※お気に入り登録ありがとうございます。励みになります。
「本日も快晴なり!皆々様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか!?」
「コレよりエリアバトルの詳細をお伝えするのであります!」
「予選のルールは簡単!近場のショップでエントリーして1日一回バトルするだけ!」
「この際、3連勝したバトラーは。各地区で7つあるチーム作成権を獲得!」
「そのチーム権は2日間防衛してもらうぞー!」
「そうして7つが作成された地区から順番に『エリアバトル』本戦!を開始することになるのであります!」
「参加者は、実力を信じ戦い続けるもヨシ!」
「『エリアバトル』に備えてチームに合流するもヨシ!だ!」
「ただし、チームへの参加時点で予選のバトルには参加できない。くれぐれも!注意してくれ!であります。」
「チームメンバーは最大7人!最小は5人だが、リーダー以外には連闘制限がかけられる!」
「対策バリバリの相手と戦いたい猛者でなければおすすめはしないぞー!」
「それでは、2週間後。諸君らの名前が参加者として見られるのを楽しみにしているのであります!」
ーーーー
「と、言う事なので今日から。学校は午前授業になります。」
プロジェクターを一旦止め、黒板に『エリアバトル!』と書き込んだ先生の言葉に、映像を見てざわざわとし始めていた教室の空気が、ワッと勢いを増し、あちこちから声が上がり始めた。
「やったー!」「先生さすがー!」
「バカね、校長先生のおかげよ!」「じゃあ今のなしー!」
「…はい。静かにしましょう。先生は悲しいです。」
メガネを指で押し、冷静に場を納める先生。
よくある光景だ…特に給食のプリンじゃんけんとかでよくある。
いつも通りなら、これでみんなも静かになるけど…
「なんでー?」「ごめんな先生ー!」
「バカね、授業が減るのが悲しいだけよ」「じゃあ今のもなしー!」
「…ええ。静かにしてください。静かにならないと補習授業ですよー」
…な、ならない…。
さすがの先生も拉致が開かないとバトルバンドを見せて。
補習という名の最終手段を切るけど…
正直、意味ないんじゃ…
「鬼ー!」「悪魔ー!」「侍ー!」
「人斬り抜刀斎ー!」「フタエノキワミー!」「アッーー!」
「…よろしい。後ろの三人はバトルフィールドに来なさい。」
「なんでさー!」「ダニィ!?」「アア…アリエナイ」
…やっぱり効果なし。…
騒がしいまま。
なし崩し的に終了した帰りの会を、
「まぁいいか」と師匠の精神を見習って軽く流し、
僕が帰ろうと荷物をまとめていたところで、
横の席からトントンと、机をつつかれる。
「やぁキズナクン。」
「アオイくん?どうしたの?」
彼の名前は『
青藤色の長髪をポニーテールで纏めた彼は、今日も少し派手なくらいのオシャレをして学校にやってきていた。
「フフン、君の事だからエントリーは済ませているだろうから、この後一戦どうかと思ってね?」
「あ、ごめん。まだなんだ…」
キラキラとエフェクトをかけながら、前髪をはらった姿勢で固まるアオイくん。
…前から思ってたけど、その空中に現れるエフェクトはなんなんだろう…
そんな疑問は口には出さず、アオイくんの言葉を待っていると。
彼は小さく咳払い。
演技感たっぷりに、さっと手を差し伸べる姿勢になると口を開いた。
「んん。ならこのボクが、エントリーの手伝いをしてあげようじゃないか!」
少し恥ずかしいけれどせっかくのお誘いだ。
その手をとって立ち上がると。
女の子達の方からキャーキャー黄色い声が聞こえる。
…さすがアオイくん。人気だなぁ…
「おっと、そうはいかねーな!」
「ゴ、ゴウジくん!?」
そんな僕の肩をガッと引き込み、バトルガントレットを牽制する様に見せつけたのは、ゴウジくん。
いつのまにか隣のクラスからやって来た彼に、警戒する視線が突き刺さるが。
それをかき消すように、女の子達からまた黄色い声が上がっていた。
…すごい人気。ゴウジくん、強くて優しいもんね。わかるよ…
「キズナは、俺とバトルする約束があるんだ。文句があるなら…」
「カードバトル。だね?受けて立とうじゃないか。このボクに挑んだのを後悔するといい。」
「上等だ!その鼻っ柱へし折ってやる!」
そうして、自然な流れでカードバトルにもつれ込んだ二人は、僕を置いて教室を出て行ってしまった。
「じゃあ帰りましょう。キズナくん」
スッと、ランドセルを差し出してくれるサクラちゃん。
…待たせるのも悪いし、二人ともエントリーするなら、ショップにくるよね…
「二人とも先行ってるよ!」
ーーーー
グラウンドの一画。生徒三人が吹き飛ばされているエリアとは別の場所でフィールドに立った俺はカードを装填し、宣言する。
「んじゃ、いっちょ行くぜ?
手元に換装されたのは使い慣れた大剣。
心地よい重さが両手に伝わり、戦闘のためのスイッチが入る。
相手は知らない男。
キズナ以上になよっとした。
面だけで生きてそうな、いけすかない奴だが。
何をして来るかはわからない以上、慎重に行くべきだ。
「来なよ、ボクは逃げも隠れもしない。
そんな俺に挑発で返して来る男。
換装の宣言が聞こえたにもかかわらず発生したのは、奴を中心としたスポットライト。
変なポーズを決めたアイツは、ここがお遊戯会場か何かと勘違いしているらしい。
「棒立ちで勝てると思うなよ!」
そのムカつく面に一撃くれてやろうと振りかぶった一撃は、真っ直ぐに振り下ろされ…
スポットライト状に展開されていたらしい障壁に接触する。
「…いいや、コレでいいのさ。起動せよ《ネバーエンドアンコール》」
響き渡る男の宣言。
瞬間。俺のデッキから、複数のカードが吐き出され。そのまま換装待機に入っていく。
一気にエナジースフィアが黄色まで追い込まれた俺はバトルバンドを覗き込み、気づく。
「!?なんだ、勝手に《グレートソード》が!?」
そこには、デッキに入っているはずの『グレートソード』。
ソレが全てバトルバンドにセットされていた。
「よかったじゃないか。そして
「ッ!?うぉああ!?」
驚愕する俺を他所に、ニヤリと笑うアオイ。
突然。足元に発生した間欠泉に対応しきれなかった俺は、高く吹き飛ばされ校舎の壁が視界いっぱいに広がった。
「チィ!はァアア!」
…考える暇はない。このまま行けば物理的に不戦敗だ!
力の限り大剣を振るい、遠心力もこめて勢い全てをそこに乗せる。
着弾。と共に轟音。
コンクリの破片が飛び散り、消えかかった大剣が深々と校舎の壁に突き刺さった。
「おお、見事だね。」
「殺す気かぁ!?」
呑気な事を言う対戦相手に、半ば殺意を覚えながら叫び返す。
…舐めたことしやがって!絶対負けてやらねぇからな!!
そうして、壁を蹴って勢いをつけた俺は大剣を振りかぶりアオイに突っ込むのだった。
「やぁ、ようこそカードショップ『炎剣』へ」
「今日はこのボクが、『ネバーエンドアンコール』を紹介しよう。」
「このカードは罠エフェクトに分類されるカードだ」
「効果は単純。このカードが発動した次のタイミングで換装されたカード一枚を対象に」
「その同名カードをデッキから可能な限り換装状態にする事ができるのさ」
「ライフポイント以上同名カードを採用しているバトラーはさすがに居ないけど」
「得意とする戦術は人間ならあるものさ。」
「ソレを見極め、上手く使うといい。」
「それじゃあ次回も、バトルスタート!」