成功報酬−弾薬費−修理費+(特別加算−特別減算)= 作:万年赤字一般傭兵
休憩を命令されたので初投稿です
前回のあらすじ
どこかであったジャンク屋とお話し
「しかし…ダムの作業員では無く、ジャンク屋だったとはな。つまり、嘘をついたということか」
山河ダムにて見逃したMT、てっきり不幸にも巻き込まれた労働者かと思ったが…違っていた様だ
[ああ、そうだ、だが待ってくれ。あの時、俺はアンタを傷付けたか?機体を撃破したか?何もしなかっただろう…]
[昨日の敵が今日の味方にもなる傭兵なら、分かるだろう?俺はアンタの敵にならなかった。つまり…お互い何も無かったならノーカウントだ、ノーカウント!!]
その事自体に憤りを感じている訳でもない。しかし、これは使える、そう思った
「ほう、一理あるな。だが…」
[な、何だ…]
「恩を返すと言ったな?元傭兵なら借りの大切さは分かるだろう?」
だが、不当な扱いは恨みを買う
[……何が望みだ]
「まあ、そう焦るな。お前も商売人…恩と利益を引き換えにするのは気が進まないだろう、だから…」
「値下げしろ、サービスしろ…そんな事は言わない、ただ私が利用する際に誠意ある対応をしてくれ」
[…へ?]
「お前が良い腕をしたジャンク屋という事は聞いている。だから…ジャンク品の買取だけで無く、私の魂とも言えるACの調整も願いたい」
スッラの紹介ともなれば腕は確か。しかし、私は彼と違って新入り…色々と下に見られる事もあり得る
「難しい話でも無い。勝手に部品を抜くだとか、こっちの品を傷付けるだとか…そう言う事をしなければ良いだけだ」
「命を助けられた恩返しにしては破格の条件だろう?
それに仕事が増えるんだ、そちらにとっても悪い話ではあるまい」
故に、この件は釘を刺すだけに留める。ここで得るべきは一時の金で無く、信頼と信用であろう
[……アンタ、独立傭兵らしく無いな。だがそう言う事なら…このPatchWork、確かな仕事を約束しよう]
「よし、なら早速だが明日から買い取りを願いたい。契約内容なんかの細かい話を詰めようじゃ無いか」
それからは、またもやケイトを交えた話が始まった
『ケイト、これで大丈夫そうか?』
[………不利になる様な事もありません。問題ないでしょう]
スッラはとある理由で出せないが…やはり、この様な契約面だとケイトは強い。データの処理力で他の追随を許さない彼女は一切の不備を許さず、かなりの安定感があった。
「良し。取引成立、だな?」
[ああ!アンタとのビジネスに祝福あれだ]
彼の様に固い握手は無かった。それでも、安定した関係を築き始めた事が相手の上機嫌な口調から分かった
ジャンク屋との取引も終わり、やるべき事が終わった途端どっと疲れが出てきた。殺し屋故の癖だろうか、スッラは余裕そうだが私が限界だ
「そろそろ休むか、私は操縦席で寝る。貴方は私の部屋を使ってくれ」
「…いや、もう何も聞くまい。ありがたく使わせて貰うとしよう」
彼は私の敵であったが、今は味方として雇用している。だとすればそれ相応の扱いが必要だろう…操縦席に入られる方が困る、と言う理由もあるが
[私、私は……]
いつもの2倍騒がしいプロペラ音に…ブースターの音
[…ジャック・Oだな、準備は既にできている。例のジャンクを積んだヘリを着陸させてくれ]
ここは開けたジャンクヤード。
PatchWorkと取り決めをした引き渡し場所だ。念の為ACに搭乗してはいるが、広域レーダーは伏兵がいない事を示している
「了解…どうだ?」
[こいつぁ…いい部品を残してくれたな、中々目利きが効くようだ。これなら良い値がつくぞ]
蟻が餌を運ぶように、様々な重機やMTがヘリに寄ってたかっては中のジャンクを次々と持ち出していきタブレットに表示された買取額が上がっていく
「それはよかった、だが本命は別だ。ケイト頼む」
しかし、これだけでは無い。残ったヘリを降下させ、ハッチを開き…
[…これは!!]
「良い値で、買い取ってくれよ?」
CORNELIUSが、その姿を現した
[この、機体は…じゃあまさか、あんたルキウスを…!]
スッラの保有していた機体、CORNELIUS。
予備のACとして取っておく考えもあったが…
「そう言う事だ。…で、どうだ。いくら出す?」
[ま、待ってくれ!ここまで状態が良いと、急には買い取れんぞ…!」
改造機であるため、シミュレータ不対応。加えて、動かした事がない重量機であった為、武装だけ抜いてから金に換えて現機体の強化費用に回す事となった
跳ね上がって行く買取額とケイトの値段交渉を眺めながら、査定を待つこと30分
[…こんな所だな]
[算出完了、問題はないかと]
「まあ、ここらが妥当だろうな。相場より少し高いのは期待だと思っておけ」
遂に出た額は…借金を差し引いて658,140COAM
スッラとケイトも問題無い額だと言っている。
ここまでの額、現機体の強化まで可能だろう
「良し、十分だ。ここまでとはな…これからも宜しく頼む」
[アンタの実力、想像以上だった。こちらからも宜しく頼むぞ]
帰りでは積荷を下ろしたヘリの様に、私の重荷が軽くなった様な感覚がした。
責務に、力に、金に悩んだ。
だが金の問題が解決しただけで、今は楽しさしか無い
傭兵とは金によって、こうまで心を動かされるのか
今までは部隊における仕事の延長線上でしか無かったが…この時、初めて傭兵として生きているのだと実感できた
私の傭兵生活は、正にここから始まるのだ
CHAPTER 3
"Dirty Worker" FI…見つけた見つけた見つけた見つけた見つけた見つけた見つけた見つけた見つけた見つけた…………
第七区画、放棄された工場地帯。
撃墜され最早動かなくなったヘリの中で、ある男が記録映像に見入っている。
映像だけが明かりとなる暗闇すら気にする事なく映像内のAC同士の戦闘を血走った目で睨みつけ、その口から発せられるは怨みと…喜び
己が追い求めてやまない、怨敵を見つけた喜び
「す…ぶす、潰す……」
「潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す!!!」
ここまで読んでいただきありがとうございます
もう少しだけ続く
休憩が終わったら続き書きます