ドラえもん のび太の魔法世界物語   作:雛月 加代

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「そうですねー・・・・・・・」

 

唇に指を添え、アンリエッタは中空に視線を向ける。数秒小さく唸っていたが、すぐに視線を戻すと、のび太に向かって笑顔を突き出した。

 

「教えてあげても良いですよ。」

 

「本当?」

 

「のび太さんが、私にケーキを食べさせてくれたらです。」

 

「え・・・・・」

 

「あーん♪」

 

使ってないのび太のフォークにケーキを刺すと、アンリエッタは目を閉じ、母鳥の餌を待つ小鳥のように口を開いた。

 

「う・・・・・・」

 

「あーん♪」

 

うろたえるのび太に、さらに無防備なアンリエッタの顔が迫る。どうやら刺したケーキを食べさせろって事らしい。とりあえずフォークを握ったまま、のび太は動きを止めていた。

 

(うう、どうしよう・・・・・理由は確かに知りたいけど、これはかなり小っ恥ずかしいシチュエーションだ・・・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえ、ホラ見てあそこ・・・・・」

 

「あら可愛い♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・ん?」

 

周囲から囁く声が聞こえてきて、ちらと視線をアンリエッタから逸らしてみる。

 

(あ!)

 

思わず声に出して叫びそうになった。いつの間にやら周囲の客と店長さんの視線が、のび太たちに集中していたのだ。

 

(い、いつの間にこんなに人の目が・・・・・そこ!拳突き出して『GO!』じゃないっ!)

 

目と眉とで文句を言い、正面に向き直る。アンリエッタはまだ待っている。口をおっきく開けたこの姿を、いつまでもさらしたままにしておくのは流石に可哀想だ・・・・

 

「・・・・・(しょうがないな。)」

 

観念完了。店内に学院の学生(主にテイファニア)が居ない事を祈りながら、のび太はベイクドチーズのケーキをアンリエッタの口へと運んだ。

 

「あむ・・・・・・」

 

ケーキの端が唇に触れると、アンリエッタは口を大きく開け、少し大きめのそれを、一気に頬張る。

 

「あむ・・・・・・むっ・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パチパチパチパチパチ・・・・・・

 

完全にケーキが口の中に消えると、ダメ押しとばかりに、周囲から拍手が沸き上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(もう・・・・・好きして・・・・・)

 

「っくん・・・・うーん、おいしーっ♪」

 

ゆっくり味わってから飲み下すと、アンリエッタは全身で喜びをアピールする。

 

「すごいですのび太さん〜!のび太さんに食べさせて貰ったケーキ、間違い無く通常の3倍は美味しいです〜」

 

「大げさだな・・・・・そんな事で味が変わるわけないでしょう。」

 

「ホントです。んーっ、クセになりそう♪」

 

「こっちの精神力の都合上、これっきりで勘弁して・・・・・・」

 

アンリエッタと正反対に、生気の半分が奪われたような気分で、のび太はがっくり肩を落とした。

 

「それで、そろそろ教えてくれない?どこで僕に出会ってたの?」

 

「はい、御説明いたします・・・・・・・・・いつか。」

 

「『いつか?』」

 

「私は『今』御説明するなんて、言ってません。」

 

「なっ・・・・!?」

 

「♪」

 

「だ、騙したなっ!もう一回食べさせてあげるから、教えてよ!!」

 

再びフォークの先にケーキを刺し、さあと口元に迫ると、スプーンとフォークを駆使してアンリエッタは巧みに攻撃をかわす。

 

「ふふふふっ、もーダメです!でも言わないワケではありませんから、ホントです。」

 

「うう・・・・すっきりしないなあ・・・・」

 

「あああっ!話してる間に、もう10分過ぎちゃいました。」

 

「えっ!まだ食べるの!?全種類食べたでしょう!?」

 

「気に入ったのをもう一度食べます。あと3つ・・・・4つは食べられます。」

 

「うへえ・・・・」

 

アンリエッタは店員を呼ぶと、ケーキを注文する。

 

「・・・・・・・・(はあ・・・せっかくガマンしたのに、これじゃ恥ずかし損だ・・・・)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふう、お腹いっぱい・・・・息まで甘あまー♪」

 

「あんなに食べたら当たり前だ。お腹痛くするよ。」

 

「はい・・・・・・反省してます。」

 

「さ、帰ろう。」

 

「あ、のび太さん・・・・・」

 

「ん?」

 

「ごめんなさい。御質問にお答えできなくて・・・・ですが、その時が来たら必ずお答えします。」

 

「その時って、いつ?」

 

「そうですね・・・・・・・私がのび太さんと結婚する時・・・・・ですかね・・・」

 

「何それ、いつだが全然わかんないよ。」

 

「ふふふっ。きっとそんなに遠くではありませんよ。」

 

アンリエッタはのび太の腕を掴むと、

 

「それじゃ、行きましょう♪」

 

「えっ、ちょっと・・・・待って!!」

 

そのまま走り出した。

この小説の結末は・・・・・・・

  • 鬱エンド
  • バウムクーヘンエンド
  • デッドエンド
  • メリーバッドエンド
  • 寝取られエンド
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