戦姫絶唱シンフォギアRVX   作:秋乃楓

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02白キ衣ヲ纏イシモノ

ある施設の一角。そこでは人々が慌てふためいていた。特異災害救助チーム、REFRAINが扱っている場所だ。S.O.N.Gの傘下として新設された個別部隊であり

錬金術師残党の掃討を任されている。

 

 

「アウフバッフェン波形計測、パターン計測開始しますッ!!」

 

 

1人の職員が慌ただしくパネルを操作する。司令官と思われる金髪の女性はモニターを見ていた。

 

 

「レーヴァテインは?周囲の状況と事態を教えてッ!」

 

 

 

すると今度は別の女性が声を上げた。

 

 

 

「レーヴァテイン、テロリストと思わしき相手と交戦に入りましたッ!現地に救助隊を向かわせてますッ!」

 

 

 

 

「…計測パターンは?」

 

 

 

金髪の女性は振り向く。

先程の男性はモニターへ結果を出力した。

 

 

 

「パターン出ましたッ!!ですが…これは…!」

 

 

 

 

「UNKNOWN!?」

 

 

計測結果が大型の画面に表示されるが

波形パターンとUNKNOWNという文字だけがそこに記載されていた。

 

 

「どういう事?計測に間違いは無いんでしょう!?」

 

 

 

 

「間違い有りませんよ!!計測パターンをやり直しても結果は同じですッ!!」

 

 

 

金髪の女性はそう言われると考え込んでしまった。

 

 

「…襲撃されたのは聖遺物研究機関から移送されていた資材を積んだ輸送車。でも荷物は全て極秘事項だった筈。私達にも中身は何も知らされてない…まさかあの中にシンフォギアが…?いや、それは流石に考え過ぎか…。」

 

 

この女性の名前はフィオナ。

現S.O.N.G司令風鳴弦十郎から新しくこの組織の司令を命じられた女性研究者であった。

容姿は嘗て装者と対峙したある巫女と酷似していたのだった。

それが何を意味するのか未だ誰も知らない。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

「う、嘘ッ!?な、な、何でシンフォギアが!?それも2人目なんて…聞いてないッッ!!」

 

 

 

ラキアは動揺しながら舞の方を見ていた。颯から距離を取ると歯を食い縛りながら片手で頭を抱えていた。

純白の美しいギアとそれに似合う白銀の槍。あの時何が起きたのか解らない。ほんの一瞬、目を離した時に彼女があの姿になっていたのだ。

 

 

「え…何これ…私、どうなっちゃったの?」

 

 

 

舞は何度も自分の容姿を確認していた。

颯が託して来たペンダントを握り、浮かんだフレーズを口ずさんだだけなのに。

たったそれだけで何かが起きた。

 

 

「…あの車に有った資材の中からシンフォギアが出て来るなんて…私も予想外だったけど。」

 

 

颯は距離を取ると舞の元へ来る。

先程、ラキアが襲った車の中の資材から出て来たのがギアペンダントだった。

それを颯が此処へ駆け付ける前に拾い、彼女へと託したのだ。

 

 

「あの!シンフォギア…って何ですか?」

 

 

 

「話は後ッ!今はアイツを何とかしないと!!」

 

 

舞の質問を颯が遮ると2人は向き直る。颯が剣を構えると紅い剣は炎を纏った。

ラキアも頭を上げると2人を睨み付けていた。

 

 

「くッッ…根絶やしにしなくては…我々の邪魔をする輩を…その芽を刈り取らねば何れ脅威となり兼ね無い…だからッ!!」

 

 

 

 

「それは私達も同じ事!これ以上、誰かを悲しませたりなんてさせないッ!!」

 

 

 

颯は真っ直ぐラキアを睨み付ける。

少しの間睨み合いが続き、近くのコンクリート片が落下したのを皮切りに2人は真正面から激突する。

ラキアの爪と颯の剣が真っ向からぶつかると何度も何度もお互いに切り結ぶ。

舞はそれを見ている事しか出来なかった。

 

 

「は…早過ぎて無理だよ…目で追えない!」

 

 

辛うじて見えるのはお互いが鍔迫り合いへもつれ込んだ時位だ。空中でラキアが颯を見下ろし、颯は瓦礫の上に立つとラキアを見上げていた。

 

 

「あぁ執拗い!! そろそろ諦めたらどうですかッ!?」

 

 

 

 

「諦める訳…無いでしょうがぁあッ!!」

 

 

 

颯が飛び上がって剣を振り翳す。その際に発生した風圧が炎を纏ってラキアへ目掛けて直撃した。

彼女は叫びながら炎に巻かれ、地面へ落下。颯は瓦礫の上へ再び立つと見下ろしていた。

 

 

「……奏宮です、対象者2名を保護。それと救援部隊を寄越して下さい。」

 

 

 

颯は右耳のヘッドフォンを用いて連絡を取り、瓦礫の上から飛び降りた。

舞の元へ近寄ると彼女の横をすれ違い、倒れていたスーツ姿の男の様子を見ていた。

 

 

「…未だ息は有る。止血するから貴女も手伝って。」

 

 

 

 

「え?あ、はいッ!」

 

 

 

颯と舞はギアを解くと簡易的だが長谷川へ応急処置を施す。

その後、到着した救援部隊により長谷川は担架へ載せられ運ばれて行った。

2人が建物から出ると舞の名前を呼びながら1人の女性が駆け寄って来る。

そして舞を抱き締めていた。

 

 

「良かった…大丈夫?怪我は無い?」

 

 

 

 

「大丈夫です。ただ……。」

 

 

 

 

「ただ…何?」

 

 

 

舞は頬を赤らめると目を逸らしながら一言呟いた。

 

 

「パ…パンツ…欲しいです…!」

 

 

 

 

「パンツ!?何でまた…本当に大丈夫なの?無理してるの?」

 

 

 

 

「そ、そうじゃなくて…!お、お…しっこ…漏らしちゃって……。」

 

 

 

顔を真っ赤にして俯きながら舞が怜香と話していた際、振り向くと既に颯の姿は無かった。その後、怜香がコンビニで買って来た女性物の下着を受け取ると最寄りの公園の女子トイレ内でそれに穿き替える。

 

 

「これで大丈夫…何でこの歳でお漏らしなんかするんだろ。恥ずかしい…。」

 

 

個室から出て、ビニール袋へ濡れた下着を入れて外へ出る。怜香が乗って来た車へ乗り込むとそのまま家へ送って貰い、漸く舞の長い一日が終わりを告げた。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

翌朝。

リビングで舞は朝食を取っていた。

トーストに目玉焼きにサラダ、それから普段飲んでいる市販のコーヒー。ミルクと砂糖入りな為か飲みやすい。

テレビを点けるとキャスターがニュースを読み上げている。バラエティの話題から事件の話まで。だが何度かチャンネルを変えても昨日の事は報道されていなかった。

 

 

「…どう見ても昨日のあれは事故なのに報道しないんだ。もしかして何かヤバかったのかな?流せないとか?」

 

 

手を止めて考えるが何も思い付かない。

そう言えばと思って昨日受け取ったペンダントを制服のポケットから取り出す。

赤く細長い宝石の様な物がチェーンに取り付けられている。

まじまじと見ても何も変わらないし起こらない。

 

 

「お姉ちゃん、何そのペンダント?…まさかカレシ出来た?」

 

 

茶化す様にやって来たのは赤色の髪を右に結んでサイドテールにした女の子。名前は奏良(そら)という歳の離れた妹。歳のせいか、やや小生意気な所が有る。

 

 

「そんなんじゃないって!もう…早く食べないと遅刻するよ!」

 

 

 

 

「あー、誤魔化した!隅に置けないねぇ…お姉ちゃんもさぁ?」

 

 

因みに奏良はご飯派。朝からご飯と味噌汁、それから納豆という日本人の組み合わせをしている。元気良く挨拶すると食べ始めた。

 

 

「そう言えば部活はどんな感じ?」

 

 

 

 

「んー?今度レギュラーに選ばれたの、しかもスタメンだよスタメン!この前の練習試合でジャンプシュート決めたのが思ったより評価有ったみたいでさ。私もビックリ!」

 

 

奏良が入っているのはラクロス部。

簡単に言えば網のついた専用スティックでボールを相手のゴールへシュートする競技。女子の試合は12対12という構成で行われ、競技最中にぶつかったりする事も有る為に華やかさな見た目と比べると激しい部分もある。

 

 

「凄いね奏良は。私なんてずーっとアイドルだもん、疲れちゃうよ。」

 

 

 

「なーに言ってんの?お姉ちゃんだって凄いじゃん。テレビ点ければお姉ちゃん映ってるし。良いなぁ、私もテレビ出たいなぁ…。」

 

 

2人が笑顔で話していると台所に居た母親から遅刻すると声を掛けられる。舞は部屋の時計を見ると朝食の残りを全て食べ、食器を片付けると足早に玄関へ向かうと靴を履いて外へ出て行った。

 

 

「この時間なら未だ間に合うから大丈夫、大丈夫…!」

 

 

舞は自分へ言い聞かせると通学路を歩いて行く。彼女は今年の春からリディアン音楽院に通っていた。

入学式を終えたのがついこの前の様に思える。通学路も何度か通る内に慣れた事から後は遅刻しない様に気を付けて登校すれば良いだけだ。とは言え頭の中に浮かぶのは昨日の事ばかりで自分が使ったのは果たして何なのか、未だ解らない。

そうこう頭の中をグルグル回転させていると学校へと着いた。

校門を潜り、学校の建物の方へ。

自分と同じ制服を着た少女達が何人も歩いて玄関の方へと入って行く。

舞も自分の下駄箱に履いてきた靴を入れ、上履きに履き替えると廊下を歩いて行った。

 

 

「…1年C組、1年C組…あった!」

 

 

教室外の札を見ると自分のクラスを見つけ、中へと入った。

奥にある窓側の席の前から数えて3番目。そこが舞の席。歩いてそこまで向かうと鞄を置いて椅子の背を引き、腰掛ける。外を見ると青空が拡がっていた。

 

 

 

「良い天気…こんな日は普通に眠たくなっちゃう……。」

 

 

少し背伸びをしてから教科書を引き出しへ入れ、鞄を机の右側へ紐を上にする様に吊るした。舞がこの学校へ転入したのはつい2ヶ月前。通っていた元の高校から父親の転勤により引っ越す事に。それでこのリディアンへと転校したのだ。

それに伴って彼女の所属事務所も変わり、担当マネージャーも変わった。

前は男性だったが今は織田という女性が彼女のマネージャーだ。

 

 

 

「最初は確か…国語だっけ。」

 

 

時間割を確認し、教科書とノートを取り出して国語担当の教師を待っていた時だった。

 

 

「天城さん、天城舞さんは居るかしら?」

 

 

 

入って来たのは音楽の教師で舞も覚えがあった。返事をし立ち上がると彼女の元へ駆け寄る。

 

 

「えっと…何か有りました?」

 

 

 

 

「貴女に会いたいって人が来てるんだけど…良いかしら?授業は出席扱いにしておくから。」

 

 

 

 

「…?解りました。」

 

 

教師の後に続き、舞は教室を出て廊下を歩いて行く。案内されたのは来客用の部屋。中へ入るとそこに居たのはスーツを着た金色の長髪の女性。此方を見ると立ち上がった。

 

 

「…初めまして天城舞さん。私は特異災害救援部隊REFRAIN司令のフィオナと言います、宜しくね。」

 

 

 

フィオナは舞へ片手を差し出す。

舞も自分の名を改めて名乗ると手を握った。それから座ると話し合いが始まる。

 

 

「昨夜の事…貴女、何か覚えてる?」

 

 

 

「え?はい。事務所から帰る時にいきなり爆発音がして…通りに出たら車が燃えてて…女の子が車の上に居ました。」

 

 

 

「…それからそれから?」

 

 

 

「で、長谷川さんという方と逃げて…そうしたらその子も追って来て、殺されそうになったら紅い鎧?を着た女の人が助けてくれました。確か颯って…言ってた気がします。その人からコレ貰って、何となーく呟いたら…私も姿が変わっちゃって……。」

 

 

舞が話しているとフィオナはそれを止めた。今度はそのペンダントを見せて欲しいと頼んで来る。舞は頷くとポケットからペンダントを取り出して机の上へ置いた。

 

 

「成程ね…大体の事情は解ったわ。貴女が彼女…颯から受け取ったのはシンフォギアシステムという対ノイズ兵器。本来なら素人は適合なんてする筈なんて無いのに貴女は適合出来た…仮に適合出来ても何が起こるか解らないのに。しかも貴女はLiNKER、接続補助薬も無しで纏った。それで、あれから身体に異常とか無かった?」

 

 

 

 

「…いえ、特には。身体が痛いとか具合悪いとかは有りません。」

 

 

 

 

「ふぅん…成程。」

 

 

 

するとフィオナは付いてきたスタッフの1人を呼び、小声で何かを話した。

すると彼女は再び舞の方へ向く。

 

 

「という事で、メディカルチェックしましょう。はい立って!」

 

 

 

 

「え?あ、はい…こうですか?」

 

 

 

舞はその場に立ち上がる。

いつの間にか室内に居たのはフィオナ、舞、それから白衣を着たスタッフの合わせて3人。フィオナも立ち上がると舞の方へ来て、彼女の背中をグイグイ押しながら部屋を出る。向かったのは外で大きめの黒いワゴン車が停まっていた。

その中に入ると中は医務室の様な設備が整えられている。

 

 

「舞ちゃん、ちょっと失礼!」

 

 

 

 

「へ?あ…ちょっとッ!?」

 

 

フィオナは彼女の制服の上着の脱がすと今度は器用にネクタイからワイシャツも全て外し、脱がしてしまった。

スカートも片手でパチンと外され、一気に下着だけになる。顔を真っ赤にして舞はフィオナを見ていた。

 

 

「こ、こ、此処までするんですか!?」

 

 

 

 

「当たり前でしょー?メディカルチェックなんだから!ほら、そこに寝て!」

 

 

 

ベットへ寝る様に指示されると舞は横になる。近くに居たスタッフが舞の胸や腕等にパッドを貼って行く。薬品が冷たかったのか舞は少しビックリしていた。

機械の画面には舞の心音が図になって走って行く。その隣には数字で色々と映されていた。

 

 

「脈拍は異常無し…血中酸素も平常ね。次いきましょうか。」

 

 

身体に付いていたパッドをスタッフが外し、今度はカプセル付きの注射器を取り出す。それをフィオナが受け取り、近くのテーブルの上に置いた。

 

 

「ち、注射もするんですか!?」

 

 

 

 

「違うわ、採血よ採血。ちょーっと血液を貰うだけだから!アルコールにかぶれとか無い?」

 

 

ニコニコしながらフィオナは舞の右腕を手に取り、テーブルの上へ。彼女は舞の腕を駆血帯で縛り、アルコールが付いた綿を血管のある位置へ塗る。素早く注射針を刺して血を取ると少し処理をしてからそれをスタッフへ渡した。

舞には血を取った箇所に絆創膏を貼ってやり、これで採血は終わり。

 

 

「あれ…?痛くない。」

 

 

 

 

「まぁ、注射のプロですから!舞ちゃん、何か大きな病気とか手術した事とかは有る?」

 

 

 

「いえ…有りませんけど?」

 

 

 

 

「成程、成程。ん…?此処の傷は?」

 

 

 

ふと気にかけたのは彼女の右胸の下にある切り傷。フィオナは舞の右胸を片手で少し上げて見てみる。そこには何かに刺された様な痕が有った。

 

 

「私も知りません…何か気が付いたらコレが有って。確かこの街に越してくる前に有りました…。」

 

 

 

「ちょっと失礼…どう?痛む?」

 

 

フィオナは傷痕を指先で押してみる。

だが舞は首を横へ振った。

そんな話をしているとスタッフがフィオナの元へ。そして何かを話すとご苦労様と一言告げた。

 

 

「血液検査も異常無し。健康よ、貴女。」

 

 

 

ニコニコとフィオナが伝えると舞は小さく頭を下げた。再び制服へ着替えていると名刺を手渡される。舞はそれを受け取るとましまじと見ていた。

 

 

「何か有ったら此処に連絡して。事と次第によっては貴女にも協力してもらうかもしれないから宜しく♪」

 

 

 

 

「は、はぁ……?」

 

 

 

 

「あー、それとアイドル活動は続けて大丈夫だから。頑張ってね!」

 

 

ポンポンと肩を叩くと舞を外へ連れて行く。それじゃまたねと言い残して車はフィオナを載せて走り去ってしまった。

 

 

 

「REFRAIN司令…フィオナさん…か。」

 

 

名刺の名前を読み上げると舞は呟いた。

キョトンとしているとチャイムが鳴る。

どうやら授業が終わったらしい。

舞も名刺をポケットをしまうと校内へと戻って行くのだった。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

昼休み。

舞は弁当箱をカバンから取り出し、教室を後にする。向かったのは食堂。未だ友達が出来た訳では無いが珍しくそこへ足を運んでいた。

舞自体は大人しい性格の為か自分かれ誰かへ話し掛けたりする事は殆ど無い。

 

 

「うわぁ…混んでる……。」

 

 

ひょっこりと中を覗くと昼休みが始まったばかりなのにもう人が大勢居た。

引き返そうとした時、1人の生徒とぶつかってしまい思わず彼女を受け止めた。

向こうが顔をひょっこり上げる。容姿は金髪、そして緑色の瞳。髪の毛にはバツ印の髪留めが付いていた。

 

 

「およよ…ごめんデス、大丈夫デスか?」

 

 

 

 

「ん…平気、ケガは無い?」

 

 

舞は彼女から離れると向こうは頭を下げた。後から来たツインテールの女の子は金髪の子に走ったら危ないと注意していた。すると今度はその子が此方へ向いて話し掛けて来る。

 

 

「切ちゃんがご迷惑おかけしました。」

 

 

ペコリと少女は頭を下げる。

 

 

「大丈夫、気にしなくて良いよ。ケガもしてないし。」

 

 

舞は引き返そうとした時、再び呼び止められた。

 

 

「あの…これ落としましたけど?」

 

 

ツインテールの少女が持っていたのはあのペンダント。どうやらぶつかった時に落としてしまったらしい。受け取ろうとしたが金髪の少女が口を挟んで来た。

 

 

「およ!?およよ!?これってまさか…!」

 

 

ツインテールの少女と目を合わせると互いに頷く。そして舞の方を向いた。

 

 

「「シンフォギア!!」」

 

 

 

「うぇッ!?あ、そ、そ、そう…だけど?知ってるの……?」

 

 

 

思わず舞も聞き返した。

するとお互い頷いて首元から舞と同じ物を見せて来る。話が聞きたいと言われ、2人に手を引かれて舞は食堂の中へ。ご丁寧に奥の机へ誘導されるとそこへ3人は腰掛けた。2人は舞に対しそれぞれ名乗ると舞も自分の名前を名乗った。

 

 

「つまり…切歌ちゃんも調ちゃんもシンフォギアを持ってると?」

 

 

 

「そうデス!つまり私達が先輩なのデス!!」

 

 

むふぅーっとドヤ顔している。

その横で調が苦笑いして微笑んでいた。

 

 

「舞さんはどうやってシンフォギアを?誰かに貰ったとか?」

 

 

 

「うーん、貰った…と言えば貰ったかなぁ?」

 

 

 

「誰にですか?」

 

 

 

 

「颯…って人。」

 

 

そう呟くとガタッと2人は立ち上がる。

じぃーっと舞の方を見ていた。

 

 

「お知り合いなのデスか?颯さんと?」

 

 

 

「何処で会ったんですか!詳しく!!」

 

 

 

「か、顔が近い…!」

 

 

苦笑いしながら舞は2人を宥める。

事の経緯を2人へ説明する。

 

 

「成程…舞さんアイドルなのデスね。それでその時に颯さんに助けて貰ったと。」

 

 

 

「でも最近会わなくなっちゃったから…心配。」

 

 

2人は元の位置へ戻り、椅子へ座ると顔を見合わせて溜め息をついた。

 

 

「…学校、来てないの?颯さん。」

 

 

 

 

「はい、学校にも居ません。何せ最後に会ったのが豪華客船で起きた事件の前だから……ねぇ、切ちゃん。」

 

 

 

「またゲームセンター、一緒に行きたかったデス…はぁ…。」

 

 

どうやら2人にとっても颯という人は大きな存在の様だった。

舞は時計を見ると慌てて食事を始める。それに釣られて2人も思い出した様に食事を始めようとする。調がカバンから取り出したのは2人分の弁当箱。緑と桃色の長方形の可愛らしい物だった。

約20分後に3人の食事が終わると昼休み終了のチャイムが鳴る。

3人は食堂から出ると途中で別れ、それぞれの教室へと戻るのだった。

 

舞は学校生活が始まってから初めて奇妙な遭遇をした。よりによってシンフォギア装者2人に出会ったのだ、しかもいきなり。これがどの様な形に転んで行くのかは未だ舞も知らない。

 

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