本当はいない船乗り。   作:℃M

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船乗りさんはチート性能にする予定です。


ぼーけんのしょ 1

 

 

「ふふっ。ありがとね、私が変だったから慰めてくれようとしてくれたんでしょう?」

 

「そんなことはないです。ただ気まずかっただけで……」

 

「結果的に慰めてもらえたからいいわよ。」

 

「あっ…その……ありがとうございます。」

 

大人のお姉さん相手じゃあそんなに考えて言葉はだせんのだよ。

 

しかも美人さん。

 

「お礼はこちらが言うべきよ、ありがとね。」

 

そう言ってこちらに、さきほどより悲しみのない美しい笑顔を向ける。

 

それに見とれていた自分は

 

「あっ…どういたしまして。」

 

なんて言葉しか言えなかった。

 

 

 

 

 

 

 

…でも、やっぱり悲しい顔だな。

 

「あの……お姉さん。何か困っていたりしたら話を聞きますよ?」

 

俺のばっきゃろおお!!そんなこと言ったって話すわけないじゃないかああ!!

 

「……そうね。親しい人よりも、あまり知らない人のほうが話しやすいし。ちょっと聞いて欲しいわね。」

 

……さっきまでの俺グッジョブ!

 

「私ね。変なのよ。」

 

変?どういうことだ…。

 

「なんだか、記憶が曖昧でね。ミレーユ…金髪の人がね、笛を吹いたら、私が黄金の竜になっちゃうっていう記憶があるのよ。」

 

「黄金の竜……ですか」

 

「うん。それでね、いきなりのことだからパニックなっちゃうのよ。でも体は勝手に、動いていく。」

 

「違う場所の記憶かもしれないじゃないですか」

 

「いいえ、その前にこの船で、ムドーを倒しにいく話をしていた記憶もあるのよ。船の操縦士は違ったけどね。」

 

「違う操縦士……ですか?」

 

「うん。君みたいな若い子じゃなくて、おじさんって感じの人だった。」

 

「お、おじさん……」

 

「ふふふっ。それでね、自分の思い通りには動けない。でも竜になることはわかってる。このままついて行ったら、みんなにばれちゃう。」

 

「ばれてもいいじゃないですか?」

 

「ばれて、もしもみんなが私のことを怖がったりしたら、私何をしちゃうかわからないもの。」

 

「ならしっかりと心がければ…自分の思い通りには動けないのか……」

 

なんとも難しい……

 

「……ありがとね。君のおかげで少しは気が楽になったわ。」

 

「お役にたてたのならば幸いです。」

 

「あら、もうこんな時間……もうすぐ呼ばれるかもしれないわ。準備してくるわね」

 

「はい。気をつけてくださいね。」

 

「ありがと。……あと、「お姉さん」じゃなくて、名前で呼んでくれると嬉しいわ。じゃあね。」

 

そういって茶髪……バーバラさんは船から降り、広い場所に移動した。

 

 

 

 

 

 

 

「バーバラさん、か。最近の中二病は凝ってるんだなぁ。」

 

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