イートインスペースに来た、クレアとケイ―。
「それにしても、本当にいいタイミングだったけん☆」
と、ケイの復帰のタイミングを称賛するクレア。
「うん…。
それでね…
ちょっと、気になることがあるんだけど…。」
と言うケイ。
「何じゃけん?」
と訊くクレア。
「私が攻撃する時…
相手の動きが止まって見えた
の…。」
というケイの発言を聞いたクレアは
「なんと…!?」
と驚く。
「それって…!?」
と訊くクレアに
「うん…。
たぶん…
私…
『ニュータイプ』になった
んだと思う…。」
と言うケイ…。
(・・・・・・。)
言葉を失うクレア…。
「それでね…
本当に私が『ニュータイプ』になったのかどうかを確かめたいの…。」
と言うケイ。
「どうすんじょ?」
と訊くクレアに
「私と戦ってほしいの…。」
と言うケイ。
「わかったけん…。」
と答えるクレア。
その後、クレアとケイは、再び受付に行き、バトルステージの利用手続きをした―。
◇
12時30分―。
4番ステージのコクピットルームに入る、クレアとケイ―。
コクピットルームに入ったケイは目を閉じた―。
そもそも、1年前までは、ケイはガンプラバトルとは、まったく縁が無かった。
中学3年の時にシンと付き合うようになってから、半ば強引にガンプラバトルの世界に引きずり込まれた。
それでも、初めて勝利を飾った時の、あの興奮と喜びは、今でも忘れていない。
しかし、それは、自分自身の力で勝ったのではなく、シンに助けてもらえての事…。
自身の力で勝ったことは、一度もない…。
そんな、ガンプラバトルを始めて、まだ1年たらずの自分が…
これから…
『GUN-PLA Battel, Stand up.』
システムが起動し始めた。
『Please set your GP base.』
GPベースを、スロットにセットする。
『Begining Plavsky particle dispersal.』
ステージからプラフスキー粒子があふれ出し、バトルフィールドを形成する。
形成されたバトルフィールドは、雪原。
『Please set your GUN-PLA.』
ガンプラを、カタパルトデッキにセットする。
コクピットルーム内に、ホログラフィーで再現された球体操縦桿と正面と左右のカメラモニターや、残弾数や各部のダメージ表示を示すメモリなどが映るモニターが現れる。
球体操縦桿を握り、そして―
『Battel start!!』
バトルスタートの合図が鳴り響く―!!
「クレアッ!!
マリンハイザック・アルフェルグ、出るけん!!」
「ケイ!!
シグー、出ます!!」
両者のガンプラが発進した―。
◇
吹雪く雪原に降り立つ
吹雪のせいで、視界は非常に悪い。
しかも、雪原なので、スラスターを噴かすと、雪煙が上がって、ケイに居場所を知られてしまう…。
もっとも、この条件はケイにも当てはまるので、デメリットにはならない。
「行くけん…!!」
と、
◆
吹雪く雪原に降り立つ
吹雪のせいで、視界は非常に悪い。
しかし、クレアにとっては、吹雪による視界の悪さなど、苦にならないだろう…。
まもなく、レーダーが2時方向に、雪煙をあげて迫り来る
(来たっ…!!)
と、腹をくくるケイ。
しかし…
もし、本当に自分が『ニュータイプ』なら…
(勝てる…はずだよね…?)
と、ほのかな期待を抱くケイ。
ターゲットカーソルが
次の瞬間!!
(あぁ…!!)
まるで静止画のように、止まって見える
のだ…!!
(間違いない…
私は…
『ニュータイプ』になった
んだ…!!)
まるで静止画のように止まって見える
◇
「なんとぉッ!?」
と、突如、右方向から飛んできたライムグリーンのビームを被弾する
それも、1発や2発ではない。
何発も飛んでくる。
「うわぁッ!?」
(おかしい…!?
回避できん
けん…!?)
どういうわけか、
発射されたミサイルは上空で破裂し、金色に輝くビーム撹乱粒子を放出した…。
◆
相手が静止画のように止まって見えても、防御装備で防御されては、如何に『ニュータイプ』といえども、手を出せない…。
「あっ…!!」
ケイが攻撃の手を止めたため、体勢を立て直した
(この攻撃…
知ってる…!!)
上空に撃ち上げられたミサイルを回避すれば、回避中をサブロックガンで狙い撃つ…
クレアの常套手段の1つだ―。
しかし、そうだとわかっていても、突っ立っているわけにもいかない。
サブロックガンで撃たれるのは必要経費と割り切って、ミサイルを回避することにしたら…
「あぁっ!?」
飛んでくるミサイルすらも、まるで静止画のように止まって見える
のだ―!!
(これなら…!!)
と、
◇
「そんな…ッ!?」
と、
(まさか…
これほどとは…。)
と、『ニュータイプ』の実力を思い知るクレア…。
(・・・。)
クレアは、正面モニターの右脇にある『降参』のパネルをタッチする…。
すると、マリンハイザック・アルフェルグは両手を挙げた…。
◇
見物客からすれば、あまりに一方的な戦いにしか見えず、しかも、
「ま…負けたけん…。」
と、クレアが肩を落として、コクピットルームから出てきた。
「うん…。」
と、クレアを迎えるケイの表情は、とても暗かった。
「どしたんけん?
ケイは私に勝ったんだから、もっと嬉しそうな顔をしたらいいけん。」
とクレアに言われたが
「無理…。
喜べない…。」
と、ケイの表情は暗いままだった…。
『ニュータイプ』に覚醒したこと…
そして、強大な力を手にしたことを、なかなか受け入れられないのだろうと、クレアは思った。
一方で、クレアの心中に
ケイに対する嫉妬心
が芽生え始めた…。
ガンプラバトル歴11年の自分が『ニュータイプ』になれないのに
なぜ、ガンプラバトル歴1年たらずのケイが『ニュータイプ』になれた
のか―?
それは…
とても悔しかった…。