呪術廻戦×ウルトラマン【連載(短編)版】 作:名無しのごんぎつね
そして、入院してから一ヶ月が経ち、何事もなく退院して、訓練にも復帰できるようになった。
あの、訓練や入院中に見た記憶の数々はなんだったのだろうか。
幻覚の類には思えない。この幻覚を前世の記憶だと仮定すれば、おそらく俺はウルトラマンの世界――俺が前世で死ぬ直前に見ようとしていた映画――の世界に転生してしまったのではないかと思われる。その証拠に今世の俺の名前は「
そんなことを考えながら過ごしていたところ、昔馴染みから肝試しに誘われた。せっかくなので、甚爾たちも誘ったところ、忙しいと断られてしまった。史彦と寛見はしょうがないとして、甚爾、お前は暇だろう! などと心の中でツッコミながら、楽しみにしていた。終わってから思ったのだが、甚爾には無理を言ってでもついてきてもらった方がよかったかもしれない。実家が霊媒師みたいなところで、何か知ってそうだし。
そして、肝試し当日。
どの心霊スポットに行くか迷ったが、よく人が消えると噂がある山奥の神社へ行くことへ決めた。
ただ、行く場所があまりにも山奥なうえに、真夜中に行くというので、行くメンバーを二グループに分けた後、どちらかが戻ってこなかったら、残っている側が警察へ通報するということになった。これでもまだ不安なので、他にも様々な対策を立てて肝試しに挑むということになった。ちなみにだが俺の発案である。俺は自衛隊所属で、筋骨隆々、経験豊富なので、何か起こっても大丈夫だろう、と先に行くグループに入れられることになった。
「暗いな~。なんか変な声もするし。なあ、やっぱし、戻ろうぜ」
「なんだ。お前、ビビってるのか。というか、お前が言い出しっぺだろう。怖いなら、そもそも肝試しなんて計画するなよ。変な声も野生動物の声だろ。山の中だったら、よくあることだ。それに、何かあったら、俺が何とかする」
そんなふうに、久しぶりに会ったやつらとの会話を楽しんでいると、
「な、なんだ。こいつは」
と、グループの先頭が騒がしくなる。
「どうした。何かあったのか」
と、心配して声を掛けると、このように返ってくる。
「いや、わからねえ。わからねえけど、確実に野生動物じゃないようなやつがこの道の先にいるんだよ」
一体、どういうことだ、そのように思い、全員に一旦、足を止めてもらい、俺が先頭へと向かう。
そこには、白黒の体を持ち、目は赤く光り、顔がいくつかある宇宙人のような存在がいた。
それを見ると同時に、ここに来る奴は必ず行方不明になるという噂があることに納得した。目の前にいる怪物――白黒の体を持ち、目は赤く光り、顔がいくつかある宇宙人のような怪物と一々言うのは面倒くさいので、これからはこの怪物を怪物二号と呼称する――がここに肝試しにやってきた人間を攫ったのだろう。それを理解してからの行動は早かった。伊達についこの間怪物に襲われたわけではない。後ろにいる奴らに、報告をしに行き、
「おい。目の前にいるあいつは明らかに様子がおかしい。肝試しは中止だ。お前らは、今すぐ回れ右して、元来た道を辿りながら、残っているグループと合流しろ」
と、言うと、他の奴らは
「お、お前はどうするんだよ」
と、こちらを心配してくるので、
「俺はここに残って、あの怪しい奴の動画を撮って、証拠を残す。ごめんな。なんとかするとか言っちまったけど、帰る際の安全はお前らで守ってくれ」
と、声を掛けて落ち着かせる。
グループと別れて、一人、怪物二号を目の前にしながら、持っていたスマートフォンで動画を撮影する。見れば、見るほど不気味なそのフォルム、こんな怪物に遭うのも二回目なのだから、案外、落ち着いて行動できると思っていたが、思ったより動揺していたらしい。
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