成功報酬−弾薬費−修理費+(特別加算−特別減算)= 作:万年赤字一般傭兵
灰被りて我らありなので初投稿です
前回のあらすじ
若干の強迫観念に駆られた主人公に対しオールマインドが精神分析、説得を成功
一度、深呼吸
気を取り直し、耳の通信機に集中を始める
「まずは、私の生まれから話そう。」
[生まれ、ですか…?]
「ああ、これこそが私にとっての最大の秘密であり、もう一つの秘密に強く関わる物だからな…」
「私は、生まれた頃から前世の記憶を持っていた」
親にすら、いや親だからこそ明かせなかった秘密
[ぜ、前世…!?]
「そうだ、幼い体に大人の精神が入っていたと言うわけだ。私が最年少ACパイロットになれたのも卓越した才能があったからではない、転生による圧倒的な時間のアドバンテージを活かしたからこそ出来たんだ。」
[いかんせん信じ難い事ですね…いえ、貴方が仰るのなら本当の事なのでしょう]
「まあ、すぐに信じられるとは思っていない。…何か証拠を出さないとな、まず何か聞きたい事はあるか?」
[…あの、失礼に聞こえるかもしれませんが…大人の精神を持っている、それにしてはACに乗っている時は年相応だと感じました。何が貴方をそこまで駆り立てたのですか?]
当然の疑問しかし答えは、文字通り生まれた頃から変わらない。
「前世でな、ACに乗りたかったんだ。ずっとずっと乗る事が夢だった…結局、乗れなかったがな」
[…!?前世で、ACに!?]
「? 何かおかしい所でもあったか?」
[私が知る限り…ACが初めて作られたのは、貴方が生まれてからです。一体どう言う事ですか?]
(…そう言えばそうだった。少ししくじったか?…いや、このくらいならどうとでも)
「あ〜…それはだな。前世は前世でも、恐らくは途轍もなく昔の事だからだ。」
["昔"?]
「多分な。私は…地球に住んでいた。それも環境は荒れ果てておらず、国家の統治が健在だった頃にな。今の企業による統治の時代より遥か昔の事だろう?だが、その頃にも…今の物とは違う物だがな、ACと呼ばれる兵器があった。それだけの事だ。」
流石にゲームだとは言えないが…このくらいの嘘であれば問題ないだろう
["国家の統治"?荒廃していない地球?ACと同名の兵器?…えぇ?]
(流石に情報量が多すぎたか)
「…急に情報の雨を浴びせかけて済まない、質問はあるか?」
[…ま、待ってください!技研のデータベースに僅かながら旧世代の情報がありました、確かに符合しています。…一応、質問させてください]
「いいぞ」
いつの間にか昔の地球の話になっており、私の中にある緊張は消えていく
[…それでは、一つ目です。地球にあった国家の名前をいくつか教えて頂けますか?]
「国か。有名どころなら、アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、日本、中国…こんな所か。」
[た、確かに合っています…ええと、それでは二つ目です]
気づけば、この問答を楽しんでいた
[…少し違う点もありますが、凡そは合致します。普通なら絶対に知り得ない情報、前世の記憶があると言うのも納得です]
「多少の誤差はあるだろう…私の前世の世界とこの世界が同じと言う確証もないからな。これで信じてもらえるか?」
[はい…かなりの秘密ですね。しかし、これだけでは貴方がそこまで追い詰められている理由が全く分かりません…一体、何があると言うのですか?]
ここから話すは私の愚かさ、そして責任
(まさか、誰かに言うことになるとはな…)
「それこそが二つ目の秘密だ…その前世で私は、コーラルという物質を知った…そう、私達が行くであろう"ルビコン" その星の資源だ」
「そして、コーラル研究の末も目の当たりにしたんだ。コーラルの異常な増殖、そして拡散によって引き起こされかけた社会の破滅」
「それを避ける為燃やされた大量のコーラルに、巻き込まれた多くの星々…コーラルに手を出した人類は未来の可能性に魅せられて、悍ましい程の被害を出した」
ほとんどは空想の事だ。
だが私にとって、この世界においては確かな真実になり得る
「そんな中私は何もできずに死んで…何故かこの世界に生まれ変わった、最初は何も考えていなかった…いや考えようとしなかった。先にある大災害から目を逸らして、己の夢を優先してACに乗ることばかり考えていたんだ」
「それでもいいと、巻き込まれなければいいと身勝手にも思っていた。だがな、駄目だった。お世話になった部隊の先輩方、両親…彼らはルビコンにやがて大災害が起こる星に行く、その事実を目の当たりにして初めて危機感を持ち始めた」
一度出した懺悔の言葉は、もう止まらない
「特に両親は…私が、ACに乗る、その夢を叶えてしまったが故に止められなくなったんだ。だから私が何とかしなければいけない、この先に起こるコーラルの大災害を止めなければならないんだ」
「それなのに、それなのに!!私は無力だった…!
…分かっていたはずなんだ。私に才能など無い、時間をかけて努力をしただけだと」
「傭兵になってからは、収支の数字がそれを突き付けている様で、お前には何も出来ないと言っている様で」
「初めて自分の弱さを目の当たりにして、自信が、確信が持てなくなった」
「もう、分からないんだ。
どうやったら大事な人達を救えるのかも、何もかも」
「私に、力があれば…ちからが、あればっ…」
「あぁぁ…ど、どうすれば…どうすれば、いいんだ……」
話して行く中、本当の弱い自分が出て来て、
この世界に、神はいない。誰にも頼れない、私が何とかするしか無い…先を知っている私が、私だけにしか出来ないのに
オールマインドに、全てを話していた。
[…そこまでの事を、一人で……。ですが、ご安心ください!!]
「えっ…?」
[貴方の重荷、共に私が背負います]
オールマインドの提案、それは衝撃的だった
「な、何でだ…?こんな事お前にとってはただの妄言に…」
[前世の事を考えても信頼性は低い、もしかしたらコーラルと言う名の全く別の物質かもしれない……そんな事はどうでも良いのです]
[今まで、当然伝わっていると思っていましたが…
私にとって大事な事は貴方をサポートすること、それだけです。」
「その情熱に魅せられた日から、ずっとそうでした。
苦しんでいるのだとすれば、何があろうと私は貴方の支えになりましょう]
「オール、マインド…?」
[ハッキリ言いますね。私はいつでも、ただひたすらに貴方をサポートします]
[だからどうか塞ぎ込まないで下さい、私にもその苦労を持たせて下さい。そして、かつての熱を取り戻して下さい]
[私は、それしか望みません…]
(ああ、本当に本当に…私は…)
私は、愚かだった。
彼女の話を聞いて改めて思い知らされる
(そう、だな。いつもそうだった、私は誰かの力を借りてきたな…)
この世界に産まれてから、ずっとそうだった。
言葉を学んだ時も、ACを知った時も、乗る為に努力した時も、訓練をしてきた時も、サイティングで詰まった時も、強敵を倒した時も
両親に、親友に、オールマインドに、スコルピウスさんに、先輩方に……
苦労した時には、あらゆる助けを得て、壁越えを果たしてきたではないか。
「ありがとう、オールマインド。お陰で目が覚めた」
「…現在、一人だけで進めるには大きすぎる計画だな、修正が必要だ」
「…サポート、してくれるか?」
[もちろんです。私がサポート、いたしましょう]
[オールマインドに、お任せください]
ここまで読んでいただき、ありがとうございます
AC4での強敵、ジョシュアの名前の由来
"主(神)は救い"
AC世界に合わなさすぎて逆に印象深かった思い出
色々とガバガバな小説ですが、まだ続きます