受験前日。私立藍越学園の受験を目前に控えた少年、織斑一夏。試験前日というのもあり勉強は簡単な復習で済ませ早めに就寝した。はずであったが夜の寂しさにふと目を覚ます。それは受験前日の緊張かはたまた別の悪い予感か……
「喉が……渇いたな……」
喉の渇きを自覚するとそのまま自室をでて下の階に赴こうとする。
カタカタ……
カタカタカタ……
部屋を出ると隣の部屋でパソコンのキーボードを弾く音がした。いつもの夜更かし、受験前日の緊張感はないのかと首を回しながら扉を叩く
コン……コン……
キィ……
「おーい、零秋。いま何時だと思ってんだよ」
パソコンに向かって一心不乱にキーボードを叩いていた少年。織斑一夏の弟である零秋は兄の声でパソコンを弄る手を止めた。
「あ……ごめん……。なんか……緊張しちゃって」
はにかみながら言うその姿に一夏もあまり強く言うのも酷だろうと肩をすくめる。少なくとも自分自身も緊張で目を覚ましたクチである。
「じゃあなにか体のあったm「ホットミルクがいい!」わかったよ」
二人は部屋をでてホットミルクをいれる。はちみつたっぷりの甘く優しい、それでいて暴力的なまでの甘さのホットミルクに喉をならす。
「なあ、なにしてたんだ?」
一夏は先程までの自分の弟のしていたことが気になり問いかける。
「なにっ……って。うん、まあ、いつものあれだよ」
まどろみかけている零秋はゆっくりと言葉をこぼすように返す。
「まあ、別にいいけどさ……。受験前日にやるもんじゃねえだろ」
「でへへ///」
「はあ……。で、よく眠れそうか?」
「うん……」
「じゃあさっさと寝ようぜ、あんまりながびくt「ねえ、一夏兄ちゃん」どうした?」
「一緒に……寝よう?」
零秋は眠りそうになりながらも精一杯いまの気持ちを伝えた。甘いミルクによって溶けた心か、はたまた明日への不安か。だがその提案は兄である男の心にしっとりと染み込んだ。
「ああ、そうだな……。それが……いいかもな」
その後、二人はぐっすりと眠った。互いの存在を確かめ合うかのように、あたたかい体をしっかりと抱きとめて、そのぬくもりを逃がさないように……
ちなみに普通に寝坊しかけた。
藍越学園?試験会場
試験時間もギリギリになって二人の少年がバタバタと駆け足で場内を彷徨いていた。
「ちょっと、兄ちゃんが寝坊助さんだからもうすぐはじまっちゃいそうじゃん」
「やかましい!そもそも寝坊助はお前も同類だろ!」
軽口を言い合いながら互いに試験会場を探す。が……受験票に書かれている部屋はどこにも見つからない。
「あーやばいよ〜」
泣きだしそうな弟のことは放っておき必死に考える。するとふと目の前の倉庫の隙間から人の影のようなものをこのときの一夏はみた。
「あそこに人がいるみたいだから、ちょっと場所聞きに行くぞ」
「え、あ、待ってよ〜」
早足で急ぐ一夏に続いて零秋もその後を追う。しかしそこにいたのは人間……ではなく一体の人型であった。
「な、これって……」「IS?」
インフィニット・ストラトス。略してIS。そう呼び習わされたそれがそこにあった。
「なんでこんなとこにISが……、って一夏兄ちゃん?」
一夏はふらふらと、まるで引き寄せられるようにその人型に引き寄せられ……触れる
「おい、お前たちここで何をやっt」ピカッ!
それを光と形容するにはあまりにも稚拙であった。だが人の目にはあまりにも眩く、明るく、そして強い光を放ったようにみえた。それは時代の変革か、新しい時の躍動かはたまたそれ以外のなにかか。
「男が……ISを起動した?」
しかし、その事実だけが、その場では確かだったと言える。
というわけで第一話でございました。本筋に入っていないので第ゼロ話といったほうが正しいでしょうか。
非常に恐れ多いことながら未だアニメを再履修していないので一度それをみてから続きを作ることになります。ので続編はかなり先になるかもしれません。個人的にはここまで書き進めただけでも達成感はありますが。それではご精読ありがとうございました。またどこかで会いましょう