ドラえもん のび太の魔法世界物語   作:雛月 加代

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「おはようございます。ミス・ツェルプストー」

 

目が覚め、目に飛び込んできたのは涙を流す両親の姿だった。窓からの日差しが瞳を焼いた。小さな音全てが耳を刺激する。体には、鈍い痛みが走る。

 

「おか・・・ぁ・・・・・」

 

泣いている母に何か声を掛けたかった。けどカラカラに乾いた喉は痛むばかりで上手く声出してくれない。それどころが、自分自身涙が止まらなくてどうしようもなかった。自分は生きていた。自分は、生きている。流れた涙が首筋まで達した所で拭おうとするが、体は言うことを聞かない。ゾクリと、体に悪寒が走った。言い知れぬ恐怖に嫌な汗が流れた。

 

「大丈夫。 もう少し経てば、動けるようになる。」

 

娘の不安を見透かした言葉でそれは霧散した。それからすぐに学院長が呼ばれた。キュルケは何度も奇跡だと繰り返す学院長の問診を受けた。

 

「最後に覚えている記憶は何かな?」

 

オスマンが、極めて穏やかな口調で俺に問いかけた。キュルケは気を引き締めた。最後の記憶は勿論、ルイズ達と一緒。早く伝えなきゃ。あの日何があったのかを。

 

「がっ・・・・・あぁ!」

 

頭が、痛い。

 

「大丈夫かい? 焦らなくていい。 ゆっくり、ゆっくり思い出すんだ。」

 

見かねたオスマンがキュルケを落ち着かせようと声を掛けてくる。

 

「記憶の混乱、頭痛。 やはり脳にダメージが・・・・本来ならば・・・・」

 

オスマンは、息を切らしながらもどうにか落ち着いたキュルケを観察していた。手に持った紙に羽ペンが手元の紙に忙しなく走っていた。キュルケの家族が不安げに自分を見ている事に気づいた。

 

「アルビオンに・・・・・行きました。 ルイズと、タバサと。 みんなで」

 

キュルケは混濁した記憶から間違いなく言える最後の記憶を引き出し、それを告げだ。すると、オスマンたちの表情が僅かに和らいだような気がした。それに満足したキュルケは深く息を吐いて、そして疲労感に引きずられるように眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わりアルビオン、ニューカッスル、死体と瓦礫が散乱する戦場の跡にある礼拝堂。そこは一面赤黒く変色した血の海と化し腐臭が漂っている、礼拝堂というより、地獄を連想させる。

 

「申し訳ありません。」

 

ワルドは膝を付きながら、真正面の少年に頭を下げる。

 

「我々の計画には、ヴァリエール公爵家が必要だ。」

 

少年は低い声でそう言うと、

 

「いいか。なんとしてでも、ヴァリエール公爵家の娘を手に入れるのだ。」

 

凄まじい圧をワルドに向けた。

 

「ははっ!」

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