指が透けるような感じがする。
自分の手のひらを見つめながら、私は思わず息を呑んだ。
まるで皮膚の奥が、光と粒子で構成されているようだった。
脈を打つたび、見えない何かが脳を圧迫する。
「これが……同化現象……?」
怖い。私はまだ、ただの中学生で、誰かを救った覚悟も、命を賭ける理由もなかった。
なのに、私はザインの力を使った。
使ってしまった。
そして、その代償がこれだ。
⸻
その夜、私は再びあの夢を見た。
赤い霧の中、彼女は立っていた。
いつもは声の輪郭さえ曖昧だったのに、その夜の彼女ははっきりと喋った。
『あなたがそれを使えば使うほど、人間ではいられなくなる』
私は問いかける。
「あなたは誰……? 私に何をさせたいの?」
『私は
乙姫――その名前に、なぜか涙が出そうになる。
会ったことも、話したこともないのに、どこか懐かしい声だった。
『私はあなたの敵ではない。けれど、力を暴走させれば、いずれ私も……消える』
「……じゃあ、使わなきゃいいの?」
『それも選択の一つ。でも、あなたはもう“選んでしまった”』
目覚めた後も、彼女の声は胸に残っていた。
⸻
次の日、私は学校の屋上でひとり空を見上げていた。
あの時、ザインがなければ――あの子はノイズに殺されていた。
私は、力を“望んだ”わけじゃない。
でも、あの場で“使った”。
そして、救えた。
それが答えだとしたら、私にできることは一つしかない。
「次に現れたら、また戦う」
たとえ、この力が私を壊すとしても。
たとえ、誰にも知られず、誰にも認められなくても。
⸻
一方その頃――
特異災害対策機動部二課・本部。
司令部の巨大スクリーンには、監視衛星が捉えた映像が映し出されていた。
ノイズの出現地点に現れた“第三の戦闘者”。
二課のシンフォギアの装者ではない、見慣れぬ装甲。戦闘スタイル、エネルギーパターン、すべてが未解析。
【識別名:unknown】
「これは……シンフォギアじゃない。だが、ノイズを殲滅している……?」
そういったシンフォギアを開発した櫻井了子は腕を組みながらその場にいる人間と議論を交わす結果
「しばらくは様子を見ましょう」
「不用意に敵と決めつけるのは危険よ。でも、味方とも限らない」
そして司令――風鳴弦十郎は重く言葉を紡ぐ。
「戦う意志を持っている。問題は、それが“誰のため”か、だ、それがわからない以上はこの子と戦う必要が出てくる可能性があるだろうな。」
この主人公にヒロインはいる?
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乙姫
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響
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いらない