アルシェ激推しによるOVERLORD 作:ヤーナム産の明太子のなにか
ちなみに「そもそもAOGに入って一緒に転移すれば良かったんじゃね?」という意見があると思いますが、実は主人公は過去に出禁をくらってます。
気が乗ればその話を閉話休題でやるかもしれません。
アッカンソウトヒョウカヨケレバオナシャスー
ナザリック逃亡のすヽめ
『無事に転移..できてるね!!』
視界が暗転後に明転、外を見るとそこには今までとは明らかに違う風景がある。
今、僕はここに、きちんと転移したことを確認した。
『亡国ルートじゃなくて良かった...』
そもそもナザリックごと転移しないルートもあるのでそのことを懸念してはいたが、どうやらこれはwebかアニメ、どちらかのルートだ。
『と、さっさと逃げないと詰むぞ〜!』
早速というべきか、侵入した側だというのに回れ右をして、最速で出口に向かう。
バフを積めるだけ積んだとはいえ、守護者と言われる存在たちがいつ、どこから、何人でくるか分からない。
しかもギルドの緊急時だ、もし囚われでもしたらどうなるかは想像に難くない。
『逃げるは恥だが役に立つってね。...と、やっぱ君か。』
出口が近づき、もうすぐで外に着くという場所で、背中から気配を感じる。
といってもそんな第六感じみたものではなく、ただのケンセイのスキルなのだが。
「貴方は?少なくともお客人とは思えませんね。」
暗闇から現れたのはナザリック地下大墳墓のセバスチャンにしてレベル100NPC、「セバス」だ。
余裕があるように話しているが、明らかに連絡は終えており、それゆえに時間稼ぎもこめているのが見える。
(まぁ、予測不能の事態が起きて、その時ちょうど入ってきたであろうバフもりもりのプレイヤーとか疑わしいにもほどがあるよな。見た目も人間だし。)
セバスは比較的人間を軽んじないほうだが、それでも異形種よりは印象は悪いだろう。
『別に、ただ入り口で気が萎えたから帰ろうとしてるだけの一般人だよ。』
「とてもそうは見えません。それに今は緊急事態なのです。話を聞かせてもらわなければ、」
『嫌だ。と言ったら?』
「無理矢理聞くのみです。」
老年でありながらも確かな体格と闘気はまともに戦えば厄介だろう、と素人にも察させるものがある。
目の奥には確かに覚悟のような、信念のような物があり、揺るぎないそれは彼の強さを生み出しているのだろう。
『それはいんだけど、時間稼ぎに付き合う暇はないんだ。』
「そんなことを言わずに、偉大なるお方もお話を聞きたがっています。」
(もうモモンガに捕捉されてるか、これ以上はまずい。)
セバスが戦闘態勢をとっており、逃がさないという意思がふつふつと伝わる。
(鍛えてきたとはいえ、耐え難い殺意だね。と、やっぱりダメか。)
持って来ていたアイテムを使って転移しようとしたが、セバスの蹴りの方が発動より早く、阻止されてしまう。
もちろんモモンガのことだ、転移対策は最速でやっているだろう。
セバスはこちらの実力を図りかねてか、受けのみに回っているが、時間が経てば守護者たちが到着し、僕は詰む。
『...ごめんね、少し無茶をする。』
だからこそ、なるべく傷つけたくないとは思っていたけれど、一歩踏み出すことを決めた。
その瞬間、セバスは自身の得意な間合いになるよう流麗に構え、こちらを貫かんばかりの打撃を放つ。だが、
「..?!」
『ステータス知ってたら対策してくるだけだよね。』
セバスのそれは、僕に当たることはなく、虚空に弾かれる。
今発動したのは『パリィ』。
『カースドヒューマン』が初期から取得している、盾もしくは素手でのみ発動できる物理攻撃の無効化並びに大きな隙を作ること。
強くねって?ならお前はダンプカーの最高速をみてから反応が出来るのか?
これがこのスキルの大きな課題だった。
そもそも物理攻撃しか防げない上にタイミングが超がつくほどシビア、のくせして装備が限られるんだからたまったもんじゃない。
(このスキル極めるためにどれだけ佐藤さんと殴り合ったか。今では見てからできるよ。)
佐藤さんと訓練した1年ちょっとの経験のおかげか、僕はこの技術をものにできていた。
といっても成功率は8割程度なのでヒヤッとはするんだけど、こんなところでこける訳には行かない。
そして大きな隙を晒したセバスに対して発動するのはそれまた「カースドヒューマン」のスキル「致命の一撃」
このスキルはパリィと併用することが前提みたいな発動条件で、相手が攻撃を弾かれ、大きな隙を晒した時又は、相手の背後を完全に取った時、のみ発動する大ダメージスキルだ。
ただし今回はダメージはなるべく入れないようにする。
(殺したら何されるか分からないしね。)
今回このスキルを入れたのは、このスキルの持つ副次的効果、「この攻撃で与えたダメージに付随する効果はあらゆる耐性を貫通する」というものを悪用するため。
そして今手に持っている短剣は序盤でも手に入る低ダメージのゴミ武器だが、一つだけ効果を付与している。
「ガァッ!!」
『少しの間痺れてて、命に別状はないよ。』
この短剣に付与した効果は『対抗可能なスタン』。
本来スタンなどほぼ全ての職業や種族で無効にされる不遇もいいとこなクソ効果だが、致命の一撃を使えば話は別。
一時的に行動不能という凄まじいデバフを与えれるのだ。
「ま...ち...なさい!」
『それは難しい相談だね。今後は関わらないことを願うよ。』
セバスはスタンしながらでも声を絞り出したが、それに構わず外に出て、全速力でスクロールを起動して、テレポートする。
最後に見た風景はセバスの鋭い目と、セバスの助太刀に来た「シャルティア」「アルベド」「マーレ」の姿だった。
(あっっぶねぇ!!あと数秒遅れて合流されてたら詰んでる!!)
内心凄まじい冷や汗をかいていたのは内緒だ。
カースドヒューマンのスキル紹介.
レベル1.パリィ
効果.純粋な物理攻撃に限り、タイミングよく「盾」か「素手」で弾くことでそれを無効化大きな隙を晒させる。
レベル5.致命の一撃
効果.相手が大きな隙を攻撃を弾かれ晒した際、もしくは完全に背後をとった際に発動可能。1.5倍のダメージを与える。この攻撃のダメージに付随する効果はあらゆる耐性を貫通する。
レベル10.王に至るもの
効果.全てのステータスに1.05倍の補正。
レベル15.ローリング
効果.特定回避行動中において無敵を付与。リキャスト5秒。