百合天使VTuberとなった転生天使の配信記録 作:嘘しか言わん狐
流舞 LL一期生【1stアルバム配信中】 Flow dancer |
応援してくれている皆、すみません。実は今日からしばらく配信できません。腹痛のため病院に向かった所、ストレス性の胃潰瘍である事がわかりました。通常胃潰瘍はそれほど緊急性はないとの事なのですが、私の場合は既に胃にガッツリ穴が開く穿孔というものだったようで、緊急入院しております。命に別状はありません。ご心配をおかけして申し訳ないです。
| こ | り | ♡ | ふ | め |
夢追奏 LL一期生 Kanade Dream Fulfiller |
おう、ドンマイな
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愛之歌 新曲『そして空へおちた』配信中!LL一期生 lllovesong |
はやくよくなってね!一緒に遊ぼうね!
| こ | り | ♡ | ふ | め |
ここはとあるビルの一室。
四人の少女達が珍しく集まっていた。
ライブライフ二期生【蜘蛛の妖怪】白雲マユ
彼女は白雲マユ、蜘蛛の巣柄の着物に、白髪と赤い目を有するミステリアスな美少女。好きな食べ物はわたあめ。
「舞がついに胃をやったらしい……ね。皆、反省したほうがいい。わたしは関係ないけど」
ライブライフ二期生【悪魔の医者】甘城しょこら
悪魔としては穏健派、血肉と闘争を好む金髪ロング。
稲妻形の角を持ち、雷魔法を得意とし、医療知識に詳しい。
「つまり、しょこ達を縛るものはなにもない……というわけ。私の念願だったミノタウロス料理ショー生配信の野望が叶うわ」
ライブライフ二期生【女子高生絵師】有栖川アリス
黒髪美少女女子高生絵師。漫画家、イラストレーター、VTuberを同時に遂行するハイスペック女子高生。
過去5回、身バレと家バレを繰り返した。
「最近暑いです、窓を開けて配信しましょうか…」
ライブライフ二期生【猥褻物】シェリー・アクアマリン
右側はピンクの髪、左側は青い髪の面白ジェミニヘア海賊長。下ネタとお色気、R18絵を一挙に引き受け付いたあだ名はライブライフの汚点。
収益化停止された回数7回、垢BAN2回、今も収益化は黄色。面接時は猫被ってた計算高い爆弾だ。
「このアタシのセクチ〜なドスケベポールダンス配信をクルー共にお披露目してやるとするかね」
二期生はそれぞれが突出した能力を持つが、対照的に皆、人の常識を逸脱したトラブルメーカーの集まりだ。
一期生にも夢追奏という狂人がいるので、彼らを取りまとめていた流舞は胃を破壊されてしまった。
「いまこそ私達二期生がやりたいようにやる時!」
「そうです!アリスは健全なので大丈夫!」
「そろそろおさんぽしたいな」
「そうと決まれば早速スタジオにポールを立てに…」
いざやと立ち上がったシェリーは扉を開け………
そしてそっと閉じた。
「……」
「なぜ閉めたんですかシェリーさん」
「やべーぞ!マネちゃんだ!!」
「なんですって!?中に入れてはダメよ!」
「アリスなにも悪くないのに!!」
「わたし関係ない、帰るから開けて」
「開けてください」
二期生は、問題児の集まりである。
特にドアを三人がかりで押さえるしょこら、アリス、シェリーが集まると何をしでかすか分からないし、マユはまともに止めもしないので当てにならない。
「開けてください、コンプライアンス研修を受けてもらいますから、今すぐ開けてください」
「冗談じゃないわ!悪魔にコンプライアンスなんて不要よ!」
「アタシは海賊!無法者だぜ!アタシを止めたきゃふわもちおっぱいちゃん100人連れてきな!!」
「アリスはこいつらと比べたら全然マシ!!だから勘弁してよマネちゃん!」
「開けなさい!!コンプライアンス研修だ!!」
「……もういいや、めんどくさい」
しばらくドアを使えないと悟ったマユは、しかたなく窓から降りて出かけることにした。
さて、今日は歌さんに呼ばれて歌収録です。歌唱天使。
思えばライブライフのビルは初めてきましたね。
社長が元VTuberで、引退までに稼いだスパチャで建てたというから驚きました。御殿天使。
普段テレポートに頼って移動してるのもありますが、初めての場所は道が全く分からないですね。迷いました。途方天使。
「……天使?アバターそのまま、だ」
窓から声をかけられました。
おそらく声から察するに白雲マユさん、でしょうか。
なぜ窓から。そもそも此処は3階では……蜘蛛天使。
「……はじめまして、マユさん。3期生の百合シエルです。挨拶天使」
「うん、はじめまして。今日は、どうしたの?」
「今日は歌さんに呼ばれまして、歌収録をするんです。歌唱天使」
「そう。……歌えるの?天使」
「ええ、歌ってる時は語尾が外れる仕様のようです。困惑天使」
「困惑、なんだ」
ふわりとこそばゆいASMRボイスが耳をくすぐります。
ちょっとした神秘性まで感じますね。感覚天使。
「天使、女好きなんでしょ」
「言い方……あってはいますけど。百合天使」
「……わたしのこと、好き?」
「えぇ…好きですよ、とても可愛らしいです。」
「そう、うれしい」
可愛らしく小首をかしげてこちらをみあげてきます。
いや、可愛いですねほんとに。高揚天使。
もしかして私の事、好きなんでしょうか?純情天使。
「しょこらとコラボしてるの見たよ。わたしもしたい。ね、一緒に遊ぼ」
「は、はい、もちろんですよマユさん。歓迎天使」
「やった。じゃあ約束」
するりと小指を絡めて、そのまま控えめな笑顔を見せてくるのです。なんですか?可愛すぎませんか?可憐天使?
「シエルちゃーん!助けて〜!迷子になっちゃった〜!」
「奇遇ですね歌さん、私も迷子です。一緒天使」
「天使はともかく、歌はもう何回もここに来てるのに。なぜ迷うの……?」
「あ、マユちゃん、シエルちゃんとお話してたの?ちょうどよかった!スタジオってどこだったっけ?」
と、どこからか走ってきた歌さんは今日も変わらず迷子ですね。
事務所の設立から立ち会っているのにまだ迷うとは……困惑天使。
「……スタジオはこっち、来て?」
「ありがとう〜!」
「はぁ……舞は偉大。思い知った。今二期生もわたし以外マネージャーに怒られてる。舞に負担をかけ過ぎたのを皆反省してる」
「あぁ……それでマネちゃんがてんぷら検定とか言ってたんだね」
「コンプラ研修では?訂正天使」
歌さんは割と天然なので本気で言ってるのかギャグで言ってるのかよくわかりません。混乱天使。
「ここ、スタジオ。天使もここでいい?」
「はい、ありがとうございますマユさん。感謝天使」
「ありがとう!いつもごめんね〜!」
「うん。またね」
「もう行っちゃうの?」
「うん、二期生の招集、これは罠だった。おそらく舞が倒れた事で運営がさすがに怒ったんだと思う。しかし今回の一件本当にわたし達だけに責任があるかな?おそらく違う……舞の胃が破壊されるまで何もしなかった運営サイドに問題がある。つまりわたしは異議を申し立てるためにこれから退社して家で配信しなくてはならない、大義のために」
「凄い、全然悪びれてない……感心天使」
「そもそも、タレントの管理をタレント1人に任せるのが論外。マネちゃんの仕事なのに、ね。」
「みんながめちゃくちゃやるから殆どのマネージャーさんが辞めちゃったんじゃないかな?」
「凄い、正論」
この事務所そんなにブラックなんです?困惑天使。
タレントにとっては超絶ホワイトでもスタッフさんの犠牲があったと思うと申し訳ない気持ちになります。これからはもっと労ってあげましょう……決意天使。
手始めに事務所内に治癒魔法散布します。善意天使。
「ふふふ、じゃあ、またね」
「あんまり迷惑かけちゃだめだよー」
「ではまた後でお会いしましょうね。約束天使」
「それじゃあ、歌収録頑張ろうね!私色々歌いたいデュエット曲があって〜」
「お付き合いしますよ、了解天使」
歌さんがキラキラした目で大量の冊子を渡してきました。
これ全部歌詞なんですか?何曲録るおつもりで?連戦天使。
「The wonder of love, I'll sing it for you again and again♪」
「発音いいですね。ところでどんな意味なんです?疑問天使」
「わかんな〜い」
歌さんの肺活量から繰り出されるハイトーンボイスと滑舌の良さ、さすがに歌い慣れているだけあってとても素晴らしい。それも生歌ですよ、圧巻天使。
……結局、その日は30曲以上歌いましたが採用されるのは一番良かった一曲だけだそうです。より良いものをファンに届けようとするとはストイックですね……疲労天使。
さすがにぶっ通しで歌ったら喉が一瞬カサつきましたが、歌さんは本当に一切のダメージがなさそうでした。一応歌さんの喉にも魔法によるケアを施しましたが、多分別に影響はないんでしょうね……治癒天使。
そうです、治癒魔法で舞さんを……
「……舞さんのいる病院知りませんね……無理天使」
諦めましょう。というか心が壊れたら戻りませんガーベラさんのように。憂鬱天使。
であれば、入院中にしてもらうのは休養です。
庭で採れたメロンを差し入れとして歌さんに預けましょう。美味天使。
「あらシエル、内緒ね♡」
しょこらさんがしゃがんだまま階段を降りてきましたね。
脱走者として報告しておきましょう。非情天使。
さて、帰ったら配信しましょうかね……。日常天使。
幹部集合シーンみたいなの書きたかった
配信外の話なので幕間ということにしました。合間天使。