『現実換装!カードバトラーズ!』   作:学び手

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大変お待たせしました。
第5話後編になります。対戦よろしくお願いします。

※バトル描写を読みやすくする為。
コスト及びライフを省く事にしました。5/1更新
1話から順次エナジースフィアでの描写に切り替えてまいります。


5話「リベンジマッチ!vsゴウジ!」後編

 

チカチカと盲目する視界の中。

吹き飛ばされる形で、後方へ距離を取った僕は。

《ケムリ》の中でカードを手に、固まっていた。

 

…目が見えない…

 

確かに、聞いたことはあった。

閃光弾や、音響弾といった特殊な武器が存在すると。

それが光と、音であるなら。実体のあるホログラムでも再現可能なのもよくわかる。

でも、それをボムで再現するなんて…

 

換装(コンバート)!さらにチャージイン!《現実加工》だ!」

 

瞑った視界の向こう側で、ゴウジくんが何かを言っているのが聞こえる。

換装される音がやけに大きく聞こえ、今が戦闘中であることを思い出した。

 

「く、チャージエンド!換装(コンバート)!」

 

…視界の回復を待つ暇はない。

全てのカード慌てて装填した僕は、間も無く換装し。

見えないまま、ずっしりとした腕の重みから武器である事を確かめる。

 

「へッ《キャノン》か。だが、そんな状態で当てられるかよ」

 

真っ白な視界の先、ゴウジくんの言葉を聞き、腕の重みが何なのか理解する。

そして…やる事は何も変わらない事も。

 

「当てるよ。デッキが信じてくれるからね」

 

ーーーー

 

「当てるよ。デッキが信じてくれるからね」

 

その言葉を聞いて、胸が熱くなった。

本当にキズナは強かった!

学校では先生が、ショップでは店長が認める小学生バトラー。

所詮は井の中の蛙だと、大会に出てくるバトラーとは比べるまでも無いと。そう落胆していたのに!

 

フタを開ければどうだ!

こんな状態でも尽きない闘志。

目が眩んでる状態なら、裏で装填して盾にするのが普通だろうに!

それを無視して、自分とデッキの選択を貫きやがった。

 

「くぅ〜!あぁ!そうかよ!」

 

コイツは堪えきれないと、全速力で前に駆ける。

有言実行と、飛んできた光球は正面から叩き切り。

構えに入ったキズナの元へ、そのまま突き進む。

…その距離約5メートル。

間合いに入るには、少し。遠い…

 

「いくよ。『多重換装(デュアルコンバート)』!」

 

そんな距離でソードが抜かれる。

先程の焼き回しの様に、美しさすら感じる居合が空を裂き…。

ーーその斬撃が飛んでくる。

 

「はぁ!?」

 

剣は…振れない。『現実加工』を施した事でさらに重くなったコイツじゃ、あの斬撃には間に合わない。

 

……だから!

 

「どっせぇえい!」

 

踏み込んだ勢いのまま、高く跳ぶ。

アイツの居合は正確だ。なら、高さは腹の位置。

このまま跳んで、人一人分も稼いでやれば。

次の一撃にも繋がる。一石二鳥だ!

 

そうして剣を振り上げ、空中に躍り出た俺を。

スッと細く見開いた瞳で見たキズナはつぶやいた。

 

「跳んだね?」

 

瞬間。鋭い突きが、俺の胸を貫いた。

 

ーーーー

 

「はぁ…末恐ろしいわ…」

 

ショップの一角。

いつのまにかギャラリーの増えたバトルスペースに目を向けて。

苦虫を噛み潰したような顔で、私はため息を吐く。

 

最後の一撃。

いつか見た誰かさんの動き。

それを再現してみせる手腕。才能。

どこをとっても、ただの小学生とは思えず。

しかしそれを為した、ただの小学生に頭が痛くなる。

 

「やった!勝てたー!」

「勝てたーじゃねぇ!授業でもそんぐらいやりやがれ!」

 

衝撃から復活して早々、肩を組みにいった子。

遠藤ゴウジ君。あの子だって悪くなかった。

『グレートソード』と言う、若干コストが高いカードを使う以上。一枚装填はあり得る戦術だし。

弾を切り捨てるなんて、普通の小学生にはできやしない。

相手の腕を掴んで、顔面にボムを叩き込むなんて荒技

…そもそもやって欲しくないグレーゾーンだけど…

思いつくだけでも一線を画すバトルセンスだ。

 

「ご、ごめん!あの時はデッキ変えたばっかで…」

「だからかよ…!ふっざけ…ああ、もう!なら次も、手加減無しで来いよ!」

「う、うん」

 

それでも、あの子。キズナの方が数段上だった。

あらかじめ決めていた様な戦いの流れ。

決して途切れる事のない連撃に、その為のカードを呼び込む運命力。

きっとあの子は、時代を作るカードバトラーになるのだろう。

 

「あ、カリンさん!ありがとうございました!」

 

静かに歩み寄った私に、嬉しそうにしたキズナが歩み寄ってくる。

 

「別に構わないわよ。そっちの…コウシくん?も、強いのね」

「ゴウジです!!」

「あら、ごめんなさい。」

 

本当は知っているのだけど、わざと間違えた私に元気よくツッコミを入れてくれる。さすが、元気いっぱいな子ね。いじり甲斐があるわ。

 

…さて。

 

「次は私が、ここ。使うわ。」

「なっ!?カリンさんが!?」

「えぇ!?相手は?相手は誰なんですか!?」

 

沸き上がるギャラリーを他所に、外から覗く不躾な視線に向けてカードを投げる。

外から飛んで来た煙玉が弾かれ。咳き込みながら現れた不健康そうな男に、その姿に気づいた常連が口を開く。

 

「あ、アイツは!」

「知っているのか!ゲンジ!」

「あぁ!ってか、お前も知ってるだろ!」

 

妙な盛り上がり。

…まぁ、わからなくもない。

懐かしい顔を見たと、交戦的な笑みを向けた私は、相手の前口上を待ってやる事にした。

 

「ゴホッゴホッ!おいリアルファイトは俺様の専売特許だろうがよ!」

「悪いわね、とっくに時効よ。」

 

痩せぎすな身体に海賊帽子。

かつてこの町で行われた大規模大会。『エリアバトル』その中でも強豪であったチーム『深淵』。

その鉄砲玉であった海の男。『キャプテンファロー』が現れたのだ。

 





「ようこそカードショップ『炎剣』へ」
「今日は俺様がこの船の主人だぜェ?」
「テメェらには、特別にこの町『戦場町』を紹介してやる。心して聞きなァ」
「この『戦場町』は海に面した港町だ」
「かつては、『大海』『神久』『深淵』『烈火』の4つのチームがシノギを削るバトルシティだった」
「今はどうかだとォ?ハッ、残ってる方が稀だろォな!」
「大半は『コアシティ』の方に流れちまッたよ!」
「ッ…テメェらには関係ない話だな、悪りぃ…」
「なんにせよ歓迎するぜェ。テメェらのバトルをなァ!」
「そして待っていやがれ!」
「本当のカードバトルができる日をなァ!」
「いくぜェ?次回もバトルスタート!」
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