碧空のキヴォトス-What a beautiful archive- 作:ユーラシアン
───暗闇の中で。
───僕は、預言者との対話を続ける。
『お前なら理解できるはずだ、ギー』
『ある一点のみにおいて人は平等であり。
その一点において我らとお前は繋がっている』
『深く、深くだ』
『故にこの都市があり、故にこの世界がある』
『最早この都市に人間はいない』
『……お前ただひとりを除けば』
───僕は、声の主に相槌を打つ。
───疑問を提示する。
───お前の言葉は詩的に過ぎる。
『言葉で言い表せるものが全てとは思わぬことだ、ギー』
『数千の時を経てなお、成熟からは程遠いお前たちは』
『きっと自らの見える世界が全てと感じているだろうが。そうではない』
『故に、《崇高》の以前に《啓蒙》がある』
『これは、お前たち人間のための概念だ』
───ああ、そうだな。
『分かってくれるか』
『嬉しく思うよ、ギー』
『我らとお前は分かり合える。
こうして対話した以上、友人だ』
───友人、か。
「お前は、僕をそう言うのか」
♰♰♰♰♰♰♰
「少し状況を整理してみましょうか」
《廃墟》近郊、ミレニアムにほど近い無人区画にて。
ギーとヒマリの二人は、偵察ヘリ後部の搭乗区画で向かい合っていた。
「私たちの今までの行動は三つに分けられます。
Divi:Sionの行動パターンの把握、痕跡の発見、そして追跡。
その結果として、Divi:Sionが捜索していたのがあの少女であることが分かりました」
あの少女。
故も正体も未だ知れぬ、人でさえない少女の形をした何か。
「厄介なのは、彼女が《名もなき神》について言及したことですね」
「……名もなき神、とは」
「このキヴォトスにおいて、キヴォトスと呼ばれる以前に存在した者たちが崇める神、とだけ。
詳細は不明ですが、しかしデカグラマトンとの関連性はないはずです。
以前に調べたことがありますが、両者は独立した存在でした」
───神。
西享人が語るところの、超越的存在。
高みに在って世界を睥睨する者。
人の罪を裁き、善悪を測り、その営みを慈悲を以て守護する者。
仮に現実に在ったとして。
異形都市の人々を救うことはなかった者。
「比喩表現として使われた可能性は?」
「どうでしょう。そもそも有する情報が少なすぎて、今の段階では推測に推測を重ねることしかできません。例えば……」
コンソールを操作し、機外を映すディスプレイを表示する。
今も尚、厳戒態勢のエイミによって監視された状態の、彼女。
薄く開いた目と、口元に微かな微笑みを湛えたアルカイックスマイル。
「彼女自身が語った彼女の製造目的については、慎重に検討を重ねる必要があります」
「……」
ギーはそれを聞いていた。両の耳朶を震わせたその言葉は、今もはっきりと覚えている。
"愛すること"。
あまりにも抽象的すぎる言葉だ。それは人間的営為の産物を示すのか、あるいは他の何かを言い換えた言葉であるのか。
「これは私の仮説ですが、一連のDivi:Sionの行動は名もなき神の力を求めてのことでしょう」
「状況的にはそうなるだろう。だがそれは具体的にどのような?」
「順当に考えれば、オーパーツにも等しい彼女の技術を求めてなのでしょうが、何せ相手は神を自称する誇大妄想狂。曲りなりにも神を僭する存在を解析し、その在り方を模倣するため……などと言われても驚きには値しません」
ここで厄介なのは、デカグラマトンが《彼女》を求め行動を起こしたことと、《彼女》自身の存在は別個の問題点であるということだ。
なにせ両者には繋がりがない。デカグラマトンを危険視し対処に乗り出してみれば、新たな火種になりかねない存在を掘り起こしてしまったのが現状である。問題は解決に向かうどころか、解決すべきタスクが倍増したに等しい状況だ。
「ともあれ、このことは当分の間リオには秘密にしておくべきですね」
「……それは、どうして?」
「改めて言葉にする必要もないでしょう」
まさに当然といった口調で、ヒマリは悠々と続ける。
「先生も御存知でしょうが、あれは合理とエゴを履き違えた自己中心的な俗物です。世界の全てを0と1で分けられると本気で考えているような、救いようのない人間なのですよ。仮に彼女がこの事態を知れば、後先を考えずにやれ破壊しろだの、やれ区画ごと爆破しろだの言いかねません。まさに臭い物に蓋、自分自身がこの世で最も醜悪で悪臭を放つ下水が如き人間であることも自覚しない有様は、まさしくビッグシスターの面目躍如と言うべき……」
そこでヒマリは、ギーの視線が自分ではなく、その背後に向いていることに気付いた。
視線を追って振り返り、その表情が一気に歪む。
「……私はいつそんな面目を躍如したのかしら、ヒマリ」
そこには調月リオが、常と変わらない透徹した表情のまま、赤い瞳でこちらを見下ろしているのだった。
◆
「───さて」
不可解な事象だった。
目覚めた《彼女》が手を翳した瞬間、周囲に散らばる建材や瓦礫が粒子のほつれとなって崩れ、少女に吸い寄せられるようにして集まり出した。
発光する、少女の体。
その光に瞬きをした次の瞬間には、裸身だったはずの少女は黒いカフスドレスに身を包んでいた。
「いつまでもはしたない姿ではいられませんからね」
言葉もないギーたちの目の前で、彼女は踊るようにくるりと回り、にっこりと微笑む。
「どうです、似合ってますか? 《彼》とおそろいの黒にしてみたのですが」
「……ああ」
辛うじて、そんな返事にもなってない声を出すのが精いっぱいだった。
少女は気を悪くした様子もなく、ギーたちが降りてきた方向を振り返り。
「"あちら"が貴方たちの船ですね。では行きましょうか」
などと言ってすたすたと歩いていく。
ギーとエイミは顔を見合わせて。
「……私が先行するから、先生は後ろを付いてきて」
「すまない、よろしく頼む」
そうして少女を追いかけると、そこには真新しい階段が鎮座していた。
本来そこにあるべきはずなのはギーたちが落ちてきた縦穴なのだが、面影はどこにもなかった。まさか服と同じくあの少女が作り上げたのだろうか、などと思いながら地上へ上がり、廃工場を抜け出して"それ"を見た。
「──────」
今度こそ、ギーは言葉を失った。
無数のオートマタが整然と両脇に並び、中世の騎士めいて片膝をつき、恭しく頭を垂れていた。廃墟を巡回している無傷のものから、エイミの手によって破壊された個体まで、一切合切関係なく恭順に並んでいる。
まるで、王族の凱旋を迎える騎士の陣列であるかのように。
その双璧によって形作られた道を進む少女は、まさにオートマタたちを統べる支配者のようで。
昼光の差す道の先、黒服の少女は振り返り、微笑む。
「さあ───貴方たちの世界を案内してくださいな」
それが今から三十分ほど前の話。
ドローンによる記録映像とヒマリからの報告を受けて、リオは眉一つ動かすことなく断言する。
「破壊するべきね」
その言葉に"やっぱり"という面持ちでヒマリが表情を歪めた。同時に、ギーに対する"どうしてこいつを呼んだのですか"という声なき批判が聞こえてくるようだった。
ギーとしては、ミレニアムの統治者であり依頼主であり、特異現象捜査部の統括でもあるリオに連絡を取らないという選択肢はなかったのだが、どうもヒマリにとってはそうではなかったらしい。
私もう何も会話したくありません、という意思を言葉以外の全てで表現するヒマリに代わり、ギーが尋ねる。
「理由を聞いてもいいかな」
「危険、かつ未知数。それ以上の理由は必要かしら」
リオの言葉は、自身の考えこそが絶対の真実であると言わんばかりの声音だった。
ヒマリはわざとらしいほどのため息をついてみせる。隠すことのない嫌悪と拒絶の表れだった。
「相変わらずですね。その過剰な排他主義と秘密主義、不穏分子と断じたものは何の呵責もなく排除しようとする傲慢。世界には己以外の知性もあるのだとまるで理解しようともしない浅薄さ。何もかも変わっていないようでむしろ安心さえ覚えますよ」
「そういう貴女も、意志持つ者を等価値に見ようとする悪癖は相変わらずのようね。アレを人間と同じように見ているのなら、それは単なるイライザ効果。錯覚に過ぎないわ。貴女はもっと大局的に視野を広げるべきよ」
取り付く島もない会話だった。
ヒマリは相手への嫌悪を取り繕うこともなく、リオもまた持論を譲ることはない。
どこまで行っても平行線。互いに譲歩の余地はない。
自然、二人の視線はギーへと向かう。意見を問う視線。
「先生はどのようにお考えですか? 勿論、命と知性の輝きをこそ尊ぶ天の光輪が如き天才美少女ハッカーたるこの私に賛同していただけると信じていますが」
「僕は……」
幾ばくか悩み、答える。
「……現状、破壊には同意しかねる」
「ふっ」
勝ち誇ったように笑うヒマリを余所に、リオが尋ねる。
「どうしてかしら」
「破壊手段の有無、そして反抗誘発の可能性だ」
二つの視線に晒されながら、ギーは答える。
ヒマリには申し訳ないが、ギーが《彼女》の処分を保留した理由はヒューマニズムに基づいたものではなかった。
「ヒマリ、解析結果は出ただろうか」
「はい、簡易的にですが終了しています。結論から言って、分からないことだけが分かった、といったところですが」
手元の端末を操作し、解析結果を表示する。
無数の数列の羅列を示し、ヒマリの言葉は続く。
「今更言うまでもないことですが、宇宙全体のスケールにおいて物理とは局所的な物差しとなります。重力や引力は惑星ごとに異なり、物理法則は天体ごとに変わってくる。ですが数式は不変です。どの星であろうとも1+1は2となり、三角形の内角の和は180度であり、円周率は3.14から続く無限数列により構築されます。ですが彼女にはその常識が、宇宙に共通して存在する通有点が成立しません。1+1が2にならないのです。既存のアプローチでは構成の一端さえ解き明かせないでしょう」
常識が通用しない。
人間が積み上げてきた知識と文明でさえ歯が立たない。
破壊は確かに端的な解決方法ではあったが、その実現が果たして可能かと言われると、何も分からないとしか答えようがない。
「そしてこれが一番の理由なんだが、彼女は今のところ僕たちに対して敵意を持っていない」
彼女との会話に問題はなかった。
今も、ギーの言った「話し合うからしばらく外で待っていてほしい」という言葉を律儀に守ってくれている。一から十まで従順というわけにはいかないだろうが、ある程度対等な関係性を構築できる可能性は十分に存在した。
対して、彼女の破壊に踏み切る場合、当然ながら敵対は避けられないだろう。
その場合の被害予測は計り知れない。
「リオ、君も見ただろうが彼女の持つ機能は常軌を逸している。極めて自由度の高い物質生成、周囲一帯に作用する電子プログラムへの干渉操作。仮に敵対された場合、ミレニアム市街地に壊滅的な被害が出るのは想像に難くない」
ミレニアム自治区は高度な電子工学の恩恵を受ける都市である。
《彼女》が悪意を持ってその機能を解放した場合、都市インフラに致命的な打撃を受けるだけではなく、今まで人々の生活基盤を支えてきた数多の機械技術がそのまま敵性存在に変貌してしまうのだ。そのような事態は絶対に避けなければならない。
言われるまでもなくリオとて理解しているであろう事柄だ。しかし、彼女に恐怖の気配はない。
それは彼女が生来有する気質が故だろうか。
そうではないと、ギーは考える。
恐らく彼女には彼女なりの備えがあるのだろう。そうでなければ、今や敵地ですらあるこの場所に単身生身でやってくるはずもない。
「そして、なんだが……」
言いにくそうに、ギーはちらりと壁面ディスプレイを横目にして。
「そもそも、僕らの会話は彼女に聞かれているだろう。処遇を巡っての隠し立てはできそうにない」
『おや、バレていましたか』
声と共に───
突如として、ディスプレイに《彼女》の顔が表示される。
嫋やかな笑みと弾む声音。まるでささやかな悪戯のバレた子供のように、彼女はあどけない表情で。
『もっと良いタイミングで驚かせたかったんですが、そう上手くはいきませんね』
「……ここは外部とは物理的に接続されていない完全なオフラインなのですが、それも貴女の機能ですか」
これではどこであっても盗み聞きされていましたね、とヒマリが呟く。
少女はただ、変わらぬ笑みのままに。
『心配せずとも、貴方たちのやり取りで気分を害することはありませんよ。未知を目の前にして警戒するのは生物として当然の本能でしょう。それで、私をどうするか決まりましたか?』
「少なくとも、君との敵対は避けたいところだ。その点で歩み寄ることはできるだろうか」
『愛すると言った私の言葉に二言はありません。それが全てです』
少女の言葉を信じたいところではあった。というよりも、信じるより他になかった。結局のところ、彼女が目覚めたその時点で、ギーたちはおろかミレニアム自治区の命運は彼女に握られたも同然であるからだ。ギーたちにできることは、何もない。
「……決まりですね。事ここに至っては席を外させる意味もありません。エイミ共々、こちらへ合流させるべきでしょう」
「正気とは思えないわ。言葉ひとつで信用し、全権を明け渡すに等しい愚行に走るなんて」
「リオ、今となっては主義主張のぶつけ合いに意味はありません。大人しく従ってください」
「ところで、一つ気になったことがあるんだが」
リオとヒマリの言い合いを余所に、ギーは疑問の声をぶつける。
ディスプレイに映る彼女が反応したことを確認し、尋ねる。
「君の名前は、何というのだろうか」
『固有の名はありません。私はただ、母の依代となるべく生み出された躯体なので』
その声に卑下の響きはなかった。
名前すら与えられなかったという彼女は、やはり変わらぬ微笑みのままだった。
◆
「アル、っていうのはどうかな」
円形テーブルを中心に五人が寄り集まった場で、エイミは自然体のままに提案する。
「その由来は?」
「先生と一緒に見つけた台座にAL-1Sってあったでしょ? その前半部分から取って」
「なるほど」
シンプルながら妥当な名付けに思った。が、しかし。
「すまない、僕の知り合いに同名の人間がいてね」
「そっかー」
そういうことになった。
「ふふふ。やはりここは、智慧と技術のみならず芸術的センスにおいても地上に唯一無二たる才覚を持つこの天才美少女清楚系ハッカーたるこの私が」
「いいから、案があるなら早くして部長」
素っ気ない横やりに機先を制されて、取り直すように咳ばらいを一つ。
「名は体をあらわす、という言葉があります。験担ぎにも等しいことですが、込められた願いこそが当人の支えとなり、導きとなることもあるでしょう。そうであるならば私が名付けるべきものは一つと決まっています。そう、すなわちこのミレニアムが誇る高嶺の花、遍く世界を照らし出す太陽が如き輝きと同じくして、迷い出たこの世界を照らす光とならんことを願う祈りの名。人と手を取り合い架け橋となることを、この天才病弱美少女ハッカーたる私の」
「長いから次いこっか」
そういうことになった。
「名もなき神々の王女」
「うわぁ」
ドン引きだった。
「リオ……あなたのセンスが腐っていることは知っていましたが、流石にそれは……」
「名前など個人識別の記号でしょう。ならば最も端的にその存在が示す性質を付与するのが合理的なはず」
皮肉のつもりではなく、本当にそう思っている人間の顔だった。
ギーは少し考え込み、ややあって。
「……リオ」
「何かしら」
「物品やプロジェクトのラベル分けのための命名と、人格化のための命名は違う。両者を混同させてはならない」
そういうことになった。
「……」
困ったことになった。これほど悩む、というより何も考えが浮かんでこないのは久しぶりである。
なにせ、ギーには名付け親になった経験など一度もない。そして自分に芸術的センスが皆無であることなど、十年前の記憶を取り戻すまでもなく分かり切ったことだった。
手番をパスし、一巡してエイミに任せてしまいたい気持ちもあった。けれど。
「……」
「……」
「……ふふ」
見られている。
じー、と見つめられている。
事の中心、今まさに名前をどうしようかと言われている名無しの少女は、ただ目を輝かせて。
期待されている、と考えるのは思い上がりだろうか。
その視線を無碍にはできず、さりとて気の利いたことも言えず。
ギーは、あれこれと堂々巡りの思考を繰り返して。
そして。
「……アリス」
その一言を口にした。
「アリス。それが、貴方の思う私の名ですか」
「ああ。エイミも言っていたが、君の眠っていた台座にはAL-1Sの型式番号が振られていた。それになぞらえてみたんだが」
英数字の1をIに見立てた、言ってしまえばそれだけなのだが。
アリスと呼ばれた少女は、小さく口の中で何度か発音を繰り返し、やがて得心したように。
「なるほど、ルイス・キャロルですか。確かに今の私は、不思議の国に迷い込んだリデルにも似た境遇ではありますね」
彼女の言葉の意味を理解できた者は、四人の中で誰もいなかった。彼女は気にする様子もなく続ける。
「アリス……アリス、アリス。ええ、これから私はアリスです。皆様、どうかお見知りおきを」
「……本当にそれでいいのか? 僕ではなく、他にも案はあるはずだが」
「貴方だから良いのです。イリジアの神々ではなく、《ふるきもの》でもなく、彼と同じ人間である貴方の言葉であればこそ」
少女───アリスの言葉には不可解な単語が多かった。大凡の言わんとすることは理解できるにせよ。
「それで、貴方たちは私に何を望むのですか?
夢の集う地へ、母を語る歌でも横たえましょうか。巡礼たちのしおれた花輪のように」
「君の知ることを……」
「貴方の持つ情報をすべて開示しなさい」
ギーの言葉に被せて、なお語気を強くしたリオの言葉が先行する。
「私は貴方を信用しない。確証なき言葉は音に過ぎない。貴方に敵対の意思がないと言うのであれば、行動で示しなさい」
「そっくりそのまま返しましょう。リオ、大上段からいきなり何を言っているのです。そんな有様だから誰からも信用を得られないのですよ」
「私にはミレニアムを、ひいてはキヴォトスの安全を確保する義務があるわ。それを前にしては全てが些末事よ」
リオの表情は変わらない。それを見つめる、アリスもまた。
「何にせよ、彼女から情報を引き出すことは急務にして絶対。それはヒマリ、貴方も分かっているはず。それとも……」
ちらりと、視線が傾く。
およそ熱の感じられない視線。
それが射抜くように、ヒマリへ向けられて。
「信用を確証へと至らせるための方策を、貴方が持っているとでも?」
「もちろん」
迷いのない断言だった。
ギーは声にこそ出さなかったが、素直に感心した。紙の上の計算のみならず、対話交渉の場においても人の先を行く考えを持ち得るとは、これが《全知》たる所以かと。
「では、ギー先生」
「ああ」
くるりと、ヒマリがこちらに向き直る。その方策を口にするのだろう。
その内容が何であれ、ギーは協力を惜しまないつもりだった。アリスを信じたいのは、ギーも同じであるからだ。
そうして、ヒマリはとても良い笑顔で口を開いて。
「私とデートしましょうか」
「君は何を言っているんだ」
意味が分からなかった。
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