デュエル・マスターズOverRevolution(オーバーレボリューション) 作:シグレサメ
夕哉がベアフガンとデュエマを始める少し前…
Side:火奈
「誰だ!?我の崇高な目的を邪魔するのは!?」
岩壁の中から現れた小柄な女の子は、こちらを向いてこのように言ってきた。なんていうか…何?
「あの、あなたは誰なんですか?ここが何処か分からないなら、すぐに私達が元の世界に連れ戻します」
「そんなものは要らぬ!この世界はクリーチャーの世界、我は今必要なもののためにこの場所にいるのだから!」
なんていうか…すごい人だなぁ。ていうか、生きてるクリーチャーの存在知ってる!?
「クリーチャーの世界からスノーフェアリーの街の植物が必要なのだ!しかし根が深く、引っ張り出す為にこのようなことをしていた」
『お前、人間界にそれ持ち帰るつもりか?』
飛水が訪ねる。
「喋るドローン…?当たり前だ。それが信者の願いだからな」
『信者?ばっかやろう!別の地域から植物を持ち込んで、それで環境が壊れることなんていくらでもあるんだ、お前の独断で持ち帰ろうとすんじゃねぇ!』
「ドローンの癖に我に楯突くか…ならば来い、ヘヴィ!」
ヘヴィと呼ばれた片翼…いや、翼そのもののドラゴンのクリーチャーが現れて、飛水のドローンに向かってくる。
「カイザー!」「任せろ、火奈!」
カイザーが受け止める、とにかく今は皆の安全を…!
「御白ちゃん、飛水くん!エスメルちゃん達を避難させて!」
『了解!』「分かりましたけど、火奈ちゃんは?」
「あたしは…あの子と戦う!」
「火奈ちゃん!?どんな相手かも分からないのに、危険ですよ!」
「分かってるけど、あの子放っておける訳ないよ!色んな意味で!」
あたしは彼女の方に向き直り、声を張り上げる。
「デュエマで勝負だよ!その…名前知らないけど!」
「デュエマで勝負か…我に勝てるとでも?」
「あなたの腕前は知らないけど、これ以上戦ったら妖精の里にもっと被害が出ちゃう。だったらお互いにデュエマをした方が得でしょ?」
「なるほど…我の名前は神谷 祈雨(かみや きう)!余の遍く人々に救いをもたらすものだ!」
あ、名前教えてくれるんだ…
「「デュエマ、スタート!」」
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「あたしのターン!《アシスター・コッピ》を召喚!」
頭より大きい大砲を乗せたファイアーバードが現れ、あたしの前に整列する。やっぱりここはクリーチャー界、元の世界よりクリーチャーの力が強いから、みんな自由意志を持ってるんだ…
「なるほど…我のターン!呪文、《勇愛の天秤》!カードを1枚捨てて、2枚ドローする!ターンエンド!」
(墓地を増やしてきた…夕哉と似たようなタイプの戦法なのかな…?)
「あたしのターン!コッピの効果でアーマードは1マナ小さく使える!呪文、《暴龍爵は不滅なり》!アーマードメクレイド5!山札の上から3枚を見て、アーマードの5コスト以下のカードを使うよ!《ボルシャック・フォース・ドラゴン》!ターンエンド!」
あたしは神谷さんに問い詰める。
「ねぇ、あなたのいう信者って何?なんていうか、あなたの話していることはなんか嫌な予感がするというか、やめた方がいいんじゃないかって思うの!あたしの勝手な考えだけど!」
「我の考えは絶対!そうなるのは自明なのだ、誰にも変えられはしない!」
「ちょっとくらい話聞いてくれたっていいじゃん!」
「我のターン!タマシード、デュザメの黒像を設置!効果で山札上4枚を墓地に送り、墓地から《暗黒破壊神デス・フェニックス》、《阿修羅ムカデ <デスシラズ.Star>》を手札に!ターンエンド!」
「あたしのターン!《轟炎の竜皇 ボルシャック・カイザー》を召喚!ターンエンド!」
(ほんっとうに話通じない…だったら今はデュエマで勝つだけ!手札の噛み合いが悪いけど、次のターン2体並べて無限攻撃を成立させる!あったのデッキは火と闇みたいだから、カイザーが破壊されても手札の2枚目を出せばいいし…!)
「火奈…?」
カイザーが突然こちらを不思議そうに見つめてくる。
「どうしたの、カイザー?」
「…いや、気のせいだ」
「我のターン!4マナで、《暗黒破壊神デス・フェニックス》で墓地から2体の進化元を手にする、墓地進化Vとして召喚!さらにゴッドがいるため、手札から《神の裏技 ゴッド・ウォール》を0コストで唱える!神(ゴッド)は次のターン、いかなることがあろうとも場を離れることはない」
神谷さんの厨二病が加速していく。
「デス・フェニックスでシールドに攻撃!その時デスフェニックスの効果を発動!進化元を取り除き、墓地から極限龍神ヘヴィとG(ゴッド)リンク、合体させる!パワーも合算され、14000のTブレイカーに!」
「合体!?4マナから!?」「火奈、危ない!」
火奈 シールド2
「うわぁぁぁああ!」
床に飛ばされるけどここは妖精の里。ふんわりとした植物達がクッションになって怪我はなかった。カイザーが庇ってくれたのもあるけど…
「え…なんであんな破壊力…傷つけるつもりは…え、その…」
神谷さんの様子が明らかにおかしい。
「どうしたの神谷さん!まさか何か…」
「…!我の契約したクリーチャーは強すぎてお前を傷つけてしまったようだな!すまない、次はそうしない。デュエルを続行しようではないか」
どう見ても神谷さんは取り乱してた。どっちが素かは分かんないけど…
「あたしのターン!《ボルシャック・テイル・ドラゴン》、《アシスター・コッピ》をバトルゾーンに!シビルカウント3と5を達成!カイザー!無限攻撃行くよ!」
「おう!ボルシャック・ランサー!!」
カイザーの投げた槍は突如あらぬ方向に曲がり、デスフェニックスが受け止める。
「え、なんで!?カイザーの攻撃が止められた?」
「止めたのではない、もっと恐ろしいものだ…デスフェニックスの眷属、ヘヴィは攻撃が可能なクリーチャーを全て自分に攻撃させるという効果を持つ」
「パワー14000の壁…でもカイザーはバトル中パワー55000だよ!」
ランサーを受け止めたデスフェニックスを覆っていた黒煙が晴れる。しかしそこにいたのは、無傷のデスフェニックス。
「言っただろう、ゴッドウォールの効果でこいつは場を離れない。さらにこの誘導効果は…全てのお前のクリーチャーを対象とする、しかもこの効果は攻撃しない限り切れない」
コッピとフォースドラゴンがデスフェニックスに引き寄せられちゃう。2人は簡単に破壊されちゃった…。
「シビルカウント5が切れた!カイザーで攻撃!シビルカウント3はまだ生きてるから、バトルには勝って生き残る!…ターンエンド!」
(カイザーさんが生き残った…だけだ。全く状況は良くなってない…!それどころか、さっきの攻撃時能力をもう1回使われたり、ゴッドウォールの二発目を打たれたら…)
「…火奈、…火奈!大丈夫か!?」
「…うん、大丈夫…!」
「我のターン!」
「デュザメの黒像の上に《モロハ夜叉〈オルゼキ.鬼〉》をスター進化!更に友愛の天秤で1枚捨てて2枚ドローする!…2枚目のゴッドウォールだ」
「そんな…」
「ヘヴィ・デスフェニックスで攻撃!先ほどと同じ攻撃時効果で《極限龍神メタル》を蘇生!効果でマナゾーンのカードを1枚破壊!パワー合計が21000!残りのシールドを攻撃!」
火奈 シールド0
間違いなく攻撃は弱まっている、神谷さんが動きを弱めているのかな…
「シールドチェック…シールドトリガーも、Gストライクも…なしだよ」
カイザーがこちらを見てくる。
(火奈、GストライクのコッコルピアGSを使わず…不味い、心が折られているのか…)
「モロハ夜叉でダイレクトアタック、これで終わりだ」
あたしは…目を閉じて…ごめん、カイザー、お母さん、お父さん…
真のデュエルのフィールドが突然として…ズーン、ズーンと揺れ始める。
「ジャブ…ラァァアアア!!!」
大きな叫び声が聞こえて、彼の声が聞こえてくる。
「大丈夫!?…火奈!!」
「夕哉…!」
ジャブラッドに乗って現れた夕哉が神谷さんの前に立ちはだかる。
「とにかく御白が救援要請をしてくれたんだ!無理矢理デュエルフィールドの扉を開けるのも手伝ってくれた!よく分かってないけど君が…敵ってことで良いんだよね?」
「チィ…新手か…」
「こいつ、クリーチャーの使い方については素人だな、かなり展開されたフィールドが荒かった。余なら一撃だったろうな」
「そう思うなら手伝ってもらえませんか!?俺と御白で結構大変だったんだけど!?」
「夕哉くん!火奈ちゃん!」
御白と飛水と緑(2人分のドローン)が中に入って助けに来てくれる。
「くぅ…流石の我でもこの状況ではいささか不味いか…撤退しなければ!」
デスフェニックスに乗って、彼女の姿はぐんぐん遠のいていく。
「待って!神谷さん!」
あたしの声は、全くもって通じなかったし、届かなかった。
火奈と!飛水の!今日のカード紹介!
「今日のカードは…」
「「《暗黒破壊神デス・フェニックス》!」」
「4マナで墓地から進化元を2枚要求するパワー9000のパワードブレイカーだね」
「あぁ、攻撃時能力で眷属のヘヴィとメタルを呼び出せば、更に硬い布陣を敷くことができる」
「《神の裏技 ゴッド・ウォール》と合わせれば、攻撃できるクリーチャーをほとんど全滅させることもできちゃうね」
「火奈、大丈夫か?」
「うん、大丈夫だよ…」
「…というわけで次回、『あたしを探して、あなたを探して』」
「「お楽しみに」」