HG ガンダムビルド…ビビッドアーミー   作:星龜

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出会い
面接に行って…



 

とある土曜日の昼下がり―。

 

 

クレアは、ビビッ島の中央区にある島都ノブリスに来ていた。

 

ガンプラバトルをしに来たのではない。

 

バイトの面接に来たのだ―。

 

 

ブルービーチの郊外で一人暮らしをしているクレアには、七尾島に住む兄のユウキから仕送りをしてもらっているため、生活には困っていないが、しかし、いつまでも兄に頼ってばかりもよくない…。

 

少しでも兄の負担を軽くするために、クレアはバイトをすることにしたのだ。

 

その発想自体はいい。

 

問題は、クレアが思っていた以上に、バイト先が無いということだった。

 

ブルービーチにある店のほとんどは、バイトの空きが無かった。

 

そうなると、遠い内陸の方に行くしかない。

 

幸か不幸か、島都ノブリスにある【クスクス】というカフェが、バイトを募集していたので、クレアは面接を受けに行くことにした…。

 

 

さて、ビビッ島中央区に来たのはクレアだけではない。

 

ケイも一緒だった。

 

やはり、一人で行くのは不安…とのことで、ケイはクレアに誘われたのだ。

 

もちろん、ケイは快諾した―。

 

 

そして今…

 

ケイは、【クスクス】の近くのベンチに座って、クレアを待っていた…。

 

 

30分ほどして、クレアが

やったけん☆

と、満面の笑みで帰ってきた。

 

「よかったわね☆

おめでとう☆」

と、クレアを祝福するケイ。

 

「来週の水曜日から行くっさ☆」

と、喜ぶクレア。

 

「これで、お兄さんにも負担をかけずに済むわね☆」

と、バイトが決まって、興奮冷めやらぬクレアを見て微笑むケイ。

 

「よし☆

就職祝いに、【スルガーヤ】にガンプラを買いに行くけん☆」

と言うクレア。

 

「就職祝いって、大げさよ★」

と苦笑するケイ。

 

「ところで、【スルガーヤ】に行くって言うけど…

どこにあるの?」

と訊くケイ。

 

「【クスクス】に来る途中に、看板を見たけん☆」

と、ケイはクレアについて行く…。

 

 

歩くこと数分―。

 

アウトレットホビーショップ【スルガーヤ】ノブリス店に到着した。

 

さすがに休日だけあって、店内は客でいっぱいだった。

 

「何を買うの?」

と、窮屈な店内で、前を歩くクレアに訊くケイ。

 

「ザクのMSVの旧キットじゃけん。」

と言うクレアに

 

「何なの、それ?」

と訊くケイ。

 

「大昔に発売されたガンプラじゃけん。」

と言うクレアに

 

「何で、そんな古いガンプラを買うの?」

と訊くケイ。

 

「大昔のザクのMSVは、他のザクのMSVとパーツの互換性があるけん。

それで、私のマリンハイザックを強化するけん。」

と言うクレア。

 

 

1980年代に発売されたザク系のMSVのキットは、一部例外はあるものの、頭、両腕、両足、バックパックの規格が共通だったので、数種類のパーツをミキシングすれば、自分だけのオリジナルのザクを作ることができた。

 

なお、クレアの愛機(ガンプラ)・マリンハイザック・アルフェルグのベースキットであるマリンハイザックは、水中用ザクのリデコ品である。

 

 

旧キットコーナーに来たクレアとケイ。

 

「これが旧キット?

今のガンプラよりも、箱が小さいのね…★」

と、初めて見た旧キットの箱を見て、驚くケイ。

 

しかし、もっと驚いたのは…

 

「ちょっと…

何よ、これ!?

値段がすごく高い

んだけど…!?」

と、値段の高さに驚くケイ。

 

旧キットの値段が、定価の2倍3倍は当たり前

じゃけん★」

と、値段の高さに驚いているケイに教えるクレア。

 

「おっ?」

と、とあるプラモを手にするクレア。

 

「ザクマリナー…?」

と、クレアが手にしたプラモを見るケイ。

 

「マリンハイザックと同じ、水中用のザクじゃけん☆」

と、ケイに教えるクレア。

 

「前々から気になっていたんだけど…

どうして、クレアは水中戦用のガンプラを使っているの?

水中戦用のガンプラって、地上とか宇宙じゃ、性能が落ちるんでしょ?」

と訊くケイに

 

どこでも戦えるようするため

じゃけん。

さすがに、素のままでは、ケイの言う通り、まともに戦えんから、改造せんといかんけどね。」

と言うクレア。

 

 

性能の低下を改造でカバーする―。

 

クレアは、ファイターとしてだけでなく、ビルダーとしても優秀なのだと思うケイ。

 

だからこそ…

 

 

「この前の【サメ軍】との試合でね…

クレアが別の機体(ガンプラ)を使っていたら、負けなかったんじゃないかなって思って…。」

と言うケイに

 

「それは違うけん。

私よりもベアトリス先輩の方が強かった…。

それだけじゃけん…。」

と言うクレア。

 

そして

ケイなら瞬殺

だったけん…。」

と言って、クレアはザクマリナーを持って、レジに向かった…。

 

(素直じゃないんだから…★)

と、レジに向かうクレアの背中を見て、ため息をつくケイ…。

 

 

ブルービーチに戻ってきた、クレアとケイ―。

 

 

「今日は付き合ってくれて、ありがとう☆」

と、ケイに礼をするクレア。

 

「こちらこそ☆

これから、どうするの?」

と訊くケイに

 

「家に帰って、まずは、お兄ちゃんに報告するけん。

そのあと、マリンハイザックの改造じゃけん☆」

と答えるクレア。

 

「そっか。

じゃあね。」

と、別れるケイとクレア―。

 

 

帰宅したクレアは、早速、兄のユウキに電話をする。

 

ところが…

 

『誰?』

知らない女性の声

が聞こえた。

 

一瞬、番号を間違えたかと思ったが、スマートフォンの電話帳からかけたから、間違えることはない。

 

「そちらこそ、誰じゃけん?

私は、ユウキの妹のクレアじゃけん。」

と言うクレア。

 

『はぁ?

ユウキの妹?

そんな話、初耳なんやけど?』

と言う、謎の女性。

 

声の感じからして、まだ若く…

 

そして

七尾人ではない…。

 

G国西部出身

の女性のようだ。

 

「あんた、誰じゃけん?」

と訊くクレア。

 

『他人から、あんた呼ばわりされる筋合は無いんやけど?』

と、女性の声に、怒気が含まれていた。

 

「誰かと訊いとるけん!?」

と、一向に名乗らない相手に、さすがのクレアも苛立ってきた。

 

『アンタ、ユウキの妹やないやろ!?

ユウキに妹がいるなんて、聞いたことないし!!

そっか…

別のユウキの女やな!?

お生憎様!!

ユウキは私の彼氏やねん!!

アンタみたいな女なんかに渡すかってぇの!!』

と一方的に言い放って、女は電話を切った…。

 

(何じゃけん…?)

と、スマートフォンの通話終了を押すクレア。

 

(お兄ちゃん…

何をしとるけん…?)

と考え込むクレア。

 

ユウキは、七尾人の女性と付き合っているはずだ。

 

しかし、今、電話に出たのは、見知らぬG国人の女性だった。

 

それも

ユウキのスマートフォンを持っている

 

これが意味することは何か―?

 

 

考えても仕方がないので、マリンハイザック・アルフェルグの改造に取り組むことにした―。

 

 

数時間後―。

 

「できたけん☆」

 

マリンハイザック・アルフェルグの胴体に

ザクマリナーの手足

ザクマリナーのサブロックガン

 

「名前は…

うん…

マリンハイザック・リィンフォース

じゃけん☆」

 

 

クレアの新たな愛機(ガンプラ)

 

マリンハイザック・リィンフォース

 

【挿絵表示】

 

が完成した―。

 

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