「あー、すっきり!おまたせしました。あれ?」
用を足し終え、トイレから出てくるのび太。だがそこにいるはずのカトレアの姿がない。
「カトレアさん?」
辺りをキョロキョロ見渡すが、彼女の姿はどこにもない。
「・・・・・・・・。」
のび太は、息を飲む。今にも幽霊が出そうな雰囲気だ。怖い。
「ドラえもん・・・・・・・・」
のび太は半泣きになりながら、この場にいない親友に助けを求める。が、勿論その声は届かない。
「う・・・・・・う・・・・・」
一人で廊下を進む。怖い。最早、犯人の事など、どうでもいい。今すぐ、この場から逃げ出したい。先程まで犯人を捕まえると粋がっていた人と同一人物とは思えない。
「・・・・え?」
すると背後で物音がした。のび太はその場で縮こまってしまう。
「だ、だれ?だれかいるの?」
涙目になりながら、のび太は声を絞り出す。
「・・・・・・のび太・・・・・さん?」
すると蝋燭の光がのび太を照らす。顔を上げると、そこにはテイファニアが立っていた。手には、何故だがちょっとした荷物。
「テイファニア、どうしてここにいるの?」
「それは、今日、慌てて、教室にノートを忘れてしまって。」
「ノート?何か宿題でも出てたっけ?」
「えっと、駄目なんです。どうしても、そのノートが今日、必要なんです。」
「・・・・・・・本当に忘れ物を取りに来たの?」
「は、はい・・・・・ノートです、ノート。」
どこか様子がおかしい。明らかに挙動不審だ。
「・・・・・何の?」
「れ、錬金術!」
「昨日の授業で、錬金術ってなかったよね?」
「えっ、え、そうでした?それじゃ、あの、風の魔法でした!」
「嘘だよ、昨日は錬金術の授業がありました。」
「・・・・・あ、あぅ・・・・・・」
「ってことは、ノートを忘れたっていうのも、嘘?」
「は、はい・・・・・・」
「なんで、そんな嘘を?」
「そ、それは、のび太さん。犯人を捕まえるきなんですよね?」
「よくわかったね。」
「わかりますよ・・・・・だって、のび太さんは私の・・・・・・」
テイファニアは突然声を詰まらせる。
「私の?」
「い、いえ、何でもありません。とにかく、私もついていきます。」
たしかに人は多いほど、心強い。でも・・・・
「いや、駄目だよ。女の子を危険な目に遭わせるわけにはいかないよ。」
「ですが、私がついていった方がいいと思います。」
「で、でも・・・・・・・」
ハーフエルフって、謎の怪力能力を持ってたりするんだろうか。
「それにのび太さんが1人で学院をうろうろしてたら、疑われますよ?」
「・・・・・・・え?」
「のび太さんが犯人じゃないのは分かってますけど、容疑者になっちゃってるっていうのは自覚しなきゃ駄目です。」
「・・・・・・どういうこと?」
「犯人以外の誰かに見つかったら、『今晩も学院に忍び込んで物色してるんだー』って、思われませんか?」
「・・・・・あ、そうか。」
「だから、私と一緒にいれば安心です。のび太さんは、私が守ります。」
「・・・・・・わかったよ。それじゃ、同行をお願いするよ。」
これ以上何を言っても無駄。テイファニアが頑固なのは、良く分かってるつもりだ。
「でも、もし本当に犯人に会うような事があったら、テイファニアは絶対に手を出さないこと。すぐに逃げること。いいね?」
「は、はい。」
するとテイファニアの荷物がガシャと音を鳴らす。
「ところで、その荷物は何?」
「危ない時の武器になるかなと思いまして・・・・・」
袋を開けて、中を見せてくれた。
「・・・・・これが、武器?」
「はい・・・・・・」
入っていたのは、様々な調理器具だった。おたまやフライ返し、ホイッパーで、一体どうやって敵を倒せるっていうんだ。フライ返しで引っくり返せるのは、目玉焼きやホットケーキが関の山だ。
「これでどうやって、敵をやっつけるの?」
「え、えーっと、両手に持って・・・・・」
「うんうん、両手に持って?」
そこで、テイファニアの思考は停止した。
「気持ちだけはわかった。よくわかった。でも、それは置いて行こう。」
「は、はい・・・・・」
ちょっとだけ肩を落としつつ、ガチャガチャと音を鳴らしながら、テイファニアは調理器具の入った袋を自分の部屋に戻したのだった。
この小説の結末は・・・・・・・
-
鬱エンド
-
バウムクーヘンエンド
-
デッドエンド
-
メリーバッドエンド
-
寝取られエンド