成功報酬−弾薬費−修理費+(特別加算−特別減算)=   作:万年赤字一般傭兵

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私ごときがこのスティンガーに勝てるわけがないので
初投稿です

前回のあらすじ
お父さんはACの開発者の1人
→でもACの乗り方は教えられない
→技研のセレモニーにACパイロットが来るらしい
→お父さん関係者だから家族招待できる
→セレモニーでパイロットから直接教わろう!
→今ここ



Transition to the Real

 

セレモニー当日

 

10:20

 

今、私は父が勤めているらしい建物の前にいる

 

(割と普通のビル*1だな…)

 

流石に人が勤めるような場所は、以前の実験場ほど大きくは無いらしい

 

「ジョシュア、カード 落とさないようにするのよ」

「うん」

 

恐らくセキュリティの為なのだろう

身分を証明し、招待客であることを示すIDカードを先日、父に渡されていた。

万が一にも落とさないようにパスケースに入れて首にかけている

 

「そういえば、ジョシュア。

お父さんが働いている姿を見たことがなかったわね

運が良ければ、今日見れるかもしれないわよ」

「うん…」

 

AC開発者である父の仕事は正直かなり気になる。

しかし、それよりも興味を惹かれることが沢山あった

 

「えっと、ジョシュアが行きたい所は…

[ACカメラ映像公開・11:30〜12:30]

[ACシミュレータ体験・14:00〜18:00]

[ACパイロット交流会・16:00〜17:30]

この3つで良いのよね?」

「うん、そうだよ」

 

 

今回はパイロットとの交流が主目的ではあるものの、こんなにも面白そうなACのイベントがあるのだ。

それらに参加しない理由はない

 

 

「それなら、入場手続きを済ませて

11時半のものから見ていこうか」

 

建物に入り、受付にカードを渡して手続きを始める。

幸いにもすぐに終わったため早速、映像が公開される部屋に向かって人混みに気をつけつつ進む

 

(…人が多いな)

 

今回の技研のセレモニーは、例年のものに比べると一般客が非常に多いらしい。ACの効果だろうか

 

そうして、歩くこと約20分

遂に目的の場に辿り着いた

 

「やっと着いたわね、席は…ここか」

母と共に指定された席に座り、映像の開始を待つ

しかし早過ぎたのだろうか、周りにはあまり人が見かけられない

 

 

「じゃあ、飲み物とか買ってくるから。

大人しく待っていてね」

母が席を立って部屋を出ていった。

することもないので前のスクリーンを見る

 

[AC開発に携わったのは研究者だけではありません。

ムラクモ氏、クローム氏…………彼らの援助があってこそ、ACの開発は成し遂げられたのです]

 

映像がループに入るところで母が帰ってきた

 

「はい、センチュリオンジュース*2

あとこっちはお昼ご飯、見終わったら食べようね」

 

母から飲み物を受け取った所で時間を確認する

 

「11時00…もう少しだ」

「後はゆっくり待ちましょ」

 

ループしている映像はもういいので

飲み物を飲みつつ、これから流れるカメラ映像がどんな物かと、しばらく想像していると

 

[間も無く、ACカメラ映像が公開されます]

 

「ジョシュア、そろそろ始まるわよ」

いつの間にか20分ほど経っていたようだ

 

(…人少ないな)

 

周りを見るとあまり変わっていなかった。

強いて言うなら、自分より年上の子供が1人、家族と一緒にいることくらいか。

 

すぐに前を向き、期待を胸に映像に集中する

 

 

 

 

 

 

 

 

[…これまでとは一線を画す世界、

どうぞご覧ください!!]

 

スクリーンの映像が消え、辺りが暗くなる

 

心臓が音を立て始めた

 

 

 

 

 

[メインシステム ツウジョウモードキドウ]

 

今の時代にしては珍しいほどに機械的な、しかし、何処か懐かしさを覚える音声が流れ

 

明るい映像が映し出された

 

 

 

しかし

 

 

 

(まさか、ゲームそのままの映像とは…)

 

 

[映像に表示されているものをご覧ください

左の数字は速度を

右の数字は高度を

下の白い棒はブースターを使う際に消費するエネルギーの残量を示しています

また、右上の映像は同時刻のコックピット内映像になります]

 

 

画面左端に速度

右端に高度

下にエネルギー量

 

ゲームと変わらない表記は僅かな落胆を

中央に映るMTよりも細い機体は少し弱々しい印象を私に感じさせる

 

胸の中の音が、肉と骨に押し潰されてきた

 

[ACのカメラは周囲の情報を分析し再構築。

第三者的な視点を得ることでAC特有の高速機動への対応を可能にしているのです。

この技術は オブライエン…]

 

また、映像には、本来アイカメラだけでは映らない場所まで映っている

違いはAP*3の表記がなく

画面右上にコックピット内の映像が流れていることぐらいか

 

 

 

 

 

 

 

[ホコウカイシ]

 

ACがまず歩行を始めた。

重量感のある低い音が連続しており、機内にはかなりの揺れが起こっていそうだが

コックピットの映像には殆ど揺れが見られず、メインの映像も、まったく揺れていない

 

 

 

 

 

 

 

[ブースト キドウ]

 

歩行を停止し背部ブースターから炎が吹き出した。

速度計の値が一気に上昇、周囲の景色が流れて行くが

コックピット内のパイロットは少しも動じていない。

 

 

 

 

 

 

 

[ジョウショウ カイシ]

 

パイロットか僅かに姿勢を変え、上昇に備えた後

緩やかに斜め上を目指して機体が進んで行く。

先ほど感じた重量感はもはや無く、優雅にその機体を空に浮かべて行った

 

音が、肉を突き破り始めている

 

 

 

 

 

 

 

[サンジゲンキドウ カイシ]

 

ただ浮かんだだけではない

左に、右に、上に、下に

あらゆる方向に高速で動き始めた。

それに合わせてパイロットの姿勢も変化して行き

 

景色の流れがさらに加速する

 

 

 

 

いつの間にか、当初の落胆は感動へ変わり

細身な機体の背部はその踊りで、私に美しさと力強さを感じさせていた

 

 

音が、骨に響きわたって行く

 

 

 

 

 

 

 

[カコウ カイシ]

 

僅か1分にさえ満たない儚い飛行。

しかしながら、何時間も続いたように感じた。

だが、遂に終わりが来た

 

 

白いゲージは赤に変わり、ゆっくりとACが下降して行く

 

景気の流れは遅くなって行き

 

そのまま止まってしまいそうだった

 

 

 

 

 

 

 

しかし、そうはならなかった

 

 

 

 

 

 

 

[クイックブースト ターン ジュンビ]

 

一緒、景色が消えた

 

そう錯覚してしまう程速く、機体が動き始め

 

 

 

寸刻の静寂の後

 

 

 

激しい重低音が生じた

 

視点が急激に横に動き

パイロットは姿勢を必死に維持している

 

やがて、音が止み、景色は動かなくなり

 

[テスト カンリョウ ]

 

いつの間にか映像は終わっていた

 

[如何でしょうか!

ACによって授けられた新たな世界は!

特筆すべきは、やはり空中における3次元機動でしょう

この技術は シュナイダー……]

 

周りの音が聞こえない

心臓の拍動音が頭の中で乱反射し

高い熱を胸の内に感じる

 

(なんで、 どうして…)

 

 

ゲームで何度も見た筈だった

凄まじい機動がある訳でもなかった

 

 

だが

 

(どうして、私はこんなにも……)

 

 

ゲームが現実のものとなっている

 

 

その事実だけで体の中から何かが湧き出して来た

 

 

 

 

 

気づけば音声も終わっており

退出する人が増えてきた

 

 

 

 

 

そんな中で

 

1人だけ、いた

 

 

 

 

 

私と同じ目をする者。

ACに魅せられた子供が

*1
前世のものと比べればはるかに大きい

*2
生化学工業メーカー"ケミカルダイン"により製造されているジュース

これまで開発されてきたジュースの中で最高傑作であることから"センチュリオン"を付けられた、他意はない

*3
Armor Point(アーマーポイント)の略、ACシリーズにおいて、所謂「体力」を示すもの、0になるとACが動かなくなりミッション失敗




ここまで読んでくださり誠にありがとうございました

誤投稿により一度消してしまいました
その時読んでくださった方、誠に申し訳ありません

ブーストを使ったジャンプが解禁されたら
続き書きます
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