アパートの1階の104号室に、ヤンとミンが住んでいる。
「どうぞ〜☆」
と、クレアを招き入れるミン。
「おじゃまします…。」
と、部屋に上がるクレア。
典型的な1DKだった。
泊めてくれるのはありがたいが、3人で寝るには狭すぎる…。
「ごめんじょ★
エアコン
と、謝るミン。
「大丈夫じゃけん。
私ん家にも無いけん。」
と言うクレア。
「これで我慢してほしいけん★」
と、扇風機をつけるミン。
とりあえず、荷物を置いて、扇風機の前に座るクレア。
「どうぞ〜☆」
と、冷たい麦茶を持ってきたミン。
「ありがとう☆」
と、ミンから渡された麦茶を飲むクレア―。
麦茶は、300年くらい前にアジアから伝わった飲み物だが、G国人は苦くて飲めないという。
以前、ケイとシンに麦茶を出したら、2人とも吐き出してしまった…。
「ところで、ミン
と訊くクレア。
「ヤンが
海流中学
に入学したから、近くに住むことにしたんじゃけん☆」
と言うミン。
「なるほど…。」
と、納得するクレア。
たしかに、七尾島中部から北西部にある海流中に通うのは大変だ。
「とはいえ、中坊を一人暮らしさせるわけにもいかんから、こうして、私が一緒に住んどるけん☆」
と言うミン。
ちなみに、ミンは七尾島中部にある高校に通っている。
サイドカーも、通学に使っているとの事。
「待つけん。
高校生がバイクを運転していいんけん!?」
と訊くクレア。
G国では、16歳からバイクに乗れるが、125ccまでだ。
しかし、ミンのサイドカーは、どう見ても250ccだ…。
「あれ
知り合いに頼んで、125ccのエンジンに換えてある
けん☆」
と笑うミン…。
見た目に問題はあっても、法律さえ守っていれば大丈夫なんだろうと、クレアは納得することにした…。
「それにしても暑いけん…★」
と
服を脱ぎ、下着姿になるミン…。
「ミン
はしたなさ過ぎるけん…!!」
と、ミンを諌めるクレア。
「いいけん、いいけん☆」
と、意に介さないミン。
今は、クレアとミンの女2人だけだが、もうすぐ、ヤンが帰ってくるはずだ…。
案の定、数分後に
「ただいま〜。」
と、ヤンが帰ってきた…。
「暑いから、コンビニでアイス」
と言ったところで、下着姿のミンを見て
「姉さんっ!!
なんて恰好しとるけんっ!!」
と叱るヤン。
「暑いんだから、仕方ないけん★
ヤンも脱いだらどうけん?」
と言うミン。
「バカなこと言うなっ!!
せめて、Tシャツくらいは着ぃっ!!」
と、ミンを叱るヤン。
「わかったけん…★」
と
ブラジャーをはずして
白いTシャツを着るミン。
「クレアおねぇちゃん、ごめんじゃけん…。
姉さんが迷惑をかけて…。」
と、クレアに謝るヤン。
「いや…
気にしとらんけん…。」
と言うクレア。
「それはそうと姉さん。
後で
に行くけん。」
と言うヤン。
とは、ガンプラも取り扱っている家電量販店で、玩具売場には
ビルドスペース
と
ガンプラバトルステージ
がある。
「何しに行くけん?」
と訊くミンに
「友達とガンプラバトルをしに行くけん。」
と言うヤン。
「ヤン…
ガンプラバトル、続けとるんけん?」
と訊くクレア。
「うん☆
おねぇちゃんほど、強くないけど★」
と言うヤン。
「だったら、みんなで
と言うミン。
「何言っとるけん。
私は、オヴォンのために七尾島に帰ってきたんじゃけん。
だから、ガンプラは持ってきとらんけん。」
と言うクレア。
「大丈夫じゃけん☆
私が以前使っていたガンプラがあるけん☆」
と、ウインクするミン。
「ミン
と、驚くクレア。
「うん☆
始めて、まだ2年ほどじゃけんどな☆」
と言うミン。
そして、押入れから、灰色と紫色にに塗り分けられた、FG シャア専用ザクⅡを出してきた。
ガンプラバトルをするつもりなんて、全く無かったのだが、しかし、せっかくの誘いを断るわけにもいかず…
先ほど同様、クレアはミンのサイドカーに乗り…
ヤンは自転車で行くことになった…。
◇
1時間後―。
バトルステージ前には、ヤンの対戦相手達がいた。
赤いジャケットを着て、黒いズボンの少年がトシヤ。
青い上着に白いスカートの少女がジュリィ。
黄色いTシャツに紺色のズボンを履いた、小太りの少年がキラ。
「ヤン。
誰じゃ、その娘?」
と訊くトシヤ。
「みんな…
ちょっと言いにくいんだけど…
参加者が増えたけん…。
僕の幼馴染のクレアっていう人じゃけん。」
と、トシヤ達にクレアを紹介するヤン。
「みなさん、はじめまして。
ビビッ島の大洋高校に通っているクレアというけん。
よろしく。」
と、お辞儀するクレア。
「こ…高校生…!?」
と驚くトシヤ。
「ん?
クレアって名前…
聞いたことがあるケン。」
と言うキラ。
キラは、どうやら、七尾島東部出身のようだ。
「誰なん?」
と、キラに訊くジュリィ。
ジュリィは、どうやら、G国本土の西部出身のようだ。
「あの…
クレアさんって、もしかして
ナガノ商店街最強
のクレアさん?」
と訊くキラ。
「じゃけん。」
とクレアが答えると
「「あいやぁぁあ!!」」
と驚くトシヤとキラ…。
「何やねん…
商店街最強って?」
と、首を傾げるジュリィ。
ジュリィは、クレアの商店街最強伝説を知らないようだ。
「…で、クレアさんも参加するんけん?」
と、リューコを着ているクレアに訊くトシヤ。
「元々、やるつもりは無かったけど、ヤンに強引に誘われたから…★」
と言うクレア。
「ヤン…。
クレアさんはオヴォンじゃけん…。
そんな人を誘うなんて、何考えとるけん?」
と、トシヤに諌められ
「ごめんじゃけん…。」
と謝るヤン…。
トシヤがヤンを諌めたのは、クレアがリューコを着ている意味がわかっているからだ。
しかし、実際には
ヤンはクレアを誘っていない。
ヤンは
のである。
だから
本来なら、ヤンがトシヤに諌められるのは筋違い
なのだが…。
・
「なぁ、キラ…
『おぼん』って何や?」
と、キラに訊くジュリィ。
「先祖の霊を祀る…
…と言っても、わからんか★」
と言うキラ。
クレアの商店街最強伝説を知らないこと…
そして、オヴォンについても知らないことから、ジュリィは最近、本土から七尾島に引っ越してきた人のようだ―。
・
「まあ、えぇけん。
ただし
ハンデとして、ヤンはクレアさんと2人でオレ達3人と対戦
じゃけん。」
と言うトシヤ。
「えぇけん。」
と答えるヤン。
ところが
「何じょ、おもしろそうじゃけん、私も混ざるわ☆」
と、ミンまでもが参加すると言い出した。
「ミン
「姉さん!?」
と驚くクレアとヤン。
((ぁいや!?
あの美人…
ヤンのお姉さん…!?))
と、ヤンの姉を初めて見たトシヤとキラは、顔を赤くした…。
(何で、こうなるんや…?)
と、話の展開についていけていないジュリィは、首を傾げるのだった…。