呪術廻戦×ウルトラマン【連載(短編)版】   作:名無しのごんぎつね

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第三話「謎の巨人」

 目の前には巨人がいた。

 よく創作物などで見る宇宙人――後で知ったがオカルト用語でリトル・グレイと言うらしい――そっくりの巨人が目の前にいた。

「なっ、なんだ!」

 しばらくぼ―っとその巨人を見ていると急に浮遊感を感じて、つい大声を出してしまった。

 それと同時に巨人の顔が遠ざかっていき、やがて軽い衝撃とともに戦闘機が着水する音がした。どうやら墜落した際に怪我をしなかったのはこの巨人が俺を受け止めてくれたかららしい。

 改めて見上げると、その巨大さがよくわかる。身長はほとんど先程の怪物と変わらないほどの巨体を持ち、宇宙人そっくりとは言ったものの、よくよく見てみると細部には細かい違いがあった。体色は灰色ではなく光り輝く銀色で、体中に赤いラインが入り、胸に水色に光るランプのようなものが付いていた。

 そして、何より顔が違った。頭の天辺にはトサカのようなものがあり、目は白く光り、東洋の仏像のような微笑(アルカイックスマイル)を浮かべている。なぜかその顔を見ると不思議な安心感が湧いた。

「あ、………………ありがとう」

 怪物に乗っていた戦闘機を叩き落され、さらには目の前に巨大な宇宙人のような存在が現れるというあまりにも非現実的な光景を見たため、現実逃避を交えながら、しどろもどろで巨人へ向かってお礼を言う。

 巨人はコクンと一度だけうなずき、そのまま先程見た怪物と戦い始める――どうやら自分が気絶してから、大して時間は経っていないようだ。

 その巨人と怪物が一歩を踏み出すたびに地響きが起き、どちらかが倒れれば津波のように海が荒れ狂う。

 巨人は怪物に対して何度もチョップやパンチ、さらにはキックを繰り出し、体力を奪っていく。

 数時間が経っただろうか、数分、もしくは数十秒だったのかもしれない。

 

 ピコン、ピコン、ピコン、ピコン

 

 そんな音が聞こえてくる。不思議と先程の巨人の体力が限界なのだろうなと直感した。しかし、怪物も巨人の攻撃によって多くの体力を消耗している。巨人と怪物はお互いに体力が限界に達していることに気付いたのか、戦いを決着させようと動いた。

 西部劇に出てくるガンマンの早打ち勝負のように、お互いに緊張が走る。しばらくの間膠着状態が続いた後、先に動いたのは巨人の方だった。

 巨人は手首同士を合わせ、腕を胸の前で十字に交差させた。

 十字に組んだ腕のうち、十字架で言うとキリストの頭があるところから、青白い、いくつかの短い線が組み合わさってできたような光線が発射され、怪物を撃ちぬいた。

 撃たれた怪物は、しばらくもだえ苦しんだ後、爆散した。恐らく死んだと思われる。いや、死んでいてほしい。

 恐ろしい怪物が死に、一人の犠牲者も出さないまま戦闘が終わった安心感からか、それとも巨人に受け止めてもらったものの墜落した際の衝撃が自分が認識していたものよりも大きかったのか、だんだんと意識が遠のいていく。

「ウ、………………ウルトラマン」

 俺は何を言っているんだ。

 無意識のうちに呟いた今まで聞いたことがない名前にそんな疑問を抱いていると、先程の巨人がこちらに手を伸ばすという光景が目に入った。

 目の前が暗転する。

 落ちていく意識に身を委ね、そのまま俺は体の力を抜いた。




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