成功報酬−弾薬費−修理費+(特別加算−特別減算)= 作:万年赤字一般傭兵
チャンピオンアリーナで滅茶苦茶にされたので
初投稿です
前回のあらすじ
病院にて目を覚まし独立傭兵になる事を決意
Respect Decisions
[このまま独立傭兵として登録…と行きたいですが]
[その前に身体機能を回復させましょう]
[オールマインドに、お任せください]
賽を投げたがすぐに行動できる訳ではない。
幸いなことに怪我による後遺症は無いものの、筋力の低下は中々のものである。
それ故に、次の日からリハビリテーションが始まった
「うっ…ん…」
[良い調子です、そのまま…1.2 1.2]
耳に取り付けられた機器から発せられるオールマインドの指示に従って、筋力を取り戻す為のトレーニングを続ける
(厳しいな……)
筋力の低下は想像を遥かに超えていた。
最初は、歩く事さえ辛かったが
[思惟的行動、反射、筋力…
ある程度は回復していますね]
[この早さ…脅威的です]
1ヶ月半のリハビリを得て、日常生活を簡単に行える程にはなった
ちょうどいいタイミングだろう
「オールマインド、そろそろ…」
[独立傭兵の登録ですか?]
「いや違う、両親とかに連絡したい」
いい加減、自分の生存を伝えたい。
かなり心配させてしまっているだろうから
[了解しました、どなたに繋ぎますか]
「……まずは、両親からだ」
[成程…母方はまだ不可能ですが、父方のオブライエン教授ならば可能です]
オブライエン教授。
あの時から殆ど接触できなかった私の父
一体、どんな事を言われるのだろうか…ただ生きている事を言えばいいのか
久しぶりに話せるという嬉しさがありながらも緊張が高まり、思わずリハビリの手が止まる
「……繋いでくれ」
少しの葛藤はあったが、最終的には話せる喜びが勝った
[承知致しました]
リハビリを続けながら彼女の返答を待つ。
いつもより時間が長くなったように感じながらも
10分後
[お待たせいたしました。早速、開始します]
[……ジョシュア]
「……父さん…」
久しぶりの会話だ。
色々と話したい事があったはずなのに、自分からは何も言い出せない
暫くの間沈黙が流れ
[…生きて、いるんだな?]
「…うん、何とか ね」
父の言葉がそれを破った
[…多くは聞かない。
だがこれだけは聞かせてくれ]
「!何 ?」
[まだ、ACには乗りたいか?]
「っ!」
父から発せられた質問に思わず息が止まる
自分は父の推薦を受けてACに乗っていた。
可能性を見せられなかったのかもしれない。
独立傭兵になる事を取り消されるかもしれない
嫌な予感が頭を何度も横切るが…
それでも、この問いに対する答えは一つだ
「乗りたい、ACに乗りたい」
[例え、今回の様な目に遭ってもか?]
「もちろん」
[そうか…]
父はそれから黙ってしまった
今だに何を話せばいいか分からなくて、私も黙っていたのだが気づけば私の口は質問を紡いでいた
「父さん、"可能性"は感じた?」
かつて出した挑戦状。
私はこれを果たせたのだろうか。
まだ、ACに乗っていいのだろうか
[……ああ、感じた]
(そう、か…私は成し遂げられたのか)
不思議と強い喜びは湧いてこなかった。
父には認められたが
「そうか…でも、もう少し待ってほしい」
自分で認められなかった
[どういう、ことだ?]
確かに困難を乗り越えた。
2年少しでACに乗り、多くの功績を残した
しかし
「こんなものでは無いんだ。戦いの、可能性は」
「だから、待ってほしい。私が納得するまで」
そんなものでは到底届かない。
私を魅了した、あのイレギュラー達に。
彼らが魅せた素晴らしい可能性に
「きっと時間がかかるけど。それでもまだ上がある」
時間は必要だ。
しかし私にはそれなりの"力"があるらしい
「こんなものでは納得してほしく無い」
ならば為せるだろう。
これからだ、これからが真の挑戦なのだ
["こんなもの"か…]
[…いいだろう、確かに受け取った。
いつまでも待とうじゃないか]
「…ありがとう」
それからはさっきまでの沈黙が嘘の様に話が進み、色んなことを聞く事ができた。
両親が心底心配していた事、無人AC研究が後退した事、しかしコーラルにより進歩する可能性がある事…
だが
[…それでな、父さんも母さんと一緒にルビコンに行く事になった]
[ジョシュアも傭兵として来る事になるだろう。
お互い、離れずにすみそうだ]
父の最後の言葉が私の中にある熱を一気に冷ました
「待って…ルビコンに、行くの?」
[そうだ、ルビコン調査技研のメンバーに入れてな。
コーラルを使えば専門分野の更なる発展が…]
アイビスの火、これから起きるであろう大災害。
私が焼かれるのはいいだろう。しかし
それに家族が、私の家族が巻き込まれるかもしれない
「………もう取り消せないか?」
この際なりふり構ってはいられない。
今からでも、何とか阻止しなければ
[取り消す…どうしてだ?]
狂人の妄言と思われてもいい。
これで仲が悪くなってもいい。
だから、とにかく
「それは、ルビコンが危険だからだ。
…聞いた話では、コーラルだって今までない程の危うさを持っているのだろう」
「父さん達には、死んでほしくない。
だから、行かないで…!」
(頼む、頼む…!!)
[…危険、か]
「そう、そうなんだ!だから」
[なら、ジョシュアはどうするんだ]
「えっ…」
急にかけられた問いに硬直してしまう
[ACに乗るだけじゃない。
傭兵になって、更に危険な戦いに身を投じる。
そんなジョシュアはどうなんだ]
[私達はお前が危険に赴く事を、選択を認めた]
両親は、私がACに乗る事を許可してくれた。
涙を流すほど、愛する子供を危険に晒す不安に耐えながら
「あ、ああ…」
[どこから聞いたかは知らないが…確かにコーラルは危険だ]
[だがな、それ以上に魅力的なんだよ。
正しく、お前に取ってのACと同じくらいにな]
父と母は、私の選択を尊重した。
危険に満ちた夢を後押ししてくれたのだ
[父さん達は技研の研究者だ。
危険だとしても、それを暴きたくてたまらない]
だとすれば、私には
[すまないが、こればかりは譲れない。
…大丈夫、危険な資源を今まで調査してきたんだ。
今回のコーラルもどうにかなるさ]
私には、彼らを止める権利がない。
止める事などできるはずがなかった
「……ああ、わかった…ごめんなさい」
[まあ、気持ちはわかるさ。
寧ろ心配してくれてありがとうな]
[…じゃあ今日はここまでだな。
母さんにも生きてることは伝えているが、改めてお前からも連絡してやってくれ]
「…うん、わかったよ」
しばらく話し続け通話を終了する
よく、わかった
「オールマインド、今いいか?」
[いかが致しましたか?]
この危機は私が招いたものだ。
自分本位な夢しか見えてなかった愚かな私が
「独立傭兵としてのパイロットネームと、AC名を決めたい」
だとすれば、可能性の証明より先に為さねばならない事があるのだろう
[承知しました、ではこちらの画面を]
示された画面に指を当て入力。
静かな室内に電子音だけが連続して
[…登録、完了]
例え死ぬとしても、成し遂げたい事がある。
だが、憧れを捨て切ることは出来ない
[傭兵支援システムALLMINDへようこそ]
[
ここまで読んで頂きありがとうございました
一難去ってまた一難
冗長に感じたらすみません
空中からのエネルギー砲に対処できたら
続き書きます