デュエル・マスターズOverRevolution(オーバーレボリューション)   作:シグレサメ

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ジャシンと出会った少年、黒井夕哉(くろい ゆうや)たちは探索に向かったクリーチャーの世界で本来不可能なクリーチャーとの契約を行う少女、神谷祈雨(かみや きう)と遭遇する。彼女の足跡(そくせき)を求めて、青海飛水(おうみ ひすい)、赤坂火奈(あかさか ひな)、守木緑(もりき みどり)の3人は彼女がいるとする神谷神社へと向かうのだが、飛水が突然悲鳴をあげて消えてしまい…


ガチャはお好き?

Side:飛水

 

「神谷さんを探しているの?」

神谷を探して先に入ったまではいいものの、神社にいた同年代程度の女子に突然呼び止められた。

 

(赤坂がアスリートタイプのスタイルの良さなら)モデルとかやれるタイプのスタイルの良さに、黒髪のメガネで青いシャツ、茶色のショートパンツというなんというか噛み合わなさを感じる少女だった。なんかそういう良さを無理やり隠しているような…

 

「知りたいなら静かに」

その直後俺は彼女に身体を引っかけられ、地面に倒れる。そこで思わず大きな声を一度出したのを最後に口を手で塞がれ何もできなくなった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

俺が解放されたのは近くのイタリアンファミレス。席に座るように促され料理をそれぞれ頼む。俺がほうれん草のパスタ、あちらがミラノ風なドリアを頼んだあたりで彼女が口を開いた。

 

「わたしの名前は回田千弥佳(かいだ ちやか)。あなたは?」

回田?確か光屋がデュエマした相手も…とにかく俺の中でさらに警戒のレベルが上がる。

「俺の名前は…っていうわけないだろ」

「えー… わかった。ここまで辿り着いたってことは隠してもバレるの時間の問題だろうし」

 

回田がドリンクバーで取ってきたメロンソーダを飲みながら答える。今からドリア出てくるんだけど上手いのかその食べ合わせ?

 

「わたしと祈雨(きう)ちゃんは才縁高校(さいえんこうこう)ってところに通っているの。あの子が1年で、わたしが2年。で、友達になって今は祈雨ちゃんのお手伝いをしてる」

「才縁高?偏差値70はあるよなそこ。よく入れたな」

「わたしこれでも昔は凄かったんだから」

 

捉えところがない回田との会話に俺は苦心する。嘘を言っているようには到底見えない。少なくともあの行動をして俺を神谷神社から引き離したあたり、間違いなく神谷祈雨の仲間だろう。そんなことを考えているうちに各々の料理が届く。

 

「俺は…友人と一緒に神谷を探しにきたんだ」

「ふー、やっときみのこと喋ってくれた。…警戒心強いんだから」

「なぁお前…神谷のやってること、どこまで知ってる?」

「…すごいよね、クリーチャーと一緒に世界を飛び回れるなんて」

「…やっぱり、ある程度は知ってんだな」

 

ようやく欲しかった情報を引き出せた。神谷祈雨本人に会えずとも、こいつから情報を引き出せる。

 

「じゃあお前は…」

「はいストップ。サービスはここまで。他のことを話すには条件が3つ。あなたの名前を教えてくれることと、そしてわたしとのゲーム、デュエマに勝つこと。わたし、ゲームが大好きだから。そして最後は…」

「最後は…?」

「ちゃんと頼んだ料理は食べ切ること」

「…それもそうだな」

 

苗字のことなど気になることはあるが、話の通じなさは感じないと思った。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

俺たちは近くのカードショップのデュエママシーン(光屋の会社が使ってるやつ)に場所を移した。

 

「じゃあ始めよう!もう一つの条件も忘れずに!」

「俺は青海飛水、皇龍高校1年。対戦よろしく」

「オッケー!じゃあ…」

 

「「デュエマ、スタート!」」

 

「俺のターン!2マナで《アシスター・Mogi林檎》を召喚、ターンエンド!」

「わたしのターン!2マナで呪文、《レッツ・ゴイチゴ》!一枚山札からマナゾーンに置いて、ターンエンド!」

 

序盤は軽減とマナ加速を撃ち合う展開、定石は知ってるみたいだな…

 

「なぁ、あんたいつ頃からデュエマ始めたんだ?」

「3ヶ月前!祈雨ちゃんからやるように言われたんだ!すごい面白いゲームだよね!何より…」

「何より…?」

「ううん、後でわかるからいいや!」

 

「…? 俺のターン!Mogi林檎の効果で種族マジックの使用コストを1軽減、3マナで《コーボー・マジカルショッカー》を召喚!3枚ドローして、2枚山札の下に戻す。ターンエンド!」

「私のターン!3マナで呪文《お清めシャラップ》!マナ加速してターンエンド!」

 

(クリーチャー出してこないか…なんか嫌な予感がする…)

「俺のターン!2マナで呪文《♪冬深き 隣は何も せぬ人ぞ》相手クリーチャー1体を選び、攻撃も防御もできなくする。シビルカウント2を達成してるからもう1回唱える」

「…?私の場にはクリーチャーなんていないよ?」

「呪文を唱えるのが大事なんだよ。呪文を唱えた時、コーボーマジカルショッカーは手札を1枚捨てることでマジック・メクレイド5を行うことができる!来い!《Drache der'Zen(ドラッヘ ダーゼン)》!登場時に3枚ドローして2枚墓地に捨てる!」

「へぇ…呪文を唱えてさらなる展開かぁ…」

「更に呪文を唱えたことにより3コスト!二発唱えたので6コスト下がり、1マナで《ルナ・ゲリラライブ》を召喚!こいつは出た時に1ドローした後相手クリーチャーを手札に戻す!それをもう一体!水のクリーチャーが4体以上並んだことでDracheもクリーチャーへ!」

「うわぁ…強い…」

「Mogi林檎でシールドを攻撃!」

 

千弥佳 シールド4

「トリガーなし…」

 

「ターンエンド、次のターンで終わらせる!」

「ターンを渡したね…」

回田の雰囲気が一気に変わる。

 

「わたしのターン!6マナで《ガチャンコ ガチロボ》を召喚!」

「ガチロボ!?」

 

《ガチャンコ ガチロボ》は出た時に山札の上から3枚をめくって全て同じコストのカードなら全部出すことができるというクリーチャー。ツインパクトもあるし、おそらくガチロボ以外7マナがあたりの《7軸ガチロボ》なんだろうが…

 

「追い詰められている状況で出しても都合のいいカードが出るとは限らない、兎に角不安定なカードだろ?」

「へー、飛水くんはそう思ってるんだ。わたしはこのカードのことをね…」

 

回田がデッキの上から三枚を掴み、裏向きでバトルゾーンに置く。

「どんな状況でも逆転のチャンスがある、最高のカードだと思ってるんだ」

「お前ギャンブル中毒かよ!?」

「そんなこと言わないでよ、変なことやってないんだから。じゃあ行くよー!」

 

「1枚目!《DOOOPPLER(ドーップラー)・マクーレ》!

 2枚目!《R・S・F・K(ロイヤル・ストレート・フラッシュ・カイザー)》!

 3枚目!《DOOOPPLER・マクーレ》!」

「はぁぁあああ!?」

「やった大当たり!かんっぺき!」

回田は大きくガッツポーズをする。本当に嬉しそうだな…

 

「マクーレはクリーチャーが出る度相手のクリーチャーをタップする!それが2体×3体!全員タップ!」

「ブロッカーも止められた、こっちの盤面消すつもりか…!」

「そんな面白くないことしないよ…。今から楽しいガチンコジャッジの時間なんだから」

「お前刹那に生きすぎだろ!?」

 

「RSFKで攻撃!その時わたしが負けるか中断するまでガチンコ・ジャッジをする!分かるよね飛水くん?」

「あぁ、山札の上のコストを比べて、そのコストの大きい方が勝つ。で、こいつの勝利時効果は相手のシールドを一枚ブレイクすること。そして何より…」

回田は大きく手を広げて、

「私のデッキにはコスト6以上のカードしか入っていない。ツインパクトは好きな方の数字を参照できるからね、じゃあガチンコ・ジャッジ!」

 

めくったコストは…回田と俺で

7対3、7対2、7対4、7対7、6対5…!

 

「あぶなぁ…でも5連勝だね!」

RSFKの強力な一撃が俺のシールドを叩き割る。

 

飛水 シールド0

「くぅ…!シールドトリガー!《AQ NETWORK》!」

「ブロッカー?マクーレの攻撃時効果のマジボンバーで適当に踏み倒せばクリーチャーが出た時の効果でタップ、無力化できるね!」

 

「いいや、AQの効果でコスト5以下の呪文を唱える!呪文《♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》!数字の7を宣言し、それと同じコストのクリーチャーは攻撃も防御もできなくなる!」

「嘘!?一気に止められた!?」

「さらに呪文を唱えたことでマジカルショッカーのマジックメクレイド5発動!今度はクリーチャー側、《ボン・キゴマイム》をバトルゾーンに!攻撃中のRSFKはAQ NETWORKでブロックする!相打ちでAQの効果で手札に!」

「相打ち…いや、ボンキゴマイムが出た時点で厳しいかも…?」

「あぁ、こいつは出たターン相手のクリーチャーがアタックできなくなるクリーチャー。だから手札に戻せば1ターン貰えるのと同義だ」

 

「俺のターン!もう一度AQ NETWORKを召喚し、効果で《♪目には青葉 テレポーテーション 初がつお》を唱える、2ドローしつつ、マクーレ2体を手札に!さらにマジックメクレイド5!2体目のDracheを場に!」

「良いなぁ…あなた達なら祈雨ちゃんを助けられるかも」

「どういうことだ?お前は仲間じゃないのか?」

突然訳のわからないことを言い出す回田に、俺は困惑を隠せない。

 

「仲間だからってやること全部肯定する訳じゃないよ。最近の祈雨ちゃんと、もう一人の仲間。私達Prayers(プレイヤーズ)は今ちょっと危なっかしくてさ」

「じゃあ、助けられるかどうかを見定めるために…」

「うん、まぁ直接会われちゃったみたいだから意味なくなっちゃったけど」

 

俺は頭を抱える。最初から言ってくれ…

「まぁシールドトリガーが無いとは限らないし、まだ逆転できる可能性もあるからね」

「…させねぇよ。Dracheで攻撃する時、墓地から初がつおを唱え直す!2ドローしつつ、ガチロボを手札に!Wブレイク!」

 

千弥佳 シールド2

「クリーチャー全部倒しながらシールド詰めるとか…やるねぇ」

「まだだ!ゲリラライブでシールドをWブレイク!」

 

千弥佳 シールド0

「やるじゃん…!シールドトリガー!《レレディ・バ・グーバ》!ゲリラライブとバトルして破壊!…まだ足りないか」

「マジカルショッカーでダイレクトアタック!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

俺たちは神谷神社へと向かいながらお互いの話をしていた。

「じゃあ3ヶ月前に神谷からデュエマのこと、クリーチャーのことを聞いたんだな?」

「うん、もう言ったよね…え、誰かと勘違いしてる?」

「いや、まぁ…そうだな」

「それってもしかして大学生のお姉ちゃん?回田鈴佳(すずか)」

「名前は知らないけど絶対にそいつだ…あいつのいってたことを考えるにお前と戦い方も似てた、今は…やっぱいいや、知ってるだろ?」

「へー、お姉ちゃんと…」

 

そこで会話は途切れ、神谷神社まで2人で歩く。

「着いたよ、神社。ここの使われてない場所で祈雨ちゃんは皆の相談に乗ってるの」

「なるほどな、道理で…」

 

建物に入ろうとする俺を回田が呼び止める。

「祈雨ちゃんは何をしたの?」

「…クリーチャー世界の植物をこっちに持ち込もうとした」

「待って、祈雨ちゃんに環境を破壊しようとかそういう意図は多分無くて…」

「分かってる、目的のために手段を間違えちまうこと、心当たりが無いわけじゃない」

 

そう言って扉を開けたものの、そこには誰もいなかった。

「おい回田、嘘ついたのか?」

「嘘!?じゃあ祈雨ちゃんは何処に…」

 

突然外から轟音がして、俺たちはその方向に目を向ける。黒煙が上がっており、俺の直感がこう伝える。

「火奈か緑が戦ってるのか…」

 

俺たちは爆発の方向に走り出した。その時、もう一人の人影が現れて、俺たちの前に立ち塞がった。




飛水と!千弥佳の!今日のカード紹介!
「今日のカードは…」
「ガチャンコ ガチロボ!」
「山札の上を見て三枚同じコストのクリーチャーなら大当たり!すぐに呼び出すことができるよ!」
「ギャンブル要素は強いが決まればゲームを一気に畳みかねない、そんな効果だな」
「デッキをクリーチャーと呪文、両方使えるツインパクトで固めることで構築は比較的簡単に!ガチロボのガチャ、楽しいよ!」
「…おう、そうだな」
「というわけで次回、『神(ゴッド)対暴龍爵(アーマード)・前』!」
「「お楽しみに!」」
「なぁ、急にタイトル厨二チックになったぞ?」
「祈雨ちゃんこういうの大好きだよ?」
「なんかお前が喋るたびに神谷がイメージダウンしてるな…」
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