デュエル・マスターズOverRevolution(オーバーレボリューション) 作:シグレサメ
Side:夕哉
クリーチャー界の扉を開けた俺達の前に飛び込んできたのは、自然に埋め尽くされた空間と、植物のツンとした匂いだった。
扉の周りは大量のツルで覆われており、その周りにはそれを更に幾層にも取り囲むように植物が包む。幻想的かつ自然の力強さ、末恐ろしさを感じずにはいられない光景に俺は圧倒される。
「もしかしなくても、ここって自然文明?」
「ですね、こんなに自然豊かな場所は間違いなく自然文明です」
火奈と御白が言葉を続ける。そうしたところで、須谷(すたに)さんから通信が入る。
『クリーチャー界に入りましたか?3人とも通信は聞こえますか?』
「はい、聞こえますよ!」「聞こえます!」「聞こえてます!」
『良かったです、正路さんのこの通信機と小型カメラは正常に働くようですね』
須谷さんが機械的に返答を返す。本当に、不思議な人だなぁ。
「でも、ここからどうするんですか?」
「あたし達、何も言われてないよね?」
『黒井さんには私と守木(もりき)さんが、光屋さん、赤坂さんには青海(おうみ)さんがお手伝いします、それぞれ2手に分かれて、クリーチャー世界の地形、そこに住むクリーチャー等を調べていきます。くれぐれもクリーチャー達を刺激しないように』
「分かりました、無理しないようにしますね」
「ほぁあ…ついにクリーチャーに会えるんですね…!」
「あたし、どう考えても御白ちゃんの暴走抑える役だ…」
俺達は2手に分かれて、自然文明へと繰り出していった。
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Side:御白
自然文明といってもデュエマには色々な自然文明があります。ドラゴンが全ての自然文明、グランセクトという虫や野菜の種族が支配する自然文明、はたまたゲリラ隊のようなクリーチャー達がいる自然文明もいますが…
「ごった煮ですね…」
「御白ちゃん、何が?」
『あぁ、言いたいことは分かる、クリーチャーが色んな世界から来てるみたいだよな』
飛水(ひすい)くんが私と思ったことを言ってくれました。
「色んな世界?クリーチャーの世界は一つじゃないの?」
「そうじゃないんです、幾つか自然文明と一口に言っても世界があるんですけど、ここは…色んな自然文明のクリーチャーがいるみたいです」
「へぇ…?」
「とにかくもう少し先に進んでみましょう、まだ情報が足りません!」
『言われた通り、無理すんなよ』
私達は花畑を歩いていきます。10分くらい経ったところで…私の体力が切れました。運動してないのが祟りました!!
「ハァー、ハァー、火奈ちゃん、休憩しません?」
「早くない?まぁ御白ちゃんの体力に合わせるよ、あそこに良い感じの小屋っぽいのもあるし!」
火奈ちゃんが指を指した先には開けた平原に藁葺きの屋根で作られた小さな小屋がありました。中には椅子が2脚と机が1台あり、休憩したい私達にとって丁度いいものでした。
『おい待て、誰かいたりしたらやばいだろ?』
私は中を覗いて様子を見ます。
「…?誰もいなさそうですよ?」
「じゃあ大丈夫だね、行こう御白ちゃん!」
『…そういうことじゃねぇんだけどな』
私達が持ってきた飲み物を飲んでゆっくりしていると、外からカラン、と音が鳴り、人影が現れます。
「御白ちゃんこれって…」
「え、ヤバいやつですか…?」
『だから言ったろ!バカども早く隠れろ!』
「私達の小屋で、何をしているの…?」
その人影は突然、私達の方に向かってきて…!
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Side:夕哉
「そうだ緑、ゴルファンタジスタってどんなクリーチャーなの?」
森を歩いている中、俺は緑に彼の相棒のことを聞く。
『ゴルファンタジスタは…すごい優しいんだ。クリーチャー世界に迷ったボクのことを育ててくれて、どうやったら生きれるのかも教えてくれたんだ』
「えっと…ごめん、どんな見た目かを聞きたかったかな…見た目分かれば、ゴルファンタジスタのことを知ってるクリーチャーにも会えるかもしれないから」
「あ!!…ごめん、えっと…こっちの世界でいうワニみたいなドラゴンかな…?」
ワニみたいなドラゴン…?俺の頭にクエスチョンマークが大量に出てくる。でも緑は嘘をつく性格じゃないし、その線で探してみようか…
『今日はクリーチャーの生息を確認します、意図から離れることをされると困ります』
須谷さんが俺たちの会話に釘を刺してくる。
「でも、緑の相棒なら早く復活させてあげないと」
『無理に危険なことをさせるわけにはいけません』
「危険なことはしません!すぐ逃げます!」
『貴方の決断に全てを任せられません』
「でも!」
「待ってゆうや、さっきから同じところグルグルしてない…?」
緑の言葉に俺は足を止める。確かに先程通った場所に見える、あれ、じゃあなんで…?
「侵入者発見!侵入者発見!撃退せよ!撃退せよ!」
突如として大きなラッパの音が鳴り響き、クリーチャーに取り囲まれる。
『黒井さん逃げてください!』
「分かってますけど相手の方が早いです、戦うしかない!ジャブラッド!」
ジャシンは普通の時に呼び出せない!ジャブラッドがカードから現れ、有象無象のクリーチャー達を次々吹き飛ばしていく。
「よし!そのまま逃げて…」
そのようにして逃げようとしたところを更に回り込まれる。ジャブラッドが尻尾で吹き飛ばそうとするが一際大きな熊のようなクリーチャーがそれを受け止めてしまった。
「ジャブラッド!!」
「俺の名前はベアフガン。ここではクリーチャーが強いからな、お前のようなニンゲンは初めて見たから、警報が発令されたんだろう…」
「じゃあ、誤報ってこと?それなら…」
「それだけならな。だがお前は闇文明のクリーチャーを使った。危ない生物だ!それだけで戦うには十分だ!」
「嘘!?」
ベアフガンの攻撃をジャブラッドが受け止めてくれる。2匹の鍔迫り合いは一切お互いに譲らない。
「それなら、デュエルだ!クリーチャー同士で決着がつかない時にやるものだ!お前もそれでいいな?」
「デュエマに勝ったら帰れるんだね?了解!」
『デュエマをするのですか、おそらく真のデュエル、危険ですよ』
「危険は承知だよ!やるしかない!」
「「デュエマ、スタート!!」」
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Side:火奈
「じゃああなた達がニンゲンっていうのー?」
「はい、まさかクリーチャーと話せる日が来るとは…感無量です!」
「御白さん!?私は!?」
「ドランさんは…日常になった感が…あります」
「そんな!!」
「クリーチャーといるんだね、すごーい」
エスメルと名乗ったスノーフェアリー?のクリーチャーは自然文明の「妖精の里」という場所に住んでいるらしいんだ。最初はお互い警戒してたけど、ここは元々エスメルちゃんがお茶を汲むのに使っていた小屋みたいで、あたし達は図らずもエスメルちゃんと仲良くなれたみたい。
「どうですか、御白さん、火奈さん、お茶はいかがですか?」
貰っていいのかわからず飛水のカメラに目で指示を仰ぐ。
『ちょっと待ってろ、公輝さんに確認してから…』
『大丈夫みたいだ、カメラで確認したところ、人間界の紅茶と成分が変わらないそうだ、カメラに成分表示機能あるの今知った』
『スノーフェアリーは優しく穏やかな種族だ、基本怒らせなきゃ問題ない』
2人でお茶をいただく。あたしはしっかり、御白はゆっくり。
「「おいしー(です)!!」」
「そうですか?褒めてもらって嬉しいです!この茶葉は妖精の里から取ったものなんですよー」
「妖精の里!そこに連れて行っていただいてもよろしいですか?」
「そうだねー、連れていきたいんですけど…」
「何かあるの?入るための資格みたいな」
「そういうのはないんですけど、あそこは謎の崩落が起きていて…」
崩落?とにかく普通じゃなさそう…
「それ、詳しく聞いてもいい?」
「はい、2週間(人間世界で1週間)前から、何かを掘るような音が聞こえて…そこで妖精の里の近くにある滝から岩が崩れてしまって…」
「大変じゃないですか!掘るような音も気になりますし、手伝わせてください!」
「良いんですか!?じゃあ、お願いします!」
『あのー、勝手に決めないでくんね?』
飛水ごめんね、あたし達は速戦即決タイプなの。
あたし達が妖精の里につくと、件の何かを掘るような音が「ガガガガ!ガガガガ!」と聞こえてくる。そこに住んでいるスノーフェアリー達は怖がって外に出てこない。
「こんな感じになってて…」
「普通じゃないですね…どうします…?」
『中に生体反応あるな…クリーチャーの可能性高そうだぞ』
「じゃあさ、あたし達も掘り出せば良いんじゃない?」
『まぁモグラっぽいのだったらそうだな』
「お願い、カイザー!」
カイザーがカードから現れ、大きく火を噴き出す。興味本位で顔を出していたスノーフェアリー達は皆家に閉じこもってしまった。
「うわぁ火文明のドラゴン!?怖いですぅ…」
「大丈夫です、カイザーさんは良いドラゴンですよ」
「カイザー、お願い!」
「ハァー!ボルシャック・ランサー!」
カイザーの作った炎の槍が滝の向こうの岩壁に命中し、バラバラと中身を現す。その中にいたのはモグラでもなんでもなく…とてつもなく大きな鳥のクリーチャーと、一人の小柄な女の子だった。
「誰だ!?我の崇高な目的を邪魔するのは!?」
嘘ついた。小柄な、だいぶキャラの濃い女の子だった。
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Side:夕哉
俺の先行で始まったデュエマは、俺は2ターン目までに《ベル=ゲルエール》で墓地を増やし、ベアフガンは2ターン目までに《冒険妖精ポレゴン》と《進化設計図》を使い手札を合計2枚増やしてきた。
(このニンゲン、伝承にあるアビスと似たカードを使いよるな…)
(なんかきな臭いな…手札を増やしてるから何かの効果で爆発する方法でもあるのかな…?きな臭い時は…)
「3マナで《邪龍 ジャブラッド》を召喚!出た時に墓地を2枚増やして、ゲルエールで攻撃!味方のアビスが攻撃した時も、ジャブラッドは墓地を2枚増やす!」
ベアフガン シールド4
「シールドトリガー、無しだ」
「ターンエンド!」
(これで墓地は6枚、ジャブラッドで1回耐えながら、ダンマとかでカウンターできる墓地の枚数になった!)
「俺のターン、マナからクリーチャーを進化元にして、3マナでマナ進化!《ドリドリ・コドリアン》を召喚!」
「3マナの、パワー3000?進化クリーチャーだから出たターンアタックできるけど…」
「舐めたらいかんぞ…!コドリアンで攻撃する時、侵略条件、コスト3以上の自然進化クリーチャー!手札から《甲獣軍隊 ベアフ・ガンガンオー》を重ねる!」
ベアフガンが上から降ってきた熊型のロボットに乗り、そのまま殴りかかってきた!
「ガンガンオーはパワー18000のQブレイカー、更にこいつよりパワーの小さい相手、ベル=ゲルエールをマナゾーンに!
「いきなりQブレイカー!?ジャブラッドの効果で、ゲルエールを場に残す!」
『黒井さんが一気にピンチに…』
夕哉 シールド1
「いや、まだだ!シールドトリガー《邪侵入(ジャスト・イン・ユー)》!」
「これはシビルカウント2、闇のクリーチャーまたはタマシードが2枚以上ある時にシールドトリガーを得る!」
「なるほど、だから先程クリーチャーを守った訳か…」
「ご名答!墓地を4枚増やして!もうジャブラッドの時から墓地にいたもんね、来い!《アビスベル=ジャシン帝》!」
「伝承にあった…ジャシンだと…?」
「フン、こんな三下相手に出しおって。終わらせたらウィンナーだぞ!」
(できることならガンガンオーは破壊してできることならブロッカーも立てて、後の憂いは無くしておきたい…なんか方法は…」
「俺のターン!《ド:ノラテップ》、《フォーク=フォック》、《邪龍ジャブラッド》をアビスラッシュで召喚!あと1マナ!」
「夕哉よ、新入りは、ノラテップだけではないぞ…?」
「!! オッケー、ノラテップで更にコストを下げて、《ノラディ:ド:スルーザ》を1マナでアビスラッシュ!」
「なんだあのカードは…?」
「ノラディは攻撃する時、墓地4枚を山札に戻して、アビス・メクレイド8を行う!結果は…《悪灯 トーチ=トートロット》!シビルカウント3でパワー最大と最小、ガンガンオーとポレゴンを破壊!更にこの子はブロッカーだ!」
ベアフガン シールド3
「なるほど…ここまで強いのか…」
「まだまだ!ジャブラッド、フォーク=フォックでシールドを攻撃!」
ベアフガン シールド2
ベアフガン シールド0
「シールドトリガー…無しだ」
「アビスベル=ジャシン帝で、ダイレクトアタック!」
ベアフガンに向けてジャシンが放った光弾はそれて誰もいないところに着弾する。こっちの世界でも、うまく行ったみたいだ。
「俺は訳あってクリーチャーも、人間も、真のデュエルで傷つけないようにしているんだ、だからさ、大人しく通してもらえる?」
「………」
(ダメと言ったら強硬手段に出る、その意思もちゃんとあるのか、このニンゲンには…)
「負けた、自由に通って良いぞ」
「…!ありがとう!」
『良かったぁ、心配したよ、ゆうや』
「緑、デュエル中どこ行ってたの?」
『真のデュエル中は干渉できないから…』
あれはこのドローンでもどうにかできないみたい…
鬱蒼とした森の抜け方をベアフガンに教えてもらい、俺は原っぱに出る。そこに須谷さんが連絡をかけてくる。
『黒井さん、光屋さん赤坂さんが人間と遭遇!赤坂さんが真のデュエルを始めました!』
「え、どういうこと…!?分かりました、場所教えてください!」
「行くよジャブラッド!」
ジャブラッドの背中に跨り、ジャブラッドは空をかける。闇文明のクリーチャーを出して空を飛ぶのはすごく目立つデメリットもあるが、今はそうも言ってられない。
「火奈、御白…!」
ジャブラッドを走らせながら、俺は祈ることしかできなかった。
夕哉と!緑の!今日のカード紹介!
「今日のカードは…」
「「《ノラディ:ド:スルーザ》!」」
「アビスラッシュを持っている4マナ4000のクリーチャー、出た時と選ばれた時にハンデスもできるんだよー」
「更に墓地のカードを4枚山札に戻すことでアビス・メクレイド8ができるんだ、これでブロッカーを出せば更に妨害できる!」
「アビスラッシュが攻めだけでなく防御や妨害もできるようになるんだね、ゆうやのデッキ、どんどん強くなれそう!」
「というわけで次回、『神様に選ばれた子供』!」
「「お楽しみに!」」