デュエル・マスターズOverRevolution(オーバーレボリューション)   作:シグレサメ

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飛水は水文明へと落下し、アメイジンというクリーチャーに助けてもらう。人間と契約することによる戦略強化を狙っていたアメイジンだったが、飛水との価値観の違いから仲違いする。Dracheとも会った飛水は両クリーチャーの考え方に触れ、少しずつ考えていく。



動き出せ種族(オレら)たち

 

Side:飛水

 

地下に戻った俺とDracheは、自分同士で喧嘩しているアメイジンに出迎えられた。

 

「とにかく!水質汚染は深刻だ!今すぐ濾過器を作り上げて水質を改善するべきだ!」

「いいえ、まずはこの状況を引き起こしたクリーチャーを見つけ出します、そうでなければ一度戻したとしてもまた汚れるだけです!」

 

メイとジンの言い合いを横に受けながら、Dracheが感心したように喋り出す。

「こんなに考えて言い合いができる機械が水文明にあるなんて…俺も知らなかったこんな場所に…」

「まぁな…。でも、2つの意思がぶつかり合って喧嘩になってるみたいだな…」

 

こちらに気づいたアメイジンが、2つの頭を俺の近くに寄せて睨みつけてくる。

「カラクリバーシから聞きました、私達ではなく非生産的な存在を選んだと。貴方は期待外れだったようですね」

「違うんだメイさん、Drache達の、実際にそこで生きているクリーチャー達の言うことも聞くべきだと思ったんだ」

「我らの演算を超える意見が出ると?こんなハイクしか取り柄のないクリーチャーに?」

「それは…聞いてみないと分かんないけど…」

 

そう言って俺とアメイジンはDracheの方を向く。Dracheは居心地悪そうにしながら、

「え、俺!?水質汚染か…。確かに問題になってるけど…ううん…」

「やはり使えないではないですか、なぜこんなのと契約を!?」

「今すぐにこのハイククリーチャーとの契約を解除して我らと契約を!」

 

「『濁流や 流れのままでは 癒えぬまま』」

Dracheが突然ハイクを詠み、俺の前に手を出してアメイジンを制止する。

「俺には確かに良い解決法は生まれないけど、そのまま感情をぶつけ合うだけでは良い解決法は余計生まれない。そう思って詠んだ一句だ」

「……こんなクリーチャーに止められるとは…」

「しかし、この局面では決して間違った意見とは言えない」

 

Dracheが止めてくれたけど、それでも依然として水質汚染の問題は進んでいる。また喧嘩するまでの時間を少し稼いでくれただけだ。不服そうに研究所の奥に戻っていくアメイジンを見ながら、俺は一つの意見を思いつく。

「なぁ、どっちの意見も使えないのか?」

「「どっちの意見も?」」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

Side:夕哉

 

「夕哉くん、ジャシンさんを貸してもらって良いですか?」

 

突然の御白の言葉に、俺は驚いてカードを落としそうになる。

「うわっ…!危ない…。え、御白ジャシンのカードを使うの!?」

「使うというか。夕哉くんや緑くんがやった文明を混ぜる力、私もやっておきたいと思ったんです」

「つまり御白、光と闇文明を使うってこと?」

「はい、光文明は守りや制圧が強力な文明ですが、文明1つだとできることに限界があります、だから破壊やハンデスができる闇文明が必要なんです。ドランさん、どうですか?」

「私は大丈夫ですが、ジャシンの力を借りるのは…」

 

俺と御白はジャシンが2度俺のことを乗っ取ろうとしてきたことは知っている。前はどうにかできたけど、それを御白がやって大丈夫である確証は何処にもない。

「ドランの言うとおりだよ、別に闇文明じゃなくても…」

「なんていうか…闇文明じゃなきゃダメな気がしたんです。文明の幅を広げるだけなら他の文明でも良いんですけど、夕哉くんだけにそれを使わせるのは、私が嫌なんです」

御白はこう言葉を続ける。

「夕哉くんただでさえ夕花ちゃんのためだったりで頑張っているのに、他の皆と比べて危険なジャシンの力だったりで…だから、少しでも肩代わりできたらと思うんです」

「…御白、ありがとう。でもジャシンを使うのは流石に危険だと思う。もしそうなったら俺にも止められるか分からないし」

 

俺はデッキケースから邪龍 ジャブラッドを引き抜いて、

「ジャブラッドの力から行けないかな?比較的素直で良いやつだから、御白に貸すならこの子だと思う」

「信じてくれてありがとうございます、ドランさん、ジャブラッドさん、お願いしますね」

そう言って御白はドランとジャブラッドのカードを持ってレイクポーチャーの奥へと行こうとした時、

 

「待って御白ちゃん!あたしもやる!」

と火奈が割って入ってきた。

「あたしも強くなりたいの、それでライダーと話して、足りないものを埋めるなら光文明って話になったんだ。お願い御白ちゃん!ゴルギーニ兄弟のカードを貸して!」

「分かりました!お互いに強くなりましょう!」

 

そう言って2人でレイクポーチャーの奥へと消えていったのを見て俺は

「なんか、皆に負担かかるようなことしちゃったのかな…」

と呟いた。さっきのやり取りを聞いていたのかレイクポーチャーの前の方で舵取りをやっていた緑が戻ってきて、

「多分皆同じ考えなんだと思う、友達を助けたかったりで、もっと強くなりたいんだと思う。ボクもゴルファンタジスタが帰ってくるまでそんな感じだったし」

と自分を振り返りながら俺の方を叩いてくれた。

「でも、覇ロードができた時やっぱり大変だったし。緑もレイクポーチャーに会う前ゴルファンタジスタとやったんでしょ?」

「うん、とにかく集中だー!ってずっと目を瞑って。大変だったけど、必要なことだから」

「うん、やっぱり…」

「気にしなくていいよ、ゆうやもみしろ達の立場だったらそうするでしょ?皆ひすいを助けたいんだよ!」

「…そうだね、ありがとう」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

Side:飛水

 

俺は船に乗ったDracheと、《芸魔山鷹 トリノドミノ》というクリーチャーを連れて、汚染された海の上空へと来ていた。アメイジンは通信をしながらメイさんが通信を、ジンさんが濾過器の準備を進めていた。

 

『濾過器の準備を進める、不服だが、よろしく頼む』

『確かに、濾過器の準備をしながら原因を探るのは考えていませんでした、人員のリソースが足りたからこそできたことですが』

「それでもありがとう、メイさん、ジンさん。兎に角何か手がかりを…」

 

そう言いながら海を覗き込むと、中には様々なものが浮いており、つい目を背けたくなるような惨状が広がっていた。

「酷いなこれ…。俺が知っていた以上だ」

「これは…プラスチックのゴミ?」

『プラスチック?何ですかそれは?』

「プラスチック、水文明にはないのか!?」

「そんなものはとっくにロストテクノロジーだと、コーボーが言っていたね。今は再生可能なものがすぐにプリントアウトされるから」

「じゃあここを汚染しているのって…」

 

そういうと上から何かが降ってきて、俺たちの船を大きく揺らす。トリノドミノの内蔵カメラで一足先に顔を見たメイさんが、大きく声を上げる。

「《プラチナ・ワルスラS》!?さらにワルスラ族のクリーチャー達が、何でこんな所に、しかもこんな大量に!」

俺たちは完全に取り囲まれ、ワルスラ達がジリジリとこちらに距離を詰めてくる。

「不味いぞヒスイ、どうする?」

「Drache、今から本当に契約して…」

 

そう思った瞬間、大きなドラゴンがワルスラの群れに突撃してくる。

「ファー!俺様達、グッドタイミングみたいだな!」

「飛水!!助けに来たよ!」

「ゴルファンタジスタ、夕哉に緑!?なんで!?」

「いいから話は後だよひすい!今はボク達があのクリーチャー達を手分けして倒すから!あそこ!行って!」

「火奈と御白は来れないけど、俺たちで行くしかないよ緑!」

「大丈夫!ボクの新しいデッキのいい実験台だよ!」

 

緑がここからもう少し先にある、小さな島のようなものを指す。

「ここの下、レイクポーチャーが少しぶつかったんだ!下に何かあるから、ひすいがさがして!」

「…分かった、頼んだぞ、皆!」

 

「囲め!ワシらの方が数は多いぞ!」

「あれ、ガナテハみたいで可愛いかも…」

「もー!行くよゆうや!」

「「「「デュエマ、スタート!」」」」 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

始まった緑とワルスラのデュエマだが、緑は増えた水文明の対処に苦心しながらのデュエマ、しかしワルスラは、大量に墓地を肥やしながら攻撃する墓地ソースのデッキで攻め立てる準備をする。

 

「ワシのターン!《戯具 ドゥゲンダ》を召喚!2枚引いて2枚捨てる!ターンエンド!」

「ボクのターン、マナチャージしてターンエンド!」

「おい緑、2ターン目に動けないって不味いんじゃないか?」

「分かってるけど引けなかったものは仕方ないし…」

 

「ワシのターン!ドゥゲンダを《プラチナ・ワルスラS》に進化!そのまま攻撃する時、攻撃時能力で3枚引いて1枚捨てる!」

 

緑 シールド3

「シールドトリガーなし…」

「ターンエンド!次のターン、もっと恐ろしいものを見せてやる!」

 

「ボクのターン!《マーチングドラム ミドリ》を召喚!山札の上2枚を見て、1枚をマナゾーン、1枚を山札の上に!ターンエンド!」

(まずい、乗り遅れた…!このままじゃ押し切られる…!)

 

「ワシのターン!ドゥゲンダ2体を召喚し、墓地にクリーチャー6枚以上の条件達成!《百万超邪 クロスファイア》を0マナで召喚!ワルスラSでシールドを攻撃!」

 

緑 シールド1

「トリガーなし…!」

「クロスファイアで最後のシールドを攻撃!」

 

緑 シールド0

「…来た!シールドトリガー+!《海底の超人(ダフリー・ジャイアント)》!出た時に3枚引いて2枚山札に戻す!そして山札をシャッフルして、デッキトップのクリーチャーか呪文を使える!来て!《チアスカーレット アカネ》!」

「フン、今更クリーチャー2体、それで何になる?」

「なるんだよね、ゴルファンタジスタ!ボクのターン!5マナで《チアスペース アカネ》を召喚!出た時の効果で山札の上から2枚を見て手札とマナゾーンに振り分けるよ!」

「ファー!ここからジャイアントの大回転タイムだ!」

 

「まずはチアスペースアカネでドゥゲンダを攻撃!その時、革命チェンジ!チアスペースアカネを《銀河竜(ギャラクティカ) ゴルファンタジスタ》と入れ替える!」

大きな補助器具を背中に背負って現れたゴルファンタジスタが、ドゥゲンダを引っ張り出して、そのまま攻撃する。ゴルファンタジスタのクラブ捌きは重装備でも一切陰ることなく、ドゥゲンダを遠くの空へと吹っ飛ばしてしまった。

 

「マーチングドラム ミドリでワルスラSを攻撃!その時、ゴルファンタジスタの能力が発動!ジャイアントがバトルする時、それをゴルファンタジスタが肩代わりする!」

「ファーーー!!!」

ミドリがワルスラに向かいながらゴルファンタジスタとバトンタッチをし、代わりにゴルファンタジスタがワルスラに向かう。今度はワルスラを掴み上げ、地面に叩きつけてしまった。

 

「そんな、じゃあこれから来るクリーチャーは…」

「うん!皆実質パワー13000だよ!海底の超人でクロスファイアを攻撃!この時もゴルファンタジスタで肩代わりして、13000対7000で勝利するよ!」

 

「そして最後に!チアスカーレットアカネでシールドに攻撃する時、革命チェンジ、《スペースインワン・ヘラクレス》!この子はジャストダイバーのTブレイカー!さらにアカネの攻撃時能力でマーチングドラム ミドリをマナに送ってジャイアント・メクレイド8、《五番龍 レイクポーチャー ParZero》!」

「盤面が、どんどん巨大クリーチャーに…!」

「レイクポーチャーの効果で山札の上から6枚を見て2枚を手札に、手札の《キャディ・ビートル》を見せて同じコストのドゥゲンダを手札に戻すよ」

 

ワルスラS シールド2

「シールドトリガーなしじゃと…!」

「ボクのターンは終わりだよ!」

「なら、ワシのターン!あやつから貰ったあのカードを使う時!墓地のクリーチャーの数(10枚)だけコストを軽減し2コストで《暴走龍 5000GT》をバトルゾーンに!これでパワー5000以下のクリーチャーを全て破壊!」

「海底の超人が破壊されるよ」

「さらに2枚目のクロスファイアをバトルゾーンに!これでレイクポーチャーを踏まえた上でトドメまで行けるぞ!」

 

そう言ったワルスラを、ゴルファンタジスタは高笑いで返す。

「残念だな!俺様達の勝ちだ!」

「何がおかしい!これでワシの勝ちじゃ!」

「…ゴルファンタジスタはそんなに簡単に突破できないよ!銀河竜ゴルファンタジスタの効果で、相手のクリーチャーが出た時、次のボクのターンの初めまで、そのクリーチャーは攻撃もブロックもできなくなるんだ!」

「な、なんじゃと!?それじゃあどれだけスピードアタッカーを出しても…」

「ゴルファンタジスタの前では無意味だよ!」

「クソゥ、ターンエンド!」

 

「ボクのターン!呪文、《父なるタッチダウン》!5000GTをマナに送って、それよりコストの小さいレイクポーチャーをマナからバトルゾーンに!レイクポーチャーの効果でさっきと同じように手札を回収して、手札の銀河竜 ゴルファンタジスタを見せてクロスファイアを手札に!」

「じゃあ、まさか…」

「また出し直してね!スペースインワンを2体目の銀河竜ゴルファンタジスタに革命チェンジ!」

「ファー!分身する感覚も悪くないな!」

 

ワルスラS シールド0

「シールドトリガー、なしじゃと…!?」

「銀河竜 ゴルファンタジスタで、ダイレクトアタック!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

Side:飛水

 

緑が言った小さな島に辿り着いた俺たちは、まるでマンホールの蓋かのようなものに困惑していた。

「なんだこれ、蓋か?」

「とにかく目立たないようになっているのが逆に怪しいね…フン!重たい…!」

「Dracheさん手伝います、せーの!」

 

そう言って2人で引っ張ってもびくともしない。それに見かねたメイさんが助言をしてくれる。

『トリノドミノは言語機能を持たない代わりに、飛行機能を持ち、足に大量の動力パーツがある機体です、彼を試してください』

「分かりました、ありがとうございます、メイさん」

 

そう言ってトリノドミノの足をマンホールに固定して、合図を出す。

「頑張れ!トリノドミノ!」

「頑張れ!ここは俺のハイクを!《「とりどりに 高く飛び立て 海の向こう」》」

「え、2回くらいダジャレ入れました…?」

「ハイクってそういうものだよ」

 

ハイクを聞いたトリノドミノに不思議な魔力が充填されて、マンホールの蓋をどうにか開けることに成功した。

「え、Drache凄い…」

「俺は周りより少し言葉を知っているだけさ」

『ハイクで機体性能を底上げした…?そんなことができるなんて…』

「まぁ普段そんなこと必要ないからね」

『…余計に貴方のことが分からなくなりました』

「メイさん、Drache、下行きますよ!」

 

そう言ってDracheと一緒にマンホールの中に入っていく(トリノドミノは飛べるスペースが無いため留守番)。船から懐中電灯を取り出して、研究所の中を見ると、たくさんの書類が散乱した、小さな部屋へと辿り着く。部屋の主はかなり前に姿を消したようで、しばらく手をつけられていない部屋がそれを窺い知れさせていた。

「すごいね、こんなところで何かを研究していたんだ」

「ここは空気も薄いので必要そうなの見つけたら早く上がって、それで…」

 

そこまで言って俺は固まる。それを心配したDracheが、

「どうしたんだヒスイ?大丈夫なのかい?」

「…叔父さんのものだ」

「叔父さん?」

「…俺の叔父は、クリーチャーの力を使って人間世界を守る研究をしていたんだ、それの研究施設の一つが、ここみたいだ」

「つまり…?」

『ハイクさん、その踏んでいる書類を拾ってください』

「あ、君もそんな感じの呼び方なんだね…これは、クリーチャー界とニンゲン界を繋ぐ、⑦?」

『取り敢えず回収してこちらに戻ってください、ナンバリングして、形を戻しましょう。…待ってください、トリノドミノから連絡が…レイクポーチャーによると、ワープホールが海の中に出来ている?そこから大量のゴミが?』

「通りで近くに来ないと気づけないわけだね、海の中から出てきたら大量のゴミがカモフラージュになって入り口に気付けない」

『私達の目を誤魔化す前提の…』

「じゃあ、叔父さんの研究は…」

『…はい、その叔父さんが何のためにそれを作ったかは別として、今それが悪用されているのは確かでしょう』

「そんな…!」

 

久しぶりの叔父さんの足跡も、今起きていることも、すぐ受け止めるには少し重たすぎるように思えた。

 




夕哉と!緑の!今日のカード紹介!
「今日のカードは…」
「「銀河龍 ゴルファンタジスタ!」」
「コスト5以上のジャイアントから革命チェンジできるTブレイカーだね、パワーも13000と巨大!」
「出たクリーチャーを次の自分のターンまで攻撃も防御もできなくしたり、他のジャイアントがバトルする時ゴルファンタジスタが代わりにバトルしたりできるよ!」
「プレイヤーだけじゃなくて、同じ場に出るクリーチャーも守れるようになったんだ」
「というわけで次回、『Uta-Awase-Fes』」
「「お楽しみに!」」
「ゆうや、これなんて読むの?」
「うた、あわせ、フェス、かな?英語とローマ字混ざってるのちょっと変だね…」
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