成功報酬−弾薬費−修理費+(特別加算−特別減算)= 作:万年赤字一般傭兵
プラズマライフルの強さに気づいたので初投稿です
前回のあらすじ
オレンジ先輩と模擬戦
["J"!!まずは謝ろう!!
正直言って、みくびっていた!]
[だが!貴方は強い!!
だから、こちらも手段を選ばない!!]
大音声と共に先輩がAB突撃を開始。
近距離でハンドガンを連射し始める
先ほどと同じ行動
だが
(速い…!)
QB、そしてドリフトターンの頻度が段違いだ。
(体に過負荷をかける動き…!
後の事を考えない捨て身か!!)
こちらもABと同時のQBで対抗。
アサルトライフルで牽制するが
[ぐぅぅぅっ!捉えた!]
先輩は追いついてきた。
ENに余裕がないからかブレードを使ってこない。
しかし、ハンドガンによりACS負荷が急上昇
「まずっ…」
[そこぉ!!]
今度はこちらが停止。
すかさずブレードの2連撃が入れられる
だが、そのままやられるつもりはない
先輩は高速機動に加えブレードまで使った。
当然、ENが不足
(動きが鈍った…!)
ACS回復と共に、AB+QB
今度は前に詰めて…
ブレードと、プラズマキャノンをチャージ
[ちぃっ!!]
満足にQBを出せない相手。
僅かな隙に強烈な一太刀を与え
僅かな硬直を狙い…
チャージしたプラズマを発射
相手AP残り10%
機体を後退させて引き撃ちに移行
それでも先輩は怯まない
[避け切れないか…だが!!]
ABで突撃しハンドガンでACSに負荷をかけてくる。
再び、ACS負荷限界が近づいてきた。
スタッガーすれば、そのまま撃破されるだろう
しかし
「まだか、まだか…!」
[止まれ、止まれ止まれ止まれ!!]
相手のAPも最早限界だ
溜まっていく自機のACS負荷
それと対照的に、尽きようとする敵機のAP
やがて、動きを止めたのは
「これで、終わりか…」
[こう、なりますか…]
先輩のACだ
新技による搦手もすぐに看破された。
操縦技術なら先輩の方が圧倒的に上なはずだった。
それでも、勝ったのは私だ
(かった、勝った…勝っっった…!!)
驚きと共に喜びが来る。
本当に…最後の最後まで、勝てるかがわからなかった試合
ホーリー先輩との模擬戦でも、傭兵の質が低いACでも味わえなかった新しい感覚
それは、劇毒のように体を侵していった
たった10秒かもしれない、1時間かもしれない。
時間の感覚が分からない内に先輩からの通信が入る
["J"…まずは、おめでとうございます。
ここまでの成長…私としても予想外でした]
[そして……申し訳ありませんでした]
「先輩…?」
称賛の言葉はわかる。
しかし…謝罪、これは予想外だ
[弁解はしません。
貴方に…付き纏った事です]
[本当に申し訳ありませんでした]
(あの時の過保護のことか…)
隊長に話した日から無くなった先輩の行動。
正直言って、それ自体はどうでも良い
「…私は、気にしていません。
ただ、出来る事なら理由を教えて欲しいです」
それよりも冷静で頼りになる先輩の異常な、放ってはおけないような姿が気に掛かっていた。
どうにかしてあげたい、そう思ったのだ
[…隊長から言われました。
"J"は子供でも弱者でもない、
誰にも止められないような自由な強者だと]
[それでも貴方は弱く、私は守れると。
そう驕っていたのです…]
[ずっと、側にいれば何処にも行かない。
死ぬ事はない]
[そう、思い込んでいたのです]
私に対する心配が原因である事は察していた。
そして、隊長の話を聞いて確信に至った。
だからこそ、今日、戦って示そうとした
「…それは、貴方のかつての同期が原因ですか」
私は弱くなど無く、力がある事を
[ そこまで知っていたのですね。
そうです、彼が私の代わりに死んでから…
私はずっと、ずっと強くなろうとしてきました]
[そして…二度と仲間を死なせるものか。
そう考えてきたのです]
[そこに貴方が来ました。
若い天才で、死ぬ事を恐れない貴方が]
[かつての失態を挽回するように…
貴方に、彼を、投影していたのです]
[守るだの、弱いだの、と思ってい ながら、貴方を、見て 来なかっ たのです。
…先輩、失格ですね]
私に他の人を投影してきた。
そう、先輩は震えた声で言う
(そうか…でも)
「…そんな事はありません、先輩」
それは違う
["J"…?]
本当に私を見ていなかったのなら
「先輩、私は貴方に多くの事を教わりました。
でも私は、その時に誰かと重ねて見られている、
そうは思いませんでした」
[え…]
「貴方はいつも、的確に導いてくれました。
ACの操縦だけじゃないです、食事や体の鍛え方のような基礎まで。」
「もし、私を見ていなかったとしたら」
「こんなにも強くはなれませんでした」
強く、なれなかった
[し、しかし…]
「今日、強さを求め続けた先輩に勝てた。
これでは足りませんか…?」
先輩に勝つ事で、私は示した。
ACに乗ろうと、ACの操縦に慣れようと努力し積み上げて来た力を。
そして…この隊にいる全ての先輩方から教えられ、助けられて受け取ってきた、確かな力を。
[……ははは…]
[後輩に教わるだなんて……
先輩失格ですね]
今度の声は震えていない。
何か吹っ切れたようなそんな調子だ
[ありがとうございます"J"
目が覚めた気分です。
…借りが2つもできましたね]
「それなら、これからも模擬戦をしてくれませんか?
私は、もっともっと強くなりたい。
まだまだ教わりたい事が沢山あるのです」
[はははっ、本当に 本当に貴方は……]
[可能性に、満ち溢れていて…
きっと、何があっても止まらないのでしょうね…]
父に約束した人とACの可能性だけでは無い。
今まで、私は何も証明する事ができなかった
だが今日、私は初めて証明をしたのだろう。
自らの力を示し、気づかせた。
先輩がずっと目を背け続けた場所に。
そして、私の可能性に
「…ところで先輩。今、動けますか?」
[お恥ずかしながら、先程の動きで体が……もしかして]
「……はい、私もです」
[…誰か、呼ぶしかありませんね]
結局、副隊長に迎えに来てもらった
彼は呆れた顔をしていた。しかし、オレンジ先輩を見た途端に何処か安心した様な顔をしていた気がする
自らの事であっても、自分で気づく事は難しい。
それは、時に他者から伝えられて気づくものだ
自分で分からないことを他者から教わる
"啓蒙"とは、そう言う事なのであろう
ここまで読んで頂き、ありがとうございました
プラズマライフルをしっかり当てられたら
続き書きます