成功報酬−弾薬費−修理費+(特別加算−特別減算)= 作:万年赤字一般傭兵
空中からのグレネードランチャーが躱せないので
初投稿です
前回のあらすじ
推薦されてACパイロットになるための
試験を受けに来た
今回は、少し長いです
「さて、まずは筆記だ。がっかりさせるなよ」
今回の試験は、大きく2つの試験に分かれている
1つ目は、知識面を問う筆記試験
「ふむ、終わったか……成程…」
これは、結構楽だった
「よし、ガレージに行くぞ
ここからが本番だ。見せてみろ、お前の力」
そして、2つ目は
「今回の機体はコイツだ
ACに乗るなら、コレぐらいは乗りこなしてみせろ」
「はい…!」
高機動MTによる、操縦面を問う実地試験だ
(このMTは…
操縦した事があるな)
今、目の前にあるのは
MT
(速度に特化して装甲の殆どを削った、高機動機体。
ACの前段階の機体とも、言えるものだな。
両腕の武装は…アサルトライフルか)
「まずは、チューニングからだ。1時間で終わらせろ
時間が余ったら、そこで試運転してもいい」
早速パイロットスーツを着込み
コックピットに乗り込んだ後チューニングを開始する
(バックブースター、メインブースターの出力割合は [3.25:6.75]に…サイドブースターは…)
高機動機を動かすならば、自分に適した設定にしなければならない
まずは、
(よし、ACSの設定は…)
コックピット内での調整は順調に進み、残り時間は25分。大分早く終わったが油断は禁物だ
[チューニング、終わりました]
[試運転、開始します]
[ほう…分かった。よし出ろ!]
《メインシステム 通常モード起動》
コックピット内の明るさが一気に増し
レーダー情報も表すメインカメラの映像、その他の情報や数値を表す別の画面が一気に表示された
無線を使って通信し許可を受けた後
シートベルトを締め、左レバーをゆっくり前に倒し
歩行して実験場に出る
「歩行、問題なし…」
そのまま更に、左レバーを前に倒し
走行に移行
「揺れも、違和感も…無いな
走行中の脚部、及びACS問題なし」
続けて右レバーをゆっくりと回し
合わせて、左レバーを慎重に動かす
「…旋回、ほぼ問題なしだが、カメラ速度が少し遅いな」
微調整をし、再確認
(よし…次はブースターだ)
右のフットペダルを踏み込み、ブースターへとエネルギーを供給。徐々に踏み込みを強くして速度を速める
「ブースター、問題なし、速度計は…大丈夫そうだ。
揺れも殆どない、ACSは働いてるな」
(最後に…跳躍)
体にかかる重力をいなしつつ
続けて、左フットペダルを踏み込み、そして離す
そうして、機体を跳躍させ、一気にかかる重力を耐えつつ、目まぐるしく変わる様々な数値を確認
(速度計、高度計、ACS負荷、脚部、機体の姿勢角度…)
MTであるため、空を飛ぶことはできないが
跳ぶことはできる
着地まで確認を続け
「…全部、問題なし…はぁ」
基本動作の殆どが終わり一息つく
だが"基本"であって、全てではない。
(残り時間は、15分か…大丈夫だ、落ち着け)
《メインシステム 戦闘モード起動》
ここからが本番だ
機器を操作し、戦闘モードへ移行
メインカメラにAP、FCS、ACS負荷、腕部武装残弾、更にはレーダーが取得した敵位置の方角を示す赤点が、追加で表示されると
同時に、コックピット内別画面におけるエネルギー負荷の数字も上昇し、ブースターには常にエネルギーが供給出来ない事も、確定した
「さぁ、行くぞ…!」
ブースターを一気にふかすが、先程とは違い左右レバーを巧みに動かし始める
ブースターによる複雑な高機動
数値を確認しつつ、続けて問題の有無を判別し始める
(EN消費、ACS負荷限界*2、速度…)
「全て、良し!」
確認しても動きは止めない。
左右レバーのボタンに指を添え機体を的へと向け
「…発射!」
両腕の突撃銃から高速の弾が撃ち出され
的を粉々にした
(FCSは問題なし!
移動中でも、ロックの追従はバッチリだ!)
[そこまでだ!…ここまで、出来るとはな
だが、正念場はこれからだ」
確認が終わったところで、時間切れの宣告がなされた
[マーカーをセットした。そのまま第一実験場に向かえ
試験内容は、そこで説明する]
指示を聞き逃さないように耳の通信機に集中を注ぎ
目的地を示すマーカーに向けて機体を動かしはじめる
[来たか、説明を始めるぞ]
[試験として、逆関節MT2体と3分間戦ってもらう]
その言葉に呼応するようにして、背が高い人型から外れた異形のMTが実験場に入り、左右に分かれて2機とも動きを止めた
(あれは…)
[戦闘には実弾を使用
そしてAPが20%を下回れば、そこで不合格とする]
[あぁ、合格条件も言っておかないとな。
まぁ簡単な話だ。そいつらを2機とも撃破するか
3分間生き残ればいい]
相手は逆関節MT
人型腕部が撤廃されているが、代わりに機関砲と跳躍用のジェットパックを側面に取り付けたMTだ
(さながら、レイヴン試験…と言った所か)
[何か質問はあるか?無いなら、もう始めるが]
[あぁ、そうですね…アレは無人機ですか?]
(相手はMTでありながら、高所というアドバンテージを取れる…これはきついな)
かつて、ゲーム*4でも似たような状況があった
しかし、ここは違う
(遮蔽物が無い、それに段差もない、か…)
[当然、無人機だ心配は要らん…
もう終わりか?そろそろ始めるぞ]
無機質な実験場には物々しい機体を除き何もなかった
(………やるしか、ないのか)
[じゃあ、あと10秒で開始だ]
カウントと共に頭の中で戦略を立て始める
10
(無人機…か)
9
(真正面の撃ち合いは負けるな)
8
(高く跳ぶなら潜り込むか…?)
7
6
5
4
(……いや、片方の攻撃を避け切れなくなる)
3
(待て、無人機なら…)
2
(AI技術は、まだ未熟だったはずだ。なら…)
1
(……これに賭けるか)
[試験、開始!!]
戦闘の始まりを告げるブザー音に合わせて
命を持たない"ノミ"達は跳ね
地を這う"紙魚" はブースターで一気に駆け出した
第一射目
爆音と共に、紫色の曳痕を引く鉄の雨が降りかかる
(…ぐっ…!)
左レバーを思い切り横に倒しACSに負荷をかけ、身体には急にかかるGを受けながらも
レバーの傾きを微調整し、ACS負荷限界ギリギリを攻めることでMTとしては驚異的な速度で躱す。
そのまま、敵機の着地予想地点へと直進
左右レバーを使い機体の向き、そしてFCSをゆっくりと、しかし慎重に敵機の下に向け
短い電子音と共に
左右のレバーにあるボタンを押し込んだ
低いACSの性能により、Siphonは短時間の飛行に見せかけた跳躍しか、できない
故に
落下地点の調整ができない"ノミ"には
銃弾を避けられない
安定性が低い逆関節の脚部は衝撃を受け止め切れず
無防備にも、地上でその動きを止めた
しかし
(やはり、足りないか…!)
一方で、素早い回避と、接近の強制。
彼の駆るMTには殆どエネルギーが残されていなかった
跳躍によるACS負荷により、Siphonの片割れは今だに地上にいるしかない。しかし、既に第二射目の準備は整い始めている
このまま動きを止めたMTを撃破した所で、もう一方の射撃を避け切るエネルギーは残されていない
ただでさえ、装甲が薄い機体なのだ。
一度受ければ、そのまま硬直し撃破されるだろう
だが
(ここまでは、織り込み済みだ…!)
彼は残るエネルギーを全て使い、今だに動けないMTへと更に接近した
チャージングを起こしブースターの炎が消える
もはや、自力で攻撃の回避はできない
(よし、急げ!)
装甲の殆どを削ったのは徹底した軽量化のため
銃撃を回避できる程では無いが、"Silver Fish"の走りはMT中トップクラスだ
彼は視点の操作を放棄し、左レバーの操作とレーダー情報の赤点に全神経を注ぎ機体を走らせる
(急げ急げ急げ急げ!!)
やがて、2つの赤点が重なった所で機体の動きを止め
第二射目
またしても爆音を立てて今度は、鉄の雨が横殴りに襲い掛かり
まともに機関砲の銃弾を受けたMTは
爆散した
第二射目
爆炎と煙を突き抜けて、銃弾がSiphonに突き刺さった
組まれているパターンに従い、ブーストによって回避を試みるが躱し切れない
片割れと同じ安定性の低い脚部では衝撃を受け切れず
動きを止めようとも、銃弾は無慈悲に装甲を貫き続け
その機体を、爆発させた
2つのスクラップが燃え盛る音。
それに混じり、試験終了を告げるブザー音が響き渡る
[…なるほど
それなりの力はあるようだ]
[認めよう 君の力を
今この瞬間から君はACパイロットだ]
ここまで読んで頂きありがとうございます
書いてて凄い楽しかった
尚、本物のシュトルヒ先生は、もっと強い
興味を持ったなら、やってみてください
今ならPS4・5で初代ac配信されてるので
戦闘描写どころか小説を書くのも初めてですが
どうでしたか?
ACの看板を借りている以上、中途半端は嫌なので
変な所があったら、教えて頂けるとありがたいです
豆知識
昆虫の系統樹において
紙魚は、カゲロウの一つ手前に存在しており
翅があるか、ないかの境を
カゲロウと共に作っている(諸説あり)
強化人間を倒したら続き書きます