ドラえもん のび太の魔法世界物語   作:雛月 加代

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トリスティン魔法学院、中央の塔最上階にあるオールドオスマンの学長室。そこには今、二人の人物がいた。オスマン自身とティファニアである。

 

「本当にいいのかね?」

 

「はい。お世話になりました。」

 

テイファニアは、オスマンにお辞儀をする。

 

コンコン

 

すると突然部屋の扉が開かれる。

 

「ヴェストリ広場で、決闘をしようとしている生徒がいるようです。大騒ぎになっており、止めに入ろうとしている教師がいますが、生徒たちに邪魔されて、止められないようです。」

 

「まったく、暇を持て余した貴族ほど、たちの悪い生き物はおらんわい。それで、誰が暴れておるんじゃね?」

 

「一人は先日、ミス・ウエストウッドに召喚された使い魔の平民のようです。そして相手は2年生女子生徒ほぼ全員です!」

 

「それでは、決闘ではなくリンチではないですか!」

 

コルベールが驚く。

 

「くっ!」

 

テイファニアは急いで、学長室を後にした。

 

「教師達が眠りの鐘の使用を求めています!」

 

「生徒の喧嘩ごときで秘宝を使ってどうする。ほうっておけ。」

 

テイファニアが出って行った後、オスマンとコルベールは顔を見合わせ、遠見の鏡を起動させた。

 

 

 

 

 

 

 

その頃、のび太は怯えていた。目の前には、ニヤニヤと余裕をかます苛めっ子のベアトリスとその取り巻きたち。周囲の生徒達も、事の成り行きを見守っていた。

 

ある者は見下しながら

ある者は同情しながら

ある者は期待しながら

ある者は嘲笑しながら

ある者は心配しながら

 

のび太は考えた。どうしてこうなったんだろう、自分はなんでこんなことしてるんだろう。

 

「早く魔法を使ってみせなさいよ!」

 

野比のび太は数分前の言葉を後悔していた。それは廊下でのささいなベアトリスとの口論から始まった。平行世界で数々のキャラとの間に発生した口論と比べれば、本当にささやかな口論だった。だが、その中でついのび太は、

 

「魔法ぐらいなんだい!僕だって魔法の一つくらい使えるやい!」

 

と言ってしまったのである。勿論、直後に(ムキになって余計な事を言うのが僕の悪いくせだ)と後悔したが、もはや後の祭り。

 

「さあ、使ってみなさいよ!」

 

「今日は、その・・・・、ちょっと、体調が『いいから早く使ってみなさい。命令よ!』」

 

気がつくと周囲には人だかりが出来ている。逃げられない。万事休す。のび太は打開策を必死に考えていたが、元々そんなアイディアはこの程度のピンチでは浮かばないようにのび太は出来ている。劇場版のび太補正は世界や友人の命の危機クラスでこそ発揮されるのである。

 

「どーしたの?うんうん唸ってばかりいないで早く使ってみなさいよ?まさか実は嘘だったなんて言わないでしょうね?」

 

「嘘なんかじゃない!もし嘘だったら鼻で南京豆噛んでみせる!」

 

到底フォローできないほどに墓穴を広く深く掘るのび太。

 

「じゃあやってごらんなさい。私もいつまでも付き合っていられないわ。午後の授業もあるんだから。早くしなさい!」

 

嘲笑うベアトリスを前に、のび太は大汗をかいている。周囲の少年少女も嘲って囃し立てるが、そんなのは耳に入らない。

 

(何か魔法・・・・・何か魔法・・・・僕でも使えそうな魔法・・・・僕でも使えた魔法・・・)

 

そんなのあるんかいな。藁にもすがる、とはこのことだろう。のび太は両手を天にかざし、必死になって唱える。

 

「ちんから・・・・」

 

杖も無しに何をやろうというのだろう。その奇妙で間抜けな呪文とポーズも手伝ってこれは数日間は物笑いのタネになる。

 

「ほい!」

 

のび太は短い呪文の詠唱を終えると同時に両手を振り下ろした。

 

シーーーン

 

何も起こらない。当たり前である。誰もがそう思い、周囲は笑いを爆発させようとしたその瞬間、

 

「え!きゃ!な、何よこれ!」

 

ベアトリスたちのスカートがそよ風もないのにふわーっと浮き上がった。

 

「わ、きゃ!きゃ!」

 

あわててベアトリスたちはスカートの前を押さえるが後ろが舞い上がる。後ろを押さえると前が舞い上がる。前後を抑えても左右が舞い上がる。周囲の少女達からは困惑の、少年達からは驚嘆の声が漏れる。

 

「・・・・やった・・・!やったやった!やったぞー!わーい!出来た出来たー!

ばんざいばんざい!ばんざーい!ばんざーい!ばん、ざーーーい!」

 

のび太はしばらく何が起きたのか理解できなかったが、魔法が成功したことをようやく頭が理解すると、満面の笑みで両手を挙げて叫びながら小さな円を描くようにぐるぐる回って喜びを爆発させていた。

 

「な、な、な、ななななな・・・、何すんのよ!」

 

ばっちーん!

 

ばっちーん!

 

ばっちーん!

 

ばっちーん!

 

ようやく魔法の効果が切れ、恥ずかしさと怒りで耳まで真っ赤になって頭から湯気まで出そうなベアトリスたちがのび太の頬に思いっきり手形を付けた。ベアトリスはのび太と笑い転げる級友たちを残して足音荒く広場を後にした。

この小説の結末は・・・・・・・

  • 鬱エンド
  • バウムクーヘンエンド
  • デッドエンド
  • メリーバッドエンド
  • 寝取られエンド
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