ガンプラバトル同好会【ブルーノア】(1)
クレアが大洋高校に入学および【ブルーノア】に加入して、はや1ヶ月―。
【ブルーノア】の部室では
「大洋高校の代表になるのは、【サメ軍】でもなければ【イルカ軍】でも【
我々【ブルーノア】だ!!」
と力説するのは、顧問のチュージ。32歳。
ガンプラバトル歴26という歴戦のガンプラファイターだが、大会の優勝経験は無い…。
「おぉーッ☆」
「そうだぁーッ☆」
と、チュージの力説に、リーダーのシンや、他のメンバーが囃したてる…。
そんな男どもを、クレアとケイは、冷ややかに見ていた…。
「正直…
あのノリには、ついていけないのよね…。」
と嘆くケイに
「わかるけん…。」
と、同意するクレア…。
ケイはシンの彼女で、クレアが加入するまでは【ブルーノア】唯一の女子メンバーだった。
【サメ軍】
【イルカ軍】
【
に対抗心をもつ【ブルーノア】だが、メンバーのガンプラバトルの腕が良いとは言い難い…。
ケイの彼氏で、1年生にして【ブルーノア】のリーダーであるシンはガンプラバトル歴6年。
1年生のミッツは、クレアと同じ七尾人で、ガンプラバトル歴は4年。
1年生で、ミッツと仲がいい、小太りのケンタのガンプラバトル歴は3年。
メガネをかけている、2年生のヒロのガンプラバトル歴は5年。
ちょっと目つきの怖い2年生のタツヤのガンプラバトル歴は7年。
唯一の3年生のカツはガンプラバトル歴5年。
ケイにいたっては、ガンプラバトル歴1年だ…。
つまり、クレアだけが、メンバーの中で唯一、10年以上のガンプラバトルの経歴を持ち、なおかつ、最強のメンバーといえた…。
こんなメンバーで、ビビッ島ガンプラバトル大会に出場する大洋高校代表の座を狙おうというのだから、無謀もいいところである…。
しかも…
「今夜18時より、ガンプラバトルアリーナ【ミッド】にて特訓を行う!!」
と言うチュージ。
【ブルーノア】は同好会なので、ガンプラバトル部のように
部室に練習用のガンプラバトルステージを所持していない
のだ…。
だから、練習はガンプラバトルアリーナ【ミッド】にて行われる。
このように、【ブルーノア】は、メンバーの実力だけでなく、組織としても脆弱であった…。
◇
学校が終わって、家路につくクレア―。
学校からバスに乗って20分ほど…
ブルービーチシティ郊外にある安アパートの一室が、クレアの家だ。
2年前に亡くなった両親の遺産と、
(そろそろ、バイトせんといかんけん…。)
両親の遺産も無限にあるわけでもないし、
クレアは着替えると、再び家を出て、自転車に乗ってガンプラバトルアリーナ【ミッド】に向かう―。
◇
ガンプラバトルアリーナ【ミッド】に着いたのは、集合時間の7分前だった。
みんな、すでに集まっており、クレアが最後だった。
「よし、みんなそろったな!?
では、さっそく、練習を始めるぞ!!」
とチュージに率いられ、【ミッド】に入っていく【ブルーノア】のメンバー達―。
ガンプラバトルアリーナ【ミッド】は、他のガンプラバトルアリーナと異なり、地下にフリーバトルエリアが無い。
地上1階建てで、観客席を備えた公式戦用のバトルステージが無く、フリーバトル用のバトルステージが15基も据えられているという、珍しいフリーバトル専用のガンプラバトルアリーナで、設置されているバトルステージの数だけなら、ビビッ島でも最大級だ―。
11番ステージ前に集合し
「今日は、11番ステージでやるぞ。
使用時間は1時間だ。」
と言うチュージ。
公共施設を借りての練習なので、自由気ままに、長時間使うこともできないのだ…。
「まずは
クレア・シン
と
ミッツ・カツ
で対戦する。
1回目が終わったら
ヒロ・ケンタ
と
タツヤ・ケイ
の組み合わせで対戦する。
各組、試合の制限時間は20分だ。
じゃ、クレア、シン、ミッツ、カツ、準備しろ。」
と言うチュージ。
本来なら、試合の制限時間は30分なのだが、ステージの利用制限時間は1時間しかないため、利用制限時間内に2試合するためには
クレア・シン vs ミッツ・カツ
の試合を20分で強制終了させなければならない。
続く
ヒロ・ケンタ vs タツヤ・ケイ
の試合は、諸々の準備に5分ほど、ステージの再起動に10分を要するため、残り時間は20分ほどしかない。
こんな練習環境では、部員の技量向上など望むべくもないため、部員達は部活終了後や休日に、自主練をしている…。
「シン君、よろしゅう☆」
「あぁ☆」
と、クレアとシンが握手する。
一方…
「クレアとシンかよ…★」
と、ビビるミッツだったが
「クレアはともかく、シンには負けないな…☆」
と、カツは自信をのぞかせた―。
◇
コクピットルームに入るメンバー達―。
『GUN-PLA Battel, Stand up.』
システムが起動し始めた。
『Please set your GP base.』
GPベースを、スロットにセットする。
『Begining Plavsky particle dispersal.』
ステージからプラフスキー粒子があふれ出し、バトルフィールドを形成する。
形成されたバトルフィールドは、平原。
『Please set your GUN-PLA.』
ガンプラを、カタパルトデッキにセットする。
コクピットルーム内に、ホログラフィーで再現された球体操縦桿と正面と左右のカメラモニターや、残弾数や各部のダメージ表示を示すメモリなどが映るモニターが現れる。
球体操縦桿を握り、そして―
『Battel start!!』
バトルスタートの合図が鳴り響く―!!
「クレアッ!!
マリンハイザック・アルフェルグ、出るけんッ!!」
「シン!!
ガンダムインパルス、行きまぁぁぁすッ!!」
「ミッツ!!
ジムスペシャル、出るぜ!!」
「カツッ!!
Gオフェンサー、出るぞッ!!」
両チームのガンプラが発進した―。
◇
平原を進む
と
クレアの
アルフェルグとは、うお座にある星の名前だ―。
進行中、周囲の地形を確認するクレア。
フィールドマップを見ると、西側は森林になっているが、進入不可地帯となっている。
さらに、フィールドのほぼ中央に、西から東に向かって川が流れている。
進入不可能な西の森林
と
戦場を南北に二分する川―。
しかし、どちらも戦局を左右するような障害物ではない…。
となると、勝敗を決めるのは
と
自身の技量
だ―。
《来たぞ!!〉
と、シンからの通信が入った。
レーダーを見るクレア。
ほぼ真正面から
と
上空から
が接近してきていた―。
最初に攻撃してきたのは、
正面モニターに、
【ガンプラ名】
Gオフェンサー
【ベースキット】
1/144 HGBF ビルドブースターMK-Ⅱ
【ガンプラタイプ】
汎用型モビルアーマー
【ガンプラ属性】
空
【戦場適応】
宇宙戦 ◎
空中戦 ◎
地上戦 ✕
水中戦 △
【得意戦術】
射撃戦 ◎
接近戦 ✕
【ファイター】
カツ
カツの
同時に、
「シン君はカツ先輩の方を頼むけんッ!!
私はミッツを相手するけんッ!!」
と言うクレア。
《一人で大丈夫か?〉
と訊いてくるシンに
「余裕じゃけんッ☆」
と答えるクレア―。
◇
コクピットルームの正面モニターに、
【ガンプラ名】
ジムスペシャル
【ベースキット】
1/144 ジムコマンド宇宙用
【ガンプラタイプ】
宇宙用モビルスーツ
【ガンプラ属性】
陸
【戦場適応】
宇宙戦 ◎
空中戦 ✕
地上戦 ◯
水中戦 △
【得意戦術】
射撃戦 ◯
接近戦 ◯
【ファイター】
ミッツ
ミッツの
なお、本機のベースキットは宇宙用のジムコマンドであるため、地上ステージでは機動性が低下する…。
「はあああッ!!
くぅらえぇ〜いッ☆」
と、
(ぬぅ…
なぜ当たらん!?
あっちは
水中用モビルスーツなんだから、地上では機動性が低下しているはず
なのに…!?)
と、切歯扼腕するミッツ…。
たしかに、ミッツの言うとおり
ビビッ島のガンプラバトルでは、水中用モビルスーツのガンプラは、地上では機動性が低下する
のだが…
それでも、
ミッツとクレアの技量の差
である―。