HG ガンダムビルド…ビビッドアーミー   作:星龜

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ガンプラバトル同好会【ブルーノア】(3)


 

クレア・シン

vs

ミッツ・カツ

の対戦で、クレアとシンの勝利に、見物客達からも拍手喝采が起きた。

 

「よくやったぞ、クレア、シン☆」

と、コクピットルームから出てきたクレアとシンを迎えるチュージ。

 

しかし、シンの表情はさえない…。

 

無理もない。

 

クレアからカツの相手を任されたのに、カツには、まったく手も足も出ず…

 

それどころか、クレアに助けを求めるという醜態をさらした…。

 

しかも、クレアとカツが戦っている間、シンはクレアの援護をするわけでもなく、ただ、見ているだけだった…。

 

 

「シン君。

もっと、しっかりしてほしいけん。」

と言うクレアに

 

「何だと…ッ!?」

と、憤るシン。

 

「前々から言おうと思ってたけんど、シン君は【ブルーノア】のリーダーなんだから、もっと、しっかりしてほしいけん。

シン君よりもガンプラバトル歴が短いカツ先輩に勝てないようじゃダメじゃけん。」

と、シンを諌めるクレア。

 

「何だとッ!?

言わせておけば…ッ!!」

と、クレアに図星をつかれ、逆ギレするシン。

 

しかし、シンのガンプラバトル歴は6年…

 

つまり、10歳の頃からガンプラバトルをやっているのに対し、カツのガンプラバトル歴は5年…

 

つまり、カツは13歳からガンプラバトルを始めている。

 

戦歴(キャリア)はシンの方が長いのに、後から始めたカツに勝てなかった…。

 

それは単純にカツの方が強いということなのだが、ということは、シンは

戦歴(キャリア)が長いのに技量が上達していない

ということになる…。

 

 

「クレアの言うとおりだ。

もっと腕を上げろ。」

と、口を挟むカツに

 

「そのクレアに照明弾なんかで落とされた先輩に、言われたくないですね…★」

と、言い返すシン。

 

「キサマ…言わせておけば…ッ!!」

と、シンに図星をつかれたので、殴りかかろうとするカツ。

 

「コラッ!!

やめろッ!!」

と、カツがシンに殴りかかろうとしたため、チュージをはじめ、まわりにいた部員達が止めに入る。

 

「シン!!

カツ先輩に謝って!!」

と、シンを叱責するケイ。

 

「何でオレが謝らなきゃならないんだッ!?」

と言うシンに

 

「カツ先輩の言っていたことの方が正しいわ!!

シン1人で、カツ先輩に勝てたの!?

クレアが助けに入っていなかったら、どうなっていたのよ!?」

と叱責するケイ。

 

「な…何…!?

ケイ…お前…。」

と、彼女であるケイに叱責されて、ショックをうけるシン…。

 

「シン。

クレアとカツの言うとおりだ。

お前が、ここのリーダーなんだ。

このままだと、みんなに示しがつかねぇぞ。」

と、シンを諭すチュージ。

 

しかし、その言葉がシンに届いていたか、疑わしい…。

 

 

この騒ぎのせいで

ヒロ・ケンタ vs タツヤ・ケイ

の対戦ができなくなってしまったので、練習はお開きとなってしまった…。

 

各々、家路につくメンバー達…。

 

 

「クレア。

一緒に帰りましょ。」

と、クレアを誘うケイ。

 

シンも一緒だ。

 

暗い夜道をクレア一人で帰るのは危険なので、ケイが付き添うが、クレアとケイの女性だけというのも危険なので、ケイの彼氏のシンも付き添っているのだ―。

 

 

クレアの住むアパートに向かって、暗い夜道を走る、クレア、ケイ、シンの自転車―。

 

周囲に街灯は無く、それゆえ、人通りも無い。

 

これだと、たしかに女性の一人歩きは危険…というよりも、性別に関係なく、一人歩きは危険な場所だ…。

 

 

走ること、20分―。

 

ようやく、クレアが住んでいるアパートに到着した。

 

「ケイもシン君も、ありがとぉな。」

と、一緒に帰ってくれたことに礼を言うクレア。

 

「どういたしまして☆」

と答えるケイ。

 

「クレア…

ちょっと、訊きたいことがある…。」

と言うシン。

 

「何じゃけん?」

と訊くクレアに

 

「どうしたら…

オレは強くなれる?」

と訊くシン。

 

「そんなの、わからんけん。」

と答えるクレア。

 

「なら…

クレアは、どうやって強くなったんだ…!?」

と訊いてくるシンに

 

「シン君…

何か勘違いしとらんけ?

私は

自分が強いと思ったことは一度も無いけん。」

と言うクレア。

 

えっ?

と、クレアの意外な発言に、シンだけでなく、ケイも驚いた。

 

「それって…

どういう意味だよ…?」

と訊くシンに

 

「言葉通りの意味じゃけん。」

と、そっけなく答えるクレア。

 

そして

「私は

勝つための努力はしてきたけど、強くなるための努力をしたことは無いけん。」

と言った。

 

「何だよ…それ?

勝つためだったら、なおのこと、強くならないと…。」

と言うシンに

 

「だから

勝つ努力

をするんじゃけん。」

と言うクレア。

 

勝つ努力…?

と、首を傾げるシン。

 

「どうやったら強くなれるかじゃなくて、どうやったら勝てるか…ってことを考えたら、おのずと強くなるけん☆

まずは

目の前にいる敵に勝つことだけを考える

んけん☆

じゃ、おやすみじゃけん☆」

と、クレアはお辞儀をして、帰っていった―。

 

 

暗い夜道を、自転車に乗って家路につくケイとシン―。

 

 

ふいに

「どうやったら強くなれるかじゃなくて…

どうやったら勝てるか…を考えろか…。」

と、つぶやくシン。

 

「なぁ、ケイ…。

勝つために…

オレは、何をすればいい?」

と、ケイに訊くシン。

 

「そうね…。

クレアは、ああ言ってたけど…

結局は

クレア自身が強い

のよ。

相手に勝つ

という、単純だけど明確な目標を持って鍛錬してきたんだわ。

でも、そのためには、やはり、シン自身が強くならないといけないと思うわ。」

と言うケイ。

 

「結局は、そうなるよな…。」

と言うシン。

 

やがて、夜道は明るくなってきた。

 

ブルービーチシティの市街地に入ったからだ。

 

「そうだな…。

オレも、負けるためにガンプラバトルをしてるんじゃない…

勝つためにやってるんだ…☆」

と言うシン。

 

「オレも…

クレアみたいになれるかな?」

と言うシンに

 

「なれるわ☆」

と言うケイ。

 

「そうだな…☆

なってみせるよ☆」

 

「えぇ☆」

 

街の街灯に照らされる明るい夜道を、ケイとシンの自転車が並んで走り抜けていった―。

 

 

ビビッ島ガンプラバトル大会に出場する、大洋高校の代表決定戦開始まで1週間前となったある日…。

 

職員室にいるチュージのもとに、一人の七尾人の女子生徒が来た―。

 

 

「【ブルーノア】の顧問のチュージって、あんたケン?」

と言う女子生徒。

 

「あぁん?

そうだが…

誰だ、お前?」

と訊くチュージに、女子生徒は

 

(ソレガシ)の名前はショウ

人呼んで

メグロの赤い星

じャケン☆」

と名乗った―。

 

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