成功報酬−弾薬費−修理費+(特別加算−特別減算)= 作:万年赤字一般傭兵
やっとトカゲを撃破したので初投稿です
前回のあらすじ
オレンジ先輩との試合決着
[EN管理が甘い!無駄なQBは厳禁!]
先輩との模擬戦から5日後
お互いに動けなくなってしまった故、やりすぎだと副隊長から叱られはしたが
[そう、そうです!そこなら慣性に任せて良い!]
今は元気にオレンジ先輩から指導を受けている
[…今日はここまでですね
お疲れ様でした]
先輩との模擬戦。
あの時から隊の雰囲気は和らいだ。
何処か良い流れができ始めた気がする
「はい!ありがとうございました!!」
任務に赴く時に感じていた不安な目線は、
こ確かな信頼を帯びた目線に
帰ってきた時の心配の言葉は、
任務達成を祝う明るい言葉へ
オレンジ先輩からの正確だが遠慮がちな指導は、
厳しいが、より成長できる指導へ変わっていった
[…待ってください。
副隊長からの連絡です]
[…はい、はい。了解しました…
"J"、日用品は不足してませんか?]
そういえば
先輩との模擬戦前ではひたすらにシミュレータに篭っていた上、その後も先輩との楽しい訓練に夢中であった為、消耗品を買う暇が無かった
「いくつか、足りない物がありますね…」
[副隊長が買い物に行かれるようで…
ついでに来ないか、との事です。
どうしますか?]
折角の誘いだ、断るのも悪い
「お願いします」
[では、その様に…]
シミュレータの電源を切断。
少しの休憩の後、先輩と共に雑談をしながら副隊長の元へ行く
「…確かに貴方の技は凄いです。
しかし、アレに頼り切るのはダメです」
私が考えた…というより再現した技
AB起動と同時にQBする事による
高速機動
前世のゲームにおいても存在した技だ。
しかしABの最中にQBは使えなかった為、不可能だと思っていた
「はい!」
「体だけではありません。ACにも過負荷がかかり
何が起こるのかわかりませんからね」
だがホーリー先輩との模擬戦の中で、偶然発見した事がきっかけとなった
距離を離して引き撃ちする先輩。
その弾幕の回避に集中するために、別口の操作端末を使いABによる突撃をしようとした時
「…ですので、基礎的な技術をもっと高めましょう
いくらでも教えますから」
ホーリー先輩が急接近した。
咄嗟にQBをふかして交差を防ごうとしたら…
ACがとんでもない速度で飛び、今まで受けた事がない殺人的なGが体を襲った
「ありがとうございます!」
「まあ、ここまでいいでしょう。
…ところで、あなたは日用品以外に何か欲しい物は…」
その時は、先輩をかなり心配させてしまった。
操縦どころでは無く失神してしまい、模擬戦が中断されてしまったが…後で録画映像を何度も見返すうちに何が起こったかわかり
「特にないですね…
新しいトレーニング器具とかあります?」
その後オールマインドの警告を耳にしつつも自分で、何度も何度も再現を繰り返す内に身についたのだ
「分かってはいますが…
やはり10代前半との子供とは思えませんね…」
「ACが、楽しいので」
「あら〜随分仲良くなったわね!
オレンジちゃんも良い顔してるわ〜」
「ふ、副隊長!?」
話し込んでいる内に、いつの間にか目的地に着いた様だ
「「失礼致しました!!」」
「別に良いのよ〜、今日は休暇でしょ?
…貴方達が仲良くしてるんだもの。
それなら何でもいいわ」
「「ありがとうございます!」」
「じゃあ、早速行きましょうか」
副隊長に連れられて、先輩と共に寮の中にある店に買い物へ向かう
洗剤、洗顔料、ハンカチ、ティッシュペーパー…
ある程度買い物が済んだ所で
「ほら、"J"ちゃん
この服はどうかしら?カッコいいわよ」
「"J"…頑張って下さい」
以前の寮における買い物でも起こっていた、試着会が始まった
この試着会の始まり、それは自分がシミュレータを使い過ぎていた頃。
あまりにもの熱中を見かねた副隊長が、解決策として他の趣味を見つけようと私を買い物に連れて来たことだった
「ACに乗ること以外も人生だからね!
…何か、他の趣味は見つかった?」
食事、本、ゲーム…様々なものを試したがピンと来ず、最終的には様々な服を着せられていた
そんな時に副隊長から、一つの課題を出されたのだ
「それは…まだです」
"AC以外の趣味を見つけること"
いまだに達成出来ていないものだ
「…困ったわねぇ」
「私達がここに来てからテロも結構落ち着いたし…
トーマス教授のお陰で無人AC開発もそろそろだって、ホーリーちゃんが言ってたわ」
「勿論、クビ なんて事は無いでしょうけど…
今みたいにずっとACに乗れるとは限らないわ。
乗らない間の趣味くらいは…あった方がいいわよ」
「"J"、副隊長の仰る通りです。
少しでもいいです、何か興味を惹かれた事は…」
かつての様にACに乗るために必死でなく隊の雰囲気も和らぎ、任務やパーツ試験も減ってきたからか、最近は休暇が出るくらいに余裕が出て来た
いい加減、課題を達成すべきだろう
「………もう少しだけ、待っていただけませんか?」
とはいえ、すぐには思いつかない。
その場は待ってもらう事にした
買い物を終えて20分後
「うーん……」
やはりと言うべきか、趣味探しは難航していた
(これを見た所でな…)
かつて課題を出された時に隊の先輩方から聞き出した趣味のメモを見るが
隊長
・スポーツ・映画鑑賞……
副隊長
・化粧・買い物・料理……
ホーリー先輩
・読書・他分野の論文読み・ACの整備……
オレンジ先輩
・読書・料理・スポーツ……
「どうしたものか…」
結局、趣味は人それぞれになる。
自分にも当てはまるものは相変わらず見つからない
(…逆に考えよう、ACに絡めればいいんだ)
この際ACから完全に関係ないものにするのは、無理かもしれない。しかしながら、そう仮定するとしても他の情報源が必要だろう
(だがACに、しかも戦闘に詳しい人なんて……
…先輩方以外に…あっ)
ある、妙案が思いついた
思いついた妙案
[登録番号 T-5 識別名"J"による認証を確認]
["J"貴方の帰還を歓迎します。
今日はどの様な訓練をお望みですか?]
それは
「オールマインド。
お前に質問したい事があるんだが、いいか?」
[えぇ、勿論です]
「AC以外の新しい趣味を探そうと思っている。
だが知っての通り、私はACが第一なんだ」
オールマインドに聞くことだ
[趣味…ですか?]
今までは、AC訓練のためのシステムとしか見ていなかったが…
「ああそうだ。
副隊長から何か見つけろと言われてな」
[何故、私に?]
「この趣味探しはこれからの人生に関わる。
故にとても大事なことだが…自分だけでは、なかなか決められない」
「だから信用できる奴に相談するしかない…
そこでオールマインドだ」
「適切なアドバイスをくれたり、時に止めてくれたり…今までずっと訓練で世話になっただろう?
お前が、一番信用できるからだ」
どこか人間らしい所がある彼女なら、パイロット共通の趣味などを知っていてもおかしくはないだろう
[////成程、それでは暫くお待ちください]
「恩に着るぞ、オールマインド」
[………データ収集完了]
[多くのACパイロットは、やはり独自の趣味を持っていますが…]
[AC搭乗中は似通った趣味を持っていますね]
「おお!本当か!」
[はい、例としては…音楽、飲酒、煙草……]
("音楽"…?)
かつて気にならなかったものが、急に引っかかった
(音楽、音楽…"AC搭乗中の音楽"…)
どこか懐かしい様な
「あっ!!!」
["J"?どうしました?]
「いや、何でもない…
だが、ありがとうオールマインド。
見つかったんだ、手掛かりが」
「やはりお前は最高のシステムだな!」
オールマインドに礼を言って、シミュレータで仮想空間を設定し
タブレットでテクノ系の曲をかけてから、早速MT相手の戦闘を開始。
心臓の音のようなビートが頭に染み込み、気分を高揚させていく
「この感覚…久しく忘れていたな」
何で、今まで忘れていたのだろう
(今までも凄かったが…素晴らしい)
前世のACにおける楽しみの一つを。
bgmを聞きながらACを動かす楽しみを
今は無理だが…
その内に、ACに乗っていない時にも音楽だけで思い出せる様になるだろう。
ACを操縦した時の興奮を、歓びを
私にはこれこそが趣味になりそうだ
ここまで読んで頂きありがとうございます
素晴らしい音楽もACの魅力ですよね
操作に必死だと耳に入りませんが
四脚機体専用アリーナを制覇したら続き書きます