穢れと祓除   作:おサトさん

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文字稼ぎのためにそれっぽいの作ってしまった......


朧②

「神楽奏、神楽家の落ちこぼれと聞いたが」

 

 

「誰が落ちこぼれだ、まぁ否定はしないが」

 

 

「......待っでくれ」

 

朧に相対しようとする奏を止めたのは、流星。札を持ちながら奏の前に行く。

 

「.....落ちごぼれなら俺も同じだ。逃げでくれ」

 

 

「やめておけ、体がボロボロだ。しかも今術を発動すれば死ぬぞ」

 

 

「だがらといって、一条の落ちこぼれの俺ば命を賭げないわげにば」

 

そうは言ってるが、全身から出血し、脳を一部ヤられ滑舌も悪くなっている流星に、誰がどう見ても朧に勝てる要素はない。

 

「話は終わりか」

 

朧は腕を異常に変形させ、人の腕はある棘を生やし2人に振り下ろす。だがそれは2人に当たることはなく空振りし地面に突き刺さる。

 

「何?」

 

首を回すと4m先の左にいた。

 

「もう休んどけ」

 

 

「......後は」

 

 

「あぁ、任せろ」

 

流星は安心したのか大人しくなり、そして奏は朧に相対する。

 

「....ただのゴミではなさそうだな」

 

 

「その内忘れられなくなる。その内もないが」

 

朧は奏に正拳突きをかます。だがその拳を片手で受け止める。

 

「何だと?」

 

 

「お前のターンは終了した。ここから常に俺のターンだ」

 

瞬間、奏は朧の視界から消え去った。

 

「どこいっt」

 

20発拳を叩き込む。朧は吹っ飛んでいく。

 

「ぐっ!」

 

朧は一回転し着地、だがすかさず顔面にライダーキックをかまされる。

 

「ぐはっ!」

 

 

「吹っ飛ばないのか」

 

奏の足を掴むが、直後にその腕は消滅する。量界『渦』は全てを消滅させる。

 

「ガキが小癪n」

 

 

「お前ら穢れは、理不尽に人の命を奪っていく。だから祓う、徹底的にな」

 

体を回転すると共についでに顎を力ずくで物理的に外し着地する。口から大量に血を出す上、物凄く悶絶する。

 

「ぐぁふ、あふあはあ!?」

 

 

「あーあ、情けねえ」

 

奏が煽るが、もう言い返せるだけの気力は消え失せた。寧ろ朧は神楽奏という化け物相手に心底恐怖した。

当然対抗できるわけもなく、渦で頭を潰された。

 

 

♦︎♦︎♢♢♦︎♦︎

 

 

報告書

柏市連続穢れ発生事件

 

概要 

2025年4月9日午前9時21分、市街地の道路の地中から穢れ9体(赤鬼4体、青鬼5体)が発生。現場にいた祓除師と戦闘。57分、重傷を負いながら撃破するも、新たに現れた穢れ(緑鬼1体)に殺害される。午前10時02分、6人の祓除師が戦闘するも03分までに敗北。

緑鬼は避難所の結界を焼き切り17分に侵入、市民を虐殺するも駆けつけた祓除師と戦闘、祓除師は重症を負い敗北するも、更に現れた祓除師により29分に祓除される。

 

※祓除師の死者と重症者については別資料を参照

 

死者

一般人 56人

祓除師 6人

 

撃破した穢れ

緑鬼 1体

赤鬼 4体

青鬼 5体

 

総死者数 62人

総撃破数 10体

 

 

♦︎♦︎♢♢♦︎♦︎

 

 

事件も終わり、一週間が経つ。奏はこれといった仕事も無く、穏やかに学校生活を過ごしている。

 

「えー、マイナスとマイナスを掛け算をするとマイナスがプラスになり.....」

 

退屈な学校が終わり、途中まで帆夏と一緒に下校し、屋敷に帰ってきたが、門の前には誰かがいた。そして屋敷にいる誰かと揉めている。(奏の視力は6.5)

 

「?誰だ?」

 

そう言い近づくと、屋敷側はジジイこと神楽肇、門側は。

 

「あいつかよ.....」

 

一条流星だった。流石に迷惑なので急いで門に来た。

 

「おい、お前何してる」

 

 

「君か!丁度いい、お願いがあるんだ!」

 

 

「何だよ」

 

おおよそ嫌な予感しかないが、一言言った。

 

「俺を君の弟子にしてくれ!」

 

 

♦︎♦︎♢♢♦︎♦︎

 

 

取り敢えず流星を客間に案内し、茶を出す。そこには3人が座布団の上に座っている。

 

「さて、このクソ孫の弟子になりたいとはどういう事だ?」

 

 

「はい、あの柏市の事件、奏君のその強さに感動しました。俺もあんな風になりたいと思いました」

 

 

「お前が一条家の落ちこぼれだからか」

 

 

「はい」

 

帯状五家にある家系はどれもこれも超エリート一族、一二三級と小占師は落ちこぼれ扱いされる。

 

「京都からここに飛ばされて、思ったんです。絶対家の奴らを見返してやるって」

 

 

「死ぬのは怖いか?」

 

 

「....怖いです」

 

 

「舐めるなよ小僧」

 

肇が流星に対し突然殺気を向ける。奏も思わず冷や汗をかく。

 

「誰かに認められたい、何者になりたい、そんな事は誰にもある。たがな、本当に何かになりたいなら、人生も、命も、大切なものを失う覚悟で死ぬんだよ。死への恐怖は捨てろ。そこからだ」

 

 

「......」

 

何も言い返せない。歴戦の祓除師の言葉は重い。

 

「奏、この馬鹿を弟子にしたれ」

 

 

「この流れで???別にいいけど」

 

この流れ、弟子にしない雰囲気なのに、何故か弟子にしろと矛盾した事を言ってくる。

 

「いや、流れ的に断る感じですけど」

 

 

「いーや、そのムカつく性根を叩き直してやると思ってな」

 

 

「はぁ....」

 

 

「取り敢えず今日はもう帰れ、時間があれば来い」

 

そう言って流星を半ば強制的に帰らせた。客間には沈黙が流れる。

 

「おいジジイ、何で了承したんだ?」

 

 

「何だお前、嫌だったのか?」

 

 

「違う。ジジイさっき殺気を放ちながら誰かにどうのこうの言ってるくせに流星を弟子にさせるのを許可した」

 

 

「そこまで気になるなら教えてやろう。昔の俺に似ていたからだ」

 

 

「ジジイに?」

 

昔の肇に似ている、その言葉の真意は結局分からずじまいだったが、2人は鍛錬をしにいくのだった。

 

 

♦︎♦︎♢♢♦︎♦︎

 

 

「怨霊」、稀に人間は死後強力な"念"を発すると霊体としてこの世に留まる。特に憎悪や嫉妬などの恐ろしく強い念を発すると怨霊と化す。

 

「奏君、この学校には戦前から古い井戸がある事を知っていますか?」

 

 

「井戸は知っとるけど、戦前からあんのかよ」

 

 

「えぇ、父がよく話してくれたので」

 

 

「流石市長の娘だな。でも何で井戸?」

 

普通そんな、戦前からある井戸の話なんてする訳がない。

 

「その井戸、昔そこに村があったんですよ。でもその村少しおかしくて、その井戸を神聖なものと勝手に思っていたんです」

 

 

「何でだ?たかが井戸だろ?」

 

 

「そのまた昔、生首を本当に偶然井戸に落としてしまうのです」

 

 

「何が偶然だよ.....」

 

ごもっともである。

 

「すると、汚水しか出てこなかった井戸から綺麗な水が出てきた上、村にも良いことが沢山起きたようです。ですが、入れなかった時期もありますが、その時は不幸が村全体を襲ったと言います」

 

 

「そんな井戸さっさと壊せよ」

 

ごもっともである。

 

「明治時代、村を取り潰しをしたようですが関係者が次々と亡くなっていったと」

 

 

「十中八九穢れだろそれ」

 

 

「えぇ、当時の祓除師がお祓いをしたようですが、定期的に神楽家の祓除師が来ているようです」

 

 

「ジジイがそんなこと言ってたな」

 

仮にも大占師でもある神楽肇をジジイ呼ばわりするなんて、と帆夏は呆れてしまった。

 

 

♦︎♦︎♢♢♦︎♦︎

 

 

更に二週間後の日曜日の夜、イキり散らかした2年の不良男子グループ5人は、半分は度胸試しとして、もう半分は遊びで学校の例の井戸に来ていた。

 

「いいか?まずあの井戸を覗いて、オッパッピー!って言って戻ってくる。いいな」

 

 

「分かったよ」

 

 

「穢れっつっても、もうお祓いされてんだ。何も怖くはねえ」

 

ゲラゲラと、全員が笑う。

 

「じゃあまずは俺だ!」

 

 

「次は俺だ!」

 

 

記録

2025年5月1日午前7時36分、巡回していた用務員が2年生の不良男子グループ5名を発見。

既にグループ全員は惨殺死体となっており、手足や内臓、眼球などが整列に配置されており、その腐臭により用務員は吐き気を感じたと言う。

そして壁には血で『うるさいぞ』と書かれていた。(後の検査により、文字は一文字ずつ、一人一人の血を用いられていた)

事態を重く見た天城中学校と九瀬市は神楽家に、原因の穢れの祓除を要請した。

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