デュエル・マスターズOverRevolution(オーバーレボリューション)   作:シグレサメ

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緑と祈雨のデュエマは激化し、最後の全力のぶつかり合いの末に緑が勝利を掴む。Prayersが保護されたことなどから祈雨がアルテナに手を貸す理由が無くなり、解放される。その頃飛水は、風音に操られた垣外礼児に遭遇し、デュエマをすることで止めようとするのだった。


その音は鳴り止まない

 

『大丈夫飛水!?なんか音が…?』

「大丈夫だ、少しこっちに襲撃が入ったけど、今対応してる」

『そんな、戻った方がいいの…!?』

「いいわけねぇだろ、とっとと行ってこい」

『……無理はしないでね』

「その発言ブーメランすぎんだろ。…大丈夫だ」

 

夕哉からの連絡を切って、飛水はカクメイジンと共に目の前の礼児に向き合う。Dracheがハイクの力で必死に抑えつけているが、それがなければデュエマは成立していないだろう。

「ショウカン。ターンエンド」

「《灼熱の闘志 テスタ・ロッサ》ですね、登場時に2枚ドローして2枚捨てる効果を持ちます」

「ありがとうメイさん。俺のターン!《卯年の園上者(ラバースター) アルラパン》を2マナで召喚。登場時に手札を1枚、《歌舞音愛 ヒメカット》を捨ててこいつはスピードアタッカーを得る。ジンさん、正直めちゃくちゃ論理に反することしていいか?」

「飛水の判断を尊重する。契約した時点からそう決めているぞ」

「サンキュー、アルラパンでシールドを攻撃!」

 

礼児 シールド4

「シールドトリガー、ナシ」

「やっぱりか…」

「前の戦いなら、必ずシールドトリガーが出る場面ですね」

「与えられた運の才能を奪われた際に、何か別のものまで抜き取られたと考えるのが自然だろうな」

「にしたって全然安心できねぇけどな…。最初のテスタロッサだったりで正直何してくるかわかんねぇ。前に戦った時はブリタニアの無限攻撃を軸にしてたよな」

 

「オレノ、ターン。ショウカン」

「《灼熱の演奏 テスタ・ロッサ》。アウトレイジまたはマジックを1枚捨てて2枚ドローするテスタロッサ…。飛水のデッキにも入っていますね」

「どこから持ってきたんだろうな…マジックのクリーチャー」

「コウゲキ」

 

そう言って前のターンにいた灼熱の闘志 テスタ・ロッサがアルラパンに向かってくる。

「自爆?何を……!?」

そう言った瞬間飛水は自分のミスに気づく。

「やべぇ、アウトレイジなのにこれを警戒しないとか馬鹿か俺は!」

 

テスタロッサがアルラパンとのバトルに僅差で負けて、破壊される。その無念の炎が、新たな火をつけてしまう。

「シャクネツドロン・ゴー」

「《灼熱連鎖(ラスト・バーニング)テスタ・ロッサ》!テスタ・ロッサが破壊された時に手札から呼び出せるカード。登場時に山札5枚を見て好きな数の『テスタ・ロッサ』クリーチャーが場に出るぞ、飛水!」

 

「灼熱の闘志テスタが1枚、灼熱の演奏テスタが2枚、《赤い稲妻(サバイバル・スター) テスタ・ロッサが1枚!しかもこれらはこのターン終了後破壊される代わりにスピードアタッカーです!」

(今見えたの、《暴走龍(ライオット) 5000GT》か…?)

 

「コウゲキ」

「稲妻テスタでアルラパンが破壊されました!」

「コウゲキ」

「闘志テスタロッサが来ます!」

 

飛水 シールド4

「まずは破壊されないやつを止める!シールドトリガー、《満韻炎霊(イフリート・フリート)キャノンボール》の呪文側、 《♪夏草や イフリートによる 夢の跡》!パワー12000以下の演奏テスタロッサを破壊!」

 

「コウゲキ」

「次も演奏テスタロッサです!」

 

飛水 シールド3

「シールドトリガーなし…!」

「コウゲキ」

「次は闘志テスタロッサだ!まだ来るぞ!」

 

飛水 シールド2

「シールドトリガー!《氷柱と炎弧の決断(パーフェクト・コールドフレイム)》!相手2体、演奏テスタロッサ2体を攻撃防御禁止にする!」

「ターンエンド。ハカイ」

 

場に並んだ灼熱連鎖以外のテスタロッサが全て破壊される。

「ハァ…ハァ…すまねぇメイさんジンさん、完全にプレミした…!」

「仕方がない。ドロンゴーは本来かなり使いづらい能力だ、前の戦いでも攻撃後の自爆というこちらに依存しない方法で発動していたからな」

「完全に裏をかかれましたね。風音さんは運が強いという礼児さんの強みを失わせる代わりに、それによって起きるであろうプレイに合わせたデッキに変えさせたみたいですね」

「マジか…。Drache!大丈夫か!?」

「大丈夫だけど、そんなに長くは持たないよ!」

 

「どうする飛水、時間はないぞ」

「…次のターンで決める。手札も前の戦いほど質がいいとは言えないし100パー決まるとは思えねぇけど、テスタロッサの第2波の存在や、5000GTのこと考えるとそう言ってもいられない」

 

「……俺のターン!灼熱の演奏 テスタロッサを3マナで召喚!《AQ Vibrato》を1枚捨てて2枚ドロー!テスタロッサで攻撃する時革命チェンジ!《芸魔隠狐 カラクリバーシ》!1枚ドローしてコスト3以下の呪文、《瞬閃と疾駆と双撃の決断(パーフェクト・ファイア)》!テスタロッサを手札からバトルゾーンに出して、カラクリバーシを初めての攻撃終了後アンタップさせる!テスタ効果で1枚捨てて2枚ドロー!」

 

礼児 シールド3

「トリガーナシ」

「ぶち抜くぞ相棒!カラクリバーシで攻撃する時革命チェンジ!《芸魔王将 カクメイジン》!!」

 

カクメイジンが飛水の元を飛び出して、礼児のシールドへと向かっていく。

「シールド着弾時効果発動!マナ枚数以下(4マナ)の呪文をブレイク枚数(2枚)分唱える!1枚目!氷柱と炎弧の決断!1枚捨てて2枚引くと、灼熱連鎖テスタロッサの攻撃防御を禁止する効果を選択!更に2枚目!瞬閃と疾駆と双撃の決断!《単騎連射 マグナム》をバトルゾーンに出して、カクメイジンを初めての攻撃終了後アンタップする!

 

礼児 シールド1

「シールドトリガー」

「これは、《勇気と知識(ブレイブ・ブレイン)テスタ・ロッサ&アリス》 の呪文側、 《「行くぜアリス!」「行けるわテスタ!」》!?」

「パワー7000以下のクリーチャーが破壊されるぞ飛水!」

 

そうジンが叫んだ瞬間に、カクメイジンの近くにいたマグナムに炎が飛び、マグナムは墓地へと送られる。

「マグナム!!ここでクリーチャーロック消されるのかよ…!……まだ終わってねぇ!カクメイジンで最後のシールドを攻撃!その時、氷柱と炎弧の決断!1枚捨てて2枚引く効果と、コスト2以下のエレメントを出す効果を選択!手札交換の後、《AQ Vibrato》をバトルゾーンに!登場時効果で1枚ドロー!」

 

礼児 シールド0

「シールド、トリガー」

そう言って礼児が出したカードに、飛水は狼狽える。

「《終末の時計(ラグナロク) ザ・クロック》……!!」

「そんな、運の才能は無くしているはず…!」

「いいやジンさん。多分、あいつ本人の運だ。なんの論拠もねぇけど…!クロックの効果で俺のターンは強制終了だ。ターンエンド」

 

「オマエ…」

そう礼司が突如飛水に話しかける。

(垣外が、自分の意思を見せた…?)

「……なんだよ」

「ユルサナイ…。ナンデ、オマエダケ…!オマエハナンデ…!」

「……はぁ。お前、まだ分かってないのか?」

 

飛水は呆れたようにこう告げる。

「お前は進まなかったんだ。やるべきことをやらなかった。そんな過去にばっかり囚われてる人間に、そんな世界は甘くねぇよ」

「ナニヲ…イッテル…!?」

「2、12、圏外、圏外。これ何のことか分かるか?」

「………」

 

「お前の話を元に、才能を奪われたクラシックをやってる才縁高校生徒を探してみた。話の通りに才能を奪われたんじゃ、4〜5月くらいに一気に大会の結果が落ちてると思ったんだ。……よりによって女子だったんだな。最低だよお前」

「アァ……?サイ、ノウ…?」

「そいつに話を聞いてきた。本人はスランプだってなって、少し心にダメージを負っていた時期もあったらしい。真にやらかしたのはあんたのとこの総大将だが、お前も大概だよな」

 

「『自分には無理だ、できない』。どっかで聞いたことある言葉を言っていたよ。でもそいつはすごく強かった。友達が、家族がいたからつってたけど、それで心が折れたりはしなかった」

「オレハ…ツヨインダ…。ダレニモ、マケナイ…!」

 

「あぁ、勝負しなかったら負けないだろうな。圏外、圏外、圏外。多数の練習と大会を経て、あいつは今30、27、23と、順位を少しずつ上がってきてる。俺が一番尊敬するのは、大会に出続けてることだ。失敗を恐れず、運をはじめとした才能が取られようとも、そいつはずっと強かった!あぁいうのが本当の、天才っていうんじゃねぇかな」

「………オレヲ、ナメテルノカ?」

「あぁそうだよ、得た才能にかまけてちまちまちまちま威張り回して、結果的に何にも挑戦せず、須谷風音の下について、いまやただの操り人形。惨めなことこの上ないな!」

 

そう言い放った飛水を見て、礼児の体に異変が起きる。ロボットのように動いていた身体が少しずつ動いて、操り人形らしさが無くなっていく。

「おうみ、ひすいぃぃいいい!!」

「そうだよ、お前に会いたかったんだ。さぁ来いよ、全力で相手してやる。俺と、俺の仲間のため。才能を奪われた、そいつの仇としてな」

 

「俺のターン!墓地にあるクリーチャー11枚を進化元に加えて、その枚数分コスト軽減し、1コストで《超神星DOOM・ドラゲリオン》をバトルゾーンに召喚!DOOMで攻撃する時、メテオバーン発動!進化元を1枚取り除き、相手1体のパワーを−9000!カクメイジンのパワーをマイナスする!」

「カクメイジンの元のパワーは10000、1000残るぞ?」

「関係ない!DOOMはパワーマイナスの後墓地から進化ではないクリーチャーをコスト上限なしで呼び出す!来い!暴走龍 5000GT!パワー5000以下のクリーチャーを全て破壊し、これよりこのクリーチャーが場を離れるまでパワー5000以下のクリーチャーを召喚することができない!」

 

5000GTが先程までの鬱憤を晴らすかのように暴れ回り、テスタロッサ、AQ Vibratoを葬り去り、カクメイジンに組みつく。

「飛水!絶対勝ってください!」

「頼むぞ、飛水!」

そう言ってカクメイジンは5000GTのノコに切り飛ばされてしまう。

 

「カクメイジン!!」

「お前の心配をしろよ、俺をわざわざ目覚めさせやがって!」

「そりゃな!お前がちゃんと目覚めた上で倒さねぇと!」

「俺の邪魔ばかりしやがって!青海飛水!!」

「そりゃ邪魔するっつーの!お前は、絶対止めなきゃいけねぇんだ!」

 

飛水 シールド0

「Gストライク!カラクリバーシ!!5000GTの動きを止める!」

「……命拾いしたな」

「あぁ、めちゃくちゃ運いいわ。今日は神様が勝てって言ってるのかもな」

「だが!5000GTの効果はお前の軽量から革命チェンジする戦い方によく刺さるだろう!?」

「あぁ、めちゃくちゃ刺さるな。スピードアタッカーも大半が腐る」

「ターンエンド、次で…!」

「次はねぇよ」

 

飛水が冷たく突き放す。

「俺のターン、《Napo獅子(ナポレオン)-Vi無粋(バイブス)》を5マナで召喚、登場時効果で1枚ドローする」

「パワー6000の、スピードアタッカー…!?」

「あぁ、最初テスタ軍団に攻められた時に5000GTが捲れたからな、カクメイジンで攻めてる間に念の為持っといたんだ。そういや前にお前とデュエマした時このカードを見せてなかったな」

「お前、ここまで計算して…!」

「いいや、5000GTを出されたら負けると思ってたし、やっぱり今日は俺が運が良かっただけだ」

「お前も、才能を…!」

「そんなものねぇよ。強いていうなら、人を踏みつけにする奴に勝利の女神は微笑まなかっただけだ。…Napo獅子-Vi無粋で、ダイレクトアタック!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

座り込む礼児に、飛水が手を出す。

「…なんのつもりだ」

「お前は、反省しなきゃいけない、謝らなきゃいけない。だからその前に倒れるな。そして、真っ当に、向き合ってくれねぇか?」

「………俺は、全て終わったんだぞ?」

「でも、どうなるかはこの後次第だろ?お前がこの後どうなるかなんて、俺にも、風音にも分からねぇんだから」

「……俺を、応援してるのか?」

「親近感は、感じてるな」

 

遠くから警官の服を着た人間がやってくる。飛水がデュエマ前に携帯で光輝に電話をして、今来てくれたのだった。

「さて、俺はあいつらを助けないとな」

「まだ、何かするのか……?」

「あぁ、まだ終わってないからな」

 

そう言った飛水に、礼児が両手を上げて降参したかのように目を閉じる。その様子を見て飛水はこう言う。

「お前は、どうするんだ?」

「……少し、考えさせてくれ」

 

そう言って礼児は、警察へと保護されていったのだった。それを見届けた飛水に、公輝が声をかける。

「ねぇ飛水くん。大丈夫かい、僕が交代しても…」

「公輝さんは警察として戦ってください。高校内の人はまだ沢山います、だから」

「君も、本当に成長したね」

 

そう言って公輝は飛水の拠点から離れていく。学校内の地図を再びカクメイジンと一緒に開いた飛水は、あるものを見つける。

「強力なクリーチャーの反応が、まだいるのか…?3体目…?」

「『♪変わらぬは 流れる水と 時の砂』飛水、落ち着いていこう」

「ありがとう、Drache」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

Side:夕哉

 

『夕哉、御白!遥風さん!大丈夫か!?』

「うん、2人でクリーチャーを交代で倒してたから、そんなに消耗もしてないよ」

「でも、流石にそろそろ風音さんに辿り着かないと…流石にこのまま消耗し続けるのも…」

 

「あの、何か聴こえてきませんか?」

3回の廊下で立ち止まり3人で話していると、遥風さんが急にそんなことを言って、俺たちが顔をそちらに向けた瞬間…。バリーンと窓が何枚も割れて、何かが中に入ってくる。その余波で教室の壁がえぐれて、それが通った場所がそのまま大きな穴として俺と御白を引き剥がす。

 

「夕哉くん!」

「御白!風音さんを連れて、急いで!」

『おい何起きてんだ夕哉!』

「分かんない!でも人間業じゃない!」

 

そう言って教室を貫通して出てきた土煙を見ると、初老の男性が、無理矢理身体を動かされていた。

「何、あれ…?ロボット…?」

『違う、そいつは多分心を奪われて操り人形になった人間だ!』

 

その男性が俺に殴りかかってくる。それをシスが受け止めて、教室へと押し返す。その一瞬で、遥風さんは彼の正体を見破っていた。

「佐竹、我煙(がえん)さん…。風音を引き取った私たちの叔父さんです!」

「そんな、なんでそんな人が!?」

御白が俺に目配せして心配しながらも決断を下す。

「……遥風さん、早く行きましょう!夕哉くん、お願いします!」

「うん、絶対追いつく!」

 

そう言ったのも束の間、佐竹さんから何かが飛び出して、シスを引き剥がす。

「そんな、何あのクリーチャー!?」

「ほぅ?面白い。あんな奴とこちらで会えるとはな」

「知ってるの、ジャシン?」

 

ジャシンは興味深そうにその土煙の中を伺う。少しずつ煙が晴れてきて、中から青い鎧に身を包んだ、何か異質な雰囲気のクリーチャーが出てくる。

「どんな世界にもエラーに近いものは存在する。そいつの力は強力すぎて、配下によれば争ってばかりいた当時の闇文明のクリーチャー達が力を合わせて無理やり封印したようなクリーチャーだ」

「じゃあ、そんなクリーチャーを風音は…」

「あぁ、隠し球として持っておいたのだろうな」

 

その青の鎧の持ち主が、鋭い眼光をこちらに向ける。それにジャシンは不敵な笑みで返す。

「夕哉よ、覚悟はいいか。何が起きてもおかしくない決闘だ」

「……上等。ここにきた時点で覚悟は決めてるよ」

「さぁ一勝負といこうか、《絶望神サガ》よ!」

 

「デュエマ、スタート!」

 




飛水と!夕哉の!今日のカード紹介!
「今日のカードは…」
「「超新星 DOOM・ドラゲリオン」」
「増えた墓地の進化元の数だけコストを軽減するとんでもない大型進化クリーチャーだな」
「攻撃時にメテオバーンでパワー−9000をした後、コスト無制限でクリーチャーを墓地から呼び出せる効果を持ってる、アビスとも相性いいかも」
「というわけで次回、『絶望の輪廻、牢獄を壊して』」
「「お楽しみに!」」
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