アルシェ激推しによるOVERLORD 作:ヤーナム産の明太子のなにか
オリジナルWIは許してください(懇願)
『今日が最後であるな。』
『ええ、結局ここまで侵入者がくることはなかったですね。』
『当然だ。我がこのギルドを造ったのだから。』
『…ずっと気になってたんですが、その守りへの執着はなんなんですか?』
『何、ただリアルの方でその学びを持っていただけよ。』
『つまり建築家でもやってるんですか?』
『そうゆうことである。』
サ終の日、あと1時間で今日が終わると言う時に僕と『メリオダス』さんは談話室で話していた。
最終日になるにつれて素材の使用を惜しまなくなったプレイヤー達からどうせなら、と猛攻があったが結局最終層の1歩手前で防ぎきれてしまった。
もはや絶望的な防御力であると言うことが最終日に証明されたことにメリオダスさんは相当ご満悦だ。
4人のみのギルドだったが、それでも一度も完全崩壊したことがないのは誇りなのだろう。
(かくいう僕も、このギルド攻略は1層目で詰んじゃうんだけど。)
現在サーバーに残っているプレイヤーは数えるほどしかいない。
その方達もポツポツとまたログアウトしていっている。
『ユグドラシル』、その確かな終わりが近づいてきていた。
『結局、最終日は寂しくなってしまいましたね。』
『否、それは違うぞ。』
『え?』
『このギルド自体に多くの我らの記憶が刻まれておる。我らがまだ初心者だった頃の武器や防具、PKされた時に強奪し返した今考えると必要ないアイテム、それぞれの好みが出た部屋やNPC、それらは間違いなくこれまでの軌跡の具現であろう。』
『…そうですね、まぁNPC達は1層以外の担当はほぼ動きませんでしたけどね。』
『アハハ!そうであるな。これも我のせいである!』
頑張って構成を組んだNPCは結局ほぼ動くことはなかった、勿体無いような、別にそれに越したことはないような気がして、なんだか可笑しくて2人で笑う。
そうこうして雑談しているとサ終まで30分をきっていた。
築き上げたものが消えると言うことを目の当たりにしているメリオダスさんは少し寂しそうだ。
だから、
『メリオダスさん、臭いですが、このギルドでの体験はみんなにとって最高で、ずっと残り続けますよ!』
『…そうであるな。いや、この口調はやめます。そうですね!』
(と言うか僕が消させない、消してなるものか。)
この後に転移すると言うことを知っている僕は心の中でそう固く誓う。
このギルドは決して消さない、未来永劫みんなのギルドは残り続けさせる。
『ただ、僕も最後まで残りたいんですが、運悪く仕事が入ってまして、もう限界なんです。落ちないといけなくて。』
『もちろん!むしろここまで付き合ってくださりありがとうございます!』
『本当に、本当にありがとうございました。またユグドラシル2などが出れば、ギルドホームを作りに行きます!』
『…はい!お願いします!』
【メリオダスがログアウトしました】
(ごめんなさい、メリオダスさん。その約束は叶えられません。)
この先、もしかしたらユグドラシル2は出るかもしれないし、また別ゲーで会うこともあるだろう。
しかし、僕はこのままサーバーに残り、転移する。
それすなわちリアルとの決別を意味し、よってもう再会はあり得ないだろう。
返事に少し澱んでしまった自分を恥ずかしく思いつつ、時計を見れば後10分でサ終だ。
『やることやらないとね。』
ナーバスな自分の気持ちを抑えつつ、転移に向けて準備をする。
素材、装備、環境、全ては万全だ。
転移後の世界ですべきこともきちんとまとめてある。
ただ一つ、解決しなければならない問題があった。
『ズレたら本末転倒だからね、最推しにリザレクションなんて笑えない。』
それは転移する時間軸の違いだった。
オーバーロードの原作世界でも、その時間軸の違いから多くの問題が生じていた。
そもそも『アルシェ』を助けようとしたところで『AOG』より遅く転移しては話にならない。
だからこそのワールドアイテム『無限回廊』だ。
このアイテムは例の問題に僕が四苦八苦していた時、突如見つかったもので効果は『設置されているギルドのサイズを好きに可変させる』というもの。
もちろん大きくする分には上限があり、使い勝手は悪く、メリオダスさん以外有用な使い方はあまりできなかったのだが、小さくできる方が今回は重要なのだ。
ギルドの最下層、その中心に立っている蝋燭、これこそが無限回廊だ。
そしてメリオダスさんから譲与されたギルマス権限があれば自由に可変できる。
更にこのアイテムが重要な理由。
それはサイズ極小時のみに限り、『ギルド』をアイテム化出来るのだ。
どういうこと?と思われるかもしれないが、そのままの文言で合っている。
文字通りインベントリに『渦』というギルドがアイテム化されている。
つまりギルドを所持したまま持ち歩けるのだ。
これによるメリットは主にギルドを容易に移動させれることなのだが、今回はもっと重要だ。
時間軸を合わせる方法、それは、
『行くか、ナザリックへ!』
同時に転移することだった。
僕は知っている、今日は最終日、ギルドには今の時間帯だとモモンガさんしかいない。
そしてNPC達がほぼ全員、モモンガに連れられて持ち場にいないことを。
だからこそ、一人でも侵入は容易なのだ。
(まぁ正直言って別にNPC達がいても大丈夫ではあるんだけど…NPC達に手を出すと後々面倒くさいんだよ。)
原作ルートで何度か起きたアインズのガチギレ、それらは大体NPCが絡んでくる。
思慮深く、優しい彼はNPCらをかつての仲間達の子供のように考え、溺愛しているからだ。
『さて、マーキングしておいて転移するだけだったからすぐだったけど、相変わらず恐ろしい見た目だね。』
あらかじめ設置していたワープポイントに移動、そしてそのままアイテム化したギルドを抱えてナザリックに躊躇なく侵入する。
右目の下あたりに映る時計はサ終まであと1分を差しており、ちょうど良い時間だ。
目の前には門前払い用と言わんばかりの雑魚モブ達が湧いてくるが、相手をしている暇はない。
『邪魔だよ、中に入るまでが遠足だからね。』
前傾姿勢から加速、片足を軽く薙げばダメージエフェクトと共に炎が立ち上り、瞬く間にモブは灰になる。
(相変わらずスリップダメージえげつないよなぁこのスキル。)
蹴りのダメージはモンクでもない自分ではしれているが、『ハイカースドヒューマン』のレベル5パッシブスキル『呪炎』は物理攻撃に極大スリップダメージを発生させるパッシブスキルだ。
僕が前衛職で固めたのはこのスキルの存在も大きい。
止まることなく、ナザリックの入り口を越えると、そこはまさに地下ダンジョン。
ギルドと知らなければそう勘違いしてしまいそうな精巧な作りをした空間が広がっている。
『さぁて、とりあえずバフ積みまくっとこ。』
転移後に起こるであろう侵入者である僕を排除せんとするだろう守護者たちの対策を考えつつ、時計は0時へと至り、僕の視界は暗転した。
プレイヤー紹介.
プレイヤー名.ローリアン
種族.呪われ人
概要.ギルド『混沌の坩堝』創設者にして、本作の主人公。
『アルシェ』の大ファンであり、行動力の化身のためオーバーロード世界に転移することを決意した。
ビルドはゴリゴリの前衛職であり、給料や努力を全て『ユグドラシル』につぎ込んだためか凄まじい対人練度を保有している。
しかし目立ちたくなかったのと、カオス効果を恐れてか対人大会に参加することはしておらず、ワールド系の職業は保有していない。
前世は死ゲーが好き。