アルシェ激推しによるOVERLORD 作:ヤーナム産の明太子のなにか
感想評価お願いしまっす!
『…やっべ。』
今ローリアンは猛烈に反省していた。
そもそも今回の件は全く予知しておらず、なんとはなしに終わらせたかった。
が、それはそれとして何より楽しかったのだ。
あの時見たNPC達と戦えてハイテンションになっていた。
デミウルゴス辺りで適当にデスして帰ろうなんて思っていたのに、今や9階層。
このゲームでナザリックはこの後大侵攻を受けるのだが、その時より深いと言えばヤバさが伝わるだろうか。
(まぁ「あれら」がないからってのもあるけどね。ガチられたら佐藤さんのリソース足りなくなって負けてたかも。)
さて、そんなローリアンだが、というかローリアン御一行はとても困った方々に直面していた。
「ロリ君、こっからハードモードだ。」
「あんたら…よくもウチのギルメンに手を出してくれたね!」
「我とて業腹が故、手加減せん。」
『あ〜その……まぁいいやもう。』
相対するはナザリック「至高の」うち4名。
今回の事件の発端にして黒幕 ウルベルト
「ローリアン、お前はここで終わりだ。俺の力にひれ伏せ。」
ギルドマスターにしてロマン型ながらも対人ではかなり強いオーバーロード モモンガ
「ウルベルトさん!今回はうちが悪いんですしやっぱり穏便に…」
変態バードだがpsと強さはマジ ペロロンチーノ
「ローリアン許すマジ、シャルティアの仇。」
ナザリック最強にして人格者、文字通りの「ワールドチャンピオン」 たっちみー
「あのクソ山羊はしばくとして、リベンジさせていただきます!ローリアンさん!」
(なんか3人からヘイト向いてる?!無理だが?流石に無理だが?)
正直今のメンツなら3人はやれる。
張り合うどころか、勝ちまでいけるだろう。
だが…
『たっちさん…貴方が協力プレイし出したら無理ゲーでしょ。』
「あはは…その、僕もリベンジしたくなっちゃいまして…すいません。」
『いえいえ、謝られることでもないんですがね?』
この人だけは無理だ。
タイマンでもこっちの情報が知られてない状態でやって五分五分程度。
協力プレイされたら無理ゲー極まっている。
だから、ほんの少し彼の善性を利用させてもらうことにした。
『ならリベンジは受けます。でも総力戦をし出したらちょっと無理ゲーなんで…ウルベルトさん、たっちさんvs僕、佐藤さんでやるのはどうですか?』
「は?なんで俺がコイツt「それで大丈夫ですはい!」……」
先ほどから申し訳なさを漂わせていた男モモンガが速攻答えたことによって唐突な2v2は始まった。
ちなみにそれとは関係ないメンツは不完全燃焼だからという理由で、外でPvPに勤しむらしい。
(よし!人数絞れたならワンチャンある…!!)
割と見苦しい交渉の末、人数を限定したPvPが始まった。
使用するのは「コロシアム」見るからにあからさまなそれは、やはり予想と反さない使い方の様だ。
相対するはガチプレイヤー二人組同士、一応双方のギルドでの上澄でもある。
そしてそんな中、ローリアンは…
『死ぬ死ぬ死ぬゥ!?なぁんで2人ともヘイトこっちなんですか?!』
「僕もここまで無視されたら傷ついちゃうよ。」
「チッ!」
凄まじいヘイトを集め、双方から集中狙いされていた。
片方は私怨、片方はリベンジに燃えているためだ。
が、佐藤さんがそれをほいって置くことはなく、いつも通りウルベルトさんに突っかかる。
何度もやっている2人だが、そのままなら構成上佐藤さんの有利だ。
が…
「いつもなら放ってますが、「次元切断」!」
「…え?僕今ワンデスした?」
「いらんことしてんじゃねぇ!」
『相変わらず吹っ飛んでるなぁ…猟犬使っても避けれるか怪しいの何?』
ワールドチャンピオン「たっちみー」、世界の王者たる彼のpsと公式チートと言われた技の数々は最も簡単に戦況をひっくり返す。
もちろん僕も殴り合っているが…
「甘いです!」
『グッ!…本当にお強いですね、たっちさん。』
「ありがとうございます。でも、平然と避けられると自身が無くなりますね。」
『佐藤さんと違って避けないとほぼ即死ですから…では今度はこちらから行きます!!』
そして双方が全力を用いて斬り合いに入る。
リリース初期からやり込んだ僕と、ワールドチャンピオンたっちみー。
その剣戟はほんの少し技量で僕が上回る…が忘れてはいけない。
「「次元断層」!」
『クッッソ!取れたと思ったのに…それ無しにしません?』
「そんなこと言ったら其方の戦技?でしたっけ。それも禁止してくださいよ。」
『メインウェポンなんだよなぁ!』
激しい斬り合い。
ゲームという場での思考補正や視野補正、スキルにそもそものやり込みや人読み、技量が全力でぶつかり合う。
火花が散る、なんて表現があるが、それが優しいほどに苛烈な撃ち合いは「職業」という一点の壁のみでほんの少し、ワールドチャンピオン「たっちみー」が上回る。
「あぁもう!打ち合いで勝ててるのにスキルの撃ち合いで勝てないのクソゲー極まってるだろ!」
『僕が殴り合いで負けるなんて...いや、これは驕りですね。直さなければ。』
「相変わらずの人格者っぷり!」
いつもの敬語が崩れる程には今の状況はジリ貧だ。
特に「次元切断」と「次元断層」を盾に動かれると雑に避けた瞬間死ぬ。
そしてそれを安定して実現させる「たっちみー」のps。
(はっきり言って詰んでないかコレ?....あー、クソ。んなことされたらさぁ!)
たっちみーの上段からの打ち込み。
鋭く、研ぎ澄まされたそれは、力強く精巧。
何より「ワールドチャンピオン」の補正はまともに打ち合いすることを正面否定するほどの火力を有している。
それに対してローリアンは...
『 やってやらぁ!!クソボケェ!! 』
打ち込まれた剣を弾き、咆哮した。
1名を除き周囲全員が一瞬ギョッとする。
いつも温厚で、優しく、物腰穏やかな彼が声をがならせながら吠えたからだ。
たっちみーも少し、目を丸くしていた。
そしてそんな中、覗かれた1名である「佐藤」は静寂の中笑い声を上げながら、注目を集めつつ言葉を発する。
「アハハ!いいね、ローリアンくん。初めて会った時以来見てない本気モード!テンション上がってくるじゃないか。」
その言葉をかたきりに、再び時間は動き出す。
【外野サイド】
「ひえ...ローリアンさんキレてませんか?!大丈夫かな...」
外で遊びのPvPに勤しんでいたモモンガが初めて見た一面にギョッとし、ビビりながらそう発する。
先程まで敵対意思をバチバチに出していたギルメン達もローリアンの咆哮を聞き、一気に頭が冷めてしまったようだ。
「う、うむ...我もあんな状態、見たことないである。」
「あー、佐藤とやってた時に一回なってたっけアイツ。全く仕方ないんだから。」
「怖...でもシャルティアの仇だからビビらない!」
反応はまちまちだが、そんな中別の思考を巡らせている者もいた。
そう、ギルドマスター「モモンガ」である。
(ローリアンさんの変わりようにもビックリしたけど、普通に戦闘技術が凄まじすぎないか?たっちみーさん一応現役警官なはずなんだけど...
それに、「戦技」?もすごく多彩だ。対応するのは難しいだろうな。)
今もなお火花を散らせている二人の動きの苛烈さはどんどん加速している。
そしてそんな熱に当てられ、周囲もまた本腰を入れてPvPをし始める。
そう、「メインの二人」から意識が逸れてしまうまでに。
ローリアンの性格についての補足
普段温厚かつ物腰穏やかな彼は所謂「理不尽」や「クソゲー」に相対した時、振り切れ、いつもは見せない一面を外に出す。
例として、初めて佐藤とローリアンがやり合った時、佐藤のあまりの戦闘スタイルに「詰み」を意識し、結果振り切れた。
本人はこうなった時のアドレナリンや興奮状態を楽しんでいる節があり、故に「死ゲー」を好んでいたという過去がある。