リーフ達は四つ目の宝石を取り戻せるのでしょうか。
リーフは、果てしなく波打つ砂丘の真ん中に、一人ぼっちだった。
夜が明けた事を、リーフは知っていた。
厚い黄色の雲の間から光が差し込んでいた。
足元の砂は温かかった。
昼だった。
恐ろしい幻覚が現実になったのだ。
ずっとそうだろうと思っていた通り。
暗闇の中、砂が足元から舞い上がり、リーフを宙へと投げ飛ばしたのを覚えている。
ヴァージニア、バルダ、ジャスミンが自分の名前を叫ぶ声を覚えている。
燃え盛る炭火が夜空に噴き出し、消えていくのを覚えている。
しかし、それだけだった。
今は、滑らかな砂地の荒野を、リーフ自身の足跡が遠くへと消えていくだけ。
腰に巻き付いたままのロープの、引きずられるような、役に立たない端だけが残っている。
耳を満たし、心を満たす、単調な音だけが、今や大きく響いていた。
リーフは何かを手に握りしめていた。
下を見つめ、指を開こうと意識した。
それは、ジャスミンがリスメアでポケットに入れていた、彩色された木の鳥だった。
リーフはそれを見つけて、拾い、そして……。
感覚を失いながら、リーフはその小さな物体を服の一番上のポケットに入れた。
脚は痛み、喉はカラカラに乾いていた――砂のように。
目はチクチクと痛み、ほとんど何も見えなかった。
何時間も歩いたはずだが、その記憶はなかった。
リーフは中心へと引き寄せられていて、体力はほとんど尽きていた。
しかし、立ち止まる事はできなかった。
立ち止まれば眠ってしまうからだ。
そして眠れば、死が訪れる。
何よりも分かっていた事だった。
リーフはよろめきながら歩き続け、別の砂丘の麓に辿り着き、登り始めようと一歩踏み出した。
突然、足が竦んでしまい、リーフは転げ落ちた。
砂が羽毛布団のように柔らかく、リーフを包み込んでくれた。
リーフは仰向けに転がったが、それ以上は動けなかった。
デルでは、友達が笑いながら、詰まったり溢れかえった側溝で水しぶきを上げたり、
金貨を拾ったりしている。
リーフは彼らのところへ行きたい。
しかし、リーフの両親が呼んでいる……そして今、リーフは側溝がゴミではなく、
ブンブンと音を立てる赤い蜂で詰まっているのを見る。
側溝は、通りに横たわった壊れた樽から注がれた女王バチのアップルドリンクで溢れている。
蜂は怒りの雲となって舞い上がる。
リーフの友人は刺され、影の憲兵団がそれを見ながら笑っている……
リーフの友達は死につつあり、リーフに呼びかけているが、リーフはとても疲れている。
彼はブンブンと音を立てる赤い雲の中へよろめきながら、目を閉じ続ける。
リーフの腕と脚は重く、のしかかる。
彼の後ろでアンナが「静かに、静かに、坊や!」と言い、リーフはアンナの方を向く。
しかし、アンナの顔は女王蜂の顔に変わっていた。
蜂はアンナの背中と腕を覆い、髪に群がる。
アンナは眉をひそめ、拳を振り上げながら、リーフに向かって荒々しい叫び声をあげていた。
「煙よ、火よ! 煙よ、火よ……」
リーフは目をぱっと開いた。
叫び声は続いていた。
何かがリーフの頭上高くを旋回していた。
鈍い黄色の空に、ぼんやりとした黒い影が浮かんでいた。
(まさかあれは、アクババ!?)
そしてリーフは瞬きをして、旋回する影がクリーだと気づいた。
クリーは低く舞い上がり、リーフを呼んでいた。
リーフは起き上がろうとしたが、砂の中に深く沈み込んでいて、
体をよじり出さなければならなかった。
砂は既にリーフの下半身全体を覆っていた。
手も腕も首も……。
リーフは息を切らし、震えながら、よろめきながら立ち上がった。
もしクリーがリーフを起こさなかったら、どうなっていたのだろうか。
リーフは砂の中にどんどん深く沈み込み、ついには砂に覆われていたのだろうか。
夢はまだ鮮明に脳裏に焼き付いていた。
そして突然、その意味が理解できた。
詩の言葉が蘇ってきた。
「「「リーフ!」」」
ヴァージニア、バルダ、ジャスミンが次の砂丘の頂上に現れた。
叫びながら、三人はリーフに向かって滑り降り始めた。
リーフは三人の姿を見て涙がこみ上げ、死んだと思っていた事に気づいた。
よろめきながら三人に会おうと歩き始めた。
ジャスミンが鋭い叫び声を上げた。
彼女はリーフの後ろを指差していた。
リーフは振り返ると、背後の砂丘から現れたものを見た。
それはもう一匹の砂の怪物で、最初のものよりもさらに巨大だった。
脚の関節からは砂がまだ流れ出ていた。
それはリーフを尾行していたが、鏡のような目と目が合うと、凍りついた。
すぐに、それが飛び出すだろうとリーフは知っていた。
後ずさりしながら、その視線を捉えながら、リーフは剣を探した。
すると、恐怖に駆られ、躓いたロープに絡まって、不器用に倒れてしまうのを感じた。
次の瞬間、砂の上でもがき、剣は足元に引っかかっていた。
慌てて膝をついたリーフは、ヴァージニア、バルダ、ジャスミンの叫び声を聞き、
もう手遅れだと悟り、まるで悪夢に囚われたかのような気分だった。
怪物はよろめきながら前に出た……。
「そうはいきませんわよ!」
その時、耳障りな叫び声を上げ、火ぶくれ弾が飛んできた。
よろめき、再び突進し、また火ぶくれ弾が飛んできたので横に倒れた。
とげとげした脚を蹴り上げ、回転し始め、砂に大きな溝を掘り始めた。
片方の足首が縄に絡まったまま、リーフはすすり泣き、安堵の息を吐きながら這っていった。
ジャスミンが息を切らしながら近づき、リーフを引き上げ、縄から解放した。
バルダはすぐ後ろにいた。
手にはまだ三角巾を握っており、もう一つの火ぶくれ弾を準備していた。
ヴァージニアも慣れない手つきで、火ぶくれ弾を持っていた。
リーフは感謝の言葉を絞り出そうとしたが、バルダはリーフを振り払った。
「もし俺が、リーフの命を救ったのなら、これが初めてではないし、恐らく最後でもないだろう」
「また助けられるなんて、まだまだですわね!」
「どうやら、お前を育てるのが俺の運命らしいな」
ショックと深い傷に、リーフは不機嫌な表情に逃げ込み、背を向けた。
バルダはリーフの肩を掴み、振り返らせた。
「俺から目を背けるな! 何をふざけてるんだ? どうして一人で逃げ出したんだ?
砂嵐の後、どうして俺達を探そうとしなかったんだ?」
バルダは怒りで震えていた。
そしてリーフはゆっくりと、それがショックと恐怖と心配から生まれた怒りだと気づいた。
門限を遥かに過ぎて帰宅した時、危険を冒した時に、両親の顔に時折見ていた怒りだった。
「バルダ、すまない」
「謝ってる時間はありませんわ」
ヴァージニアは砂丘の上で暴れ回る怪物に目を凝らしながら、言い放った。
「また今度言い合いなさい。ここから逃げなければ。早く。あの怪物は死んでいない。
まだ回復して、また追ってくるかもしれないのよ」
「心配しないで。僕達が行くところなら、追って来ないよ」
三人は何時間も歩いたが、ほとんど口を利かなかった。
まるでリーフが、バルダにもジャスミンにもヴァージニアにも聞こえない、
何かを聞いているかのようだった。
中央に近づくにつれ、二人はますます沈黙していった。
四人は中央に着くずっと前からそれを見つけた。
平らな円から高く聳え立ち、丸い砂丘が囲む、孤独な峰。
薄れゆく光の中で、それは異質で神秘的に、黄色い空を背景に煌めいていた。
先端が暗く、巨大な円錐形をしていた。
「火山だ」
「いや、違う。いずれ分かるだろう」
フィリはすすり泣きながら、ジャスミンの首輪の下に潜り込んだ。
ジャスミンは慰めの言葉を囁いたが、緑色の目は恐怖で曇っていた。
目的地に近づくにつれ、単調な音は次第に大きくなっていった。
麓に着き、ゆっくりと登り始める頃には、空気が音で震えていた。
そしてついに四人は頂上に到達し、山頂の空洞の中核を見下ろしていた。
遥か下では赤い砂の渦が轟き、まるで強大な風に煽られるように暗闇の中を舞っていた。
しかし、風はなかった。
そして、その音は数え切れないほどの蜂の羽音のようだった。
ベルトはリーフの腰の周りで燃えていて、すぐ近くに宝石がある事が分かった。
「これは何だ?」
バルダは息を切らし、下を見つめ、大きく鈍い手で剣を握りしめていた。
ヴァージニアはじろじろとそこを見つめていた。
リーフは静かに石に刻まれた韻文を繰り返した。
そして今度こそ、最後の一行が完成していた。
「隠れていた文章は、群れと積み上げるだと思う」
「だから、砂こそが番人だと言いたいんですの?」
「だが、そんなはずはない。砂は生きているはずがない!
俺達は砂の上を歩き、生き物を見てきた……」
「僕達が見てきた怪物は、遥かに大きな群れの上を這っている。
僕達が踏んできた砂丘は、遠い昔に死んだ者達でできたに過ぎない。
その下には生きているものがいる。あいつのしもべだ。
落ちてくる宝物を集めるのも、表面に痕跡を残すのも、嵐を引き起こすのもあいつらだ」
「宝石は……」
「砂のどこに落ちていようとも、宝石は最終的に真ん中に行くだろう。
だから、僕達はここにいるんだよ」
リーフは核の渦から目を離し、ジャスミンの方を向いた。
「煙が必要だ」
「火じゃなくて?」
「そう、煙だ」
ジャスミンは何も言わずに跪き、リュックサックから荷物を取り出し始めた。
リーフはジャスミンの手が震えているのに気づいた。
剣をバルダに渡し、代わりにロープを受け取るバルダ自身の手も、あまり安定していなかった。
しかし、ロープを胸に結ぶ時、リーフは半笑いを浮かべ、声は僅かに震えていた。
「バルダ、また僕を守ってくれないと困るよ。
また、君の助けと力が必要なんだ……そしてロープも。今回はお願いだ、僕を放さないでくれ」
リーフは穴の縁を這い上がり、何もない空間へと足を踏み入れた。
ぶら下がり、ゆっくりと前後に揺れながら、ヴァージニア、バルダ、
ジャスミンの心配そうな顔と、白い関節でロープを掴む三人の手を見上げた。
「ゆっくり」
三人が頷き、手が動くのが見えた。
そして、ゆっくりと、リーフは円錐の中心へと沈み始めた。
リーフはマントを身体にしっかりと巻き付け、
フードをリーフの頭と顔にぴったりと被せ、目以外を覆っていた。
まるで繭の中の大きな幼虫みたいに見えるに違いない、とリーフは思った。
しかし、巣に侵入するような愚かな幼虫などいないだろう。
もしそうなったら……。
身震いしながら、リーフは他の事に意識を向けた。
濡れたぼろ布でしっかりと包んだ、湿った松明の煙がリーフの周囲に立ち上っていた。
それが役に立つかどうかは定かではなかったがここで他に使える武器などないのは確かだった。
それに、夢を見てからというもの、女王蜂の言葉が何度も頭から離れなかった。
きっと何か理由があるのだろう。
不思議な事に、ここの唸り声と渦を巻く中心にいると、リーフの心は澄み渡っていた。
もしかしたら、群れはもうリーフを呼んでいないのかもしれない。
呼ぶ必要がないからだ。
リーフはずっと、群れがリーフを呼ぶべき場所にいたのだ。
仲間の姿は空の眩しさに、ほとんど見えなかった。
そして眼下では、沸き立つ塊が渦を巻き、リーフを迎え撃とうとしていた。
リーフは覚悟を決め、目を閉じた。
その時、リーフはそれを感じた。
熱く荒々しい風、刺すような旋風のように、リーフは吸い込まれていった。
それはリーフの周りを激しく回転し、リーフを鞭打ち、雷鳴のような音を立てて押し寄せた。
(なんだ、あの強さは!)
リーフは何も見えず、息もできなかった。
荒れ狂う音の奔流に巻き込まれ、どちらが上で、どちらが下なのか分からなかった。
ただ一つ分かっていた事は、群れはリーフを全く気にかけていなかった事。
群れにとってリーフは餌でも、捕らえた獲物でも、倒すべき憎き敵でさえなく、
欲するものを運ぶだけのものに過ぎなかった。
そして、リーフを窒息させた後、肉から衣服を、骨から肉を削ぎ落とすだろう。
そうすれば、群れは望むものを手に入れるだろう。
最初から欲していたものを。
デルトラのベルト。
パニックがリーフの喉元を掴んだ。
リーフはもがき始め、叫び始めた――
――静かに、坊や、静かに。優しく、優しく!
老いた、ぎこちない声が、まるで耳のすぐ傍で話していたかのように、はっきりと心に響いた。
まるで冷水をリーフの顔に浴びせたようだった。
叫び声は喉の奥で消え、リーフは目を開けた。
息を切らして苦しむのをやめ、呼吸を整えようと、じっと動かないように努めた。
ほんの少しだけ目を開けた。
細い隙間から、松明から噴き出す煙が、ついに渦巻く赤い炎と混ざり始めたのが見えた。
そして、旋風は静まり返っていた。
群れの動きは鈍くなり、薄くなっていた。
円錐形の端の暗闇へと退却していった。
そして、その怒りによってこれまで隠されていたものが、
ついに姿を現した――円錐形の中心からそびえ立つ、煌めく塔。
ゆっくりと、慎重に、リーフは手を伸ばし、ロープを一度引いた。
遥か上空でヴァージニア、バルダ、ジャスミンが信号を受け取った瞬間、
リーフの落下はかすかな衝撃と共に止まった。
しばらくの間、リーフはただ宙を舞い、漂う煙越しに、
生きた砂が数え切れない年月をかけて築き、手入れし、
守り続けてきた驚異的な物体に、見とれていた。
それは金、ガラス、宝石、そして白く漂った骨でできた、そびえ立つ塔だった。
リーフは、こんな事は予想していた、あるいはそれに近いものだと自分に言い聞かせた。
しかし、現実はリーフの想像を遥かに超えるものだった。
朽ちないもの、あるいは何世紀も経ってからでないと交換できないほど
ゆっくりと朽ちていくものなら何でも集められ、建物に使われていた。
あらゆる形や大きさの頭蓋骨や骨が、ガラス瓶や壺、硬貨、水晶や宝石、金の鎖、
指輪や腕輪、そしてさらに多くの骨と並んで詰め込んであった。
大小様々な部品が、細心の注意を払って組み合わされ、塔は巨大な宝石のように輝いていた。
それは畏怖の念を起こす光景だった。
そして、信じられないほど恐ろしいものだった。
それは死の塔だった。
どれほどの人間が、この塔のために命を奪われたのだろうか。
そして、あの秘密の独房の中には何が保管されているのだろうか。
間違いなく、群れの子供達だ。
卵、そして小さな蠢く怪物達が、何千個も詰め込み、育て、世話し、腐った赤いハエ、
死んだトカゲ、そして砂の下に潜むあらゆるものを混ぜた、不快な混合物を食べていた。
そして彼らは成長して――何になるのだろうか。
リーフが知るどんな種類の虫でもない。
もしかしたら、全くの虫ではないのかもしれない。
リーフが想像もできない別の生命体。
周囲が変化していく中でも生き続けてきた、古代のものの一部となる小さな集団。
嫌悪感に震え、リーフは塔を蹴り、引き裂き、
崩れ落ちて闇の底に砕け散るのを見たい衝動に駆られた。
その闇の中には、巨大な群れの女王が潜んでいるに違いない。
まるで、深淵で波打つ女王の膨らんだ姿が、
数え切れないほどの卵を産みつけているのが見える気がした。
しかし、塔を攻撃すれば群れの攻撃を受けるだろうとリーフは分かっていた。
煙はそれを防ぐ事はできないだろう。
そしてベルトは脈打ち、燃えていた。
この煌めく塔のどこかに、リーフが探し求めていた宝石がある。
塔に輝く宝石の中には、透明、紫、緑の石がいくつか見えた。
しかし、どれが本当に貴重な宝石なのだろうか。
リーフはマントと服を脇にずらし、ベルトを見せ、煙の輪を通して見下ろした。
トパーズとルビーはほとんど見えなかった。
しかしオパールは輝き、きらめく光を放ち、まるで生きているかのようだった。
リーフは『デルトラのベルト』に書かれたオパールの力に関する言葉を、
頭の中で思い浮かべようと必死だった。
「オパールの秘密は……」
リーフは考えを巡らせるために目をぎゅっと閉じたが、
しばらくして再び目を開け、必死に首を振った。
結末が思い出せなかった。
リーフは塔の頂上を見上げた。
宝石は恐らくそこにあるだろうとリーフは思っていた。
エンドン国王が倒れる前に、うごめく砂に落ちたのだ。
それは僅か16年ちょっと前の事だったが、塔は長い年月をかけて成長を続けてきたのだ。
最初に目に飛び込んできたのは、ジャスミンの短剣だった。
塔の先端に下向きに突き刺さっていた。
最後に盗まれたものだったので、頂上にあった。
いつか金属は錆びてしまうだろう。
しかし、水晶の十字架は生き残り、他の発見物が金属部品の代わりになるだろう。
短剣の下には、たくさんの金貨とリスメア競技会の優勝メダルが整然と並んでいた。
それらは、輝く白い骨の塊が固定していた。
リーフは身震いした。
骨には肉片さえ残っていなかったが、
それが2号と8号、つまり影の憲兵団の残骸の全てだと分かっていた。
群れは素早く動いた。
リーフは塔が以前よりも鮮明に見える事に気づいた。
一瞬、何故だろうと思った。
それから、松明の煙が減っている事に気づいた。
消え始めていたのだ。
胃がむかむかした。
群れはいつまで円錐の端で唸り声を上げ続けるのだろうか。
そして、煙が薄れていくと……。
リーフは骨の下を覗き込み、小さなガラスの壺、腕輪、二つの石、
そして馬の顎骨らしきものを見た。
そしてその下には……。
心臓が止まるかのようだった。
滑らかな紺碧の表面を光の点が貫く、星空のような石があった。
『デルトラのベルト』で忘れていた言葉が、ついに彼の脳裏に浮かんだ。
オパールはラピスラズリと特別な関係がある。
ラピスラズリは天の石であり、強力な護符なのだ。
「そうか、ラピスラズリだ!」
「それはそこに、まだ空っぽの独房の天井を支えるように、丁寧に押し込まれていた。
デルトラのベルトの四つ目の宝石だ。
リーフはそれに手を伸ばしたが、急に手を引っ込めた。
もし石を引き抜いたら、その上に載っているものはきっと倒れて落ちるだろう。
そして群れが襲い掛かってくるだろう。
獲物を地上へ運ぶ前にリーフは死んでしまうだろう。
ラピスラズリも、ベルトも失われてしまうだろう。
唯一の望みは、宝石を何か別のもので置き換える事だった。
同じくらいの大きさの何か。
何もないのは分かっていたが、必死にポケットの中を探った。
(あれを代わりに捧げればいいのか!)
すると、服の一番上のポケットの中に何かが指で触れた。
小さく、硬く、奇妙な形をした何か。
リーフはそれを引き抜いた。
それはジャスミンの小さな木の鳥だった。
そして、ちょうどいい大きさだった。
群れは次第に疑念を募らせ、唸り声を上げた。
煙が消え始めると、群れは目を覚まし、活動を始めた。
息を止め、リーフは再びラピスラズリに手を伸ばした。
今度は、もう片方の手で小さな木の鳥を掴んだ。
リーフはラピスラズリをそっとその場から引き抜いた。
それは指の中で温まり、軽やかに、予想以上に軽やかに、
まるで自由になりたいかのように動いた。
オパールが呼んでいる、とリーフは思った。
腰に応える温かさを感じながら。
ラピスラズリが手の中に滑り込むのを感じ、素早く小さな木の鳥を元の場所に戻した。
しかし、十分ではなかった。
塔の頂上が震えた。
円錐形の壁から響く単調な音は、より大きく、より警戒心を強めた。
赤い雲が内側に揺れ動いた。
その外縁がリーフの胸のむき出しの肌に僅かに触れ、焼けつくように熱くなった。
リーフは苦痛の叫び声を抑えた。
(何とか取らないと……)
汗が目に流れ込み、痛みをかき消そうとしながら、リーフは片手を上げてロープを引っ張った。
一度、二度……リーフの傍らで、塔が揺れていた。
短剣が倒れ、空中で回転した。
リーフは片手でそれを掴み、どうにか先端を掴むと、
塔の横に立ち上がり、消えかけた松明を片腕に抱えた。
苦痛を伴うほどゆっくりと、リーフは地上へと引き上げられた。
リーフの下では、群れが塔に迫り、再び周囲を旋回するにつれて、
単調な音が轟き、高まっていた。
群れはまだ盗まれた事に気づいていなかった。
煙がまだ漂っているので、まだ眠くて気が散っていた。
煙は今や、かすかだった。
しかし、リーフが上の新鮮な空気へと這い上がると、煙はまだ魔法をかけていた。
そしてリーフが立ち上がり、喜びに溢れてヴァージニア、バルダ、ジャスミンの方を向き、
天の石を見せようと手を広げると、
空を覆っていた雲は裂けた布切れのように散り散りになった。
星と月は祝福のように再び暗い大地に輝きラピスラズリは小さな鏡のように三人に輝き返した。
それはベルトの中に滑り込み、月明かりの下で生き生きと輝いていた。
リーフはジャスミンの方を向いた。
「君の小鳥を置いてこなければならなかった。その代わりにこれを持ってきたんだ」
リーフは優しく言い、短剣をジャスミンに渡した。
ジャスミンは何も言わずに短剣を受け取り、服中に滑り込ませ、しっかりと握りしめた。
リーフはよろめき、バルダはリーフの腕を掴んだ。
「ラピスラズリはお守りなんだ、バルダ」
「お守り? もしかしたら、ワソが見つかるかもしれませんね」
「これで僕達は安全だ。早くここを離れよう」
四人が滑らかな赤い山頂をゆっくりと下りていく間、リーフはそれ以上何も言わなかった。
底に着くと、ジャスミンに胸の擦りむき傷に癒しの軟膏を塗ってもらった。
痛みが少し和らぎ、砂漠の端まで戻る長い旅が耐えられるようになった。
今や星々が四人を導いてくれる。
ラピスラズリが夜の危険から身を守ってくれる。
しかし、砂漠の端にある岩場に辿り着き、しっかりとした地面に登りきって初めて、
リーフは自分が見たものを話す事ができた。
「君とベルトが無事で本当によかったよ」
「これで宝石は四つ。きっと、次はこれに比べれば簡単な事よ」
リーフは黙っていた。
しばらくして、三人はリーフが眠っている事に気づいた。
「これに比べれば簡単な事、ですの?」
バルダはリーフの疲れ果てた眠そうな顔を見下ろしていた。
彼はリーフがどれだけ成長したかを考えていた。
三人が経験してきた事、これから起こるかもしれない事を。
「いずれ分かるだろう、ヴァージニア。そして、君の友達は絶対に見つかる」
宝石は四つ取り戻しました。
次回はヴァージニアにとってのターニングポイントになる話です。