成功報酬−弾薬費−修理費+(特別加算−特別減算)=   作:万年赤字一般傭兵

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スネイルの皮肉が何処か懐かしいので続き書きます

前回のあらすじ
主人公の精神が完全に復活


Autobahn

 

 

 オールマインド、気の許せる相手に抱えていた事を共有できたからだろうか…

 ペンキをぶち撒けるように言い訳と嘘で染め続けていた心が、今は透明だ。

 

 気分が良い

 

 

 

(……はぁぁぁ〜〜〜…)

「…大分話が逸れたな。私の、コーラルに対する具体的な計画を話そうか」

 

 さあ、もっと冷静に計画を考えてオールマインドと共に精査しよう

 

「さっきの話なんだがな、少し補足がある。コーラルを研究しながらも、その危険性を把握して最後まで抗おうとした科学者がいた、ナガイ教授という人だ」

 

「あらゆる類似性から、この世界にも教授がいる。そう思った私はこの人と協力して未来の悲劇を防ぐつもりだった…結局、協力に漕ぎ着けるまでが一人では厳しい道のりだったわけだがな」

 

 ["ナガイ教授"…技研にも同名の人がいます。また今回のルビコン調査にて、かなりの立場にいますね]

 

 [確かにコーラルの先行研究を行っていますが…一方でその危険性を忠告している慎重派でもある様です。貴方の仰る人物と、殆ど同じだと言えるでしょう]

 

 

(不思議な事に類似性を持った前世と今世……説得する為とはいえ、少し複雑な設定にしすぎたか?

 まあ、墓穴さえ掘らなければ良い。ゲームなどと言うよりは…マシだろう)

 

「それは良かった。だとすれば、その人と協力したいものだ…オールマインド、仲介などは出来るか?」

 

 [不可能では無いです、しかしその前に…]

 

 

「 何か、前提が必要か?」

 

 冷静になった頭、そしてオールマインドへの信頼が導き出した方法。技研との繋がりが深い彼女なら問題は無いと思ったのだが

 

 [はい、先ずは信頼です。

 今の貴方はただの独立傭兵に過ぎません。ですので技研との繋がりを隠す必要性から、それ相応の功績がないと要人の彼とは関われません]

 

「まあ、流石にそうか」

 ここまでは想定済み、しかし他にもある様だ

 

 

 [次が問題です。貴方は、ナガイ教授と協力する、そう仰いましたが…具体的にどの様に協力するかのビジョンはあるのですか?」

 

(あっ……)

 

 とても、痛い所を突かれた気がする。

 確かに具体的な案は決まっていない、どうしようか

 

 […あまり考えてなかったのですね。大丈夫です、私がいくつか考えつきました]

 

 

 [至極簡単な事です…傭兵として個人的に彼の依頼を受ける、これだけでも協力になります。

 何せ、コーラルの研究にはコーラルが必要ですが…現地勢力、そして技研内部の別派閥との取り合いになる事は想像に難くありません。信頼できる戦力は彼の研究に必要でしょう]

 

 [後は…そうですね。詳しい事は分かりませんが、明らかで無いコーラルの性質などを伝えると言うのもどうでしょうか? ]

 

「お、おお…!!」

 

 

 焦りに不安で碌に思い付かない私の頭に比べ、彼女からは現実的な話が出てきた。本当に頼れるAIだ。

 そして、彼女の話を聞く限り

 

「…どちらにしても、結局はACによる信頼の積み重ねに帰結するわけか」

 

 ACこそが解決策なのだ。

 

 

 [そう言う事です。今までと、する事は変わりませんが…ここで更に一手、私からの提案が]

 

 [信頼を一気に積み上げて、更には貴方の強さを貴方自身に思い知らせる…そんな手段があります]

 

「なにっ、それは一体…」

 

 [AC乗りらしく、傭兵らしく行きましょう。タブレットをご覧下さい]

 

 

 

 

 

独立傭兵 ドン・サヴァン排除

 成功報酬 0c

 前払報酬 0c

 

 特殊条件:弾薬費、修理費の補填あり

 

 [さて、"ジャック O"貴方に依頼が届いています]

 

 [依頼主はケイト・マークソン。作戦エリア、及び作戦時刻に制限は無く傭兵"ドン・サヴァン"を排除する事だけを考えて下さい]

 

 [依頼主の意向により報酬を払う事はできませんが…代わりに、オールマインドのシステムを用いて修理費と弾薬費を補填できます]

 

 [説明は以上です。貴方なら必ずできます]

 

 

 

 

「こ、この依頼は…何で…?」

 

 [わた…いえ、ケイトからの依頼です]

 

 思わず困惑してしまう。修理費と弾薬費が補填される上に依頼主が企業などでは無く、ケイト。すんなりと理解する事はできなかった

 

 

 [貴方は力が足りないなどと言いますが…それは間違いです。試験部隊での2年…そこで積み上げてきた戦闘経験に勝利の記憶、私はずっと見てきましたから分かります]

 

 [ですが…貴方がオレンジ隊員にそうした様に、力とは話すのでは無く、振るわれてこそ初めて示されるもの。ならば貴方自身が信じられる様に、その機会を提供しようと言うわけです]

 

 [いかがでしょうか?]

 

(………)

 

 熟練の独立傭兵"ドン・サヴァン" 明らかな強敵。

 しかし多大なる期待と信頼を受けて、ここまでお膳立てされては…証明しない訳にはいかないだろう

 

 それに

 

(ああ…楽しみだなぁ…!!)

 

 重荷が取り払われた心。

 その奥底から湧いてきた、言葉も倫理も意味をなさない戦いへの渇望が

 

 私を突き動かし始めた

 

「その依頼、もちろん受けよう!!」

 

 [了解致しました]

 

 

 

(そうと決まれば、早速アセンブルだ!!)

 

 昂った心のまま機体構成を見直す。

 もちろん換装できるパーツなど無いが…

 

(対ACを考えろ。相手は火力重視の重量二脚、撃ち合いは絶対に不利になる…ならば近接戦だ)

 

 ライフル、ブレード、ミサイル…それ以外に、もう一つだけ攻撃方法がある。

 

 

(だとしたら、これしかあるまい…後は慣れだな)

 

 機体の再構成を終えてシミュレータへと直行

 何度も何度も機体をぶつけたり失神しかけたが…

 久方ぶりの多幸感で、気にもならなかった。

 

 

 [やはり、こちらの方が貴方らしいですね]

 





ここまで読んで頂きありがとうございました

壁越えを果たせたら続き書きます
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