成功報酬−弾薬費−修理費+(特別加算−特別減算)= 作:万年赤字一般傭兵
アビスに招待されたので初投稿です
前章
転生→AC→努力→親友→恩師
意気揚々と初代ACを始めたら
レイヴン試験でボコボコにされて
しばらくACテストに篭ったのは自分だけじゃないはず
※今回は独自解釈・設定多めで
尚且つ結構長いです
会話に違和感があったため修正
Possibility of Human and AC
あの日から、私の時間は加速していった。
ドンさんからの指導により、効率化された計画。
フロームート君との交流と勉学。
資格勉強…
ひたすらに、ひたすらに為すべき事を為し
気づけば、私は9歳になっていた
「「「おめでとう!ジョシュア(君)!」」」
今、私は両親と親友に祝福されている
だが、誕生日というわけではない
「まさか、本当に合格したなんて…」
「ここまでとはな…」
「僕は、信じてたよ!ジョシュア君!!」
本日、ドンさんに取るべきだと勧められたMTに関する資格の試験に合格したのである
「うん、皆ありがとう!」
まだ一つ目であるが、これから更に他の資格も取っていくつもりだ
「今日は特別だ、あの店に行こう。
君は、資格勉強を手伝ってくれたのだろう?
出来れば一緒に来てくれるかな?」
「そうね、ジョシュアもそれでいいかしら?」
「うん!」
「い、良いんですか!?ま、待っててください。
両親に連絡して来ます!」
父の言う、あの店とは。
昔、高等教育履修認定試験を合格した際に行ったことがある、少なくとも、前世では入ることすらできない程の高級レストラン。
完全会員制であり、値段が書いていないメニュー表を初めて見た時は、何故か冷や汗が出たものだった。
仕事で忙しいドンさんを招待できなかったのは、非常に残念であるが
それはそれ、これはこれだ。
親友と共に背筋を伸ばしながらも食事を楽しんだ
…この資格を取った時には、最年少記録を余裕で更新したと思ったのだが
7歳ほどで取った、M・トーマスという少年が昔いたらしく、そうはならなかった
イレギュラーだろうか
しばらく遅くなった時は加速し始め
私は11歳になった
栄養飲料*1を飲みながらドンさんにメッセージを送る
[今、連絡できますか?]
[おう、いいぞ]
[ありがとうございます、実は…]
身長は順調に伸び続け、体も鍛えられて来た上
遂に高機動MTの免許*2が取れたのだ。
故に、そろそろ父親にパイロットの推薦を頼みたい
しかしながら、最近は数年前から始まったテロ活動の活発化のせいだろうか。父親はあまり元気が無く、重要な話をしにくい。
そこで、ドンさんも通して話をし、コネを使った入社を果たすのだ。
それに、ここまで時間が経とうとも、技研は一般からのパイロット募集をかけなかった
[ドンさん、自分の事をパイロット候補生に推薦できませんか?]
[ここまで為してきた事を考えれば、こっちから願いたいくらい、なんだが]
[今だと、俺じゃあそこまでできない]
[ごめんな]
一応聞いては見たが、やはりドンさんからのルートは無理みたいだ
なら
[褒めて頂きありがとうございます。
それなら、私から別の提案があるのですが]
[何だ?]
[私の父から、推薦して貰う事を提案したいです]
[オブライエン教授か…]
[ちょっと待て、少し考える]
ただのコネ入社と思われないような実績も積んできた
[まぁ、いけるだろうな。坊主には実績もあるから、ただの身内贔屓とはならないはずだ]
[似た様な前例もある。
だが父親として許してくれるかは、わからない]
[まずは坊主から話を通しな。
それで駄目なら、もう一回連絡してこい]
[本当ですか!ありがとうございます!]
[頑張れよ]
ドンさんから勇気を貰い、早速、自室から出て父に話しにいく
「父さん、大切な話があるんだ。今、いいかな?」
「 何だい?」
父の様子に何か違和感を覚える
だがここで、やめる訳にはいかない
「私が昔言った夢、覚えてる?」
「…ACに乗る、だったね」
「そうだよ。そして、その夢は今でも続いているんだ。
だから、今までこんなにも努力してきたんだ」
「あぁ…父さんもジョシュアの事を誇りに思うよ」
「でも、技研は一般からのパイロット募集をしてない
だからこそ、父さんにお願いしたいことがあるんだ」
「それは…もしかして」
「うん。多分、父さんが思っている通りのことだよ。
僕を、テストパイロットとして推薦して欲しいんだ」
「……そうか…」
「この為に今までずっと努力してきた。それに、ドンさんからお墨付きも貰ったんだよ。お願いだ父さん」
「………今すぐでなくても、いいだろう…?」
「それはそうだけど、」
「なら、また後で話そう、ね?」
「ちょ、ちょっと待ってくれ父さん!」
やはりおかしい
明らかに話を誤魔化そうとしている
「…ごめんね、今は、ちょっと疲れてるんだ…」
「待って…」
結局、父は話を切り上げて別の部屋に行ってしまった
(何故…?)
考えてもわからない
(どうして…不足はないはずだ。
今までずっと努力してきたのに……)
父が言う様に、歳が若すぎる
それが原因かもしれないが…明らかにそれ以外の理由がある。
(わからない…)
結局、その時の私には、それしか分からなかった
[ドンさん、父と話したのですが…]
[もしかして、断られたのか?]
[はい…]
[そうか、何て言われた?]
[それが、話を誤魔化すようなかんじで…]
[なるほど、坊主にも理由はわからない感じか]
[はい、いくら考えても…
若すぎる、それくらいしか]
[坊主はその年にしては明らかに大人びすぎている]
[それにだ。それが理由なら今までの事も、簡単には許してくれなかっただろう]
[多分、それじゃないな]
[何となく理由は考えつくが…]
[本当ですか!それは一体]
[これに関しては重要な話だ、直接会って話そう。
俺とだけじゃない、フロームート君ともな]
[フロームート君?何でですか]
[あの子の方が説明が上手だからな。
まぁ、日程はこっちで上手く調節するから、坊主の空いてる日を教えてくれ]
[はい…えっと〜」
父の奇妙な様子、急に現れた障害
それらを不安に思いつつもも時は経っていく
そして、1ヶ月後
私はフロームート君の家で彼、そしてドンさんとテーブルを囲っている
「さて、話を始めようか」
「は、はい」
「そんなに緊張するな。別に、今回は坊主が悪いわけじゃない…じゃあ、シュナイダー君頼むよ」
普段であれば楽しく話をする面子。
なのに、何故か空気が張り詰めていた
「わかりました」
「ジョシュア君、まず、聞いておきたいんだけど…
ACの大まかな定義は知ってる?」
親友は私に当たり前の様な事を聞いてきた
「MTから発展した人型兵器だろう?」
「"兵器"…うん、"今"はそうだね
じゃあ元々は?」
「元々?」
"元々"
ACは人型兵器であるはずなのに
その言葉は私にとって、酷く異質に聞こえた
「…やっぱり、そこなんだよジョシュア君」
「そこ?」
「そう、ACは元々は人型"機械"
つまり、表向きとして、戦闘は考えてなかったんだ」
「えっ、どういうことだ?」
ACは戦いの為のものでは無かったのか
ならば何のために作られたのか
自分の中にある前提が崩れていく
「君は、AC乗りになる為に努力して来たけど…
その分、情勢に無知すぎる。」
「だから、ちょっと長くなるよ」
「ACの用途なんて、最初は決まっていなかったんだ
コア理論の証明、MT次世代型の試作機
それらに過ぎなかった。」
「けれどね、開発者達は未来への希望だって思っていた
君のお父さんも、そう思っていた筈だ」
「しかし、ACの発表の後、ベイラム、BAWSなんかの軍事企業が開発競争を開始したんだ。
僕らを虜にした様に、企業の目も引いてしまった」
「暫くは自分達だけでやったけど…
MTとの決定的な差異は出せなかった」
「だから、彼らは自身の優位性を確保する最も確実で、簡単な方法を思いついた」
「"技研の技術を使えばいい"」
その言葉に、納得してしまった。
ACの企業がやりそうな事だ
しかし
「技研の、技術を…
だが、どうやってやるんだ
開発者達も、喜んで差し出しはしないだろう…」
技研、企業に対しては中立である組織
そんな所が、そう易々と手を組む訳がない
「そうだね、実際、喜んで出してはくれなかった
でも、企業にとって感情はどうでもいい
"出させれば"いいんだから」
「技研をはじめとした組織群を統制する
"惑星開発管理機構"*3
これは中立こそ謳っているが、現実、企業からの指示に、金には逆らえない」
「だからだろうね抵抗はしたんだろうけど、技研はACの技術を企業に提供し始めた。」
「それだけじゃ無い、その後の開発まで共にする事になったんだよ…人型"兵器"の開発をね」
「けれど、けれどね技研の人たちは、開発者はACを、未来への希望を戦いに使う気は無かったはずだ。
或いは、使ってほしく無かったんだ
……もう、わかるね、君のお父さんもそうなんだ」
「………」
言葉が、出なかった
頭が痛い
(私は…私は、ACに乗りたかった
それだけのはずだった)
親友の言葉は、私に父の想いを伝えている様で
私の、裏切りを糾弾している様で
(でも…それは間違っていた、
心の中で私は、闘争を望んでいたんだ
父の作った、ACを使う果てなき闘争を)
もう、どうすればいいかわからなかった
「…どうかな、ジョシュア君」
「僕は、何も言えない。ただこれを聞いてどうするかは
君が、決めてくれ」
(わからない…わからない…)
ずっと、憧れてきた
ACに乗ることに
「やりたい事」だった
それだけでよかった
けれど、この9年は、親の愛は
私に変化を齎した
(ACには、乗りたい…
でも、そうすれば父を裏切る事になるのだろう)
(どうすればいい…?)
「坊主、お前さんが何を選ぼうとも…責めはしない」
「ただな、これだけは覚えとけ
絶対に後悔はするな」
ドンさんの強い言葉を最後に、私の記憶は消えており
気づけば、自宅の前だった
「……ただいま」
「ジョシュア、お帰りなさい。
…ひどい顔よ、何があったの」
「何でも…ないよ」
「そんな訳ないでしょう?
…今、お父さんはいないわ。少し、私と話しましょう?」
「えっ、うん…」
無気力なまま、半ば母に引き摺られる様にしてリビングまで上がらされる
「さぁ、温かい飲み物でも飲んで…
…それで、何があったの?」
「………」
「ゆっくりでいいから、話してみなさい?」
母の優しい言葉は私の固まった口を、少しずつ動かしていった
「……少し前、父さんに、お願いをしたんだ…
アーマードコアの、テストパイロットに推薦してくれって……」
「…うん、それから?」
「…あの時の、私は、愚かで、
と、父さんを、裏切っていて、
悲しませて、しまっていて」
「………」
「それに、私、私は
あっ、あまつさえ、父の作った
ア、アーマードコアで、たっ、戦いがしたい、
そう思っていたんだ…….」
もう、言葉の震えは止まらない。
今すぐにでも泣いてしまいたかった
「…うん、分かったわ。
ジョシュア、よく聞いてね」
母の落ち着いた、普段とは違う声に震えが止まる
「お父さん、あなたと話し合った後にね私に相談しに来たの」
『ジョシュアは、あんなに頑張ってきたのに。僕は、期待に応えられない。 今の汚されたACを見れば、あの子は悲しむだろう。』
『でも、だからといってどうすればいい?母さん、僕にはもうわからない』
「お父さん、あなたを怒ったりはしてなかったわ。
…寧ろ、自分を責めていたわよ
"やりたい事をやらせてあげられない"って…」
「いい、ジョシュア よく聞きなさい。
お父さんも私も、貴方のやりたい事は何でも全力で応援するつもりなのよ」
「貴方は頭が凄くよくて体も鍛えていて、何でもできるかもしれないけど…それでも、私達 親 はいつでも貴方を支えてあげるわ」
「"戦いがしたい"だったわね
いいじゃない、今ならACは戦えるわよ。
それに、実の子がそれを喜ぶのなら、お父さんも少しは浮かばれるわ」
「最後に、もう一度だけ言うわよ
私達は、いつ、何があっても貴方の味方でいるわ
だから、今日みたいな事があって何かに悩んだのなら、いつでも頼りなさい」
母の言葉は、
私の迷いを一気に取り払った
そして、ようやく、本当に気づいた
父母の愛に
(母さん…っ、父さん…っ!)
思えば、転生してから今まで、両親の事を本当の親だと真に思っていなかったのだろう
どこかに、前世の親が残っていた。
加えて、大人である、という自分がいた
しかし
私は結局のところ、子供同然であった
ACに熱中し、他の事を気にかけない。
ただ、一直線に走る
それは、素晴らしい事かもしれないが
未熟な、若さの表れでもあった
だからこそ
今、私は変わらなければならない
「………うん、母さん、ありがとう」
「いい顔になったじゃない。もう心配は無用かしら?」
「うん、今日父さんとまた話すよ」
「そう…結果、楽しみに待っているわね」
ただACに乗るのではない
それを、父に証明してみせる
そして現在18:21
私は父と対面している
「父さん、話があるんだ」
「……ジョシュア、またか…後で、と言ったぞ」
「そうだね、でもこれは譲れない
父さん、私をテストパイロットに推薦して欲しい」
「……ダメだ、まだ……」
「まだ、話は終わってないよ…父さん。
貴方は今、ACに可能性はあると思う?」
「…"可能性"…?一体何を…」
「別の言葉で言うなら"希望"、どうだ?」
「っ………ない、な」
「やはり、そうか……」
「すまない、ジョシュア…」
「謝らないで。
父さん、私は貴方を尊敬しているんだ」
「尊敬……?」
「そう、"ACを初めて作った人"
そして、"私の父親"として」
「そんなことは、ない…私は…」
「だからこそだ、だからこそ
父さんには、ACの可能性を否定してほしくない」
「だが、ACはもう……」
「もし貴方が可能性を否定するのだとしたら、私は、あなたに挑戦しよう」
「"挑戦"…?」
「そうだ、ここからは私の持論だが…
戦いこそが、人間の、ひいてはACの可能性なんだ」
「"戦い"が…!?
いや、ありえない、そんな事はありえない」
「何故、そんな事を言い切れる?
だからこそ、私は挑戦するんだ、あなたに」
「あなたが戦いによるACの可能性を否定するなら、
私は、その逆だ。
戦いによるACの可能性を肯定し、証明して見せよう」
「しかし、どちらにも論拠はない。
これでは研究者としての名声が泣くな
"オブライエン教授"」
「…!な、ならどうするんだ…!
どうやって証明するつもりだ…!!」
「ACに乗る事で、だ。だから、私を乗せてくれ。
可能性を感じさせられなかったら、降ろすといい」
「………本気、なのか?」
「あぁ、証明してみせよう。
私、そしてACでなら、それができる」
「…分かった、いいだろう…少し時間をくれ、ジョシュア今度は逃げたりしない。やり遂げよう、最後まで」
この日まで、私はずっと子供だった
だがこの瞬間から、私は初めて大人になろうとした
父を超える、その目標を持って
ここまで読んでくださり誠にありがとうございます
ACが出る訳でもないのに、こんな長い文書いてすみません
でも、どうしても書きたかったんです
AC出る時はもっとしっかり書くので
ご容赦下さい…
月光でナメてかかったら瞬殺されました
ファンタズマを止めたら続き書きます