デュエル・マスターズOverRevolution(オーバーレボリューション)   作:シグレサメ

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飛水はアメイジンと協力して、水質汚染の元凶を突き止めることに成功するも、途中でクリーチャー達に囲まれてしまう。間一髪のところで夕哉たちが助けに入り、彼らがクリーチャーを撃退、なんとかアメイジンの拠点まで戻ってくるのだった。



Uta-Awase-Fes

 

Side:飛水

 

真沢(まざわ)叔父さん。俺の叔父でクリーチャーの存在を知ってから、クリーチャーの脅威から人間を守るために様々な実験に手を出し、自分の身をも滅ぼした。それは色んなやつを危険なことに巻き込んだし、今でも許せてない。けれどもデスフェニックスのような危険なクリーチャーがいることだったりで、決しておじさんの考えてることが全部間違っているとも思えなくなっている。

 

アメイジンの研究所に帰ってきた俺たちは、集めた研究レポートを並び替えて、アメイジンがそのデータを読み取っていた。

 

「公輝さんたちに連絡してきた、ポータルに戻る時間も考えなきゃだけど、もう少しここにいれるって」

「ありがとうございます夕哉くん、これ、パズルみたいで楽しいですね」

「ちょっと待て、ポータルってお前達も使うのか?」

「…うん、アメイジン、だよね?そうだよ、さっき言ってた真沢さんの研究を通して、他に穴が開かないようにしてるんだって」

「そうか…我の文明でもポータルを作れないか?」

「え、なんで…?」

「クリーチャー界とニンゲン界を繋ぐ扉があると知っていたが、それを開く場所をコントロールできるなら話は別だからな、光屋御白、そっちの話していた人間とこのニンゲンを借りる、いいか?」

「は、はい、どうぞ…」

 

そのころメイさんの方は、ドランやゴルファンタジスタ、ライダーも出てきて読み合わせと並び替えを続けていた。

「うーん…難しい内容、まざわおじさんこんなこと考えてたんだ…」

「ファー…頭が、爆発しそうだ…」

「内容が関連してそうなものを並べればいいので、早い話一番下と一番上が意味が繋がっているものを探せばいいですよ」

「確かにそれなら早いですね、ありがとうございます」

 

ドランとアメイジンのやり取りを見ていた俺は、後ろからカラクリバーシに引っ張られる。

「アメイジン様が別の要件でお呼びです」

「え、2人とも夕哉やドラン達と喋ってるだろ?」

「お互いに頭の半分を借りて3つ目の話をするくらいわけないそうです」

「なんか…すげえなアメイジン…」

(というかプログラムで動くカラクリバーシがこの返答したあたりこう質問するのも読まれてるのか)

 

カラクリバーシに案内された先は、クリーチャーが1体入れるくらいの箱のようなもの。トリノドミノが椅子を出していて、そこに座ると前のモニターにアメイジンの2つの頭が映し出される。

 

「まずは礼を申し上げます、私達の力では出来なかったことを成し遂げていただいて、重要な手掛かりもつかめました」

「それは夕哉達が来てくれたからだ、俺だけじゃ何も出来なかった」

「そうだな、だから聞きたい。何故こいつらはここまでしてくれる?ヒスイの何がそうさせる?」

「個体としての性能は音楽ができるくらいで大きく強い部分があるわけではありません、だから聞きにきました」

「おう…手厳しいな…」

 

少し考えた後に、俺は答えを出す。

「多分、そんな考えてないと思うんだ」

「考えてない?どういうことだ!?」

「えっとな、例えば夕哉の話なんだが…。俺、最初あいつに酷いこと言ったんだ。カードショップで騒ぐ迷惑客だと思って。でも話してみたらいいやつだったし、もっと仲良くなった今は、俺もあいつを助けたいと思うし、多分あいつもそう思ってくれてる」

「それは…ただ助けたい、役に立ちたいだけということですか?」

「そいつが何ができるからみたいなので夕哉は考えないというか、本当に『目の前のやつが困ってる!助ける!』みたいな感じのやつだから。でも全部できるわけじゃない。だから俺もあいつのできないところを助けてあげたいんだ」

「アメイジンも、ただマスターってのから与えられた仕事だから水文明を守っているのか?」

 

そう言われたアメイジンは首を見合わせてお互いに考える。

「…我は、綺麗な水文明の景色が好きだ、バンキシー様に生み出された当時、初めてみたどこまでも続く海が、未だにデータから消せない」

「私も綺麗な空を見ました。感情は要らないとフォルダの奥に入れていたのですが、今でもそのフォルダは、何故だか綺麗に残っています」

「…だから、水文明を守りたいんだな」

「ああ」「はい」

「Dracheも水文明が大好きなんだ。気持ちが、やりたいことが同じなら、協力するべきだと思う」

「あのクリーチャーのハイク、先程は水や空を題材にしていましたね、彼も似たようなことを感じたのでしょうか」

「Dracheがあんなことできるなんて初めて知ったんだ、我らは知ろうともしていなかったんだな」

「…そうだと思う」

 

お互いにもう一度首を見合わせたアメイジンは、何かのボタンを起動する。俺の右手側に箱が飛び出してきて、開けろと指示される。

「これ、アメイジンやカラクリバーシのカード!?」

「我らの力を渡すならヒスイしかいないと思っていたが、今回の件でさらに思った。我らの力を頼ってくれ」

「水文明を脅かす害が分かりやすく出てきた以上、私たちも対策をしなければなりませんから、よろしくお願いします」

「…ありがとうございます、その、お願いなんですけど、俺の持ってるカードを入れてもいいですか、特に、この呪文は」

「そう言われると思っていた、我らも、ハイクも、上手く使え」

「…ありがとうございます!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

皆のところに戻ってきた俺は、今度はDracheに迎えられる。

「おうヒスイ!Uta-Awase-Fes(ウタアワセフェス)をやるぞ!」

「Uta-Awase-Fes?」

興奮気味に語るDracheに変わってジンさんが説明してくれる。

「濾過器を動かすためのエネルギーとして、Drache達がライブをすることによって生まれる演者、観客両方のエネルギーで補うことを思いついたんだ、これが上手くいけば、濾過器をクリーチャーの犠牲なく使うことができる」

「そうなのか!?良かった…!」

「Drache Der'Zen、申し訳ない。何も知らずにお前達を巻き込もうとしていた」

「確かに良くはないが…対策方法が思いついて、それが実行できるのなら、結果オーライだから大丈夫だ」

 

2人が仲直りしたのを見て安堵しながら、俺は疑問を口にする。

「じゃあそのフェスっていつやれるんですか?」

「早くできて2週間…皆の準備、イベントの周知、やることは多いし、皆に濾過器のことは最低限言うけど、それで義務的に楽しんでもらうのも違うからそういうのも大変だし…」

Dracheが人が変わったかのように頭をフル回転させ、フェスの準備を始める。

「我らに音楽や芸術の心得はない、そこは君に一任するぞ」

 

「そうだ、ヒスイ!君もフェスに出ないか?」

「…あぁ俺がフェスに…俺がフェスに!!?」

「驚きすぎだよ、前にセッションして、君の音楽は人前に出せるものだと思ったんだ」

「それでもDracheの迷惑になったり、しかも人間が…」

「このフェスは色々な水文明のクリーチャーが立場を越えて演奏することを目的としたものなんだ、人間くらい呼ばなくてどうするんだい?」

「でも…」

「いつだっていい方向に変えるためのものは行動だ、ヒスイ、勇気を出してみないかい?」

「………お願いします!」

「よっし!セトリ準備しておくよ」

「じゃあ俺も準備をして…」

 

そこまで言ったところで俺の身体は緑に引っ張られた。

「ひすい!一旦落ち着いて!」

「あ、緑…」

「まずはポータルができたら戻ろう!家族が心配してるんじゃないの!!」

「あぁ………すまねぇ、完全に頭がその気分になっちまってた」

「…一旦休んできたらいいんじゃない?」

「…そうするわ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

Side:遥風

 

黒井さんからの連絡を受けて、ようやく安心しながらインカムを一旦机に置く。青海さんが見つかったという彼は本当に嬉しそうで、私も嬉しい気持ちになりました。

 

「正路さん、皆さんが青海さんを見つけて、合流したようです」

「そっか、それは本当に良かった…」

「ですね、私もそう思います」

「…そうだね」

 

そう言いながら正路さんはハンカチを渡してくれる。何をしているのだろうと彼の顔を伺うと、彼は自分の目を指して、何かを促しているようでした。

 

試しに自分の目の近くに手を置くと、温かい水のようなものが流れており、ようやく自分が泣いていることに気づきました。

 

「あ、ごめんなさい、泣くつもりは…」

「大丈夫だよ、待ってるから」

「………黒井さんと青海さんが仲良くしているのは知っています。あれが一生の別れになったら、やりきれないと思っていたんです」

「…そうだね」

 

正路さんは私を元気付けるためかポットから温かいお茶を淹れる準備をしながら、私の言葉を待ってくれています。

 

「皆さん、仲良いですよね。だからこそ、別れる時が辛いんじゃないかって思ってました。杞憂になりそうです」

「君もだよ、須谷くん」

「…え?」

「初めて会った時に比べて、君はかなり感情を出せるようになった、本音を出せるって、それだけその人達を信頼していないとできないからね」

「…そうかも、しれません」

 

それを聞いて安心したような顔をした正路さんは、お茶を私に出した後、沢山の書類が整然と並んだものから1冊の本を取り出します。

「これはデュエマ部ができてからの皆のことをまとめた本だ。須谷くんのことも書いてある。ただ、君が警察に入る前のことは、情報として不十分なんだ。そろそろ、教えてもらえないかい?」

「…長くなるかもですよ」

「大丈夫だよ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

Side:飛水

 

「…飛水!」

 

緑に促されて俺が目覚めたベッドに戻ろうとしていたところ、あの元気な声に声をかけられた。いや、元気っていうかはちょっと怪しい声だったが…。

 

「火奈、どした?」

「えっと、言わなきゃいけないこといっぱいだけどさ、……ごめんなさい!」

「え」

「文化祭の時のあの言葉!言いすぎたから!ごめんなさい!」

「……あー、気にしてねぇよ」

「でもさ、飛水傷ついてるかもって」

「ちょっと引きずったけど、大丈夫だ。……俺もあの時だいぶ酷かった、すまん」

「ううん、あたしも気にしてない」

 

少し雑な返しになってしまっただろうか。火奈と話す時は彼女がとても直情的な分、少し捻くれてしまう自分が嫌になる。少し座ろうと火奈に促されて、1席分空けてベンチに座る。

 

「…あたしさ、中学の先輩に会ったんだ。全然敵わなくて」

「黒ローブ、刃金の仲間らしいよな、大丈夫だったのか?」

「大丈夫、って言えたら良かったんだけど。あたしも結構引きずってる」

 

火奈は少し拍をとったあと、ため息をついて、

「あたし、全然弱かったんだなぁって。飛水にあんな偉そうなこと言ったのにね」

「…俺もだ。アメイジンやDracheにあって、自分の無力を痛感した」

「あたしたち、似たもの同士だ」

「だな」

 

お互い口が上手い方ではない。俺たちは何も喋らずに5分くらいお互いに思案に耽っていた。

「…よし!」

突然火奈が立ち上がって、俺にデッキケースを突きつけてくる。

「飛水、デュエマしよう!」

「偉く突然だな」

「結局自分ができないって悩むなら練習した方がいいことに気づいたの!」

「…一理あるな、三理くらいある」

「あたし、光文明使うようになったよ!飛水は?」

「俺は火文明使うようになった」

「よし!やろっか!」

 

「「デュエマ、スタート!」」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「《AQ Vibrato》を召喚!ターンエンド」

「《チャラ・ルピア》を召喚!ターンエンドだよ!」

 

お互いに2文明をマナに揃えながら始まったデュエマ、契約クリーチャーというわけではないため飛水がクリーチャーを召喚することはないため、アメイジンにバレる心配もなかった。

 

「《ボン・キゴマイム》を召喚!Vibratoで攻撃する時、《芸魔悪狼 ヘルギャモン》に革命チェンジ!こいつはジャストダイバーだ!」

 

火奈 シールド4

「トリガーなし、飛水、すごい楽しいね!」

「…あぁ!ターンエンド!」

 

「あたしのターン!《ボルシャック・アークゼオス》をチャラルピアの軽減で3マナで召喚!アーマードメクレイド5で《アシスター・コッピ》をバトルゾーンに!ファイアーバードが出た時の効果でボン・キゴマイムとバトル!」

「ボンキゴの効果!このターンでたアークゼオスとコッピの攻撃を封じ、コストを払わずにでたコッピに反応して1枚ドロー!」

「ターンエンドだよ!」

 

「俺のターン!マジックがいるので1コスト減らして、《Napo獅子-Vi無粋(ナポレオン-バイブス)》を召喚!効果で2枚捨てて3枚ドロー!ヘルギャモンで攻撃する時革命チェンジ!《芸魔龍王 アメイジン》!墓地の呪文、3枚を手札に加えて、俺の手札枚数以下のコストを持つクリーチャーを全て行動不能に!」

「嘘!?アークゼオス達が!」

 

火奈 シールド2

「Gストライク!《クック・撃(スクラン)・ブルッチ》!

「ターンエンド…!」

 

「あたしのターン!クック・撃・ブルッチを3マナで召喚して、次に使うアーマードのコストを6軽減!行くよ!《覇炎龍 ボルシャック・ライダー》!」

「だがメクレイド2回してもそれでトドメまで行くのは難しいんじゃないか?」

「フッフッフ!光文明の力見せてあげる!ボルシャックライダーの攻撃がシールドにぶつかった時アーマードメクレイド5を2回発動!《ボルシャック・テイル・ドラゴン》!《飛ぶ革命 ヴァル・ボルシャック》!テイルの効果でNapo獅子とバトル!さらにヴァルボルシャックの効果でライダーをアンタップ!」

「アンタップ!?…メガ・ラスト・バースト!場から離れた時に呪文側、《♪オレの歌 聞けよ聞かなきゃ 殴り合い》を唱えて、コスト2以下のエレメント全て、コッピを破壊!」

 

飛水 シールド3

「シールドトリガーなし、メクレイドもう一回かよ!」

「えへへ、ライダーの攻撃がシールドに当たる時、もう2回アーマードメクレイド!《革命の炎 フレア・ハシッチ》!《飛ぶ革命 ヴァル・ボルシャック》!ライダーをもう一回アンタップ!ハシッチの出た時効果で今割らないシールド1枚をブレイク!」

 

飛水 シールド2

「ピッタリ割り切り…!」

「これが新戦術!連続メクレイドだよ!」

 

飛水 シールド0

「…来た!シールドトリガー!《終止の時計(ドゥームズデイ) ザ・ミュート》!2枚ドローして1枚捨てる!更にトリガー+効果で火奈はクリーチャーで攻撃できなくなる!」

「あとトドメだけだったのにー!ターンエンド!」

 

「俺のターン!2体目のNapo獅子を召喚!2枚捨てて、3枚ドロー!アメイジンで攻撃する時、アメイジンに革命チェンジ!これで火奈の動きはもう1ターンストップだ!」

「…ううん!まだ終わってないよ!」

 

火奈 シールド0

「シールドトリガー+!《ピース・盾(パリィ)・ルピア》!トリガー+効果で相手のクリーチャーを全てタップする!そしてこの子は攻撃できるブロッカーだよ!」

「俺の…負けか」

「盾ルピアでダイレクトアタック!超楽しかった!」

「…俺もだ!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「「対戦、ありがとうございました!」」

 

かなり白熱したデュエマを終えた俺たちは、肩で息をしながら満足感に浸っていた。しかし終わって初めて、横から見ていた人間がいることに気づいた。その人間、いや緑は、頬を膨らませてとても怒っていて…。

 

「ひな?ひすいに声かけるくらいなら良いけど、デュエマまでしたの?」

「いやーそれは…熱中しちゃって…」

「ひすい?休んでって言ったよね?」

「その、身体が動き出してたっていうか…」

「ひすいはベッドで寝る!ひなはこっちに戻る!」

「「ごめんなさい…」」

 

とりあえずポータルができるまで、俺は緑に見守られる(半分監視される)ことになってしまった。

 




火奈と!飛水の!今日のカード紹介!
「今日のカードは…」
「「《飛ぶ革命 ヴァル・ボルシャック》!」」
「アーマード全てから革命チェンジできるあたしの新しい切り札だよ!」
「出た時に敵味方を問わず2体までタップまたはアンタップできるスピードアタッカーか」
「相手をタップして邪魔なクリーチャーを倒したり、味方をアンタップしてもう一回攻撃させたり!」
「革命チェンジで出してもメクレイドで出しても得しそうな良いカードなんだな」
「というわけで次回、『選ぶもの、選ばれるもの』」
「「お楽しみに!」」
「ねー飛水、もう1回デュエマしよう!」
「俺もそうしたいんだけど緑が尋常じゃなく睨みつけてる」
「緑って、怒ると怖いんだね…」
「心配から来てるから余計にな…」
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