大立ち回りを見せたんだ。まさかこのままオサラバなんてのはないだろう?」

 

 うぅーん。むぅ。悩む。悩むそぶりを見せる。

 実のところ、悪い気はしていない。思うがままに機動するジークアクス。偽の重力に囚われない自由な宇宙(そら)。何よりも、マヴのシュウジと通じ合って垣間見たキラキラ。

 しかし、これまで善良な一市民として生きてきた自分にとって、経歴に犯罪歴が付くのは御免被りたかった。いや、バレなければいいのかもしれないが、公序良俗に反しているというのは心理的に良くないものがある。

 

「俺はまだ納得してない。リスクがでかいから反対したんだ。ガキ」

「まだ言ってる」

 

 机に腰掛けているナブさんが、ラップトップのキーボードを打ち続けながら一瞥もせず吐き捨てた。椅子の背もたれを抱きながら逆向きに座っていたケーンさんは、スマート・フォンを弄りながらボソリと反応した。

 ムッとする。そりゃあアウトローの彼らから見たら、自分は温室でぬくぬく育った世間知らずの子供だろう。門限を気にするくらい。だけど、このクランをウィナーにしたのは私なんだぞぅ、と胸に抱いた。口には出さなかった。

 

「ほんとのとこ、俺たちみんな感謝してるよ。貧乏弱小クランが強豪に勝てたんだから。ほら、大穴ってやつ」

 

 ありがとね、とケーンさんは言ってくれた。どーいたしまして。素直に返した。

 

「勝手に俺を入れんなよ! そりゃありがたいことはありがたいけどよ。ガキなんていつビビッて逃げ出すかわかったもんじゃねぇ。よく信頼できるなてめぇら!?」

 

 部屋の隅で黙っていたジェジーさんが、口角に泡を飛ばして怒鳴った。ポメラニアンという名のポメラニアンを撫でていた。怒声。癇癪。ヒステリック。目が据わり、眉をひそめる。信頼できないのはわかるけど、言い方というものがあるはずだ。

 

「いいかぁ! 怖気づいて軍警にタレ込んだりすんなよっ。そんときゃテメーも道連れだからな!!」

「あぁー、うん。はい。それじゃ失礼しまーす」

 

 ホントにわかってんのか、と愛犬のポメラニアンと共にキャンキャンわめき続けるジェジーさん──犬の方はかわいいけど、飼い主の方はかわいくない──を意識から外して、さっさと封筒をバックパックに詰め込む。ジッパーを閉めてバックパックを背負い、事務所の扉に手を掛けた。

 

「何に使うんだい?」

「ムダヅカイ,スルナ。スルナ」

 

 アンキーさんが尋ねる。ハロがさえずる。おせっかいだなこいつ、と思う。

 んー、と首をかしげ、視線を斜め上に向ける。別に嘘をつく必要もなく、正直に答えた。

 

「バイト代……と、食事代?」

 

 なんじゃそらとジェジーさんが唸った。

 無視して、汚れの目立つ扉を開けた。

 

 

 

 

 

 13:00。名前も知らない高架下。武骨なコンクリートでできた柱には、よくわからない落書きがされている。どこの誰が書いたともしれないそれらは何を象っているかもあやふやで、特段興味をそそられない。

 

「ニャアンはさ、なに食べたい?」

「……何の話?」

 

 何となしに発した私の言葉に、ニャアンはこちらを見て、困惑に満たされた返答で説明を求めた。突然に過ぎたと反省する。

 そういえば、境内で会ったときと違って、彼女はサングラスをかけていない。彼女の左目が視野に入る。目元にあった痣は、まだ完全に消えてはいないものの、着実に薄くなっていた。自分のことのように、少し安心した。

 

「クラバの打ち上げ。どっかで一緒にご飯食べよ。シュウジも誘うから」

「……いいよ、私はそういうの。二人だけで行って」

 

 ニャアンは目線を外した。痣が見えなくなる。それにしても背が高いな、とぼんやりした感想を抱いた。

 

「施しなんていらないから。デバイス代だけ払ってくれればそれでいい」

 

 施しとか、そういうのじゃないんだけどな。私としては、信じてデバイスを渡してくれたことへのお礼とか、あるいはもっと軽い誘いのつもりだった。

 難民として生きてきた彼女と、平穏な人生を歩んできた私との間に、大きな隔たりを感じる。彼女の返事からは、遠慮や謙抑とは別の色を感じられた。

 ニャアンにとって他者からの誘いとは、裏切りや下心を含んでいるのかもしれない。同い年の彼女が、そんな荒んだ感情を抱くに至った背景があると考えて、なんだか無性に悔しかった。

 

「でも、誰かと食べる方が楽しいと思うけどな」

「いらないよ……というかこれどこに向かってるの?」

 

 怪訝そうにニャアンが聞いた。いまさら。シュウジも誘って、三人で食事に行こうとしていたのだ。これまで特に何かを問うこともなくついてきた彼女は、どこか抜けていると思う。先ほどまでの警戒具合を感じさせない。名前と同じで、意外とかわいい。

 

「シュウジのとこ。いっしょに来てよ。そのあと代金払うから」

「えっ? ちょっと」

 

 横断歩道を渡っていて、青信号が点滅した。警告していた。慌てて走り始める。ニャアンも走る。渡り切って、彼女を見た。

 

「いこ」

 

 得心がいかなそうだったけど、諦めたのかついてきた。分かっていたけど、彼女は押しにあまり強くない。すこしだけ、心が痛んだ。

 

 

 

 

 

 

 スマホの明かりが暗い配管を照らし出す。ヒトが通っても問題ないほどの半径を有するそれには水が流れている。下水道・ドブといった単語が脳を馳せるが、悪臭の類は感じられない。上水道なのだろうと、少ない知識で断定する。

 

 二人分の足音が響く中、記憶を頼りに目的地を目指す。地下水道はどこを見ても同じ景色で、もう少し日を跨いでいたら迷っていたかもしれなかった。

 

 管が狭くなってきたころ、扉が現れた。見覚えのある光景にホッと息をつく。ノックをしようとして、鉄製なことに気づいた。

 

「シュウジ、いるー?」

 

 10秒ほど待つ。答えがない。生き物が動く気配すらない。ドアノブに手をかけてみる。抵抗がない。鍵がかかっていないということは、いるはずだ。

 

「入るよー」

 

 思い切ってドアを開けた。薄暗くも、ある程度広い空間が広がった。奇妙、ともすれば異様な。

 壁、床、天井のすべてがグラフィティで覆われている。色とりどりのスプレーペイントが絡み合い、混沌としたエネルギーを放っている。全体としては線と半楕円を組み合わせたパターンの反復だが、その色彩は多様だ。赤。青。黄。etc。色は洪水となって、高揚と興奮をもたらす。あるいはキラキラ。

 

 空間の中心に赤い巨人が跪いていた。膝と肘を着く形で、こちらに頭を向けている。先のバトルで私のマヴを務めてくれたシュウジが駆る機体──ガンダム。機体の各所には傷が目立ち、対戦相手から受けた格闘攻撃の跡が残されている。勝てたからいいものの、未熟なばかりに彼とガンダムを危機に晒したことを恥じる。狭い空間に押し込められている様相は、見ていると辛そうな体勢だった。

 

「シュウジー?」

 

 入口の真上に固定された小型船に声をかける。廃棄されたスペース・ランチを転用したもの。シュウジはこれを部屋として使っている。きっとここにいるはず。

 ランチに掛けられている梯子を登って、中を覗き込む。暗い。スマホを向ける。持ち込まれたであろう、毛玉の目立つマットレスの上に、人影が浮かび上がる。存外にあっさりと見つかった。コンチと呼ばれる、四つ足のロボットが隣に転がっているのも見えた。ただ。

 

「お、おーい? 生きてる……よね?」

 

 ピクリとも動かない。眠っているのではない。睡眠時特有の息遣いは、もっと大きい。これはあまりにか細くて、衰弱という表現が適しているような。

 

「おなかすいた……」

 

 起き上がらない。できない。弱弱しく発せられた言葉で、すべてを理解した。

 お金がもうないと言っていた。私がぶつかったせいで川に落とした硬貨が全財産だと言っていた。まさか、まさか!

 

「まっ……まさかあれから何も食べてないの!?」

「たべてない……」

 

 同意するように、コンチがぴくぴくと機脚を痙攣させた。所有者に負けず劣らず、消え入るような駆動音と電子音だった。

 こうしちゃいられない。いまシュウジに必要なのは、なによりも栄養だ!

 

「ニャアン手伝って! シュウジ運ぶから!」

「え、えぇ……」

「はやく! 足のほう担いで!」

 

 ランチからシュウジを担ぎ下ろし、ニャアンに発破をかける。自分はわきの下から手を入れて前腕をつかみ、ニャアンには足を重ねて抱えてもらう。コンチにはとりあえずモバイルバッテリーを挿入して、鞄に突っ込んだ。重い。

 

「ど、どこに運ぶの? 病院とか?」

「ファミレス! 行くよっ」

「えちょっと待」

 

 わぁーっ。駆ける、駆ける。グラフィティを抜けて、上水道の管。走る振動でスマホが揺れて、光がランダムに壁面を照らす。急ぐ。地上と地下を繋ぐ梯子状のステップは、最後の力を振り絞ったシュウジが自力で登りきった。直後にシュウジは倒れた。

 

「さ、さんにん……あいてますか」 

 

 一番近いファミレスにたどり着いたとき、私たちの中に余力のある者は誰一人としていなかった。息も絶え絶えに入店した私たち三人を、店員さんは特に何も聞かずに席に通した。きっと、問い詰めるのを面倒に思ったに違いない。

 私もきっと、同じ立場なら関わりたくないと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一目散に注文したコーンポタージュを、シュウジは一息で飲み干した。彼の五臓六腑が潤されていくのを尻目に、メニュー表をニャアンに渡す。

 彼女は勢いで入店したことに今になって気づいたようだが、観念したようで、そのまま運命を受け入れた。図らずも当初の思惑通りになったことに、胸の内でひそかにほくそ笑む。

 

「……」

「とりあえず水飲む?」

 

 居心地が悪そうにメニューに目を通しているニャアンにグラスを差し出す。「あ、ありがとう」水を口に含ませた。ごくんと勢いよく、浅黒い喉が隆起した。緊張しているみたいだった。

 

「好きなもの頼んで。クラバの賞金だから」

 

 私たち三人で勝ち取ったものだよ。

 

「……うん」

 

 ニャアンはか細く返した。

 いつの間にか注文され運ばれていたカレーとオムライスが、ステンレス製のカトラリィであっという間に切り崩され、シュウジの口の中に消えていった。ニャアンは一通りメニューを確認した後、ハンバーグステーキをタブレット端末で注文した。比較的安価な品物だった。もっと豪勢にやっちゃっていいのにな、と思う。

 

「ニャアンってさ」話題を変えた。

「いつもどこで食べてるの」

「別に……家でインスタントとか、屋台で食べてるよ」ニャアンは窓の外を見た。

「そっか」

 

 沈黙が流れる。シュウジはナポリタンをフォークで絡め、次々と平らげていく。「ゆっくり食べなよ」とりあえず注意してみた。「だいじょうぶ。平気だから」すまし顔で返された。相変わらずつかみどころがなくて、不思議な感じだ。あとハンサム。

 シュウジはその凄まじいペースとは裏腹に、口の端にソースはついていない。ぜんぶ一口で食べてるから。

 

 やがて、私の前にパスタセットが届いた。ニャアンの前にはハンバーグステーキ。そういえばハンバーグステーキって、ハンバーグと何が違うんだろう。フォークとナイフでぎこちなく肉を切り分けるニャアンは、少し興奮しているように見えた。肉の前ではみんなが正直になる。

 

「美味しい?」

 ニャアンはハンバーグを一口食べた後、小さく頷く。

「よかった」

 

 肉は淡々と切り開かれ、ニャアンの口に放り込まれていった。そこそこペースが速い。それがあまり食べれてないことの反動か、純粋によく食べるからか私にはわからない。後者だったらいいな。ピラフをスプーンでかきこんでいくシュウジを見ながらそう思った。私のマヴ、すごくよく食べる。

 

「……私、あんまり誰かと食べたことないから。マチュみたいに思えない」

 

 ニャアンは目を伏せていた。照明で色濃くなった影に隠されて、目元の痣は見えなかった。シュウジはグラタンのペンネ数本をまとめてフォークに突き刺し、ソースを絡めて一度に食らいついている。

 

「でも、こうして……他の人と一緒に食べるの、初めてじゃない」

 

「え?」

 

「昔」ニャアンは言葉を切った。「……何でもない」

 

 追及しなかった。無理に聞き出すべきことではないと感じた。

 シュウジはグラタンを食べ終え、デザートのパフェに取り掛かっていた。食べ方はもう少し落ち着いている。エネルギーが戻ってきたのだろう。

 

「あのモビルスーツ。どうやって動かしてるの」

 

 ステーキの最後のかけらを飲み込んで、ニャアンが聞いてきた。

 まぁ、気になるよねと納得する。ニャアンと私は同い年だ。プチモビ程度ならまだしも、17歳が正規のモビルスーツを動かしたのだから。しかしそれは、隣で二つ目のジャンボパフェをパクついているシュウジも同じなわけで。もしかすると、MSを操縦できる17歳ふたりが一堂に会しているというのは、奇跡と呼んでも過言ではないのだろうか。

 

「よくわかってないけど……」

 

 うーん、と唸りながら、説明文を頭の中で組み立てる。あれを説明するのは、ウンヴェルトとか、クオリアとか、そういう方面の難しさがある。理解より感覚が先行して、無意識に滑り込んでいる。

 

「動けって思えば動くし、避けてって思えば避ける。ぐーんってやったら、ばーって翔ぶし」

 

 どぎゃーん。どじゅーん。ばーん。どひゅーん。

 擬音のメドレー。意味すら持たない。

 

「ふふ 何それ」

 

 出来の悪いシンフォニーに、ニャアンは口元を抑えてくすりと笑った。その上品な所作に、自分の説明の稚拙さが際立った気がして。頬が紅潮する。

 

「……今の忘れて」

「うん、ふふ。わかった」

 

 余裕そうに笑うニャアンが、なんだかもっと大人っぽくて。メニューを開いて、強制的に視界を遮った。デザートだ。スイーツを摂取しなければ。

 

「デ、デザート、何にする? 私、このパフェにする!  シュウジも食べてたやつ」

 

 どう? メニューを手渡して、促した。ニャアンは少しだけ躊躇うも、滑らかな動作で品定めをしていた。

 

「……じゃあ、これ」ニャアンはようやくメニューを指さした。チョコレートパフェだった。

 

「いいね!」

 

 少したってデザートが届き、二人それぞれのパフェを前に座った。シュウジはようやく満足したみたいで、モバイルバッテリーの低速充電で本調子を出せていないコンチを抱えていた。

 

 パフェにスプーンを入れ、イチゴとクリームを口にすくい入れる。酸味と甘みが口いっぱいに広がって、ふんわりとしたクリームがそれらを包み込む。いいイチゴを使ってる、この店。

 

 ニャアンを見ると、スプーンを口から離し、表情を緩めていた。とても幸せそうで、こっちも幸せになる。連れてきてよかったと心から思う。

 

 何気ない会話を、パフェが尽きるまで続けた。キラキラはしていなくても、ゆっくりと包まれて、温かい時間だった。また味わいたい時間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 コンチを抱えて隠れ家に戻っていくシュウジを見送ったあと、しばらくニャアンと連れ立って歩いた。時間はとうに夜時間で、採光でなく街の照明が喧噪を照らし出している。

 

「そういえば、スマホ……修理できるの?」

 

「え? あ~、スマホ。スマホね……」

 

 ニャアンの問に、しばし逡巡する。今日の食費とデバイス代を除いても、ギリギリ足りるくらいはあるのだ。

 ただ、ここで修理してしまうと、なんだか今日せっかくできた繋がりが、消えてしまうような気がして。

 

「あれは……まだいいかな。また、こんど」

 

「?」

 

 ニャアンは腑に落ちていないようだったが、とくに追及してこなかった。

 

 歩く方向が変わるまで、一緒に歩いた。何か話したわけでもなかった。某公園の近辺に差し掛かった頃、とうとう方向が変わった。

 

「じゃあ、またね」

 

「 うん」

 

 また。

 手を振って、そう言った。ニャアンもそう言った。

 

 また会える。明日か、明後日か、明々後日か。いつかは分からないけど、また会える日にはきっと会える。

 

 上を見上げると、ジオンの宇宙戦艦が相変わらず漂っていた。コロニーの中心区画は遠心力の発生しない無重力帯で、筒状の世界の中心だ。

 コロニーの宙港はきまって中心軸に則した場所にある。そこで降りた人々は、エレベータを用いて円周に向けて拡散し、大地に足を下す。

 

 おそらくその宙港をぶち破って侵入してきたであろう戦艦は、今日も堂々と威容を放っている。これまでの人生で初めて見た光景で、当局の役人であるお母さんには悪いけど、退屈さとは無縁の景色だった。

 

 きっと明日も、在る。

 ニャアンたちとも会えると思うと、自然と足取りは軽かった。

 

 

 

 




マチュとニャアンにフォーカスしたくて
シュウジくんただの食いしん坊にしてしまった
ごめん
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