HG ガンダムビルド…ビビッドアーミー   作:星龜

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代表決定戦前日


 

ついに、ビビッ島ガンプラバトル大会に出場する、大洋高校の代表チームを決める

 

大洋高校代表決定戦

 

が始まる―。

 

 

代表決定戦を翌日に控えた日の朝7時―。

 

 

クレアがは海沿いの遊歩道をジョギングしていると、視線の先に、白いセーラー服のような服を着た、背の低い、ロングヘアーの少女がいた。

 

「ルカ…!!」

と、声をかけるクレア。

 

「あっ…クレア。

おはようございます☆」

と、クレアに挨拶するルカ。

 

「おはよう、ルカ。

こんな朝早くから、ここで何をしとるけん?」

と訊くクレアに

 

「イルカさんと、お話をしていました☆」

と言うルカ。

 

「は?」

と、水路を覗いてみれば、たしかに、そこには2頭のイルカがいた。

 

「キュイ、キュイ、キュイ。」

と、イルカに話しかけるルカ―。

 

 

大洋高校1年生のルカ―。

 

女子ガンプラバトル部のルカ派…通称【イルカ軍】のキャプテンで、人呼んで『イルカ軍総帥』―。

 

 

ルカには

イルカと会話できるという超絶的な特技

がある。

 

なんでも

イルカの言葉がわかる

のだそうだ…。

 

 

「イルカと、何の話をしとったけん?」

と訊くクレアに

 

「イルカさん達に、クレアを紹介したんです☆」

と言うルカ。

 

イルカを見るクレア。

 

2頭のイルカは、クレアの方を見て

「キュイ、キュイ」

と鳴く。

 

「何と言っとるけん?」

と訊くクレアに

 

「クレアに挨拶してます☆」

と言うルカ。

 

クレアもルカの真似をして

「キュイ、キュイ」

と、言ってみたら…

 

イルカは潜ってしまい、そのまま泳ぎ去っていった…。

 

「無愛想なヤツらじゃけん…★」

と、不機嫌そうに頬を膨らますクレア。

 

「あの…クレア…。」

と言うルカ。

 

「今度は何じゃけん?」

と訊くクレアに

 

「少し…お話…いいですか?」

と訊くルカ。

 

「えぇよ…。」

と、2人は、近くにあったベンチに座る―。

 

 

「…で、何の話じゃけん?」

と、右に座るルカに訊くクレア。

 

「いよいよ明日…

代表決定戦ですね…。」

と言うルカ。

 

「うん。」

と答えるクレア。

 

「負けたくないです…。」

と言うルカに

 

「お互い様じゃけん。」

と言うクレア。

 

「ご存知ですか?」

と訊いてくるルカに

 

「何じゃけん?」

と訊くクレア。

 

「【G.D.M.(ゴドム)】のユルゲンス先輩は、『ニュータイプ』なんです…。」

と言うルカに

 

「知っとるけん。

それが、どうしたけん?」

と訊くクレア。

 

しかし、ルカは何も答えなかった…。

 

 

そのまま、2人とも、何も話さなくなった…。

 

 

その沈黙を破るかのように

「クレア…

【ブルーノア】が負けたら…

私達の仲間になりませんか?

と、ルカがそんなことを言い出した。

 

「ルカは、いつから

そんな、つまらない冗談

を言うようになったけん?」

と、あきれるクレア。

 

「本当はクレアだって、気づいているはずです…。

【ブルーノア】は、自分の居場所じゃないって…。」

と言うルカに

 

「悪いけんど…

今は

離れる気は無いけん…。」

と、ルカを突き放すクレア。

 

今は

…ですか?」

と、まだ言ってくるルカを

 

これからも

…じゃけん…。」

と、拒絶するクレア。

 

 

「時間を潰したけん…。」

と、クレアは立ち上がった。

 

「クレア…!!」

と呼ひ止めるルカに

 

「何じゃけん?」

と、振り返ることなく訊くクレア。

 

「明日…

お互いにがんばりましょう…!!」

と言うルカに

 

「言われるまでもないけん…。」

と吐き捨てるように言って、クレアは再び、ジョギングを開始した。

 

「クレア…!!」

と、背後からルカの声がしたが、クレアは振り返ることなく、走り去っていった…。

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

公園のベンチに座って、休憩していると…

 

 

「あらぁ〜★

クレアぢゃなァい★」

と、黒いセーラー服を着た、黒髪ツインテールの、背の低い少女が、ニヤニヤと笑いながら、クレアの前に歩みよってきた。

 

「フーカ…。」

と、話しかけてきた少女の名を口にし、顔を上げるクレア―。

 

 

そう…

 

この、黒いセーラー服を着た、黒髪ツインテールの、背の低い少女こそが、分裂した大洋高校女子ガンプラバトル部のもう一つの派閥…

 

フーカ派…通称【サメ軍】のキャプテン…

 

いや…

【サメ軍総帥】のフーカ

だった。

 

 

ルカ、クレアとともに女子ガンプラバトル部に入部するも、自分に賛同する部員を取り込んで【サメ軍】を結成し、女子ガンプラバトル部を分裂させた張本人だ。

 

そんなフーカを止めるため、フーカに反発した部員達をルカがまとめて結成したのが【イルカ軍】である。

 

クレアは、そんな2人について行けず、【ブルーノア】に加入したのだった―。

 

 

「こんな場所で、ナニをしているのですかァ〜?」

とフーカが、うすら笑いを浮かべて訊いてくる。

 

その笑顔は、あきらかに、人をバカにしたかのような、イヤミったらしい笑いだった。

 

「ジョギングの休憩中じゃけん…。」

と答えるクレア。

 

「こんな朝早くから、ご苦労様ですゥ★」

と、フーカは、わざとなのか、それとも意識して言っているのか、非常にイヤミったらしい言い方をする。

 

「そういうフーカこそ、こんな朝早くから、何をしとるけん?」

と、クレアが訊くが

 

「そんなの、クレアは知らなくてもいいコトですゥ★」

と、まともに答えないフーカ。

 

もっとも、クレアも、フーカがこんな人間であることを知っているので、まともな返事など、当初から期待していなかった。

 

「ところで、明日は待ちに待った代表決定戦★

【ブルーノア】のみなさまが、ボッコボコにされるサマを見学させていただきますゥ★」

と、ヘタな挑発をしてくるフーカに

 

「それはどうじゃけんなぁ…?

アテがハズれて、屈辱にまみれたフーカの顔を見るのを楽しみにしとるけん★」

と、クレアが言ったが

 

プププッ☆

ユルゲンス先輩に勝てるとでも言うつもりですかァ…?」

と、フーカに言い返されてしまった…。

 

だが、フーカの言っていることは、あながち、間違いではない。

 

実際に【ブルーノア】に『ニュータイプ』はいないため、ユルゲンスには勝てない…。

 

だから

「【ブルーノア】のみなさまがユルゲンス無双されて、絶望に歪んた、ステキなお顔を拝見できるのを、楽しみにしていますゥ★」

とフーカに嘲笑されても、クレアは反論できなかった。

 

「さ・ら・に★

七尾島のガンプラバトル大会を三連覇しているのに、ビビッ島の代表になれない、哀れな新入り(ショウ)の無様な戦いぶりを拝見させてもらいましたァ★」

というフーカの発言を聞いて、驚くクレア。

 

おそらく、変装して、来店客に紛れて、偵察に来ていたのだろう。

 

部室にガンプラバトルステージが無いため、ガンプラバトルアリーナで練習をしている【ブルーノア】は、秘密の保守が難しい。

 

おそらく、【サメ軍】だけでなく、【イルカ軍】や【G.D.M.(ゴドム)】も偵察に来ていたのだろう。

 

「明日が楽しみで楽しみで、仕方がありませんわァ★

それでは、ごきげんようですわァ★」

と言い放って、フーカは去っていった…。

 

(……。)

 

沈痛な面持ちで、クレアは家路についた…。

 

 

家に帰ってきたクレアは、起きたクレアは、シャワーを浴びるため…

 

そして

水の神への礼拝

のため、服を脱いで全裸になって浴室に行く―。

 

 

浴室に入り、壁に備え付けてある

水の神の祭壇*1

に手を合わせ…

 

カン ゴン シン ソン リン コン ダケン

カン ゴン シン ソン リン コン ダケン…」

 

…と読経する。

 

クレアは、この『水の神への礼拝』を毎朝欠かさずやっている。

 

つまり、クレアは信心深い、古風な少女なのである。

 

しかし、実際には、現代では廃れつつある風習だ…。

 

 

水の神への礼拝を済ませ、シャワーを浴びて、浴室から出てきたクレアは朝食を食べたあと、スマートフォンを手にし、ケイに電話をかけた。

 

《もしもし?〉

と、電話に出たケイ。

 

「ケイ、おはようけん。

こんな朝早くに電話かけたりして、ごめんじゃけん。」

と謝るクレア。

 

《おはよう、クレア。

いいのよ、気にしないで。

それにしても、LINEじゃなくて電話だなんて…

何か大事な話?〉

と訊いてくるケイに

 

「うん…ちょっと…。

さっき、ルカとフーカに会ったけん。」

と言うクレア。

 

《えっ?〉

と驚くケイ。

 

「ま、フーカはともかく…

ルカから…

もし、代表戦に負けたら、仲間にならないかと言われたけん…。」

と言うクレア。

 

《クレアは、何て答えたの?〉

と訊いてくるケイに

 

「いや…何も言っとらんけん。」

と答えるクレア。

 

《そう…

よかった。

今、出ていかれたら困るから…。〉

と言うケイ。

 

「うん…。

私も【ブルーノア】を離れる気は無いけん…。」

と言うクレア。

 

《うん。

私も、クレアは敵になってほしくない。〉

と言うケイ。

 

「うん…

ありがとう、ケイ…☆」

と、ケイに感謝するクレア。

 

《それよりも…

電話じゃなくて、直接会わない?〉

とケイに誘われたので

 

「わかったけん☆」

と答えるクレア。

 

《じゃ、10時に【ミッド】に来てね。〉

と、電話を切るケイ―。

 

*1
日本でいうところの神棚

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