アルシェ激推しによるOVERLORD 作:ヤーナム産の明太子のなにか
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「さて、前話したことは覚えているな?」
『はい、確かに。そのお話をされるということは...そういうことですね。』
「うむ。今、この帝国の膿を焼き焦がす時だ。」
『…承りました。
今宵、この帝国を焼血で満たし、そして貴方の望む帝国の実現、その一因として尽力させていただきます。』
ローリアンは現在、帝国の王座の前にて跪いている。
緊張の一つでもしそうなモノだが、精神はもう異形種なので、そのようなものは一切ない。
というか、ローリアンの思考の大方は、デーフェのビルドとアルシェのことで、帝国の粛清はノリで協力しているだけであった。
さて、原作では過去の出来事であり、明確に描写されることは少ない「粛清」は、ジルクニフの地力があればローリアンが手を貸すまでもなく成功する。
それほどまでにジルクニフの力は強大、故にこそ、帝国の貴族たちはジルクニフをもてはやすと共に恐怖するようになるのだが。
しかし、ジルクニフは幸運にも「炎」を手に入れた。
一度つけば消えることのない、激しい呪炎を。
『では、最後に確認ですが、本当に先ほど見せていただいたリストの貴族とその一族、全てを焼き尽くしてよろしいのですね?』
「...」
ジルクニフの無言は肯定のそれだ。
だからこそ、ローリアンは無言で応え、歩みを進めた。
腐り爛れた帝国、その端へ火がついた。
「クソ..!あの次期皇帝気取りのボンボンが...!!」
木製の机にウィスキーの空瓶を叩きつける肥満体型のいかにもな男は悪態をつく。
それは彼が編成した「ジルクニフ殺害」のための部隊が、あっけなく蹴散らされ、彼の持つ兵力が護衛を除き底を尽きたからだ。
それもそのはず、彼にまともな軍略はなく、出した指示も「ジルクニフを殺せ」のみであった。
「だが...毒を仕込むなりやりようは幾らでもある...必ず殺してやるぞ..!!」
自業自得であるのに、それを恨みとするあたり彼の人柄がいかに腐っているかを示していた。
もはや人間かすら怪しい醜悪な男のそばには貧相な服に、傷ついた体、明らかに痩けたエルフ達が並んでいる。
彼女らは皆、この男の「奴隷」であった。
「…なにを見ているんだお前!」
そしてこの男はあろうことか、と言うより日頃からであるのだが、「八つ当たり」を行う。
彼女らの傷は皆、男につけられたものであった。
「……」
男からの一方的な暴力、それに衝撃で怯むことはあれどもはや反応はない。
恐ろしいまでに慣れてしまっていた。
今日も冷たく、夢も希望もなく、終わっていく。
そんな、絶望ともいえる彼女らの心は冷え切っていた。
「………?なに…?」
初めに気づいたのは最も真近にここに来たエルフだった。
折れたとはいえ、周囲を注意深く探り、なんとか抜け出そうとする微量の意思が「熱」を捉えたのだ。
「あつい……いや、あたたかい?」
篝火にあたるように、ただ漠然と温もりへとそのエルフは手を伸ばす。
無論、そんな事をすればあの醜悪な男から再び暴力が振るわれるだろう。
しかし、それでも彼女は手を伸ばした。
故に、「炎」は応える。
『………もう大丈夫だ。お眠り。』
彼女が目にしたのは、文字通りこの世のものとは思えない「炎」
そしてそれを纏う、恐ろしい、そしてなにより温かいローリアンの姿。
それを視認し、なぜか安堵した頃には、彼女らの意識は微睡、眠りに落ちた。
『………酷いことは知ってたけどここまでとはね…さて。』
別にローリアンは感傷に浸っている訳でも、哀れんでもいない。
が、「不快」、ほんの僅かなその気持ちは、より「炎」を滾らせる。
「…?!な、なんだお前!!」
現状に遅れて気づいた男は驚愕し声を上げる。
『何って‥強いていえば「罪の炎」とでも言おうか?』
「な、なにを言って」
『原罪とは言わないけど、君らがしてきたことの報い、それを為す、決して消えない炎だよ。』
「兵、兵はどうした!!」
『みんな燃えた。痛みがないよう、一瞬で終わらせたから心配しなくて良い。
ただ兵であるが故に、いた人もいるだろうからね。』
「燃えた…?燃えただと?!何人護衛がいたと思っている!」
『大体500はいたね。
でも、そのうちの半分は僕に気付かず、残りはふと気づいた瞬間には、灰になったよ。』
ローリアンは淡々と事実を告げる。
正直、屋敷ごと丸焼きでも良かったのだが、ほんの僅か、ちょっぴりと残った人間性は、それを止めた。
男は信じられないような顔をして護衛を呼び続ける。
「誰か!誰か…!!」
『無駄だけど、まぁ最期の足掻きは見届けるよ。
さて。』
するとローリアンは作業のように、思いっきり手加減して男の下腹部の急所に向けて蹴りを放った。
「ガッ?!……!!??」
即座にそこから炎が燃え広がりはじめる。
手加減して放たれたそれは、段々と男を焼く。
そして蹴りの痛みと凄まじい熱に晒される男は声にならない絶叫を上げ、火を消さんと転げ回る。
「?!ぎえない!ぎえないぃ?!」
だがその炎は「スキル」で発生したものが故、消えない、
少なくともこの世界の住人では消せない。
「あつ゛い!あつ゛い!!」
結局男は最後までもがき苦しみ、尽きぬ炎で焼け死んだ。
『うん、この屋敷で終わりだね。』
先ほどのような調子でローリアンは「僅か1日」で粛清対象を全て処刑していた。
本人からしてみれば作業ゲー感覚なのだが、やられた側はたまったものではない。
『全て終わりましたよ、陛下。』
そして、全ての対象を処刑し終わり、伸びをするローリアン(既に人間形態)の前には、正装のジルクニフが居た。
「‥ご苦労、大義であった。」
『そんなに畏まらなくて大丈夫ですよ、陛下。』
「そうか?なら普通に喋らせてもらうが…お前の力がここまで強大だったとは…」
『全て陛下の資金のおかげです。』
ジルクニフは正直気づいていた。
ローリアンの力がもはや「タレント」で収まるものではないと。
だが、幸運にも、この「炎」はジルクニフに向いていなかった。
『さて、ではそろそろ僕は帝国を去ります。』
「ま、待て…いや、なんでもない。」
「うちの国の力に」なんて言葉が出そうになるが、ジルクニフはハッとしてそれを抑えた。
人道だとか、その様なものでなく、ローリアンの瞳の中の炎が酷く恐ろしくみえたからである。
『…陛下のそういうところは尊敬しております。
一泊の恩ともいいますし、また何かあれば一つくらいであればこの力を助力へと使いましょう。』
「そうか…今度は俺の本心からの言葉だ。ありがとう、また来い。」
ジルクニフは埒外の力を目の当たりにし、しかし怯まない。
ローリアンにとって、そのこの世界の住民とは思えない知謀と胆力は、心底称賛に値した。
故に、また手を貸す などという言葉も不意に口から出たのだ。
『では失礼します。』
そういうと「炎」は帝国から姿を消した。
そして以降、この1日は「罪炎の一夜」と呼ばれ、ジルクニフがそれを引き起こしたと明言したためか、
ジルクニフは「鮮血帝」の裏で「聖炎帝」などと呼ばれることとなる。
「良かったんですか?」
『うん、もうやりたい事も無くなったし、愛しのアルシェに会いに行かないとね。』
「い、愛しの………いいなぁ」
『ん?どうかした?』
「い、いえ!なんでも!」
先程までの惨状を引き起こしたとは思えない朗らかさでデーフェとローリアンは王国へ向けて進んでいた。
資源や情報は十分確保できたので、遂に動いたのだ。
「この方達はどうするんですか?」
『あ〜実はよく考えてなくて。「ケチんぼ」さんがいれば面倒見てくれたのかな…』
ローリアン達は現在、馬車で動いているのだが、その馬車には2人のエルフが寝ていた。
先程の惨状の中助けたエルフはほとんどジルクニフに渡したのだが、その中でも「見込み」がある2名をローリアンはこっそり連れてきていたのだ。
『ま、起きてから考えよっか。デーフェちゃんご飯食べよ〜』
「は、はい!」
非常に適当な受け答えの中、デーフェらは王国へ向かっていった。
帝国編 完
戦技紹介:
名称:『王騎士の決意』
効果:
ローリアンをユグドラシルの世界で「たっちみー」などと対等に渡り合わせたぶっ壊れ戦技。
ただでさえ近接職で固めたローリアンの火力が約1.5倍になるため、軽い打撃すら大打撃とするとんでもない技能であった。
が、「たっちみー」は三回ほど受けた後、戦技のモーションを見抜き、完璧に対応し、勝利した。
ローリアンは驚愕した。
『現役警官パネェ………』
デーフェの恋が成就してほしいか?
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して欲しい。
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して欲しくない。
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むしろ他キャラともして欲しい。