『現実換装!カードバトラーズ!』   作:学び手

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お待たせ致しました。第10話になります。
対戦よろしくお願いします。




10話「求められしカード達!」前編

 

「エリアバトル運営より、サプライズ放送であります!」

「4日間が経過し、早くもチーム作成権を獲得したバトラーが現れたぞ〜!」

「詳細は省くが場所は戦場町!全勝した猛者とはいったい誰なんだー!」

「ちなみに!」

「なんども同じバトラーに挑戦するなど、非常識なバトラーは参加取り消しできるのでやめておくのが賢明だぞ〜。」

「そして、要望が多かった『加工』カードについてだが…」

「なんと!」

「救済措置として、未勝利バトラーから順番にサンプルカードが配られる事になったぞー!やったー!」

「ランダム封入となっているので何が当たるかはお楽しみ!」

「武器の1ターン持続を楽しんでくれ!」

「それでは、MCテルミでありました!」

 

ーーーー

 

「と言うわけで…手に入れました。」

「ほえー…サクラちゃん。まだ僕としかバトルしてなかったし、ラッキーだったね。」

 

二人して、一枚のカードを眺める。

虚栄加工(ホロウコーティング)》聞いた事が無い『加工』カードで、一本の剣にホログラムが重なって一回り大きくなるようなイラストが描かれている。

 

…換装状態のカードの強度値を倍にするカードみたいだけど…

 

「でも、そもそもサクラちゃんのデッキって…」

「はい。《ハナビラ》や《タネ》を使用したコンボデッキです。」

「…入る?」

「…入らないです…」

「だよね…」

 

これが、《現実加工》ならよかった。

強度値加算をするあのカードなら、基本強度値1から一気に6まで上昇してくれる事で単純に強くなるし、場合によっては、意表を突く事ができるだろう。

しかし、この《虚栄加工》では基本強度値1から2になる程度。もし、加算後のカードを対象にできるなら凄い強いと思うけど…エフェクトカードである以上。基本的にはスタンバイフェーズの発動となり、それも難しい。

 

「「うーん…」」

 

「バカね、使わないならトレードすれば良いじゃない。」

「あ、ミサキちゃん。」

 

そうして、二人で悩んでいると、机の向かい側に仁王立ちで現れた『中宮美沙希(なかみやみさき)』ちゃん。

クラスでは、リーダー的なポジションにつく事が多い女の子だ。

言葉が強くて少し苦手だったけど。

同じクラスになってからは、それだけじゃないと気づいて仲良くさせてもらってる。

 

「と言っても。アタシ様は持って無いけどね。強いから!」

「さすがミサキ様ー!」「そこに痺れる〜!」「憧れる〜!」

 

胸を張って自慢するミサキちゃん。

そこへすかさず反応して、窓側の席から身を乗り出し。

レスポンスを返すキタヤマくん、ヒガシダくん、ニシノくん。

まるで、テレビのスポーツ観戦をしている様な盛り上がりの三人は、一仕事終えると、スッと立ち上がりぽつりと呟く。

 

「でも俺には負けたんだよなぁ…」「「確かに」」

「アンタ達。後で覚えてなさい?」

「「「イエスマム!」」」

 

無駄に訓練された無駄のない敬礼を決めた三人は

「サッカーしようぜ、お前ボールな!」「よっしゃあ!俺バット!」

と意味不明な会話をしながら、我先にと教室を駆け出して行った。

 

…なかよしでいいなぁ…

 

そんな彼らをやや呆れた顔で見送ったミサキちゃんは、やれやれと肩をすくめて…首を傾げる。

 

「で、なんだっけ?」

 

思わずその場で転けそうになる僕と、サクラちゃん。

 

彼らとの軽いコントのようなやり取りは、日常的によく見る光景で。そのおかげかこのクラスは、男女問わず仲良くできているのだと思う。

ただ少し困ったことがあるとすれば、ミサキちゃんは少し天然なところがあり。コントが間に挟まると前後関係が飛んでしまうことがあるのだ。

まぁ、そんな彼女の素がかわいいと、一部の子からは人気でもあるんだけど…

 

「カードのトレードの話です。」

「あー。…こほん。」

 

本当に忘れていたのだろう。

若干天然なところがある彼女はわざとらしく咳払いをすると。

ザッと肩幅に足を開き、いつもの自慢げな表情に戻り腕を組む。

 

「そんな哀れなアンタ達には親切なアタシ様が教えてやるわ!」

 

…仕切り直した…律儀だなぁ…

 

関心する僕と、若干頬が上がり引き攣った様な表情のサクラちゃん…?

いや、どう言う感情??

 

とりあえず、サクラちゃんはスルーして。僕が相槌を打つと。

ふんすと満足そうにしたミサキちゃんが、親指をグッと隣のクラスに向け言葉を続ける。

 

「隣のクラスにいるミナミが『加工(コーティング)』カードを持っているらしいわ!せいぜい傷の舐め合いでもして来なさい!」

 

「それじゃ!」と一声かけてから、教室を出ていくミサキちゃん。おそらく三人を追いかけて行ったのだろう。

その背中は活き活きして見えて。面倒見が良いんだなぁとしみじみ思う

 

「行ってみる?」

「そうですね。」

 

顔を見合わせた僕らは、帰り支度だけ済ませて隣の教室へと向かうのだった。

 

ーーーー

 

私たちの教室とは違い、掲示物のたくさんある教室の一画。

窓辺の席で静かに文庫本を読まれている銀髪の女の子。

彼女こそ、『白影南(しらかげみなみ)』さん。ミサキさんのご友人であり、『加工』カードの持ち主と噂の人物です。

 

「わ、ワタシなんかに会いに!?すみません!アイタッ!?

 

ただ会いにきただけなのに、机に頭をぶつけながら謝ってしまうほど、小心者な彼女。

ですが、こう見えて成績が高く、去年は一緒のクラスで点数勝負もしたご学友の一人です。

確かにあまり目立つ方では無いものの、綺麗な銀髪は手入れが行き届いていて。その自信のなさには若干、やきもきしてしまいます。

 

「おいおい。あんまミナミをいじめてやるなよ?」

「ゴウジくん!?誤解だよ!」

 

そんな彼女を心配して現れたのは、転校生のゴウジさん。

まだ数日しか経っていないのに、キズナくんを含めてたくさんのお友達がいるすごい男の子ですね。

 

そんな彼らは一見すると意外な組み合わせですが、たびたび一緒に歩いてるところを見かけるので、それなりの仲であるのでしょう。

さすがミナミさん。こう見えて強かです。

 

「うぅ…トレードですよね。でも、ごめんなさい!」

 

謝罪の言葉。まぁ、そう上手くは行かないかと、一人納得しかけた時。

ふと、思い至り、彼女の方をじっと見る。

そうして見ると、彼女の隣に浮かび上がるエナジースフィア。

 

…コレは。勝って認めさせてみろと言う事ですね!…

 

その言外の言葉に笑みを深めて振り返る。

彼女はたまに、こう言う遊び心を見せてくるのだ。

本人は、その気はないとか、口では言い謙遜するものの。

バトルを楽しみ、最後には思いもよらない方法で事件を解決してしまう。

キズナ君がいなければ、私も彼女に惚れ込んでいたでしょう。

 

「わかりました。では」

「あ、はい。それじゃ…」

 

数歩歩き距離を取る。

彼女はそのまま、と言う事は。

今回は遠距離型のデッキでは無いのでしょう。

 

そんな事を考えつつ。視界の端でキズナくん達が、机を退かしてくれているのを確認。

バトルバンドを構えた私は、彼女に向き直り宣言する。

 

「バトルスタート!」

「ふぇ!?バッ、バトルスタート!」

 

虹の光彩は、待っていましたと言わんばかりに眩く教室を照らし包み込んだ。

 

 




「カードショップ『炎剣』へようこそ」
「今日はそうね…」
「カードゲームのデッキタイプについて簡単に説明するわ」
「まずは『アグロ型』速攻戦術ね。」
「最初から高火力でダメージレースを有利に持ち込むデッキタイプよ。」
「次に『ミッドレンジ型』中盤以降に強くなるデッキタイプね。」
「基本的にはこのデッキタイプになるんじゃないかしら」
「他にも『コントロール型』」
「相手の動きを阻害して有利に戦うデッキタイプや」
「『パーミッション型』」
「相手の発動を無効にして、切り札を潰すデッキタイプなんかもあるらしいわ、見たことないのだけどね…」
「あとは。私みたいな『コンボ型』」
「特定の組み合わせにこだわって、勝ちを目指すデッキタイプも最近増えてきたわね。」
「いろいろ考えてデッキを組むといいわ。」
「それじゃ、次回もバトルスタート!」
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