HG ガンダムビルド…ビビッドアーミー   作:星龜

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夏の終わり


 

「今はビビッ島の高校に通ってるけど…

元気にやっとるけん。」

と言って、両親の墓前で手を合わせるクレア。

 

「僕は…

今、付き合っている女性(ひと)と結婚するつもりでおるけん。」

と言って、両親の墓前で手を合わせるユウキ。

 

(・・・・・・。)

 

ユウキの結婚報告を聞いて、顔をしかめるクレア…。

 

 

墓参りからの帰り―。

 

車を運転するユウキに

「お兄ちゃん…

本気で、あの(ひと)と結婚するんけん?」

と訊くクレア。

 

「うん☆」

と即答するユウキ。

 

「なんでじゃけん!?

何で、あんな(ひと)と結婚するんじょ!?」

と、語気を荒げるクレア。

 

「ちょっと、とっつきにくいところもあるけれど…

でも、根はいい女性(ひと)じゃけん☆」

と微笑むユウキ。

 

それっきり、クレアは黙ってしまった…。

 

 

「それよりも

この後、3人で食事に行かんけん?

というユウキの誘いを

 

嫌じゃけんッ!!

と拒否するクレア。

 

「何でじょ?」

と訊いてくるユウキの無神経さに驚愕するクレア…。

 

昨日の、あのやり取りを見て、なぜ、3人で食事に行こうなどと言えるのだろうか?

 

 

「ごめん…。

今日…

ビビッ島に戻るけん…。」

と言うクレア。

 

「えっ?」

と驚くユウキ。

 

「元々、そういう予定だったけん…。

昼に…

帰るけん…。」

と言うクレア。

 

「そうか…

残念じゃけん…。

3人で食事に行きたかったけんどな…。」

と言うユウキ。

 

どうやら、ユウキの中では

クレアとミクは仲良くなれる

と思っているようだ…。

 

 

ユウキが住むタワーマンションの駐車場で、クレアとユウキは別れた。

 

「気をつけて帰るんじょ。」

と言うユウキに

 

「うん…。」

と、うなずくクレア…。

 

マンションに入っていくユウキの足取りの軽さを見て、あきれかえるクレア…。

 

(少し遠いけど…

歩くけん…。)

と、夏の太陽が照りつける中、クレアはヤンとミンが住むアパートに歩いていく…。

 

 

1時間ほどで、ヤンとミンが住むアパートに到着した。

 

105号室に入って、シャワーを浴びたあと、104号室に入る。

 

104号室にはヤンの姿は無く、ミンだけがいた。

 

「どうした、クレア?」

と訊いてくるミン。

 

「ミン()ぇ…

急な話で悪いけんど…

今から、ビビッ島に戻るけん…。」

と言うクレア。

 

「そうけ…。

わかったけん。」

と言うミン。

 

「泊めてくれて、ありがとうじゃけぇ。」

と、礼を言うクレア―。

 

 

104号室から出たところで

(ん?)

と106号室の方を見れば

老婦人

が出てきた。

 

106号室といえば

昨夜、女性の嬌声が聞こえてきた場所のはず

だ。

 

(まさか、あんなおばあさんが…!?)

と、驚愕するクレア。

 

「こんにちは。」

と、クレアに挨拶する老婦人。

 

「こんにちは…。」

と、頭を下げるクレア。

 

「このあたりでは、見かけない顔だね?」

と言う老婦人。

 

「えっと…

ミン姉ぇ…

じゃなくて、ミンさんの友人じゃけん。」

と答えるクレア。

 

「あら、そう。」

と言う老婦人。

 

「あの…

おばあさん…。

その…

昨日の夜…

何か…

あったけん?」

と訊いてしまうクレア。

 

「昨日の夜…?

はて?

何かあったのかい?」

と訊き返してくる老婦人。

 

「あ…

いえ…。

何でもないけん…。

その…

外は暑いから、熱中症に気をつけてほしいけん…。」

と言うクレア。

 

「ありがとうね、お嬢さん。」

と会釈して、老婦人は去っていった…。

 

その直後、104号室からミンが出てきた。

 

「クレア。

準備できたけん?」

と言うミン。

 

「あっ★

ごめんじゃけぇ★」

と、クレアは荷物を取りに、慌てて105号室に入っていった―。

 

 

そして、クレアはミンにナン港まで送ってもらい、船に乗って、ビビッ島に戻っていった―。

 

 

 

 

8月最後の日曜日―。

 

クレアはシン、ケイとともにガンプラバトルアリーナ【ミッド】に来て、新しい愛機(ガンプラ)

ガンダムアルフェルグ

の試運転を行なっていた―。

 

 

クレアの新たな愛機(ガンプラ)・ガンダムアルフェルグ。

 

それは、青、黒、白に塗り分けた無改造のガンダムアスクレプオスだった。

 

ガンダムアスクレプオスのベース機であるガンダムジェミナスには

PXシステム(PILOTS EXPERINCE SYSTEM)

と呼ばれる特殊機能が搭載されている。

 

それは

人間の緊張が極限になったとき感覚が鋭敏になる

ことを利用した

一種のオーバーブースト機能

である。

 

具体的には

パイロットを強制的に極限状態に追い込む事で、飛躍的に戦闘能力を向上させ、それに対応するために、搭乗機の性能も引き上げられる

のだが

当然、パイロットの心身および機体にかかる負荷が増大し、最悪、パイロットが死亡、機体も損壊する危険性もある

 

 

ビビッ島のガンプラバトルでは

1分間、機体性能が増大するのみ

使用後、3分間は使用できない

 

そして

『ニュータイプ』への対抗手段

でもある―。

 

 

ガンダムアルフェルグのもう一つの機能―

 

それが

アクティブジャマー

だ。

 

これはガンダムアスクレプオスにも搭載されている、接近戦モードで起動する

レーダー欺瞞装置

いわゆるステルス機能である。

 

ビビッ島のガンプラバトルでは

使用期限は10秒間

使用後、30秒間は使用できない

 

 

クレアは、ガンダムアルフェルグを

接近戦モードを通常モード

として使った―。

 

 

荒野のバトルフィールドで、迫りくる通常(接近戦)モードのガンダ([クレア])ムアルフェルグに向けて、ガン([シン])ダムインパルスはMA-BAR72 高エネルギービームライフルを撃つが、ガンダ([クレア])ムアルフェルグはガン([シン])ダムインパルスからの攻撃を回避し、ラピッドショットで反撃する―。

 

 

ラピッドショットで反撃しくるガンダ([クレア])ムアルフェルグを見据えるシン。

 

『カテゴリーF』であるシンの能力は『反撃絶対命中』。

 

すぐさま、MA-BAR72 高エネルギービームライフルで反撃…

 

…しようとしたが…

 

レーダーからガンダ([クレア])ムアルフェルグの反応が消えた

 

どうやら、アクティブジャマーを起動させたようだ。

 

すると

意外な事が起きた―。

 

 

被弾するガン([シン])ダムインパルス。

 

すぐさま、反撃したが…

 

「あ…あれっ!?」

 

反撃したのに命中しなかった

のだ。

 

シンの能力は『反撃絶対命中』なのに、なぜ

反撃したのに命中しなかった

のか―?

 

 

〈思った通りじゃけん!!》

というクレアからの通信が入った。

 

「どういうことだよ?」

と訊くシンに

 

シン君の能力は、敵の姿を捉えていないと発動せん

のじゃけん。》

とクレアに言われて驚くシン。

 

まさか、自分の能力に、そんな弱点があるなど、思いもしなかった。

 

シンは、クレアと技量の差以上の強さに、ただ驚くばかりだった…。

 

 

「じゃ、次は私の番ね。」

と、ガンダ([クレア])ムアルフェルグに向けて、MMI-M7S 76ミリ重突撃機銃とM7070 28ミリバルカンシステム内装防盾の28ミリバルカン砲を撃つシグ([ケイ])ー。

 

ケイは『ニュータイプ』なので、ガンダ([クレア])ムアルフェルグの動きが止まって見える。

 

そのため、ガンダ([クレア])ムアルフェルグはシグ([ケイ])ーからの攻撃を回避することも、防御することもできない…。

 

 

ぐぅッ!!

やっぱ、キツいけん…ッ★」

と、嵐のようなシグ([ケイ])ーからの攻撃に音を上げるクレア。

 

すでに、ガンダ([クレア])ムアルフェルグの耐久値は60パーセントにまで減っていた。

 

クレアは、PXシステムを発動させるため、武装スロットから『SA(必殺技)』を選択した。

 

すると、ガンダムアルフェルグのカメラアイが赤く光り輝き、全身が赤いオーラのエフェクトに包まれた。

 

そして

ガンダムモードに変形

し、シグ([ケイ])ーに向かって突進する―!!

 

 

「えっ?」

と、止まって見えていたガンダ([クレア])ムアルフェルグが急に動き出したので、ケイは驚きのあまり、呆然としてしまった。

 

その隙に、ガンダ([クレア])ムアルフェルグはシグ([ケイ])ーの胴体に右ストレートを叩き込む。

 

シグ([ケイ])ーは、バックパックに装備されているMA-M4 重斬刀を取ろうと右腕を上げたところで、ガラ空きになった右の脇腹を、ガンダ([クレア])ムアルフェルグの左足で蹴られた…。

 

 

1分間とはいえ、同じ能力を持った相手だと、技量ではるかに劣るケイがクレアにかなうはずもなかった…。

 

「さすがクレア…。

参ったわ…。

凄い機体(ガンプラ)を作ったのね…☆」

と、クレアを称えるケイ―。

 

 

クレアも、わずかな時間とはいえ、『ニュータイプ』と戦うことのできるガンダムアルフェルグの性能に満足するのだった―。

 

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