デュエル・マスターズOverRevolution(オーバーレボリューション) 作:シグレサメ
文化祭の後夜祭は、柚子がクリーチャーに取り憑かれるなどによって、夕哉は事件に巻き込まれる。飛水の歌声が声援となり、どうにか取り憑いたクリーチャー、バクロ法師を撃破することに成功する。その頃その様子を見ていた夕花、マントラ達はアビス達を倒す決意を固める。
文化祭の夜、ドラン・ゴルギーニから一報が届く。クリーチャー達が隊列を組み、闇文明に向かおうとしているという知らせだ。
光文明の空中にはエンジェル・コマンドを始めとした空中都市があり、そこは関係者以外立ち入ることを禁じられている。そこのシステムを挿げ替えるように乗っ取ったことで、セキュリティを落とさずに都市を掌握したため、ドランの発見は大きく遅れたのだ。
その状況からすぐにデュエマ部5人は集まらざるを得なくなり、文化祭の翌日というハードスケジュールで集まることになった。
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光文明に到着した飛水以外の4人は、それぞれゴルギーニ・ピットから上の空中都市を見上げていた。
「眩しい…眠い…」
「火奈ちゃん!起きて!」
「分かってるけど疲れた…しかもあたし明日大会あるんだけど…」
「火奈、やっぱり今日は休む?」
「でも数が欲しいんでしょ?4人必須っぽいし…」
『申し訳ないけど、君はどうしても必要だ。大きな役割は与えないし、大丈夫なように緑くんもつけている、辛抱してくれると嬉しい』
公輝の作戦は、フラウム・ゴルギーニに乗って4人とドローン2機が発進し、空中都市に到着。夕哉がジャブラッドやシスを使って士気の高いクリーチャー達を陽動している間に、緑、火奈、御白がクリーチャーを救出し、フラウムに連れ帰るというもの。
「もう一度言いますが、黒井さんに負担が大きいのでは?」
「大丈夫です、新しい相棒もいますし、よっぽどのことがなければ負けませんよ!」
遥風(はるか)の不安に、夕哉は元気そうに返す。
「夕哉くんも無理しないでください、文化祭の翌日、しかもクリーチャーと戦った翌日なのに…」
「大丈夫だよ御白、なんとなくだけど今調子が良くて!」
『皆さん、お気をつけてください。私は光屋さんにつきます、青海さんは黒井さんについてください。守木さんと赤坂さんはペアでの行動を忘れないように」
『了解です。夕哉、行くぞ』
(結局、火奈にお礼言えてねぇ。まぁそれで組み分け変えろってのも無理あるか)
「よし、行くよ皆!」
「「「「おー!」」」」
「「おー」」
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Side:緑
「チアスカーレット アカネでダイレクトアタック!」
「ひな!これで全部だね!」
「うん、あたしも戦ってるうちに眠気とか吹っ飛んだよ!」
ボク達は空中都市の近いところで、少しずつクリーチャー達を救出して、フラウムさんに送り届けていた。多少の警備はいたけれど、ゴルファンタジスタやライダーがいるボク達の敵じゃない。負けるのを分かっているのに戦っているようで、少しふしぜん?に感じた。
「あとはもう少し奥のエリアだね!」
「うん。早く行こう!」
そう言って駆け出したボク達の前に大きなクリーチャーが落ちてくる。鉱石でできたそのクリーチャー達は、ボク達が動くのを見計らったかのように沢山現れた。
「御白ちゃんが言ってたメタリカ…空中都市にいたんだ!」
「とにかく、全部倒さなきゃ!行くよ、ゴルファンタジスタ!」
「お願い、ボルシャックライダー!」
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Side:夕哉
「飛水、周りのクリーチャーは?」
『気持ち悪りぃほどにいねぇ。守りの穴を突けてるのか、ジャブラッドとシスの誘導が成功しているのか…。それとも…』
「今はポジティブに考えよう、飛水」
「そうだな」
火奈や緑より奥まったところにある空中都市の建物群。ドランによるとその一角にシノビクリーチャーが入っていったという知らせがあったので、ほとんどのクリーチャーが徴兵されほぼ無人となった住宅街を、片っ端から回っていた。
「ここ!違う…!」
『ここはどうだ!お邪魔しました…』
「飛水どう?見つかった?」
『いいやダメだ、もうそろそろ怪しいところに全部チェックマークがつくぞ』
「シノビ、いったいどこに隠れてるんだろう…」
そう言って俺が押した建物の壁がグルンと回り、俺は身体を地面に打ってしまう。
『マジで忍者屋敷かよ…回転扉だったのか…』
「早く行かなきゃ!ジャブラッド!シス!戻ってきて!」
「ジャブラァ!」「ジャシン様の役に立たなければこのようなことはもうしませんよ」
「シス、ちょっと分かりづらかったよね。取り敢えず助けてくれてありがとう」
そう言って回転扉の向こう側に行くと、沢山のシノビが襲いかかってくる。そう思って後ろに行こうとした瞬間、回転扉の鍵がかかり、クナイが俺の右をかすめていく。
『やっぱり罠じゃねえか!』
「飛水…俺の後ろに隠れてて…」
『夕哉、今このセリフ全く説得力ないの分かってるよな?』
「……とにかく、行くよ!アビスの皆!」
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Side:御白
「ありがとうございますドラン様!」
「訳のわからないクリーチャー達に闇文明に侵攻するように言われて…」
「やはりそうでしたか、ありがとうございます」
ドランさんがクリーチャー達を鎮めながら、1体1体返していきます。時間はかかりますが、これなら…
『光屋さん、何かが近づいています』
「え?」
次の瞬間、機械の体のクリーチャーがこちらは突っ込んできます。私とドランさんは避けたものの、須谷さんのドローンがそのまま掴まれ、地面へと叩きつけられてしまいます。
『そんな、早く補給ポイントへ…ぐあぁっ!』
「させマセン、連絡網は潰しておかなけレバ」
続いて目にも止まらぬ速度で投げられたクナイは私のインカムだけを撃ち落とし、完全に通信が遮断されてしまいました。それを見てドランさんが臨戦体制に入った途端、機械の体のクリーチャーがドランさんに掴みかかります。ドランさんが急いでそのクリーチャーにぶつかり、ぶつかった2体は、私たちのいた建物の3階から崩れるように1階へと落ちていきます。
「ドランさん!須谷さん!」
ドランさんを追って階段を降りると、仮面をつけた人間が目に入ります。背は私よりも高く、仮面を被っているその人は、私を見た瞬間驚いたように思えたのですが…
「なんで、人間がここにいるんですか?」
「…それはこちらのセリフだよ、計画のために私はいるけど、あなたは違う」
「計画?無理矢理クリーチャーを戦わせて何を!」
捲し立てた人間の方に代わって、ドランさんから離れたクリーチャーが話始めます、なんで顔が手裏剣なんでしょうと聞いたら、多分そのままデュエマが始まるので聞きません。
「私達の里を破壊したモノを止めるタメに闇文明、アビスへと進行している最中だ、邪魔をスルナ」
「アビス?あのクリーチャー達は確かに邪悪ですが、危害を加えないように私達と契約者の方が見張っています。何かの間違いでしょう」
「そんなことはナイ、アビスのクリーチャーから生まれる闇の瘴気、アレガ里に蔓延したコトをどう説明をツケル!?ワタシは、アビスを許さナイ…!」
「アビス…」
確かにアビスのクリーチャー、特にジャシン帝は、夕哉くんを隙を見て取り込もうとしたりと危ないことをやってきました。でも…
「今のアビスはそんなことをしません、いや、させません。私とその友達が、絶対に止めますから!」
「そっか。だよね…」
何かを呟いたように見えた手裏剣のクリーチャーの契約者の方が、デッキを構えます。
「光屋御白、アビスは誰が持っているかは知っているよ」
「私達のことを知って…!?じゃあなんでこんなクリーチャーの皆さんを巻き込むようなことを!?」
「マントラさんは最初、アビスはクリーチャー世界にしかいないと思ってたから。それに、できる可能性はあった方がいいって」
「マントラというクリーチャーに全部任せきりで、ここにいるんですか?貴方の言っていることはそう聞こえます」
「そうかもしれないけど、今光屋御白と戦いたいのは私の意志。アビスと、黒井夕哉と戦う前に、倒さなきゃいけないから。行くよ」
「「デュエマ、スタート(!)」」
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御白とシノビのデュエマは、お互いにメカを使った光文明ミラーとなる。そうと言っても、御白のデッキはドラン=ゴルギーニを軸としたミッドレンジ、夕花のデッキはクノイチマントラを軸としたアグロデッキとなっている。夕花の先手で始まり、2ターン目を迎える。
「《忍縛の聖沌 3n9575u(エンゲツ)》を1マナで召喚。場にシノビがいて、光のマナが2枚以上あるため、《忍瞬の聖沌 53nju(センジュ)》を0コストで召喚、ターンエンド」
「私のターン、ドロー」
(見たことないカードですし、探っていくしかないのでしょうね…取り敢えず苛烈な展開に蓋をしておかなければ)
「《星姫機(プリマシーン) マリハダル》を2マナで召喚です、このクリーチャーの効果でそちらのターンの間、クリーチャーが2体までしか出せません。ターンエンド」
(御白お姉さん…強いのは知ってるけど、お兄ちゃんと違って病院の時とでデッキは変えていない…。その通りなら、ドラン・ゴルギーニの攻撃が通った瞬間に私は負ける…早く決めないと!)
「私のターン、《星姫機 シリエス》を3マナで召喚。各ターン1回、メカが出たので1枚ドロー。センジュでシールドを攻撃」
センジュがシールドに近づいたか…そう御白が思った瞬間センジュは剣を納めており、それを認識した瞬間にシールドが割れる、あまりの一瞬に、御白は驚き固まるほどだった。
御白 シールド4
「ぐぅ…シールドトリガーなし、です…」
「ターンエンド」
「私のターン!私も星姫機 シリエスを召喚、1枚ドローです!マリハダルでセンジュを攻撃します!」
「エンゲツでブロック」
「バトルには勝ちます!」
(とにかくシールドを割ってくるアグロデッキ…その割には攻撃に特化していないというか…普通は1マナのクリーチャーはクルトのような攻撃できる1コストになる筈なんです、センジュのG0条件を満たすとはいえ、一度きりの壁のために採用しますかね…?)
御白がそう思案している間に、契約者のシノビは自分のターンを始めようと待っていた。
「考えるのは終わった?私のターンを始めるよ」
「…はい!ごめんなさい何も言わずに考えてて、ターンエンドです!」
「《警鐘の聖沌 n4rc0(ナルコ)》を召喚。山札の上からセンジュを手札に加えて、そのまま出す。シリエスでも1ドロー。センジュでシールドを攻撃!」
御白 シールド3
「シールドトリガー、無しです…」
「シリエスでシールドを攻撃!」
御白 シールド2
「シールドトリガー!《トライシェルビ-P6(パッセージシックス)》!シリエスをタップして、メカメクレイド5を行います!来てください!《シェケダン・ドメチアーレ》!シリエスの効果と合わせて5枚ドローです!」
(不味い、最悪のシールドトリガー、最悪のメクレイドの出目!)
「ターンエンド…!」
「私のターン!」
「アシスター・アルデ2体をそれぞれ1マナで召喚!《まんまるロボタ》を1マナで召喚!アルデとドメチアーレの軽減を合わせて、《ドラン・ゴルギーニ》を1マナで召喚です!」
青い閃光が建物の壁を走り、御白の前で止まる。ドラン・ゴルギーニはシノビとマントラを睨みつけ、エンジンを吹かしていた。
「私の大事なゴルギーニ・タウンを…許しません!」
「落ち着いてくださいドランさん、まずはドランさんの効果でナルコとアンタップしているセンジュをタップします!」
「まずはシリエスで先程攻撃したセンジュに攻撃です!」
「…ニンジャチェンジ3!アンタップしないセンジュを、《聖なる混沌 クノイチマントラ》にニンジャチェンジ!こちらの場のクリーチャーは、このターン全てパワーが+3000される!バトルはこちらが勝つ!」
「…アルデを身代わりにシリエスは生き残ります!」
(これがシールドを積極的に割ってきた理由…!ドランさんでタップしても逃げられるし、僅差のパワー差で戦ったら逆にやられる!なら!)
「ドメチアーレでセンジュに攻撃!効果でクノイチマントラをシールド送りです!」
「マントラさん!」
「大丈夫です、まだ…ワタシ達ニハ…」
シノビ シールド6
「《瞬現の聖沌 n41kun4(ナイクーナ)》が、メカが自分の場にいて相手のクリーチャーが攻撃した時にバトルゾーンに出る!センジュはナイクーナのウルトラセイバーで守られる!」
「ターンエンドです!」
「私のターン!シリエスの2体目を召喚!2枚ドロー!…ターンエンド」
(下手な攻撃をしたらドラン・ゴルギーニの的になって大変なことになる、さらにターン終了時のアンタップするクリーチャー、ルベルゴルギーニを出されたら冗談抜きで勝ちの目がなくなる!ドメチアーレやシリエスで大量に引かれている以上、だいぶ勝ちの目は薄いけど…かと言って待ってても…。きつい…)
(光文明のクリーチャーを無力化する手段はシールド送り、バトルに勝つ、タップの3つです。これを逸脱したカードは入っていなさそうですし、1つ目は相手が全力で攻撃してきたことを考えると、攻撃回数を増やさなきゃいけないこれはほぼ無いと思います、一応後でブルトゥーラを出してケアしますけど。バトルに勝つはドランさんでケアできるとして、タップ…。基本的にスパークを打つにもマナがかかりますし、あったとしても私の攻撃を止めるためののタップと攻撃を通すためのタップを2回分揃えるのは至難の業です。シノビのマナは4マナ。マナを貯められる前に、ルベルさんで全部ケアですね。でも、今は…)
御白はシノビの方を見据え、言葉を投げかける。
「あなたはなんでアビスを憎んでいるんですか?」
「…それはマントラさんの仇だから」
「マントラさんの話じゃありません。あなた自身が何故戦っているのかの話です。このデュエルは決して安全というわけではありません。基本的に皆絶対に譲れないものがあって戦っているんです。あなたの譲れないものは何ですか?」
「それは…アビスによって人間の意思が曲げられることがあると聞いたから。そんなクリーチャーを放って置けないでしょ?」
「それは全てのクリーチャー、人間で言えます。悪意あるクリーチャーも人間も、私は沢山見てきたつもりです。横で戦ってくれているドランさんも、別の方の悪意とはいえ私の身体を乗っ取りそうになったことがあります。アビスだけを特別視することは、色々な意味で違うと思います」
「貴方は、黒井夕哉くんとどんな関係なんですか?」
仮面の奥すらも光に照らしそうな御白の瞳に、夕花は大きくたじろぐ。
「…黒井夕哉を、邪悪なクリーチャーから解放する」
「なるほど。それは是非夕哉くんと戦って言ってください。でも彼は、絶対に手放さないと思います。アビスを手に入れた後のことしか私は知りませんが、夕哉くんは自分の意思で人のために戦っている人です。そこは間違えていないつもりです。彼の人のためにはアビスの皆さんも含むのですよ。ですから、私はあなたを止めます!」
「…私も引き下がらない、負けるわけにはいかない!」
夕哉と!御白の!今日のカード紹介!
「今日のカードは…」
「「星姫機 シリエス!」」
「各ターン、メカが出た時に1枚ドローできる強力なドローソース!」
「ニンジャチェンジやシールドトリガーによって相手ターン中に出たら更に手札の枚数が増えていきますね」
「離れる時に味方のメカ1体を身代わりにできるのも強力だね」
「というわけで次回、『一刃、世界を切り裂け・後』」
「「お楽しみに!」」
「私の戦法、分かりやすいのでしょうか…」
「なんか最近対策され始めてるよね、どうすれば良いかな…」