百合天使VTuberとなった転生天使の配信記録 作:嘘しか言わん狐
私には、シエルちゃんのような目立ったキャラも、ガーベラちゃんのような忍耐力も、バトスちゃんのような可愛らしさもない。
うっかり受かってしまった私だから皆に追いつかないと。
「……よし…絶対並び立ってみせる…!」
震える喉をキュッと締めて、無理やりにでも整えた。
【初コラボ】私の森に天使様がやってきた!【ライブライフ/紅葉あおい/百合シエル】森のライブ…その他
「皆さんこんにちはぁ!ライブライフ3期生紅葉あおいです!そしてぇ?」
「こん天使〜ライブライフ3期生、百合天使こと百合シエルです。今日はエルフの森にやってきました。木々が青々としていて良い環境ですね、鬱蒼天使」
・こんにちは〜
・こん天使
・今日は百合天使が見れると聞いて
・シエあお待機
「今日はたくさんマシマロをいただいているので、2人で食べていきますね!」
「小粋なトークをお見せしますよ、談笑天使」
「ちくわが…なんなんでしょうか…」
「ちくわしかもってねぇ!の漫画、昔おばあちゃん家にありました、主人公の猫がかわいいんです。竹輪天使。ちなみにですが、ゲーム版も出てるらしいです」
・なんでそんな情報を…?
・ホワイト・マイケルな、面白いよあれ
・一話ごとにオムニバス形式というか、設定が一貫してないのにゲーム出てるんだ
・マイケル似の男にカツアゲされるも竹輪しか持ってなかったから助かったんだよな
「皆詳しいねぇ…!?」
「私は磯辺揚げが好きなのですが、最近はちくわが結構高くって…なかなか作ることは少ないですね、節約天使」
そんな…!『ちくわ』一つでここまで話を広げられるというの…!?私とシエルちゃんにはこれほどまでに配信者としての差がある…ということ!?
「いっ…磯辺揚げ!美味しいもんね!」
「あおいさんと磯辺揚げを両端から食べていきたいんだけどダメですか?接吻天使」
「えぇっ…そ、それは…恥ずかしいかなぁ」
「そっか、残念天使…ということで」
「バジリスクの方ですね、こん天使」
「シャンプーを知ってどうなるの!?」
そもそもバジリスクなの!?Sだからバシリスクなんじゃないの…!?
「私は…あのあれピンクの蜂蜜入ってるやつです。保湿天使」
・あぁ、美味しいやつね
・グルシャン勢がおる…
・グルシャンはやめとけ、死ぬぞ
・1540円の奴ね、あれめっちゃ艶出る
「あ…わ、私はお母さんが買ってくる奴…し、白いの」
シャンプーなんて聞いてどうするんだろ……
・学生さんかな?
あっ、やばい、どうしよう。
身バレしちゃったらどうしよう…
どうしたら、ど、どうしよう…
「なるほど、つまりあおいちゃんのシャンプーはお父さんも使ってるそうですよグルシャン勢の皆さん、共有天使」
・グルシャンやめます
・いいぞやめとけ
・あおいちゃんが混乱してるのがよくわかるw
・グルシャンを知らない…つまり清楚…?
・清楚の基準よ
ありがとうございます…
今ので話題がそれた…きがする。
「つ、次〜!」
「第一印象ですか。穏やかでチルいですね。ASMRとかしてほしいです。快楽天使」
「そうですね…とても綺麗な人だと……美しくって、優しくって……見惚れてしまった」
「えへへぇ〜?そうですか?私の事好きですか?恍惚天使」
「ええ…好きです。シエルちゃんのこと、好きです」
「ふぇっ……!?」
・キマシ!?
・やったな百合天使!百合やぞ!
・てぇてぇ
・てぇてぇ
・てぇてぇ
「……シエルちゃん?」
「今度オフコラボしようね!幸福天使!」
「うん…!」
こんな特徴のない私を誘ってくれる、優しくって綺麗な天使様。そんなの、好きに決まってる。
あぁ、でも。迷惑かけてないかな?
これを送ったのは私だ。
シエルちゃんが私のことだってわかるかはわからないけど、どうしたらいいのか、答えを知りたくって。
「とりあえず悩むの早いと思います、邁進天使」
……思ったより、何の解決にもならなかった。
「100人ファンがいるとします。そしたら1人はアンチがいるんです。あなたはその1人の為に100人を捨てますか?選択天使。100人を200人に、300に、400にと専念すればいいのです。それが推される者の責任です。
「1人のために100を…」
責任……私を推してくれる人達を悲しませないために。
そうだ、簡単な事だったんだ。ほんとは全部。
「……らいらくってなんですか?」
「些細な事に動じず、執着しないことです。結局解決策なんてないです。メンタルです。この世はメンタルゲーです。根性天使」
「えへへ…そっかぁ〜……ままならないね、この世って」
「ままならないから人生なんですね、ところで家で採れたトマトたべる?今度オフコラボの時持ってきます、新鮮天使」
「…うん、食べる。ありがとう、シエルちゃん」
ありがとう、頑張ってみるね。
焦っちゃダメって言いたいんだよね。
「簡単な…事だったんだね」
「難しいですよ、困難天使」
「難しくて簡単でした」
私を好きだって言ってくれる人達がたくさんいる。
だから、まったく気にしないなんて出来ないけど、気にしないことにした。
・このマロ送ったのって…
・なんかエモいな
・あおいちゃん大好きだよ!
・あおいちゃんの事一生推してる!
・変なコメントなんて気にすんな
「皆ぁ…な、いや…なんで私が送ったみたいになってるんですかぁ〜!違いますよ、私……うん、嬉しい……」
「あおいさんは真面目ですね。周りに気を配れて、他の人の幸せを第一に考えられる人です、安寧天使」
「そ……そんな、こと…」
「だからこんな投げやりな答えにもちゃんと答えられる。それに、向上心もあるし慎重、理性的。どれも長所ですよ。あおいさんは、凄い子です。善良天使」
「も…もうやめてぇ〜!これ以上褒めないで…!」
・てぇてぇ
・てぇてぇ
・かわいい
・長いエルフ耳が真っ赤になってる
・褒められ慣れてないのかわいい
・これから毎日あおいちゃんを褒め讃えるわ
・ついでに天使も褒め讃えるわ
「う…うぅ…恥ずかしい、も、もう次で最後ですからね!シエルちゃん、最後のマシマロ選んでください……!」
「了解天使」
「なんで最後がそれなの!?」
「私のパンツは白地にピンクのレースが編み込まれたやつですね、公開天使」
・助かる
・かわいいやん
・天使ってもしかしてオシャレさんなのか?
「私は絶対答えませんからね!おつあおい〜!」
「おつ天使〜」
「……シエルちゃん」
「なんですか?疑問天使」
「これからも、迷惑かけちゃうかもしれないけど…」
いや…違うかな。
かけないようにするために。
「なんかあったら、相談していい?」
「勿論です、仲間ですから。当然天使ですよ」
「えへへ、ありがと!」
きっと、全部気の持ちようだったんだ。
VTuberになったんだから、もっともっと、人気になればなるほど心無い言葉も言われるんだろう。
私は恵まれてる。
シエルちゃんのような綺麗でかっこいい優しい人と出会えて、応援してくれるたくさんのファンに囲まれて、恵まれてる。
「本当に…大好きだよ、シエルちゃん」
シエルちゃんがいたから、私はやっとVTuberになれたんだ。
シエルちゃんみたいなメンタルになりたい
あおいちゃんみたいに素直に受け入れられる心も欲しい
今回試しにマシュマロ風のやつ使ってみたんですけど結構よくないですか?満足天使!