アルシェ激推しによるOVERLORD   作:ヤーナム産の明太子のなにか

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気が乗ってるので亀投稿じゃない筆者ですが、ある時急に月1になっても許してください。
感想、評価等宜しければ〜


アルシェを求めて3000里(徒歩)

『さぁて、どうしようかな…』

 

(すいません、今僕は、森の中にいます。)

 

ナザリックから離脱し、無事転移できたことを確認した僕は全速力で走っていた。

全速力というのは本気の全力だ、1日1回限りのスキル達も総動員している。

なにせ、向こうはこちらと違いあらゆる職業持ちがいて、こちらの補足など容易に行えることも想定できる。

 

だからこそ、虎の子しかない『クラスや職業を参照しないスクロール』という激レア品を切ってまで移動しているのだ。

結局見つかってしまっては意味がない。

 

(こう言う時のために隠密職も取りたかったんだけどなぁ、全てはこのクソ職業のせいだ。)

 

そう、『呪われ人』である都合上、前衛職なのに隠密職も取ってしまえば器用貧乏もいいとこのクソ雑魚ビルドになってしまう。

だからこの全力逃亡なのだ。

 

周囲の景色が目まぐるしく変わり続ける。

慣れているのでなんとも思わないが、ユグドラシルの通常移動速度なら、斥候職を除けば最速な自信がある。

 

(リアルじゃぁ感じれなかった風も気持ちいい…もう戻れないのは悲しいけれど)

 

脳裏にフラッシュバックするのは仲間達の姿。

佐藤さんは元気だろうか、ケチんぼさんは成功しただろうか、メリオダスさんは楽しめているだろうか、

自分からこっちの世界に来る決意をしたくせに、そんな女々しいことを思ってしまう。

 

『ふぅ…この辺でいいかな。』

 

結局、足を止めたのは1時間後、流石に少しの疲労を感じるかと思ったが、種族の関係かそう言うものは一切ない。

周囲に森は既になく、そこに広がるのはなんの特徴もない大平原だ。

 

『さぁて、じゃぁ広げますか、コレ。』

 

なぜこんな場所で止まったのか、それは拠点を構えるためだ。

つまりアイテム欄にある『ギルド』、それを設置するためだった。

 

(どうせ見つかるしね、なら迎えうつ準備ぐらいはしとかないと…)

 

手のひらの上に乗る、凄まじく精巧なジオラマのようなそれを、地面にそっと置き、無限回廊を操作する。

瞬間的に作れば、どこかから噂ができ、ナザリックに見つかる時期が早まるかもしれない。

だからこそ、隠す。

渦のような大きなギルドをどうやって隠すのか?と思われるかもしれないが、ここで『無限回廊』の裏ワザを悪用する。

 

(この裏ワザ、結局修正されなかったけど、明らかにバグ挙動だよね。)

 

その裏ワザを発動する条件は『大きな物質』を小さくし、『壁や地面などに近づけて置く』こと。

今回の場合大きな物質は『渦』、後者の条件は既に満たしている。

そしてサイズを元の大きさに戻す。すると、

 

『うおっ?!…相変わらず音もなく元に戻るのは慣れない。』

 

全く音もなく、何か衝撃が起こるわけでもなく、大きさを元に戻したものが『めり込んで』元に戻る。

『無限回廊』発見時、ギルメンみんなで見つけた裏ワザだ。

この裏ワザ、めり込んだ際にあった物はその耐久値に関係なく、消える。

そう、消えてしまうのだ。

 

考えれば考えるほど凄まじいバグだが、修正はされなかった。

さすが皆が認めるクソ運営である。

 

(コレを初めて見つけたのがギルドの倉庫で起きたせいで、何個もアイテムが消し飛んでみんなで発狂したりしたな…僕もあの時は泣きそうになった。)

 

苦労して作った装備がこんな挙動に消された時の喪失感と言ったらなかった。

 

『じゃ、あとはこの上に土をかけてっと』

 

ギルドのストレージから芝生のアイテムを出して、ギルドの上に被せ、周囲の平原に溶け込ませることで擬態する。

こうすることで基本的に気付かれることはないだろうし、気付いたとしても洞窟程度にしか思われないはずだ。

 

(そうこうしてたら、そろそろ村の出来事あたりだな。今なら街に行ける。)

 

そもそも、僕の介入があった時点で原作と乖離しており、原作通りかはわからないが、打算もなく動くよりはいいだろう。

 

(頼むから少しあたふたしておいてくれよ、アルシェを見つけるまでは。)

 

そう祈りつつ、近くに見えた街道をあるき、その先にある街を目指すのだった。

 

ーーーーー

【ナザリックサイド】

 

『セバス、無事か?』

 

『はい、モモンガ様。あの武器自体は威力が低く、それゆえに大きな支障はございません…しかし』

 

『よい、レベル100プレイヤーの介入を予知していなかった私のせいだ。しかも彼は…まぁいい』

 

王座の間にて、一部を除いたすべての守護者、プレアデス、そしてセバスが集まる中、つい先ほど起きた事件について話し合いは行われていた。

 

(全く、ゲームの世界に唐突に来たかと思ったらローリアンさんがギルド入り口に居た。どう言う状況だよ本当に。)

 

意味のわからない状況に困惑していたモモンガは、難しい顔をしている守護者達が目に入る。

特にデミウルゴスとアルベドの表情は暗い。

 

(今度はなんだ?)

 

確認するためにもモモンガは二人へと声をかける。

 

『アルベド、デミウルゴス。難しい顔をしているが、何かあるのか?』

 

『はっ。モモンガ様はお気付きでしょうが、我々ナザリックは謎の侵入者に先手を取られました。しかも周囲の状況が不明な現在においてそれは非常に危険です。

しかもその侵入者はセバスを倒せる実力者…状況的に見て最もこの事態の元凶に近しい存在と思われます。

ただ、そのことを確かめようにも、あのような存在がいた以上、不用意に動くわけにもいかず、愚考していた所存です。』

 

『私もデミウルゴスに同じです。』

 

どうやらデミウルゴスだけでなく他の守護者達も少なからずこの状況に危機感を感じているらしい。

 

(確かに、あの人のこと知らないと不安にもなるよな…レベル100のセバスが1撃でやられたんだし。)

 

『気にせずとも良い、彼は、まぁ…なんというか、私の昔馴染でな。近接でのPVPならばあのたっちさんにも引けを取らない人なんだ。』

 

なんと、と言う声が周囲から上がる。

たっちといえば『たっちみー』のことであり、間違いなくこのギルドにおいて最も強いプレイヤーだった。

それに引けを取らないということはすなわち、凄まじい実力があるということだった。

 

『ただ、彼は昔あることをやらかしてな。ここナザリックを出禁にしていた、それを破り侵入してきた挙げ句、そのタイミングで転移が起こった。ならばすべきことは自ずとわかるはずだ。なぁデミウルゴス。』

 

(ここからはデミウルゴスに任せよう。俺が喋るとボロがでるかもしれない)

 

この状況は間違いなくモモンガにとって想定外であったし、石橋を叩いて結局別の手段で渡るような性格からか最大限警戒はしている。

しかし、この世界にプレイヤーがいるということは、確かにモモンガにとって希望であった。

 

(もしかしたら、どこかにギルメン達がいるかもしれない…それを見つけるためなら、なんだってやってやる)

 

一人の少女のため奮闘する男のおかげか、超越者となった者はかつての仲間が存在することを希望に、動き出すことになる。




ハイカースドヒューマンスキル紹介

レベル1.戦技
効果.武器ごとに決められた特殊動作を使用可能。

レベル5.呪炎
効果.パッシブ。自身の物理攻撃に炎属性の極大スリップダメージを発生させる。

レベル10.デーモンの炎
効果.1日に3回のみ。森羅万象を焼き尽くす炎で周囲を薙ぐ。耐性貫通。貫通耐性貫通。

レベル15.英雄の証
効果.自身の職業によるステータスの変化をより顕著にする。
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