リリカルなのは 最強のデバイスマスター   作:レイハさん

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今回も遅れました。すいません……

中々思いつかなくて、書けませんでした。
まあ、こんな小説の投稿待ってくれてる人なんていないと思うが…←オイ


今回は5000文字程度です。



10話 ハジマリ

さて、あれから大分時が経ち、今まさに原作始まろうとしている時だ。

なぜそれが分かったかというなら、俺が退院してから、今日までの間に契約した使い魔である。山猫のリニスが、原作で重要なアイテムであったロストロギア…ジュエルシードの反応を探知したからだ。

 

リニスからその報告を受けた俺は、今日1日学校を休み、デバイスを整備したり、出力をギリギリまで引き上げたりと万全の準備をし、と時間が過ぎていき今に至る

 

「……幸司、そろそろジュエルシードの暴走が始まります……後、三分と言った所でしょう」

 

リニスがジュエルシードの魔力が高まっていくのを感じ取り、不安そうな声色で俺にそう告げる。

きっと俺の事を心配してくれているのだろう

 

「大丈夫だ、俺は帰ってくるさ、相手がロストロギアだろうと何だろうと………絶対に」

 

俺は自信満々な笑みを浮かべて、リニスにそう言うが、内心はめちゃくちゃ怖い…。

ジュエルシードは原作のアニメではなのはが簡単に封印していたが、あれはアニメの中だからそうやって死にそうになるような目には遭わず、ジュエルシード二十一個を封印できた。そういうシナリオだったからな。

でも、ここはもうアニメの中じゃない、現実なんだ。

ジュエルシードがどれほどの威力があるかは分からないけど、道路のアスファルトを粉々に砕いたり、電柱をへし折ったりと、攻撃がかすりでもすれば殺されてしまうようなものだというのは分かる。

そんなものと戦いにいくのだ…怖くないわけがない。

 

…それでも、俺は戦うって決めたんだ。なのは達をもう危険な目にあわせないって誓ったんだ……。

…だから……

 

「……だから、力を貸せ……ストライク……」

 

自分の体に装着したデバイスを見つめてそう呟く。

 

……覚悟は…もうできた……

 

「里中幸司……でるぞっ!」

 

俺は背中に着いたスラスターをふかし、最初のジュエルシードが発動する動物病院へと向かった

 

 

◆   ◆

 

「ヴァァオォォォ!!!」

 

動物病院の前の道路に飛び降りると、そこは惨状と呼ぶ事すらためらわれるような状態になっていた。

地面のコンクリートは所々抉られ、電柱は二つに折れるどころか3つ、いや4つに折られていた。

 

そして、この惨状を引き起こした張本人が、道路に降り立った俺にめがけて突撃する。

 

「ふん!」

 

『Vibroshield』

 

その突撃してきた、全身真っ黒の巨大スライムのような化け物を、左手に構えた盾で防ぐ。

 

化け物と盾がぶつかり合うと、化け物は体を小刻みに震わせ大きくはじけ飛ぶ。

これは俺の盾に魔法を付加し、高速で振動させるようにする事によって、盾で敵をはじく事ができるようにしたものだ

 

「ヴァァァ!!!」

 

化け物は今、自分が何をされたのか分からないようで、もう一度俺に突撃する。

 

「おせぇんだよ…」

 

『strike launcher!』

 

「……狙い撃つぜ!!」

 

此方に向かってくる化け物に、しっかり銃口を合わせ、引き金を引く。

人間の大人の拳二つ分ほどありそうな銃口から赤色の収縮されたレーザー〈アグニ〉が化け物へと向かい。

デバイスから魔力を貯えたカートリッジが弾き出される

 

「ヴォォォ!?」

 

化け物は直感的にこの攻撃は受けてはいけないと思ったのだろう、体をそらし避けようとした……が、遅かった。

 

アグニが化け物の体を半分以上消し飛ばしたのだ。

衝撃で化け物は4、5m程転がり、ゆっくりと体を再生させる。

傷口から触手のようなものがうねうねと蠢き、体を構築していくのを見るのは、軽くホラーだ。

じっと見てるとなんだか吐きそうになる

 

「ギッ!? ガゴァァ!!?」

 

化け物は体を構築しながら、憎々しげに俺を睨みつける。

どうやら、ようやく自分がなにをされたのか分かったようだ。

 

化け物は俺との力の差を理解し、一目散に逃げ出した。まあ、普通はそうだろう。これだけ力の差が開いているのだ、俺でもそうする

 

「…逃がすかよ……」

 

『long rifle!』

 

でも、そんな隙だらけな敵を逃がす訳はなく、新しいデバイスを素早く取り出し、細い緑色のレーザーを撃ち出す。

 

また新しくカートリッジが弾き出される

 

「──ガッ──ァ!?」

 

レーザーは化け物の中心部を的確に核であるジュエルシードを貫いた。

 

「これでっ……!」

 

『anchor bind』

 

「終わりだっ!」

 

仕上げとして、紐のようなバインドをジュエルシードに結びつけ、縛りあげる。

ジュエルシードは抵抗し、一瞬俺のバインドを弾き返そうとしたが………それまでだった。

ジュエルシードは完全に封印され、バインドを通じて俺の手元に引き寄せられる。

 

「ふう、割と早く終わったな……」

 

封印したジュエルシードをポケットへと突っ込み、先程まで構えていた銃型のデバイスをくるくると回し、背中と腰のホルダーにデバイスを収納する。

 

正直、もっと時間がかかると思ってたんだけどな……

 

俺は心の中でそう呟く。

ジュエルシードはアニメで見てた時ですら、一瞬恐ろしいな、と思った位なのに何の苦戦も無く、こうして封印できるとは、なんとも拍子抜けだ。

 

まあ、危険も何もなく終わったから別に良いんだけどな

 

「ん、じゃあ帰るとするかな、こんな時間に歩いてて、警察に補導されたらたまらんしな」

 

手をひらひらと振って、軽くそう呟くと、俺は背中のスラスターをふかし、この場から飛び立った。

 

 

(そういえば……ユーノはどこにいたんだろう?原作では化け物に追われてたけど……まあ、ジュエルシードは封印したし、離れた所にでも逃げたんだろう。

何もかも原作通りって訳は無いだろうしな…)

 

幸司はユーノがいない事を疑問には思ったものの、それ以上考える事はなく。自分の頭でそう、自己完結しリニスの待つ自宅へと向かう。

 

 

このままなら、なのははジュエルシートの化け物に追われているユーノに会い、魔法を知ることは無かっただろう………。

そう、"今日暴走するジュエルシードが一つだけなら"

という場合限るが……幸司は見落としていたのだ。

自分から何もかも原作通りとは行かないと言っていたのに、今日、暴走するジュエルシードは一つだけだと、思い込んでいたのだ。

 

その思い込みが、今日、新たな魔法少女を生み出すとも知らずに……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆   ◆

 

さて、先ほど幸司がジュエルシードを封印した時間から二、三分経ち、今、幸司は自宅に近い空を飛んでいる最中だ。

スラスターをふかし、風を切りながら飛んでいる感覚を楽しんでいると、いきなり大きな魔力の乱れを感じる。

 

ジュエルシードが暴走したのだ

 

「っつ!?」

 

幸司はスラスターを逆噴射し、体を無理やり止め、ジュエルシードを探すため辺りを見渡す。

こんな時リニスに念話し、ジュエルシードの位置を教えて貰えれば楽なのだが、幸司はリンカーコアに傷が入っているため、念話をする事は不可能なのだ。

 

そのため、今ジュエルシードを探す方法は自分の目を頼りにする他無い。 

 

その上、幸司にはもう一つの問題があった。

それは魔力を感知する能力だ。

先程も言ったように、幸司のリンカーコアに傷が入っていて、簡単な魔法も使えなくなるまで退化しているのだ。だから、普通の魔導師が感じ取れる魔力の乱れや流れも、大きくなければ感知する事は出来ないのだ。

現に、ジュエルシードの反応や魔力の高まりを感知するのは、リニスに完全に任せていた訳だし

 

つまり、幸司が魔力を感知できたということは、もうそれだけジュエルシードの暴走は激しくなっているということだ

 

「クッソォ!!」

 

俺は自分に都合のいい思い込みをしていた事に、心の中で悪態をつき、魔力を感じただいたいの位置へと、スラスターをふかし、急降下する。

 

「っつ!どこだ!?どこにいる!?」

 

アスファルトの上に降り立った俺は、左右を見渡し、ジュエルシードを必死に探す。

しかし、焦っていて、ジュエルシードを感知することに集中できず、時間が過ぎていく。

探してまだ、数秒程しか経っていないはずなのに、もう何十分も探しているような、そんな感覚に襲われる

 

──ドォォォン!!

 

ジュエルシードを探し続けていると、不意に何かが砕かれたような、そんな破壊音が響く

 

「っつ!?」

 

音のした方向にとっさに振り向き、手に持っているデバイスの銃口を向ける

 

「ゴォォォォ!!!」

 

銃口を向けた先には、先程封印したスライムのような化け物よりも2、3倍大きな全身黒色の皮膚のような物がスライムのように溶けた、犬のような化け物が俺に向かって飛びかかっていた。

 

「くっ!『Vibroshield』」

 

化け物をさっきと同じ要領で、盾で塞ぎ、振動させ弾き返そうとするが、強烈な力によって逆に俺が吹き飛ばされてしまった。

 

「っづあ!?」

 

吹き飛ばされている最中、スラスターをふかし、どうにか体制を整え地面に着地する。

 

飛んでいる時に威力は受け流しているので、体は問題ないが、受け止めた腕は脱臼してしまったようだ

 

「~~っつ!?」

 

あまりの痛さに涙が零れるが、悠長に関節を戻していては殺されてしまうので、まだ使える左手にデバイスを構えアグニを数発撃ち出す

 

「当たれぇぇぇ!!」

 

だが、銃口を完全にあわせ切れていないため、撃ち出した三発のアグニは全て避けられ、化け物は跳躍し、5m以上あった俺との距離を一気に縮める。

 

 

距離を詰めた化け物は、犬のような腕を大きく振りかぶり、俺に向けて振り下ろす。

 

「ちぃ!」

 

その腕をかがむようにして避け、即座にスラスターを横にふかし、化け物から滑るようにして距離をとる。

 

「マジかよ……!」

 

化け物が腕を振り下ろした所は、アスファルトが完全に砕けており、アスファルトで埋め立てられていた土が露出していた。

 

あんなの、バリアジャケットが着れない俺に直撃したら、確実に死ぬぞ…!

 

余りの威力に足がすくみ、冷や汗が背中を伝う。

 

「来て、くれたんですか…」

 

「誰だ!? ってフェレット!イタチ!?」

 

この化け物とどうやって戦うか、試行錯誤していると、不意に足元から声が聞こえた。

 

そこにいたのは、イタチ、叉はフェレットのような形をした、人の言葉を喋る動物だった。

 

これ、どうみてもユーノですよね……

 

俺は心の中でため息を吐く。

ユーノが人型の時であるならば問題は無いのだが、今は力が禄に発揮できないフェレットの状態だ。

自分一人でも、脱臼しているため対処するのがやっとだと言うのに、こんなお荷物を背負ったまま戦える自信なんてない

 

しかし、化け物はそんな俺の事情など分かる筈もなく。もう一度地を蹴り、俺目掛けて飛びかかる

 

「クソ!何だってんだ、畜生!!」

 

俺はそう叫ぶと、ユーノを手のひらに乗せ、スラスターをふかし上に飛び上がる。

 

スラスターも魔力を使いすぎたのか、4つ入っていたカートリッジの内、二つが一気に吐き出される。

これ以上戦闘を続けていたら、スラスターが使えなくなり、俺自信、ジュエルシードを封印の戦闘を続行するのは不可能になるだろう。

そうなってしまうと、原作通りなのはが封印するしかなくなる。それだけは俺としては困る。

 

つまり、もうゆっくり戦っている時間は無い。

やるならば短期決戦しかないだろう

 

覚悟を決めた俺は、地面へと降り立ち、化け物から離れた場所にユーノを降ろす。

 

ユーノは俺が何をしようとしているのか感づいたのか、「一人で封印するなんて無茶だ!」などと叫んでいたが、あいにく説得している余裕も無いので無視する事にする

 

「さてと……ゆっくりバビロン開いている余裕なんて無いし……やっぱ、アグニしかねえよな……」

 

ふう、と息を吐き出し、俺は化け物にアグニの銃口を合わせる。 

 

「ゴォォォァァ!!!」

 

化け物も此方に振り向き、獲物を追う獣のように走り出す。

 

残りの魔力量はアグニ一発……これを外せば確実にやられる。

 

左手しか使えないせいで中々銃口が合わせられないけど、やるしかない…!

 

もう一度俺は覚悟を決め、化け物を見据えたその時……

 

 …頭の中で、何かが弾けた。

 

視界がクリアになる。化け物はまだ少し遠い筈なのに、何だかとても近くに見え、全ての動きがスローモーションのようにゆっくりになる。

 

銃口は不安定になってる筈なのに、全く外れる気がしない

 

「ターゲット、ロック………いっけぇぇぇ!!」

 

銃口が化け物にぴったりと合ったその刹那、俺はデバイスの引き金を思いっきり引く。

 

赤白のレーザーが化け物目掛けて一直線に向かい、化け物の中心を突き抜け…。

その瞬間、化け物は犬のような四肢を投げ出し、地面に崩れ落ちる。

 

「終わったか……後は封印するだけだ……」

 

俺は、ジュエルシードを封印するために、封印用の術式を組み込んだデバイスを取り出す。

 

紐のような形をしたデバイスで、ジュエルシードを縛り上げ封印しようとするが……

 

「っつ!」

 

脱臼、二度にわたる戦闘による疲労などが重なり、バインドはジュエルシードの抵抗によって弾き返された。

 

あちらもまだ抵抗を続けるつもりのようで、ゆっくりと体を再生している。

 

「クソッ!!」

 

俺も何度か封印を繰り返しているが、もう先程のような集中力はなく。遂にカートリッジに貯蔵していた魔力が尽きた。

これではもう、封印するためにバインドをかけることすらできない。

 

もう、できるだけ避けようとしていたが、ジュエルシードを壊すしか無いだろう………。

俺がもう片方の銃型のデバイスの出力を壊すために切り替えたその時…

 

桜色の砲撃が通り抜けた

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