呪術廻戦×ウルトラマン【連載(短編)版】 作:名無しのごんぎつね
ズキンッ
頭に鋭い痛みが走る。前に幻覚を見たときと同じ感覚を味わいながら、一瞬だけ意識を失う。
今回の幻覚は前回とは違い、はっきりとした意味が読み取れるものだった。
目の前には、見たことのない隊員がいて、俺と楽しそうに話している。
「おまえ、転生物って知ってるか」
その、見たことのない隊員は、ふと、何かを思い出したかのように話題を切り替える。
「なんだそれ」
幻覚の中にいる、俺の知らない俺は、ウルトラシリーズ大好きな特撮バカだったので、当然、転生物なんてものは知らない。
「え、知らない? まあ、お前から出てくる話と言えば、特撮、特にウルトラマンばっかりだからな」
見たことのない隊員からも、今、考えていたことと同じようなことを言われる。それにしても、この隊員は俺のことをよく知っているらしい。この幻覚の中では、この隊員は友人のような立ち位置なのだろう。この年になって、初めてイマジナリーフレンドができてしまったようだ。そんな面白くもない冗談を頭の中に思い浮かべながら、
「ほっとけ」
自分でも特撮バカな自覚はあるらしく、自分のがものを知らないということを改めて突き付けられて、恥ずかしくなったようで、ぶっきらぼうに返事をする。
「ほら、トラックに轢かれるとか、通り魔に刺されるとか、工事現場から鉄骨が落ちてくるみたいな不慮の死を遂げた人間が異世界へと転生して、成り上がっていくみたいなジャンルの話だよ。これが最近のネット小説のトレンドで。おい。ちょっと。話の途中でどこ行くんだよ」
「興味ない」
これらの会話は俺たちがよくやる悪ふざけのうちの一つだった。この隊員もオタク趣味なところがあり、あんまり自衛隊内で話が合う人間がいないらしく、お互いに自分の興味があることを話しては、話している方に冷たく当たるというのがお決まりのパターンで………………。
待て、なんで、この隊員のことを、こんなに知っているんだ。俺はこの隊員を初めて見るんだぞ。
「ひどくない!? でも、確かにお前死ななそうな体してるもんな。だ~け~ど~、お前はその無鉄砲な性格を直さないと、早死にするかもしれないぜ。おい、やめろ。や~めろって。悪かったから。暴力反対!」
そう言いながら、俺たちはじゃれあう。ぽかり、と、彼のことを叩く。もちろん、じゃれあいなので、大した力は込めていない。
「ひで―よ―。本当に殴るやつがあっかよ。だけど、殴ったからには俺の話を最後まで聞いてもらうぞ。そんな嫌そうな顔すんなよ。お前の興味が湧きそうな話題を話すから。転生物の中には生前に見ていた作品に転生するっていう二次創作もあるんだぜ。お前が死んだら、お前の好きなウルトラマンの世界に転生できるかもな」
俺の幻覚の中にしか存在しない人間がこのように喋る様子が脳内に映し出される。
いや、違う。これは前世の班員との会話を思い出したのだ。
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