デュエル・マスターズOverRevolution(オーバーレボリューション) 作:シグレサメ
「文化祭か、懐かしいなぁ」
光輝(こうき)と遥風(はるか)の元には御白、緑の2人のみが集まっている。
「すいません、夕哉くんは文化祭の方で呼ばれたみたいで、火奈ちゃんは部活に出るみたいです」
「ひすいだけ何しにいくのか教えてくれなかったんだよね」
「そうなんだ、でも君たちの本分は勉強や学校だからね。基本はセオリーの2人組が組めてれば良いから大丈夫だろうけど…」
「私も誠心誠意光屋さんと守木さんをサポートさせていただきます」
「よろしくお願いします、こうきさん、すたにさん!」
「今日は光文明の探索をするんだ、Prayersとの接触以来新しい扉が見つかってね。だから光屋さんは特に必須だったんだけど…」
「光文明ですか!?ドランさんの仲間に会えますね!」
御白はサイネリアたちを見つけて以来、密かに期待していたことに心が高鳴る。
「シェケダン、ブルトゥーラ、彼らに会うチャンスですか…!」
「そうだね、人数が少ない分、上手くサポートするよ」
「よーし緑くん!出発です!」
「うん!行くよ、ゴルファンタジスタ!」
「おうよ、光文明でもお前をバッチリ守ってやる!」
公輝が腕を組んで、ゲートに向かう2人を見送る。
(黒井くんから受け取った忍者の話も気になるからね…主に水、自然文明の種族だからそれに会うこともないだろうけど…)
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Side:火奈
「赤坂、13.46、新記録だな」
「ハァ…ハァ…!ありがとうございます!」
ここ最近毎日部活に出れるとは言えなかったけれど、あたしの記録は少しずつ良くなりつつあった。心当たりがあるのは、自然文明探索のためにライダーさんと自然文明中を走り回ったこと。
一番きつかったのはゲリラ・コマンドの森林かな…。夕哉がもうそこの住人と話をつけていたみたいでデュエルにはならなかったけど、それはそれとしてあの環境は短距離走選手には中々響いた。あの特殊な環境は、あたしの瞬発力を少し伸ばしてくれた。
「火奈、最近調子良さそうじゃん!」
「うん、久しぶりになっちゃったけど、自主トレは欠かしてないから!」
嘘は言ってないよ、うん。
彼女は岩波 百華(いわなみ ももか)。あたしと同じ学年で、同じタイミングで陸上部に入った。
「なんか特別な特訓でもやってるの?天才選手?」
「天才って言葉そんな簡単に使わない方いいよ?天才に失礼だから」
「そうかなぁ、火奈は十分天才の部類だよ?」
「百華はいつも話盛るんだから…」
「集合してくれ、今から話がある」
顧問の川田先生に集められ、あたし達はグラウンドの端に集まる。
「秋大会に向けて準備を始める。1年は赤坂と岩波が出るが、他のものも決して怠けないように。また、才縁高校に1位を取られるわけにはいかないからな」
「才縁高校?」「ちょっと無理じゃない?」
「あそこの人たちすぐ見下してくるからヤダ!サボる!」
「火奈、大会メンバーだよ!凄い人達と戦える!…火奈?」
「…ハッ!?いや、なんでもないよ!?試合楽しみ!」
思い出しかけてしまった、あの時を…。神谷さんと戦った時も会わなかったんだし、大丈夫だよ…ね?
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Side:御白
私たちが出た場所はある古びた聖堂の中。光文明ですから、エンジェル・コマンドの、アルカディアスとかを祀った聖堂でしょうか?
「ここが光文明…初めて来た…!」
「ピカピカしてんなぁ、ちょっと目がチカチカする…」
「来た記念にカメラ撮るよ、ゴルファンタジスタ。はい、チーズ」
合図に合わせてすぐにポーズを取るゴルファンタジスタに、私は思わず笑ってしまいます。
この聖堂は大きな崖の上に立っていて、崖の上からは光文明が見渡せます。右を見るとネオン煌く大都市の街並み、おそらくこれがドランさんの街、ゴルギーニ・タウンでしょう。その上に浮遊する空中要塞、エンジェル・コマンドやライトブリンガーの住処でしょうか。そこから西を見ると、規律の取れた兵隊のクリーチャー達が、まるで一つの生き物かのように行進をしていました。
「光文明は…比較的平和そうだね」
「ですね…ドランさん、あの街に行きましょう!」
「ゴルギーニ・タウンですね、すぐにでも行きたいですが…」
「行きたいですが…?」
「光文明は5文明の中でもとりわけ規律に厳しい世界です、もし人間が入り込んだなんてバレたら、極刑ではすみません」
「極刑以上ってなんですか…!?」
「ですから、私1人でゴルギーニタウンに行き、その後周りを説得して御白さん達を連れてくるしかないと思います」
「そっか、じゃあボク達は待ってるよ」
「気をつけてくださいね、ドランさん!」
「はい、すぐに戻ります!」
そう言うとドランは崖に沿って風すらも置いていきかねないとてつもない速度で降りていきました。ドランさん、人を乗せないとあんな速度出るんですね…
「この間何する?」
「どうしましょう、デュエマでもします?」
「それは良いですね、私達も混ぜてください」
突然の敵襲に緑くんと私はすぐに臨戦体制に入ります。
「私の精霊騎士団のサザン・ルネッサンス。貴方達は何者ですか?クリーチャーではありませんね?」
『どうしましょう、逃げますか?』
須谷さんがすぐに連絡をとってくれます。
「いいや、ボクがなんとかする!行くよ、ゴルファンタジスタ!」
「おうよ、俺様の力見せてやる!」
「抵抗の意思を見せますか、さらに自然文明のクリーチャーまで…。良いでしょう」
「「デュエマ、スタート!」」
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Side:緑
ボクの後手で始まったデュエマ。こちらがマナをチャージしたタイミングで、サザンは《預言者クルトGS》、《Re:奪取 アクロアイト》を並べてくる。
「即断即決!今の光文明に求められるのは速さ!クルトでシールドを攻撃!」
緑 シールド4
「シールドトリガーなし…」
「緑くん気をつけて!あれは光単の超速攻デッキです!」
「うん、分かった!」
「ターンエンド!」
ゴルファンタジスタがボクのそばにやってきてくれる。
「大丈夫か緑!?」
「大丈夫、ゴルファンタジスタはマナに待機してて!マナチャージ!」
「《輝跡の大地(アース・ウインド・アンド・パット)》トリガーで逆転か、いつものやつだな!」
「《アシスター・サイネリア》を召喚!ターンエンド!」
「私のターン!《検問の守り 輝羅(てから)》をアクロアイトの軽減で1マナで召喚!効果で手札以外からのカードの使用を禁じる!」
「嘘!?」
「何ぃ!?メクレイドもマナからの展開も封じられただと!?」
「ごめんゴルファンタジスタ、流石にこれは不味い…」
「やはり彼女の言っていた通り、これは他文明からの侵略者には効くようですね、クルトでシールドを攻撃!」
「他文明からの侵略者…ですか…?」
みしろは何か気を取られているようだけど、ボクも決して余裕があるわけじゃ無い。
緑 シールド3
(輝跡の大地が来たけど…マナからジャイアントを出せないから打っても意味ない…!)
「シールドトリガー、無し!」
「アクロアイトでシールドを攻撃!」
緑 シールド2
「トリガーなし…!」
「ターンエンド、次で仕留めましょう」
「ボクのターン!サイネリア効果で軽減して、2体目のアシスター・サイネリアを召喚!さらにサイネリア2体目で軽減して、2マナで《マーチングドラム ミドリ》を召喚!山札の上から2枚を見て、1枚をマナゾーンに、もう片方を山札の上に、ターンエンド!」
(シールドから引きに行くしかない、あのカードを…!)
「私のターン!《共鳴の精霊龍 サザン・ルネッサンス》を、アクロアイトと、場の光の3マナ以下の数だけコストを減らして、3マナでバトルゾーンに!効果でコスト3以下の光クリーチャーの数だけドローします!3枚ドロー!このターンで決着をつけましょう!輝羅で攻撃!」
緑 シールド1
「シールドトリガー!《ナチュラル・トラップ》!輝羅をマナゾーンに送る!」
「緑!それじゃあ攻撃が止まってねぇ!あと2体いるぞ!」
「ここで輝羅を除去しないと本当に勝ちの芽が無くなっちゃう!ここは最後の1枚に賭けるしかないよ!」
「…そうだな!信じてるぞ緑!」
「何をごちゃごちゃと!アクロアイトでシールドを攻撃!」
緑 シールド0
「Gストライク!《とこしえの超人》!クルトの動きを止める!」
「やりましたね緑くん!」
「よっし!一先ず耐えた…!」
「フン、しかしシールドは0枚、私の手札も潤沢。勝利は揺るぎませんね」
サザンは厳しい目でこちらを見ている。もし負けたら…想像もしたくない…。
「そうは行かないよ!ボクのターン!」
「あぁ!最近帰ってきたあいつの力見せてやれ!」
「まず1マナでとこしえの超人を召喚して、場にパワー6000以上のクリーチャーが2体で3軽減!サイネリア2体の効果で2軽減!4マナで《乱振(らんしん)! アルバトロス・タランチュラ》を召喚!」
「9マナが4マナで!?」
「アルバトロスタランチュラは召喚成功時、ジャイアント・W・メクレイド8を行う!」
「W・メクレイドってなんですか!?」
「山札上6枚を見て条件に合うカードを2枚まで使えるんだ!使う条件が難しくなった代わりの強化版だよ!《首領竜 ゴルファンタジスタ》と《チアスカーレット アカネ》をバトルゾーンに!」
「ファーーーーー!!」
ゴルファンタジスタのいつもの大声で、サザンは、さらに後ろにいた光文明の軍隊のクリーチャー全てが怯み、身体がすくむ。
「な、なんだあの大声…あの気迫…!」
「あんなのと戦っていたのか俺たち…!?」
「まだまだ行くよ!ゴルファンタジスタの登場時効果でパワー25000以下のクリーチャーは攻撃できなくなる!チアスカーレットアカネでアクロアイトに攻撃!その時、《とこしえの超人》を戻してジャイアント・メクレイド8!《配球の超人》を呼び出して、サザン・ルネッサンスをマナゾーンに!アクロアイトもバトルで撃破!」
「あっという間に、場がクルト1体になるとは…!?」
「ターンエンドだよ!」
「私のターン!クルトで1軽減して、サザン・ルネッサンスの2体目をバトルゾーンに!一枚ドロー!ターンエンド…!」
「ボクのターン!3マナで呪文、《巨打設計図》!山札の上3枚からジャイアント、スノーフェアリーを全て回収!マーチングドラム ミドリの2体目を出して、ゴルファンタジスタでワールドブレイク!」
「私でブロック!」
「「無駄だ(よ)!」」
「ゴルファンタジスタはブロックされた時、その攻撃の衝撃そのままにシールドを3枚破壊するんだ!」
ゴルファンタジスタはサザンにゴルフクラブを打ちつけ、思いっきり跳ね飛ばす。シールドに向かってボールのように飛ばされたサザンは、シールドに命中してシールドがそのまま壊れてしまった。
サザン シールド2
「シールドトリガー、なし…!」
「アカネで攻撃する時、ゴルファンタジスタを下げてジャイアント・メクレイド8!輝跡の大地を唱えて、ゴルファンタジスタを再度バトルゾーンに!さらにクルトとバトル!」
サザン シールド0
「Gストライク!預言者クルトGS!アルバトロスタランチュラの動きを止める!攻撃を止められたとしてもまた攻撃ロックですか…!完全に詰まされましたね…」
「マーチングドラム ミドリで、ダイレクトアタック!」
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デュエマが終わり、サザンは膝をつく。周りのクリーチャー達はサザンの周りに並び、緑と御白を警戒した目で見ている。
「まさか災いは本当だったなんて…!」
「このままでは光文明は侵略者に滅ぼされてしまう!」
「早くいなくなれ!」
口々に非難の言葉を投げかけられるが、彼らは先ほどのデュエマの影響で怯え、体が震えていた。
「そんな、ボク達に敵意は…」
「自然文明とは風土が違うんだろうな…規律、ルールを破ってやってきたものの意見はまるで聞かれねぇ」
『光屋さん、守木さん、何かが近づいています』
遥風の言葉の後、一つの風が2人の横を吹き抜け、そこで止まる。ゴルギーニ・タウンから帰還したドラン・ゴルギーニだ。
「ドランさん!戻ってきてくれたんですね!」
「はい、少し遅かったようですが。しかし、ここは危険です、早く私に乗ってください!」
「分かった!お願い、ドランさん!」
「ゴルファンタジスタ!カードに戻って!」
「お前ら、着いてくるなよ!ファーーー!」
「須谷さん、座標を送るので後からついてきてください!」
ゴルファンタジスタが大声で威嚇している間に、御白と緑はドラン・ゴルギーニに乗り込む。再び一陣の風となったドランは走りながら語り出す。
「御白さん、私は元々ゴルギーニ・タウンのリーダーを務めていました」
「知っています、それでようやくこちらに帰れて…」
「しかし、私が不在の間にゴルギーニタウンは大きく荒れたようなのです」
「荒れた?ゴルファンタジスタのコースとかと違って、ゴルギーニタウンは綺麗に残ってたよね?」
緑が疑問をそのまま口にする。
「正確には権力争いが発生しました。圧倒的な富を持つ私がいなくなったことで貨幣の価値、ゴルギーニ家の信頼に陰りが見えたのです」
ゴルギーニは言葉を続ける。彼の声には覇気が消えている。辛いものを見てきていたのだと、御白は直感した。
「貨幣、価値を問わず動く連中が現れて、それらが一気に権力を握ったようなのです。社会の不安に付け込まれた形になります。それにより旧形態のメカ達、ゴルギーニ家と関係を結んでいたもの達が酷い目に遭わされています。私がいればこんな事には…」
「お金を問わずに動く…確かに不安な時にそんな奴らが現れたら信じちまうクリーチャーはいるだろうな」
ゴルファンタジスタはカードの中から自分の意見を語る。
「…ドランさんは悪くありません!クリーチャー世界から呼び出した真沢さんが悪かったんですから…。私も何かさせてください!ドランさんの相棒として!」
「ボクも!」
「ありがとうございます、御白さんならそう言っていただけると思っていました。今から向かう場所は皆が隠れて集まる場所です、ゴルギーニ・ピットと呼ばれる緊急の住処なのです」
ゴルギーニは自身のタイヤをさらに回転させ、様変わりしたゴルギーニ・タウンを駆けるのだった。
御白と!緑の!今日のカード紹介!
「今日のカードは…」
「「乱振!アルバトロス・タランチュラ!」」
「パワー6000以上のクリーチャーがいれば3コスト軽減!強力なジャイアント・クリーチャーです!」
「アシスター・サイネリアとは軽減しながら条件を満たせる好相性だよ」
「さらに召喚時にジャイアント・W・メクレイド!自分のジャイアントが破壊される時に代わりにマナゾーンに送る効果も、マナを使うジャイアントには有用です!」
「ゴルファンタジスタ達大型クリーチャーを一気に展開して勝負の天秤を一気に傾けられるよ!」
「というわけで次回、『ゴルギーニ・ピット』」
「「お楽しみに!」」